戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

107 / 190
名前だけ出ていましたが、オリジナル錬金術師の登場です!


最後まで諦めない

 エスカロン空港では地獄絵図と化していた。政府軍が駐屯していたが、突然自分達が使役していたはずのアルカ・ノイズに分解され、現場は惨劇となっていた。

 このアルカ・ノイズを召喚したのは滑走路付近にある倉庫の上で見下ろしているカリオストロであった。パヴァリア光明結社がしたのは支援だけで元より仲間と思ってはいない。故に装者達をおびき出す為の餌として利用している。

 

「派手に暴れて装者たちを引きずり出すワケダ。」

 

 そこにプレラーティがカリオストロの横に並び立つ。

 

「あら、手伝ってくれるの?」

「私は楽しい事優先。ティキの回収はサンジェルマンに押し付けたワケダ。」

 

 そう言うとプレラーティは、夜空を見上げる。星を眺めているわけではない。上空に聞こえるヘリのローターの音で装者達が来ると睨んでいた。

 プレラーティの予想通り、ヘリの扉が開くと中にはマリア、切歌、調の三人が見えた。

 

 Seilien coffin airget-lamh tron……

 

 マリアが起動詠唱を唄い、ギアを纏うと調と切歌も続いてギアを纏い、敵に向かっていく。調のツインテールのアームバインダーが開き、小型の鋸が無数に降り注ぎ、アルカ・ノイズの大群を切り刻む。

 

【α式・百輪廻】

 

「のっけからおっぴろげなワケダ……!」

 

 マリアが倉庫の屋根に降り立つと、プレラーティはヨナルデパストーリを開放せんと右の掌に魔法陣を浮かべた時、イガリマの肩部のアーマーから放たれたアンカーが身体中に巻き付き拘束される。

 

「早速捕まえたデス!」

「もう何やってるのよぉ?!」

 

 拘束されたプレラーティにカリオストロは呆れるが、マリアがそこに斬りかかる。それを後退しつつ避け、カリオストロは光弾を放つ。これをマリアはカリオストロに向けて走って躱し、そのまま距離を詰めていく。

 

「アガートラーム、シュルシャガナ、イガリマ、敵と交戦!」

「適合係数、安定しています!」 

 

 本部のブリッジでその戦闘の様子はモニタリングされている。別のモニターには三人のバイタルが表示されている。先程の戦闘でLiNKERを使い、まだ効果は残っているが、残り時間はもはや残されていない。その前に決着をつけなければならない。

 

「今度はこっちで、無敵のヨナルデパストーリを……」

 

 カリオストロがヨナルデパストーリを召喚しようとすると、彼女の顔面にマリアの拳が叩き込まれる。しかも先程負傷した頬と同じ所に。

 

「攻撃の無効化、鉄壁の防御……だけどあなたは無敵じゃない!」

 

 その勢いに乗せて、カリオストロを地面に叩き落とす。

 一方プレラーティもいつまでも拘束されたままでいるわけもなく、魔法陣を展開させるとアンカーを吹き飛ばして拘束から解放される。そこに調と切歌が連携して攻撃する。

 

(繰り出す手数で、あの怪物の召喚さえ抑えてしまえば!)

 

 ヨナルデパストーリを召喚させるまでのタイムラグ、その時間さえ与えなければヨナルデパストーリを召喚出来ない。三人はそれぞれの相手に手数で押しきろうとする……が

 

「ぐぅっ……!」

 

 三人の身体に激痛が走る。モニターでも警告音が鳴り響く。LiNKERの効果が切れかかった事で適合係数が低下し、そのバックファイアが三人の身体を蝕んでいる。さらに悪い知らせはそれだけではない。

 

「司令!シュルシャガナとイガリマの交戦地点に、滑走中の……」

「航空機だとぉ?!」

 

 滑走路を走る航空機が戦闘中に迫っていた。パイロットと副パイロットも操縦席からその激戦を確認出来た。

 

「人が!割と可愛い子たちが……」

「構うな!止まったらこっちが死ぬんだぞ!」

 

 何と航空機の後ろから大量のアルカ・ノイズが高速に回転しながら滑走路にプリマ・マテリアを撒き散らして迫っていた。飛ばなければ自分達の命は失われる為、その危機になりふり構っていられない。彼らに飛ぶ以外の選択肢はない。

 

「調!」

「切ちゃんの思うところはお見通し!」

「行きなさい!後は私に任せて!」

「了解デス!」

 

 切歌の提案を聞かずとも、意思疎通する。マリアがカリオストロとプレラーティを抑えている間に、調と切歌が航空機の救援へ向かう。

 

「あの二人でどうにかなると思っているワケダ。」 

「でもこの二人をどうにかできるかしら?」

 

 数的には不利、LiNKERの効果時間も殆どなく適合係数も低下しつつある。しかし、マリアは初めから二人を倒そうなんて考えていない。二人を足止めし、ヨナルデパストーリを召喚させなければどうにでもなる。二人を相手に、マリアは一人で立ち向かう。

 

 航空機に迫るアルカ・ノイズを切歌と調がそれぞれのギアの飛び道具で真っ二つにしていくが、二体のアルカ・ノイズがその間をかいくぐって航空機のタイヤを攻撃、分解してしまう。このままでは走行スピードが足りずに充分に離陸出来ない。だが調と切歌が、航空機の後方機体を支え、さらに調は脚部のローラーの回転速度を高め、切歌の肩のアーマーのブースターを点火させる事で加速、スピードを落とさせない。

 だがその間にも三人の身体にはバックファイアによるダメージが襲い掛かる。しかしそれでも三人は諦めていない。

 

(諦めない……心……。っ……!あれは……!)

 

 その時、マリアの身体に淡い輝きが発した。しかしすぐにギアのバックファイアによるダメージがマリアを苦しめた事ですぐに消えてしまった。だがその一瞬をエルフナインはそれを見逃さなかった。

 

 『皆さん!もう一瞬だけ踏みとどまってください!その一瞬は、僕がきっと永遠にしてみせます!僕もまだ、LiNKERのレシピ解析を諦めていません!だから……諦めないで!!』

 

 エルフナインの叫びに、三人は頷き合って応える。

 調が航空機の支えから離れた瞬間、切歌の肩と足のアーマーをさらに巨大化させて、一人でその速度を保たせる。航空機の前方機体へと移動した調はツインテールのアームで航空機を支え、脚部のローラーをタイヤのように変形させる。後方の切歌が、アームドギアである大鎌の柄を調に向かって伸ばすと、それを調が掴んで脚部のタイヤのスパイクを形成しながらブレーキを掛ける。さらに切歌がブースターの最大出力を解放させながら機体を持ち上げ、陸から離れた航空機を投げるように飛ばす。機体は管制塔をギリギリ飛び越えて空へと飛んだ。

 マリアは短剣を篭手の後部に連結させると、変形させると砲身へと変形させて、波動砲を放つ。

 

【HORIZON✝CANNON】

 

 叫びとともに放ったその砲撃の光はカリオストロとプレラーティを飲み込んで、爆発した。同時に三人のギアが強制的に解除された。ギアのバックファイアダメージに耐えて戦っていた為、その息遣いも荒い。

 

 だが爆炎が晴れた途端、マリアはその光景に目を疑った。直撃したはずの二人が五体満足に立っている。

 

「まだ戦えるデスか?!」

「でも、こっちはもう……」

 

 もうLiNKERはない。ギアも纏えず戦う力も逃げる体力すら残っていない。生身では錬金術を防ぐ術もない。

 

「おいでませ!無敵のヨナルデパストーリ!」

 

 さらにカリオストロがヨナルデパストーリを呼び出してしまった事で、状況は圧倒的に悪くなってしまう。

 

「時限式ではここまでなの……?!」 

 

 もはや勝機などない。だがその絶望に一人、飛び込む者がいた。

 

「うおおおおぉぉぉ!!」

 

 雄叫びと共にガングニールを纏った響が駆けつけ、その勢いのままにヨナルデパストーリの頭を殴った。

 

「効かないワケダ。」

 

 ヨナルデパストーリに受けるダメージは無かった事にされる。プレラーティは響の攻撃に嘲笑う。

 

 だが予想外の事が起きた。打ち抜かれたヨナルデパストーリの身体が元に戻らないばかりか、その身体が膨張を始める。無敵であるはずのヨナルデパストーリの異変にカリオストロとプレラーティは驚愕を露にする。

 

「それでも無理を貫けば……!」

「道理なんてぶち抜けるデス!」

 

 再び叫びと共に、響が一撃をヨナルデパストーリに入れた。その結果、ヨナルデパストーリの頭と胴体が分かれるように破壊され、ヨナルデパストーリは跡形もなく崩れ去った。

 

「どういうワケダ……?!」

「もう〜!無敵は何処に行ったのよ〜?!」

 

 カリオストロは身体をくねらせながら、崩壊した無敵性に文句を言う。プレラーティも、目の前の事態を受け入れられずにいる。

 響はそのまま着地し

 

「だけど私は、ここにいる!!」

 

 二人の錬金術師と相対し、その姿をハッキリと捉えた。さらに翼とクリス、瑠璃も到着した。ヨナルデパストーリを失い、さらに四人の装者の登場で形勢は再び逆転した。しかしカリオストロとプレラーティは、その程度で抵抗をやめるはずがない。再び開戦となろうとしたその時、サンジェルマン、そしてもう一人の錬金術師がどこからともなく現れた。

 

「サンジェルマン?!」

「アルベルト……!」

 

 タンクトップ型の赤黒い上着に藍色のズボン、前腕まで覆うグローブを着けている。口元以外を覆った仮面を着けており、風貌までは分からないが黒髪で、長い髪をポニーテールに結っている。特にこめかみの髪が肩まで届く程にながいのが特徴的だった。

 

「サンジェルマンはともかく、なんでアルベルトまで?」

「統制局長の指示でね……。少し前からサンジェルマンと合流したのだが……ヨナルデパストーリを倒すとは……何とも興味深い……。」 

 

 やや低めの声色ではあるが、身体付きを見る限り女である。アルベルトは笑みを浮かべながら装者達を見ている。

 

「派手にやっていたようね。カリオストロ、プレラーティ。そして……フィーネの残滓、シンフォギア!だけどその力では、人類を未来に解き放つ事は出来ない!」

 

 フィーネの名を口にした事で、装者達は驚愕する。

 

 

「フィーネを知っている?!それに、人類を解き放つって……」 

「まるで、了子さんと同じ……バラルの呪詛から解放するって事?!」

「まさか、それがお前たちの目的なのか?!」

「さあね?いずれにしろ、君達との衝突は避けられない。」

 

 サンジェルマンに代わって、アルベルトが装者達に言葉ではぐらかす。

 

「カリオストロ、プレラーティ、アルベルト、ここは退くわよ。」

「ヨナルデパストーリがやられたものねぇ……。」

「態勢を立て直すわけだ。」

「今日はほんの挨拶程度だから良いか……。」

「未来を、人の手に取り戻す為、私達は時間も命も費やしてきた。この歩みは誰にも止めさせやしない。」

 

 サンジェルマンはテレポートジェムを足元に投げて割る。そして、彼女達も周りに魔法陣が展開され、転移した。

 彼女達が掲げる革命、人類の解放、それが何を意味するのか装者達は理解出来なかった。パヴァリア光明結社の手が離れた事で、S.O.N.G.は役目を終え、それぞれ帰るべき所へと帰る事になった。

 

 




おまけ

輪:だけど私は、ここにいる!! 

創世:凄ーい!ビッキーに似てる!

詩織:ナイスモノマネです!

弓美:じゃあ次は翼さん!

輪:常在戦場……!

未来:じゃあ弦十郎も。

輪:良いよー。はああぁぁ!!(木の板を5枚割る音)  飯食って映画見て寝る!男の鍛練は、そいつで充分よ!

未来:何もそこまで真似しなくても……


そしてお知らせです。

先日締め切ったR-18版のアンケートですが、第一話はの相手は輪に決定しました!
最初はきりしらと翼さんがトップだったんですけど、いつの間にか輪がぶっちぎりに上位に君臨していました。
というわけで、第一話は輪とのお話にし、好評だった場合、他のキャラとの交わりも書く予定です。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。