戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

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遂に開幕XV編!

過去に登場したオリキャラ達が総出演します!

台詞付きで出せるようにしたいな!


XV編
南極


 南極、それは吹雪が荒れ狂う氷地。ここで生産出来るものは何もない、住む生物も極わずかしかない。人が出来るだけ長く滞在出来るよういくつかの中継地があるものの、到底人が永住出来る環境ではない。だがそこに向かう一つの船体があった。

 

「到達不能極までの持続密度、フラクタル二千位!脅威レベル、3から4に引き上げ!」

「算出予測よりも大幅にアドバンス!装者たちの現着と、ほぼ同タイミングと思われます!」

 

 S.O.N.G.の潜水艦本部内のブリッジでは藤尭と友里が司令である弦十郎に報告する。

 

「情報と観測データを照合する限り、棺とはやはり先史文明期の遺跡と推察されますが……。」

「ボストーク氷底湖内のエネルギー反応飛躍!数値の上昇止まりません!」

「来るか!総員、棺の浮上に備えるんだ!」

 

 緒川が言った棺。それが今回相対するモノ。エルフナインが捉えた反応を弦十郎に報告すると、彼はすぐさま指示を下す。

 

 同じタイミングで装者達を乗せた2台のヘリの扉が開いた。その内の1台にはS.O.N.G.の制服に身を包んだ響、翼、クリス、そして瑠璃が乗っている。向かいのもう1台にはマリア、調、切歌が乗っている。

 

「寒うぅー!しばれるー!どこの誰だよぉ、南半球は夏真っ盛りだって言ってたのはぁ〜?!」 

「デェース!」

 

 響が扉を開けた瞬間にブリザードが全身に襲い掛かり、身を縮こませている。切歌も同様に。ちなみに瑠璃とクリスは響にこの嘘情報を流した犯人に心当たりがある。

 

「また輪に騙されたんでしょう?」

「あいつにデマ吹かれたって、夏だって寒いのが結局南極だってのが普通分かるだろ?けどギアを纏えば、断熱フィールドでこのくらい……」

 

 そこにクリスのツッコミを遮るように、厚い氷の大地を貫くように赤い光線が放たれ、空の曇天に穴を開ける。そこから日の光が差し込むが、その光線の威力を前に、装者達は驚きを禁じ得ない。

 

「なかなかどうして……心胆寒からしめてくれる……。」

 

 さらにそれだけでは終わらない。氷を砕きながら巨大な機体が姿を現した。それが弦十郎達が指す『棺』であるのだが、それは棺というよりロボットと言った方が妥当である。

 

「あれが……あんなのが浮上する棺……?!切ちゃん、棺ってなんだけ……?!」

「常識人には酷な事、聞かないでほしいのデス!」

 

 装者の中では表情の変化が少ない調も、これには驚愕を隠しきれず、常識人ポジションとなっている切歌に棺の定義を問うが、当の本人も頭を掻くだけで答えられない。

 

「何時だって想定外なぞ想定内!行くわよ!」  

 

 目の前の現象に狼狽えないマリアがまとめ上げる。そして装者達はヘリから降下して

 

Tearlight bident tron……

 

 詠唱を唄い、バイデントのギアが起動する。身に纏っていた制服が消失、藍色のインナースーツに変化し、右手には黒の、左手には白い指揮棒が現れてそれを手にして振るうと、その先端をなぞる様に黒白の光が描かれる。その光に導かれるように藍色の結晶が舞い、両腕、両足のアームとなった。配色も左右の色に合わせたものとなる。

 指揮棒で描いた双子座の光が分かたれ、それがヘッドホンアームを形成、さらにその上から覆うようにバイザーが作られる。ギアのコンバーターの左右には藍色の羽根を模したユニットが形成される。

 そして光の指揮棒を頭上に投げると、その光を纏って、それぞれの色の槍となって掴む。ヘッドホンアームのバイザーが瑠璃の視界を覆い変身が完了。ギアを纏った姿となって現れる。

 

 他の装者達もギアを纏い、響と瑠璃の二人で一番槍を務める。黒白の槍を一つの槍として連結させて、穂先を高速回転させて、棺に突き出す。

 

【Horn of Unicorn】

 

 響も腰のブースターを点火させて振り抜いた。だが棺はその巨体に見合わぬ反応で、拳を突き出すようにして二人の攻撃を防いだ。瑠璃はともかく爆発力の高さでは一番の響の攻撃を防御しきれるその固さにマリアは驚愕する。

  

「互角!それでも、気持ちでは負けてない!」

 

 だが簡単に終わるはずがないのも予想済み。誰一人動じる者はいない。

 棺の口と思われる箇所から先程の赤い光線が放たれ、装者達は跳躍して避ける。被弾した箇所が爆発し、そこから緑色の光柱が打ち上げられる。そのてっぺんには魔法陣のような模様が展開され、光線とともに氷の結晶となる。

 

「何なんだよあのデタラメは?!どうする?!」

「どうもこうも……止めるしかないじゃない!」

 

 マリアが中継基地の方を見やる。そこには大勢の非戦闘員が慌てふためいて逃げ惑っている。

 

「散開しつつ距離を詰めろ!観測基地には近づけさせるな!」 

 

 翼の指示と共に響が駆け出し、その後ろからも調と切歌が走る。調のツインテールのアーマーのバインダーが開かれ、そこから小型の鋸が無数に放たれる。

 

【α式・百輪廻】

 

 イガリマの大鎌の刃が3枚展開され、それを投擲する。

 

【切・呪りeッTぉ】

 

 紅刃と碧刃が迫っても、棺は跳躍。響はそこを狙って、巨大な棺を担いで、氷地に叩きつける。そこに高く跳躍したクリスが腰のアーマーから小型ミサイルを一斉掃射する。

 

【MEGA DETH PARTY】

 

 全弾命中するも、傷一つすら与えられていない。

 

「効かないのかよ?!」

 

 悪態をつきながら棺の光線を跳躍して避ける。本部でも棺の戦闘機能に、緒川が疑問を呈する。

 

「接近する対象を苛烈に排撃……こんなものを、はたして棺と呼ぶべきでしょうか?」

「攻撃ではなく防衛……不埒な盗掘者を寄せ付けないための機能だとしたら、どうしようもなく棺というより他あるまい。」

(だとすれば、棺に眠るのは、本当に……)

 

 パヴァリア光明結社との戦いで浮上したアヌンナキの存在。その実在が濃くなっている。だがそこに友里の報告が入る。

 

「司令!棺に新たな動きが!」

 

 棺の身体から棘が展開されて、それをミサイルのように放った。宙に舞う棘の姿形が代わり、羽の生えた蛾のように変わると、その身体から微細の緑色の光線を放つ生命体となる。響はそれを弾きながら、その生命体の群れを蹴散らす。

 切歌と調もスケートのように滑りながら、切歌の肩に調を乗せて、ツインテールのアームから展開された大型鋸を操作して、その大群を切り刻む。

 

「こちらの動きを封じる為に……!」

「しゃらくさいのデス!」 

 

 クリスのガトリング砲の弾幕、瑠璃の二本の槍の遠隔操作で空にいる生命体の群れを撃ち落としている。

 

「群れ雀なんぞに構いすぎるな!」

「だけど数が多くてキリがない!」

「ならば、行く道を!」

 

 翼が刀の剣先を天高く掲げると、空からエネルギーの剣が降り注ぎ、棺への道を開ける。その道をマリアと響が走り、ガングニールの右腕のバンカーアーマーとアガート・ラームの左腕のガントレットを変形させる。

 

「最速で!最短で!」

「真っ直ぐに!一直線に!」

 

 変化したそれぞれのアームがドリルのように高速回転させて、雄叫びとともに突っ込む。二人の同時攻撃は棺の胸と思わせる結晶を穿ち抜いた。

 だがその仕返しと言わんばかりに跳躍した棺の腕が響とマリアをハエのように叩き落とした。氷の大地に強く打ち付け、倒された体勢のまま滑っていって、停止した。

 

「二人とも!」

「しっかりするデスよ!」

 

 倒れた二人に駆け寄る調と切歌だが、翼が皆を背に刀を構える。

 

「来るぞ!」

 

 棺が再び光線を放った。

 

「やらせない!」

 

 連結させた槍を高速回転させて、そこから発せられるエネルギーの竜巻を放った。

 

【Harping Tornado】

 

 光線と竜巻がぶつかりあうが、拮抗することなく竜巻が掻き消されてしまう。

 

「嘘?!」

「間に合えええぇぇ!!」

 

 ギリギリ瑠璃と光線の間に割って入ったクリスがリフレクターを展開させた。巨大な爆発とともに、4本の緑色の光柱が結晶となる。

  

「リフレクターによるダメージの軽減を確認!」

「棺からの砲撃、解析完了!マイナス5100度の指向性エネルギー波……って何よこれ?!」

 

 解析結果に友里が驚愕する。表示されているモニターには、結晶によって氷漬けにされてしまっている装者達。

 

「埒外物理学による……世界法則の干渉……。こんなの、現在のギア搭載フィールドでは、何度も凌げません……!」 

 

 先端技術、異端技術にも属さない。これまでよ超常現象すら凌駕する力。シンフォギアでは防ぐ事の出来ないものだった。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 時は少し遡る。そもそも何故装者達は南極にいるのかも話そう。

 

 学校帰りの夜、外はクリスマスムードに包まれ、ショッピングモールの建物や街頭などに飾られたイルミネーションが夜景を鮮やかにしている。

 瑠璃はクリスの誕生日プレゼントを買う為に大型ショッピングモールに訪れていた。だが何が良いのか迷っている内にここに来てから1時間経とうとしている。

 

「うーん……どれが良いんだろう……。」

 

 店に入っては迷い、出てはまた違う店に入っての無限ループ。次の店に入ろうとした時……

 

「あれ、瑠璃?」

「え?」

 

 後ろから呼ばれ、振り返った先には輪がいた。

 

「な、何で輪がここに?」

「誕生日プレゼントを買いに。」

「あ、クリスの誕生日プレゼントを?」

「いや、あんたとクリスの。」

「え?」

 

 自分の誕生日を買いに来たと言われ、目が点になる瑠璃。

 

「アンタまさか、自分の誕生日忘れてる?」

「あ……。」

「図星か!」

 

 瑠璃とクリスは双子である為、誕生日が一緒なのだ。だが当の本人はそれをすっかり忘れている事に、輪は呆れてしまう。さらに……

 

「ね、姉ちゃん?!」

「え?!」

「クリス?!」

 

 双子故の偶然なのかクリスもここにやって来ていた。

 

「な、何で姉ちゃんがここに?!」

「だって……クリスの誕生日プレゼント……。」

「デジャヴュ……。」

 

 さっきも見たやり取りに輪がボヤいた。ともあれ目的が一致した三人は同じ店に入ったのだが、どれが良いかと互いに聞けるわけもなく、結局買えずじまいとなり、三人は夜道を歩いている。輪はめぼしいものがあったが、それは二人がいない時に買おうとマーキングする程度に留めた。

 

「まさかこの双子、お互いに自分の誕生日を忘れるくらいお互いの誕生日プレゼントを選んでいるとはね……。」

「被っちまったもんはしょうがねーだろ?!」

「これは本当に偶然なんだから。」

 

 二人の反論に、輪はこの様子だと次の日も同じ事が繰り返されそうな気がして再び呆れる。

 

「それでさ、ここん所のS.O.N.G.はどう?」

 

 輪の持つファウストローブは絶対の破壊者となった闇の瑠璃との戦いでひび割れてしまったものの、アルベルトが提供したラピス・フィロソフィカスのファウストローブの設計図のお陰で修復する事が出来た。しかし、輪の錬金術のエネルギーがない為、纏う事が出来なくなってしまっていた。

 とは言っても、元々瑠璃を助ける為に急遽戦う事になっただけで、それが終われば戦線離脱するつもりだった。現に弦十郎からも、無茶した事にこっぴどく説教されたのだ。それ以降は元の外部協力者に戻った為、殆ど本部に出入りしていない為、近況を聞き出そうとするが

 

「何かあったとしても、ギアを持たないお前に教えたら首突っ込むだろ?」

「そうそう。それでいつも危険な目に遭っても懲りないんだから。」

「いやーでも殆ど私の意思とは関係なく巻き込まれてるんだけどね。」

 

 輪の言う通り、偶発的に巻き込まれたものが殆どである。しかし危機を脱した時、素直に手を引けば良いものをそこから先は自ら踏み込んでいるのだ。二人はそう言っているのだ。

 

「けど……本当に色んな事があったねー。」

「うん。だけど、やっぱり何にもない普通の日常が一番良いな。」

「それがフラグにならなきゃ良いけどな……」

 

 フラグを回収するかのように爆発音が聞こえた。

 

「回収されたねぇ……フラグ。」

「行くぞ姉ちゃん!」

「うん!輪は先に帰ってて!寄り道しちゃ駄目だからね!」

「え?!ちょっと!置いてかないでよー!」

 

 本部へと走っていった瑠璃とクリスに置き去りにされた輪は一人叫んだ。

 

 本部のブリッジ。装者全員が全員揃ったのを確認した弦十郎がブリーフィングを始める。モニターには爆破して炎上する大型船舶と、その消火活動をしている船が映っている。

 

「大型船舶に偽装したS.O.N.G.の研究施設にて、事故が発生した。」

「海上の研究施設……デスか?」

「もしかして、街中では扱えないような危険物を対象に?」 

「ああ。そこでは先だって回収した、オートスコアラーの残骸を調査していたのだ。」

 

 モニターが切り替わると、そこにはパヴァリア光明結社との戦いでアダムが所有し、ディヴァインウェポンとして用いられたティキ。だがその姿は下半身が無く、白目を剥いて機能を停止していた。

 

「破壊されたアンティキティラの歯車と、オートスコアラーの構造物からは、パヴァリア光明結社、ひいては、アダム・ヴァイスハウプトの目的を探る解析が行われていたの。」

「先ほどの爆発事故は、機密の眠る最深奥に触れたが為の、セーフティーとも考えられますが……」

「ティキと呼ばれたあのオートスコアラーには、惑星の運航を観測し、記録したデータをもとに様々な記録したデータをもとに様々な現象を割り出す機能もあったようです。」 

 

 友里、緒川、エルフナインが説明しながら、モニターが切り替わると、3Dモデルの地球が表示され、日本から発せられた座標がの進行と共に地球も動き出す。そして目的の座標に到達すると、そこに映し出されたのは……

 

「これは……南極大陸。」  

「爆発の直前、最後にサルベージしたデータが南極の一地点を知らせる座標でした。」

「ここは南極大陸でも有数の湖、ボストーク湖。付近に位置するのはロシアの観測基地となります。」

 

 さらに詳細な位置が表示されるが、響は湖らしいものがない事に疑問を持つ。

 

「湖ってどれぇ?一面の雪景色なんですけれど?」

「その雪景色の殆どのボストーク湖さ。正確には、氷の下に広がっているんだけどね。」

 

 藤尭が優しく教える。

 

「地球の環境は一定ではなく、たびたび大きな変化を見せてきました。特に近年その変動は著しく極冠の氷の多くが失われています。」 

「まさか、氷の下から何かが出てきたってわけじゃないよな?」

「そのまさかだったりして……。」

「そのまさかよ。」

 

 今日の双子姉妹のフラグ回収が多いものだ。

 

「先日ボストーク観測基地の近くで発見されたのが、この氷漬けの蠍です。」 

「照合の結果、数千年前の中東周辺に存在していた種と判明。現在では絶滅していると聞いています。」

 

 中東の蠍が何故南極で発見されたのかもそうだが、その生息地にも引っ掛かるマリア。

 

 

「何故そんなものが南極に?」

「詳細は目下調査中……。ですが、額面通りに受け止めるなら、先史文明期に、何らかの方法で中東より持ち込まれたのではないでしょうか?」

 

 つまり、分からないという事だ。そこに緒川が情報を開示する。氷漬けの蠍から、結社に関する情報へとモニターも切り替わる。

 

「気になるのは、これだけではありません。情報部は瓦解後に、地下へと潜ったパヴァリア光明結社の残党摘発に務め、さらなる捜査を進めてきました。」

「得られた情報によると、アダムは、専有した神の力をもって、遂げようとした目的があったようだな。」

「確かあの時、アヌンナキを超える為にって言っていた……。けど神の力を得たからって、本当の神に対抗出来るものなのかな?」

 

 アダムが言っていた事を瑠璃が思い出すが、ソレだけではアヌンナキを超えられるのか甚だ疑問だった。

 

「あるとすれば……この星の支配者となる為、時の彼方より浮上する棺を破壊。」

「何デスと?!」

「でも、時の彼方からの浮上って、南極と蠍と符合するようで気味が悪い……。」 

 

 こうも点と点が結んでは、調の言う通り気味が悪いのは事実。弦十郎は椅子から立ち上がり、装者達を見る。

 

「次なる作戦は、南極での調査活動だ。ネタの出所に結社残党が絡む以上、この情報自体が罠という可能性もある。作戦開始までの1週間、各員は準備を怠らないでほしい!」

 

了解(デス)!

 

 装者達の声が一斉に揃った。そしてその1週間後、装者達は南極を戦場に戦っているが、絶体絶命のピンチを迎えている。




オリキャラプロフィール

神官の青年

イメージCV(Fate/Zero ランサー)

元は死亡した遥か昔の人間。あるアヌンナキによって肉体を与えられ、従者として置かれるようになるが、後に恋仲となる。

オリキャラ達のイメージCVを追加しました!
とはいってもあくまで私の中でのイメージなので、皆さんの中のベストCVがあれば是非感想で教えて下さい!
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