戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

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なるべくAXZ編はオリジナル要素強めで行きたいと考える一方、果たしてそれが受け入れられるか悩む私……


3人の錬金術師

 ガングニールのギアを纏った響が、ブースターを点火させて敵の装甲車を殴って吹き飛ばした。だがその音で政府軍は防衛態勢に入り、コンピューターからアルカ・ノイズの召喚石を排出。地に割れると魔法陣からアルカ・ノイズの群れが顕現する。

 

 Tearlight bident tron……

 

 瑠璃に続いて、翼とクリスもそれぞれのギアを身に纏いアルカ・ノイズを蹴散らしていく。戦闘になり、多くの民間人が慌てて逃げ出す。4人はその人達を巻き込まないようアルカ・ノイズを屠り、兵士の装備を破壊して無力化させる。だがアルカ・ノイズの攻撃で建築物の柱の支えを失う。そこに転倒して逃げ遅れた一人の少年に柱が迫る。

 

「危ない!」

 

 瑠璃が槍を箒のように跨り、遠隔操作とブースターをフルに使って全速力で少年を抱え、崩落から救った。少年を安全な場所に連れて行った後、再び戦いに戻る。

 

 一方プラント施設の内部にいる小太りの指揮官の男が自軍が劣勢であることをモニターで確認していた。

 

「我が軍が押されるのか……!こうなったら諸共に吹き飛ばしてくれる!」

 

 追い詰められた指揮官の男は金色のスイッチを押した。すると施設の中央から巨大なアルカ・ノイズが一体召喚された。さらにその手からヘドロの様な液状を出すと、そこから小型のアルカ・ノイズが姿を現し、味方であるはずの兵士達に襲い掛かって分解し始めた。

 こうなっては敵も味方もない。アルカ・ノイズに襲われている政府軍も守りながらアルカ・ノイズを翼は斬り捨てる。

 

「手当たり次第に……」

「誰でも良いのかよ?!」

 

 クリスはアームドギアを弓に変えて、ミサイルを矢のように番えてそれを巨大アルカ・ノイズに放つ。それが命中すると、巨大アルカ・ノイズの身体から赤いエネルギーの棘が生えて動きを拘束させた。

 

【ARTHEMIS CAPTURE】

 

 そこに翼がそれぞれの手に刀を携え、刃に青い炎を纏わせて飛翔。巨大アルカ・ノイズを文字通り細切れにした。

 

【炎鳥極翔斬】

 

 アルカ・ノイズはこれで殲滅したと思われた矢先、瑠璃がバイザーでキャッチされた反応先、真上を見上げるとコマのように高速回転しながら施設の真上から落ちていくもう一体のアルカ・ノイズがいた。

 

「あれが直撃したら、辺り一帯が汚染されちゃう……!でも周りのアルカ・ノイズも……!」

「何とかしないと!」

 

 響がバンカーユニットを変形させて、地上からプラント施設を破壊しようとする小型のアルカ・ノイズを目にも止まらぬ速さで殲滅させた。

 瑠璃は連結させた槍にエネルギーを集約させて

 

「そうりゃあああぁぁぁっ!!」

 

 それを力いっぱい投擲、放たれた槍の穂先はドリルのように高速回転しながら、上空にいるアルカ・ノイズを貫いた。

 

【Horn of Unicorn】

 

「危なかった……。」

 

 瑠璃が少しでも気付くのが遅れていれば大惨事になっていた。何とか民間人に被害を出さずにプラント施設を制圧した。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 同じ頃、明かりが一つもないオペラハウスにて、バルベルデのトップ、軍の上層部達がここに集まっていた。彼らはパヴァリア光明結社の支援を受けても国連軍、もといS.O.N.G.に追い込まれ、今後の事を話し合っている。

 

「閣下、念のため、エスカロン空港にダミーの特別機を手配しておきました。」

「無用だ。亡命将校の遺産『ディー・シュピネの結界』が張られている以上、この地こそが一番安全なのだ。」 

 権力を盾に甘い汁を啜って来た上層部は保身の事を第一とし、大統領に亡命を勧めたが、それはすぐに一蹴された。

 大統領が口にしたディー・シュピネの結界。それは人、無機物問わず、万物の存在を隠し、認知させない機能。故に絶対に安全、誰にも見つかる事はない……はずだった。

 

「つまり、本当に守るべきものはここに隠されている。」

 

 突如発せられた女性の声。政府軍の上層部に女はいない。となると仲間のものではない声の主を警戒する。その者はオペラハウスの窓に立っている。彼女だけではない、もう二つある窓にそれぞれ一人ずつ、合計三人いる。それも全員女性。

 

「主だった軍事施設を探っても見つけられなかったけど……」 

「S.O.N.G.を誘導して、秘密の花園を暴く作戦は上手くいったワケダ。」 

「うふふ♡慌てふためいて、自分たちで案内してくれるなんて、可愛い大統領〜♡」

「サンジェルマン!プレラーティ!カリオストロ!」

 

 大統領は右から彼女達の名を順番に呼ぶ。

 

 右には貴族風の男装した麗人、サンジェルマン。

 

 真ん中が三人の中でも小さく、カエルのぬいぐるみを抱いている、眼鏡をかけたプレラーティ。

 

 左にいるのが肩と脚を大きく露出させた軽装のグラマラスボディの持ち主、カリオストロ。

 

「せっかくだから、最後にもう一仕事してもらうワケダね。」 

 

 プレラーティはぬいぐるみを顔の前に持っていく。するのカリオストロが歌い始めた。カリオストロ、プレラーティも。突然歌い出した彼女達を前に戸惑う政府軍の上層部達。彼女達が何者かは大統領以外は知らない。それ故に、側近の一人が大統領に問う。

 

 

「あの者達は……?」

「パヴァリア光明結社が遣わせた錬金術師。」

「あれが異端技術の提供者たち……!」

 

 彼女達こそがバルベルデ政府軍を裏から支援していたパヴァリア光明結社の錬金術師だ。大統領はあともう一人、錬金術師がいたはずと一瞬考えたがそんな事は今はどうでもいい。

 

「同盟の証がある者には、手を貸す約定となっている!国連軍がすぐそこにまで迫っているのだ!奴らを撃退してくれ!」

 

 彼らの着ているスーツや軍服の襟に止められているバッジ、パヴァリア光明結社のシンボルマークのバッジ。それが大統領の言う同盟者の証だ。大統領は彼女達に望みを伝える。

 だが彼女達が歌い終わると、彼らがつけているバッジが輝き出し

 

「ぁ……うあああああぁぁぁぁ!!」

 

 皆体中を掻きむしりながら断末魔を挙げ、身体が光の粒子となって消えた。大統領もまた同じように身体を掻きむしりながら悲鳴をあげている。

 

「痒い!痒い!でも……ちょっと気持ちいぃ……」

 

 最期の言葉がそれでいいのかとツッコみたくなるが、結局、バッジを着用していた大統領とその側近達は全員消滅した。

 

「73788……」

 

 先程人の身体だった光の粒が、サンジェルマンの掲げた右手に球体となって集まった。彼女が呟いた数字も、恐らく同じような最期を迎えた人間の数だろう。

 三人は地下へと繋がる階段を見つけ、降りて行った。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 プラント施設を制圧した装者達だったが、バイデントのヘッドギアと連結しているバイザーの反応もなく、中をくまなく探しても見つからなかった事から、既に指揮官はここから逃亡していた。

 

「駄目……反応がない。」

「バイデントの索敵が利かぬ所まで、指揮官には逐電されてしまったようだな……。」 

 

 瑠璃と翼が悔しげに呟くと響とクリスが、現地の少年を連れて来た。

 

「翼さん、この子が!」

「俺、見たんだ!工場長が車で逃げていくのを!もしかしたら、この先の村に身を顰めたのかも!」

「君はさっきの……!」

 

 彼は先程、瑠璃に建物の崩落から救われた少年だった。

 

「俺はステファン!俺達は無理矢理、村からプラントに連れて来られたんだ!」

 

 ステファンの言う事が本当なら人質を取られている可能性がある。愚連隊並にモラルが低い彼らならやりかねない。ステファンを伴って、四人はその村へと向かった。

 

 一方、オペラハウスの地下に入ったサンジェルマン達。雰囲気はともかく、オペラハウスと言う割には置いてある物はその場所の名前に相応しくない異端技術の品々が置かれている。ディー・シュピネの結界が張られていただけの事はある。

 三人が何を探していると、目的のものが見つかり、その前に足を止めた。ボロボロの布を取り払うと、そこには橙色の結晶。その中に、1つ目のバイザーをした小さな人形があった。

 

 その様子を背後から尾行し、双眼鏡で観察する者達がいた。藤尭、友里率いるS.O.N.G.の調査部だ。彼らはこのオペラハウス一帯が探知出来ない事を怪しんで調べたが、その読みは当たった。彼らはサンジェルマン達に気付かれないよう尾行していたのだ。だが……

 

 ビーッ!ビーッ!

 

「なっ?!」

 

 藤尭が持っていたタブレットが、スキャン完了のアラームが大きく鳴り響いた。当然物音すらないこの空間でそんなけたたましい音が響けば誰でも気付く。サンジェルマン達にも、自分達の存在がバレてしまった今、尾行を意味を成さない。

 

「撤収準備!」

 

 友里の号令で撤退の準備をする。その際に、足止めの為に調査部の面々が、サンジェルマン達に向けて一斉に射撃するが、バリアで簡単に防がれる。その後の撤退は迅速だった。

 

「会ってすぐとはせっかちね……え?」

「実験にはちょうどいい。ついでに、大統領閣下の願いも叶えましょう。」

 カリオストロが錬金術を放とうとするが、サンジェルマンに制止される。するとサンジェルマンは龍の置物の方を向くと、先程の光の球体を手に出現させる。

 

「生贄より抽出されたエネルギーに、荒魂の概念を付与させる……。」

 

 S.O.N.G.の調査部は三台の車でオペラハウスを後にして、本部まで走らせている。だがその背後から白い龍が、オペラハウスの天井を突き破って襲い掛かってきた。友里は運転中で後ろを振り返れなかったが、バックミラーを見やるとその姿は確認できた。

 

「何なのあれ……?!」

「本部!応答してください!本部!」

『友里さん!藤尭さん!」

『装者は作戦行動中だ!死んでも振り切れ!』

「死んだら振り切れません!」

 

 藤尭の泣き言同然のボヤきをかますが、そうも言ってられない。既に後ろを走っていた二台の車が龍によって破壊されていた。となると当然次の獲物は自分達ということになる。龍の激しい攻撃を何とか躱すが、真っ直ぐ走っているだけではジリ貧だ。龍が最後の車を破壊しようと突撃してくる。

 

「軌道計算、暗算で!」

 

 藤尭がサイドブレーキを引いて、速度を落とした事で、攻撃は避けられた。が、すぐさま前方の地中に潜り込んでいた龍が地上に姿を現し、車を突き上げた。車は大きく転落、真っ逆さまになってしまう。

 

「あなた達で、73794。」

 

 車から何とか抜け出せた友里、藤尭だったが目の前にはサンジェルマン達三人がこちらを見下ろしている。今度こそ詰めだ。

 

 

「その命、世界革命の礎と使わせていただきます」

「革命……?」

 

 藤尭がオウム返しに呟くが、どの道殺される事に変わりはない。ここまでかと思われたその時……

 

 Seilien coffin airget-lamh tron……

 

 聴こえたのはアガート・ラームの起動詠唱。この絶体絶命の状況に、マリア、切歌、調がギアを纏い現れた。三人はサンジェルマン達と正面から対峙した。




おまけ

輪:瑠璃達はバルベルデに行ってるけど、その間私達出番がないんだけど。

未来:しかたないですよ。ギアを持ってないんだから。

輪:そうなんだけどさ〜!私は主役の親友ポジなの!原作で言うあんたと同じポジション!それなのにAXZ編初っ端からナレーションだけでセリフなしは酷くない?!私もギアを纏って活躍したい!何だったらこの際ファウストローブでも良いから戦わせて出番増やしてよ〜!
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