戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

166 / 190
結構悩みに悩んだ展開でしたが……

今までこれやってなかったよなーと思い、この展開で行くことにしました


堕ちた日輪

 風鳴八紘、弦十郎、緒川、装者のマリアと瑠璃、そしてS.O.N.Gの調査員達が鎌倉の風鳴訃堂邸に到着し、正面の扉の前で配置についている。

 

 風鳴訃堂が自ら推し進めた護国災害派遣法によって、訃堂を裁く。そして、シェム・ハとなった未来、魔眼によって暴走した翼とアルベルトによって攫われた輪を奪還する。

 マリアと瑠璃は既にシンフォギアを纏い、いつでも戦えるように構えている。

 

 八紘が屋敷のロックをバイオメトリクス認証で解除、扉が開かれ、強制捜査が始まった。

 

「私の及ぶセキュリティは解除可能だ!速やかに風鳴訃堂、並びに帯同者の……」

 

 八紘が指示を下す前に、突如瑠璃とマリアが突出した。突然の行動に八紘が驚愕する。

 

「一体……っ?!」

 

 だがそれが、赤い霧、プリマ・マテリアが撒き散らした事で、それが意味ある行動であると理解した。

 

「アルカ・ノイズは私達に任せてください!」

 

 バイデントのバイザーヘッドギアでアルカ・ノイズをいち早く検知した。それによりマリアと共にすぐさま対処する事が出来た。

 

 二人の連携で、アルカ・ノイズによる犠牲者を出さずに済んだ。だがまだ数多くのアルカ・ノイズが残っている。

 屋敷の正面玄関に入ろうとしている弦十郎と八紘が瑠璃とマリアに釘を刺す。

 

 

「いいか二人とも!アマルガムは……」

「わかってる!私達だって謹慎は御免よ!」

「頼むぞ!これ以上の横紙破りはS.O.N.G.の国外退去に繋がりかねないのだ!」

 

 まだアマルガムの使用許可は降りていない。故に切り札無しで対処する他ない。だがアルカ・ノイズ相手であれば、アマルガムを使う必要はない。

 現時点では……

 

(お姉ちゃん、輪……何処なの……?!)

 

 アルカ・ノイズを排除しつつ、翼と輪を探すべくバイザーで索敵するが、どちらの反応もない。ギアを纏っておらずとも、生体反応で拾う事が可能だがどういうわけか見つからない。

 

「どうして……こんな時に限ってアルカ・ノイズだけしか拾わないの?!」

 

 そこに背後のアルカ・ノイズの攻撃に反応が遅れ、解剖器官が瑠璃迫った。が、マリアが間一髪それを短剣で切り刻んで阻止した。

 

「焦らないで!今は……瑠璃!」

 

 突如、瑠璃の頭上から何者かが襲い掛かってきた。二本の槍で受け止めるが、その得物を見て驚愕する。

 

「それは……!」

 

 円環の刃、チャクラム。力任せに押し込もうとする刃にやられる前に、放り投げるように押し返した。

 アルカ・ノイズを殲滅させた瑠璃も、その者の正体にショックを受けた。

 

「そんな……!」

「何故あなたが?!」

 

 チャクラムを得物とする者は一人しかいない。

 

「ごめん瑠璃……。だけど何も言わずに、私に倒されて!」

 

 輪はチャクラムを手に、瑠璃に再び襲い掛かる。意思があるという事は、誰かに操られているわけではない。

 だが何故輪が瑠璃に刃を向けるのか分からないが、その真意を問いただすしかない。

 

「マリアさん後ろ!」

 

 だがすぐに背後から青い斬撃を察知したマリアは跳躍して避けた。その方を見ると、そこには……

 

「そうね……そうよね……!」

 

 塀の上に佇む青き防人、風鳴翼が月を背に刀を構えていた。

 

「逢えて良かった。あなたには訊きたい事が沢山あるわ、翼!」

 

 装者同士の哀しき戦いの幕は切って落とされた。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風鳴訃堂……愚かな男よ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 護国の為に神の力を占有しようとは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれはその為にあるものではない……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 が、それももう終わりだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 嗚呼……この時を待ち侘びていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 幾千もの時を生きてきた私の悲願が、ようやく果たされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シェム・ハとなった小日向未来から神の力を引き剥がして無力化、その力を奪取する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、その力をルリに返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その際、器である少女を壊す事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だがこれまで、数多くの友と認めた者達の命を見殺しにして来た。今更そんな事に躊躇いはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風鳴訃堂がS.O.N.G.の強制捜査に掛けられ、ダイレクトフィードバックシステムによって制御されている今ならば、何者にも邪魔されずに果たす事が出来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その為に、アーネンエルベに破壊されたと偽った……このバイデントのファウストローブを再構築したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 出水輪も、今頃は邪魔なS.O.N.G.の者と戦い、ルリをここに連れて来てくれるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 嗚呼……胸の高鳴りが抑えられない……!

 

 

 

 もうすぐです……我が主よ……!

 

 

 

 ようやくあなたのもとへ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 同士だけではなく、互いに譲れないものがぶつかり合っている。

 

 輪の回し蹴りで、屋敷内まで飛ばされた瑠璃。背中に襖がぶつかるが、強く飛んだせいで襖ごと倒れてしまう。

 輪が屋敷に足を踏み入れた。瑠璃は痛みを押し殺して立ち上がり、問う。

 

「どうして……どうしてお祖父様に従うの?!あの人は神の力を……」

「そう、神の力を持ってる。だけどアルベルトの力で、神の力をアンタに戻せば(・・・)、もうアンタが戦わなくていいようになる……!」

「私に戻す……?」

「とにかく、一緒に来て!従わないなら……アンタを黙らせてから連れて行くから!」

 

 何か隠しているような物言いに不信感を抱くが、輪は容赦なく瑠璃に攻撃を加えてくる。

 チャクラムが投擲され、二本の槍で弾き落とすもそこから再び瑠璃に襲いかかる。黒槍と白槍にそれぞれエネルギーを集束させ、それを突き出すとそれぞれの穂先からエネルギー波が発射された。

 

【Shooting Comet:Twin Burst】

 

 エネルギー波はチャクラムを撃ち落とし、そのまま輪に向かうが、跳躍して天井に掴まってやり過ごした。エネルギー波が消えると、そのまま着地、再びチャクラムを手に接近した。

 同時に刃が振るわれ、鍔迫り合いに持ち込まれた。

 

「もう抵抗はやめてよ……!アンタが早く諦めてくれないと、私は何もかも失う!」

「さっきから何が言いたいのか……さっぱり分からないよ!」

「分からなくていい!」

 

 叫んだと同時に輪は強引に鍔迫り合いを押し切った。そのままチャクラムを持ったまま、右の裏拳がバイザーに直撃、そのまま割れると瑠璃の目元が露出した。

 

「その目……やっぱり、アルベルト(あいつ)が言っていた事……嘘じゃなかったんだ……。」

 

 アルベルトに見せられた彼女の記憶、それを見せられた輪は、彼女の尖兵となった。

 

 




遂に洗脳でもなく、自分達の意思で瑠璃と輪が刃を交える事になりました。

本当は翼と瑠璃を戦わせようか、結構悩みました。

ですが、輪を止めてくれるのはやはり瑠璃しかいないと思い、瑠璃VS輪にしました

次回、アルベルトの記憶の一部が明かされます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。