戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

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今回あんまり原作との展開が変わらないので、原作のキャラが言っていたセリフを瑠璃に変えました。

しかしもう一度いいます。展開は変わらない!


黄金に咲く花

 発信機のポイントの上空にS.O.N.G.のヘリが2機飛んでいる。ここにノーブルレッドが潜んでいる。それぞれのヘリの出入り口から響と翼が下の大地を覗くと、サーチライトで照らされている3人がヘリを見上げて待ち構えている。

 

「迎え撃つとは殊勝な!」

「行きます!」 

 

 響と翼を先頭に、装者達がヘリから飛び降りる。

 

 Balwisyall nescell gungnir tron……

 

 起動詠唱を唄い、それぞれがギアを身に纏う。だが……

 

「しまっ……」 

 

 瑠璃がバイザーで着地した地面の直下に反応をキャッチしたが既に遅かった。着地した瞬間、地中深くに埋まっていた大量の地雷が起動、地面が爆発した。装者達の悲鳴が響く。

 

「何だとぉ?!」 

 

 流石の弦十郎もこの奇策を読む事は出来ず、驚愕している。

 

「敢えてこちらの姿を晒す事で、降下地点を限定させるであります。あとはそこを中心に、地雷原とするだけで……」

「他愛無いぜ!」

 

 発信機をつけられ、潜伏先がバレてしまった上に他のアジトはない。逃げ場がないなら迎撃する他ない。幸いここにはノーブルレッド3人が揃っており、全血清剤も用意出来ている。そして迎撃する策の一つとして使ったのが、この地雷原だ。

 

「でも、地雷の位置は全て把握した!って何この量?!」

 

 バイザーで地中に埋まっている地雷の位置を特定したのだが、爆発した箇所以外の周囲には殆ど埋められている。安全地帯は先程爆発した場所しかない。数は先程の爆発した地雷の量より少なく、爆破されても大したダメージにはならないだろうがが、何度も爆破されては歌が止まってしまい、戦闘にも支障をきたす。これではたまったものではない。確実に爆発しない安全地帯に、装者全員が集結する。

 

「それもまた予測の範疇であります!」

 

 すると3人が装者達を三角形で囲うように移動、配置に着いた。

 

「行くぜえぇ!」

 

 3人は装者達の直上の空に手を天高く掲げる。すると、そこに水色の正六面体のブロックが現れ、地面に落下する。装者達に直接降りかかる事はないが、まるで囲うように落ちていき、積み上がっていく。

 

「させるかよぉ!」

 

 クリスが腰のアーマーから小型ミサイルを展開、全弾一斉掃射でブロックに叩き込んだ。

 

【MEGA DETH PARTY】

 

 しかし、積み上がった正六面体のブロックは傷一つつけられていない。

 

「そんな!クリスの一撃でも砕けないの?!」

「そう……あれかし……。」

 

 次第にブロックが積み上がり、装者達を完全に囲った。気がつけば装者達は迷宮に閉じ込められ、個々に分断された。

 

「皆が捉えれない?!どうして?!」

 

 敵影はおろか、味方の姿すらキャッチ出来ない。戦闘補助システムが封じられ、狼狽する瑠璃。

 

「切ちゃん!皆!何処にいるの?!」

 

 調も叫んで呼び掛けるが、誰一人応答はない。切歌はブロックの隙間を狙って大鎌を振り下ろすが、刃が通らない。

 

「刃が通らない……!簡単には抜け出せないという事デスか!」

 

 本部のモニターからも何が起きているのか、理解が追いついていない。外から見れば積み上がったブロックのピラミッドが映っている。あの中に瑠璃達が閉じ込められている。

 

「ほう……このような芸当が出来るとは……。さて、装者達はどう出る?」

 

 廃棄所から遠い場所、アルベルトはS.O.N.G.とノーブルレッドの戦いを眺めている。

 それぞれ、脱出の手掛かりを探す為にこの迷宮を進んでいる。しかし壁も床も天井も、同じ形のブロック。方向感覚が狂いそうになる。脱出口など何処にもない。

 

「名称『ダイダロス』の真髄をここに……怪物が蠢くは迷宮……神話や伝承、果ては数多の創作物による積層認識が、そうあれかしと引き起こした事象の改変、哲学兵装……。」

「怪物と蔑まれた私めら三人が形成する、全長38万kmを超える哲学の迷宮は、捉えた獲物を逃がさないであります!」

「それだけじゃないんだぜ!」

 

 3人がダイダロスの迷宮にエネルギーを注ぎ込んだ。それにより、中では装者達の背後から光の衝撃波が迫って来た。とにかくそれぞれ、衝撃波はから逃れようと走るが、何処までも追ってくる。

 

「あっ……!」

「あなた達?!」

 

 それぞれの通路に集った場所に、装者達が全員鉢合わせしてしまう。しかも、それぞれ7人の背後から衝撃波が迫っている。 

 

「来るぞ!衝撃波だ!」

 

 もはや逃れる術は無い。これがダイダロスの迷宮の閉鎖空間内に送り込んだ攻撃手段。

 

「「「ダイダロス・エンド!」」」

 

 衝撃波が一箇所へと集まり、その威力がまるごと装者達に襲い掛かる。ピラミッドから光が漏れ出している。

 

「行き場のない閉鎖空間にてエネルギーを圧縮、炸裂させれば……!」

「私めらのような弱い力でも、相乗的に威力を高め、窮鼠だって猫を噛むであります!」

「だが……敵は流石のシンフォギア。簡単にはいかないみたいだぜ!」

 

 ノーブルレッドが優勢であるにも関わらず、肩で息をしている。

 

「迷宮の弱点、それは3人が万全の状態でなければ形成出来ない。そして迷宮自体を作り出すだけでも力を消耗する、諸刃の剣。」

 

 アルベルトが初見でダイダロスの迷宮の弱点を把握してしまった。だがその指摘は正しく、現に3人の頬に血中パナケイア流動が濁っている事で、どす黒い血管が浮かび上がっている。

 装者達はダイダロス・エンドをその身に受け、倒れ伏している。とはいえまだ健在だ。

 

「なら、もう一撃にて!」

 

 トドメを刺そうとエネルギーを流しこもうとしている。一撃でこれであれば、今度こそ命はない。負ける。響は心の中でそう察していた。

 

「勝てない……どうして……?サンジェルマンさん達の想いの籠ったこのギアで……。」 

『勝てない?ならば問おう。お前は何に負けたのだ?』

 

 声が聞こえた。聞き覚えのある声。

 

「サンジェルマンさん……!」

 

 目の前にサンジェルマンが立っている。思念体なのか、それは定かではない。だが意味もなく響に問う事はしない。

 

『誰に負けた?立花響』

「そうだ……!負けたのは自分自身に……勝てないと抗い続ける事を忘れた私に!」

 

 諦めかけていた響の闘志。サンジェルマンが鼓舞してくれた事で再び立ち上がれる。サンジェルマンが手を伸ばす。

 

「私が手を貸す。だから忘れるな立花響!想いを通すために握る拳を!」

「忘れない……!すれ違った想いを繋ぐ為に拳を開くことを!そして、信じた正義を握りしめる事を!」

 

 かつて互いに譲れぬ意思をぶつけ合い、共に手を取り合い戦った装者と錬金術師。その手が握られ、再びその絆が結ばれた。

 

「ダイダロス・エンド!フルスロットルであります!」

「今度は迷宮ごとぶっ飛ばすぜ!」

「この威力でなら……!」

 

 ダイダロス・エンドの威力を上回る最後の切り札。そのエネルギーの出力に、迷宮が耐えきれず爆発した。その威力は凄まじく、普通であれば耐えられるものではない。

 煙が晴れ、装者達は倒れている……かと思われた。

 

「あれは……!」

 

 煙が晴れた先に見えた光景に、アルベルトは驚愕する。

 

「だとしてもおおおおおぉぉ!!」

 

 響の叫びが木霊する。響の周囲を覆うように黄金のバリアフィールドが展開されている。それだけではない。ギアインナーの形が変わっており、手の甲の装甲には黄金の花が咲いているかのようにはめ込まれている。

 響だけはない。翼達も同様の姿である。

 

「これは……一体……?」

「サンジェルマンさんが手を繋いでくれました!」

「何?!」

「力を貸してくれたんです!」

 

 翼の疑問に、響が凛として答える。

 3人は再び、ダイダロスの迷宮を展開しようと、正六面体のブロックが現れる。響は手の甲の黄金の花を展開させると、それを殴って砕く。すると、その花弁が肩のアーマーとなって、その先には黄金の剛腕が形成される。

 そしてサンジェルマンと共に、迫る正六面体のブロックを殴って破壊した。 

 ダイダロスの迷宮が通用しないと判断したミラアルクは、両翼をブーメランへと可変させて投擲する。

 

「ダイナミック!」

 

 投擲されたブーメランを、黄金の拳でぶん殴って返す。そこにエルザがテールアタッチメントで奇襲を仕掛けるも、黄金の拳でテールアタッチメントを掴んで、拳をロケットパンチの要領で発射させた。

 

「マズいであります!」

 

 テールアタッチメントと繋がっている為、ロケットパンチとともに空へと打ち上げられている。すぐさまテールアタッチメントを解除して事無きを得る。ちなみに分離したテールアタッチメントは爆発、黄金の拳は再び響の肩のアーマーに戻って来た。

 

「賢者の石によってリビルドしたシンフォギアに秘められた力。ギアを構築するエネルギーを解き放ち、高密度のバリアを形成……!さらにエネルギーの大半を攻撃へと転化することで可能とする不退転機能!それは!シンフォギアとファウストローブの融合症例、『アマルガム』!」

 

 アマルガム。シンフォギアがラピス・フィロソフィカスの輝きによってリビルドした事で新たに追加された決戦機能。それはシンフォギアとファウストローブの力を掛け合わせた絆の力だ。

 

「そうか……サンジェルマン……!」

 

 遠くから眺めているアルベルトは、装者達に力を貸した亡き戦友の名前を呟いた。

 

「こんな所で諦めるわけにはいかないであります!」

 

 エルザがキャリーケースから新たなテールアタッチメントを接続、キャリーケースの形状が変化して、それを半球状のドームのようにする。

 

「その通り!ウチらはここで退くわけにはいかないんだぜ!」

 

 ミラアルクは右翼を剛腕へと可変させる。ドームを高速回転させて、響に突撃する。響は黄金の拳を高速回転させてエルザのドームを弾き、ミラアルクの剛腕も押し切る。今度は両足に纏って飛び蹴りを放つが、拳によって阻まれる。

 

「エルザちゃん!ミラアルクちゃん!」

 

 ヴァネッサが歯噛みする。それは勝てないと分かっていながらも、立ち止まる事を許さない、覚悟を決めている者の表情だ。崖から飛び降りたヴァネッサは響と対峙する。

 

 

「それでも私達は神の力を求め欲する!神の力でもう一度人の体と戻るためにいいいいぃぃ!!」

 

 前腕、大腿、下腿からミサイルポッドを展開し、一斉にミサイルを発射させた。

 

「「だとしても!貫けえええぇぇぇーーー!!」」

 

 黄金の拳でミサイルを全て殴り壊し、そのままヴァネッサへと突っ込む。攻撃を全て防がれ、近づかれたヴァネッサは反射的に目を瞑る。だが黄金の拳はヴァネッサの目の前で停止。いつまでたっても来ない痛みに、違和感を感じたヴァネッサはゆっくり目を開ける。すると、拳は眼前で止まっている。

 

「どうして……?!」

「本当か嘘かはわかりません。だけど皆と仲良くしたいと聞きました。だから……!」

 

 黄金の拳を下げ、自身の手を伸ばす。ヴァネッサと分かり合える。だがそれはアラートによって遮られた。

 

『現時刻をもって、装者全員の作戦行動を中止とする。日本政府からの通達だ。』

 

 通信越しに告げられた弦十郎の通達。勝利は目の前だというのに、それを手放せという衝撃的な指令に瑠璃が問う。

 

『どうしてなのお父さん?!』

 

 弦十郎は腕を組んだまま、何も答えない。本部の藤尭は怯え、震えながら、友里は堂々と、エルフナインは不安そうに両手を挙げている。その背後には機関銃を持った兵士達。その者達によって占拠されてしまっていた。

 

 

 




アルベルトとノーブルレッド

アルベルトはノーブルレッドではない為、3人とは連携を取りません。
ただ少なくとも最低限の支援はしているが、それでも人から大きく逸脱した姿へと変えた組織の幹部という理由で、アルベルトは嫌われている。
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