紅魔館のメイドになりました   作:魔王ヘカーテ

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第六話 不完全こそ完全

 「目を治すってどういうことですか?」

 

 「私の友人に、アリスって奴がいてな。お前の目玉を作ってもらおうと思ってな。なあに、腕は確かな奴だ。病院に頼むよりすげえものを作ってくれる。」

 

魔法の森、そこは木々が生い茂り、昼でも暗い所で妖怪もしばしば出没するため人間がこの森に入るなど自殺行為に等しい。とされるが三咲が魔理沙に連れられて来た場所は魔法の森の中、洋風の家だった。魔法の森の話を聞いている三咲はこんな場所に家が建っているのを不思議に思っていた。

 

「こんな所に家を建てて大丈夫なんですか?」

 

「ああ、アリスは私と同じ魔法使いだからな。あんまり人と関わらない奴でな、ここがちょうど良いんだ。」

 

そう言って魔理沙は家のドアを叩く。

 

「おーい!魔理沙様がきてやったぜー!」

 

すると中からドタドタと足音が聞こえてきた。

 

「魔理沙さぁん!!待ってましたー!」

 

ドアを勢いよく開けて魔理沙に抱きついたその者は髪はウェーブのかかった短い金髪で、その瞳は赤く、青いドレスのような物に白いケープを羽織っていた。

 

「その人がアリスさん、ですか?」

 

「違うぜ、こいつはアリスをベースに作られた完全自律人形。モーヴってんだ。」

 

モーヴは三咲を子供のように目を輝かせて見ていた。

 

「貴女が魔理沙さんの言っていた三咲ちゃんね?アリスが待ってるよ!早く早く!」

 

三咲はモーヴに半ば強引に手を引かれ、アリスの家に入っていった。

 

 家に入って直ぐに広がっていた居間のテーブルには、金髪の小さな人形がケーキを切り分けていた。その隣では別の人形が紅茶を淹れている。

 

「人形が、ひとりでに動いている!」

 

「ああ、アリスは人形使いでな、普段から人形を操作してこんな事やってんだ。」

 

「なんか、ちょっと腑に落ちない言い方ね。」

 

奥からモーヴと姿衣装が瓜二つ、強いて違う所を挙げるなら目が青い事だろう。そんな人物が奥の部屋から現れた。

 

「アリスさん、ですか?」

 

「いかにも、貴女の話は魔理沙から聞いているわ。準備は出来ているから早速、取り掛かりましょう。」

 

「おお!いつにも増して張り切っているなあ、アリス?」

 

「全く、依頼してきたのは貴女でしょう?魔理沙。」

 

「アリスったら、魔理沙さんから連絡が来たらすーぐ貴女の目を作るために高強度魔法ガラスを合成していたのよ。素直に感情を見せないんだから。」とクスクスとモーヴが三咲に耳打ちしてきた。

 

ー魔理沙さん、なんでここまでしてくれるんだろう?ー

 

三咲は何とも言えない感情を覚えていた。

 

「よおし!行ってこい!お前の治療室はアリスの作業室だ!」

 

三咲は魔理沙に背中をバンと叩かれると階段をのぼっていったアリスの後をついて行った。

 アリスの部屋は先程の小さい人形が何体も動いており、それぞれが別々の作業をしていた。

 

「じゃ、早速始めていきましょう。」

 

アリスは人形達が削っていた丸く綺麗な硝子を取り出す。

 

「その包帯、取ってみて。」

 

三咲は少し躊躇ったが、それでも目が戻るのだ。渋々包帯を取った。アリスは三咲の右目の位置の辺りに硝子玉を近付け、

 

「少し大きいわね。」

 

そうするとアリスはまた人形に硝子玉をやり、人形は硝子玉を磨き始めた。

 

「ここの人形達は、どうやって動いているのですか?」

 

アリスの家の人形達はどれも勝手に動いており、三咲の目にはまるで紅魔館の妖精メイド達のように勝手気ままに作業をしているかのように見えたのだ。

 

「ああ、私が動かしているのよ。こうやって魔法糸でね。」

 

「ええ!」

 

ほら。とアリスは三咲に指輪型のマリオネットコントローラーを見せた。指輪から出た糸はそれぞれ魔方陣の中へ消えていっている。しかし、それよりも三咲はアリスのその腕に違和感を覚えた。今しがた彼女が見せた指輪をはめている方の腕はどう見ても木製の模型のようで、関節は鉄で出来ているように見える。

 

「その腕って…どうしたのですか?」

 

「ああ、ちょっと色々あってね。」

 

三咲はこれには触れてはいけない事を確信した。このようにはぐらかす類の答えは大体聞かれて欲しくない事だとわかっていたからだ。

 

「出来た。」

 

そう言ってアリスはもう一度三咲の右目の位置の辺りに硝子玉を寄せると今度は良かったようで、少し笑みをこぼし

 

「よし。」

 

アリスの手の平の上にある硝子玉は少し小さくなり、一段と輝いていた。

 

 

 

 

 




紅魔館isふぁみりー次回予告



三咲「なんか、前々回無理やりすぎません?」
ヘカ様「まあ良いじゃない?ほら、お団子。」
三咲「おいしいですねこれ!」
ヘカ様「でしょー?鈴瑚の店から買って来たのよー♪」
クラピ「すごーい!甘さが丁度良いですね。」
純狐「ねえ、貴女達?」
クラピ「おや、どうしたのですか?ご友人様?」
純狐「スキナヒトトハナストキッテドウスレバイイノカナ?」(ボソッ)
ヘカ様「え?純狐今なんて?」(キラキラ)
純狐「好きな人と話す時ってどうすれば良いのかな!」
この時っ!ヘカ様とクラピに電流走るっ!!
純狐「キャー!どうしましょ♪恋バナよ恋バナ!!」
クラピ「こんな時に団子食ってるバカがどこにいます?!」
三咲(この人達って結構女子なんだなぁ…。)

次回も楽しみに
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