戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

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今回は長めとなっています。


奇跡の結晶 シンフォギア

 二課の本部でもその様子がモニタリングされていた。

 

「バイデント……反応途絶……!」

 

 それが瑠璃の死を意味し、藤尭は声を震わせて報告すると、二課の面々は悲しみに落ちた。

 弦十郎は声すらを殺し、静かに涙を流した。

 

「ねえ……嘘だよね?それって……瑠璃が死んだって事だよね……。オジサン……嘘だよ……!こんなの嘘だよ!」

 

 輪はこの事実だけは信じたくなかった。

 だがこの沈黙が答えである事を突きつけられた。

 

「輪さん……。」

「未来ぅ……。」

 

 親友を失った現実を突きつけられ、膝から崩れ落ちた。

 

「そんな……。誰でもいいから……嘘だって言ってよぉ……っ。嫌だよぉっ……こんな……お別れなんて……っ……。だって………まだ話したい事が……いっぱいあるのに……っ……。うああああああぁぁぁ……!」

 

未来は輪を抱きしめ、その悲しみを共に受け止める。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 遺された響、翼、クリスも瑠璃の死を悲しんだ。

 

「姉ちゃぁん……逝かないでくれよぉ……っ。」

「瑠璃さん……こんなのってあんまりだよ……。せっかく……クリスちゃんと再会出来たのに……。」

「瑠璃……。っ……?!立花!雪音!立て!」

 

爆煙が晴れると、なんとフィーネが立っていた。

ネフシュタンの鎧は大幅に破損し、その痛みでよろけるも生きており、フィーネは怒りを露わにしている。

 

「おのれ……あの小娘めぇ……!私にここまで深傷を……!」

 

 あの大規模な爆発を至近距離からまともに受けたというのに生きていた。

 

「そんな……何で……。」

「ネフシュタンの守りが上手だっただけだ……。完全聖遺物が、欠片如きに敗れる通りはない。愚かな小娘よ……。己の命を散らして成った事は……せいぜい私に傷を負わせたくらいだ。安い命だ。」

「おい、今なんつった……!」

 

 瑠璃を侮辱され、逆鱗に触れられたクリスの怒りは凄まじかった。

 

「姉ちゃんを……姉ちゃんを馬鹿にしやがったな……!フィーネェェェェェーーーーー!!」

 

【MEGA DEATH PARTY】

 

 怒りに任せて腰部の小型のミサイルを全弾発射し、ガトリング砲も乱射するが、フィーネの能力であるバリアで防ぎきる。

 

「貴様のような外道が、瑠璃を語るなああぁぁ!!」

 

【天ノ逆鱗】

 

 翼の怒りを体現するかのように巨大な剣を上空から蹴り込むが完全に修復しきれていないとはいえ、鞭のバリアで相殺させる。

 完全聖遺物の力の前ではそんなものは豆鉄砲でしかない。

 響は飛び道具が無い故に接近しようにも、獲物のない響でな鞭のリーチの前に近づく事すら出来ない。

 瑠璃を失い、怒りに囚われ連携すら取れていないこの状態ではフィーネに傷をつける事すら叶わず、寧ろ瑠璃の絶唱によって受けた破損が回復しつつある。

 さらにカ・ディンギルは発射体制に入り、もはや絶望的な状況になってしまう。

 

「ハハハ!そのまま這いつくばって見ているがいい!カ・ディンギルが月を穿つその時をなぁ!」

 

 フィーネは勝利を革新したように高らかに笑い、ボロボロの装者達を見下す。

 だが三人は諦めていない。

 

「まだ終わってねえぞ!」

 

クリスの発破に呼応するように、響は殴り掛かり、翼が刀を振るう。

 

「二人同時に来たところで!」

 

鞭をしならせ、二人まとめて叩きつけるが、これがクリスの思惑通りだった。

 

「本命はこっちだ!」

 

何と背中の装甲から巨大なミサイルを四発、発射する。

 

「くらいやがれ!ロックオン、アクティブ、スナイプ……デストロイィィィ!!」

「そんなもの、切り刻んでくれる!!」

 

 だがフィーネに行ったのはその半数で、残りの二本は上空へと放たれた。

 

「狙いはカ・ディンギルか?!させるかあぁぁ!!」

 

フィーネに向かったミサイルを飛んで避け、鞭で上空へ放たれたミサイルを叩き折るが、爆風が目くらましとなり、最後の一本を見失う。

 

「まさか……!」

 

上空へ飛来する最後の一本のミサイルの先端にはクリスが乗っていた。

 

「何のつもりだ?!」

 

 響と翼はクリスの不可解な行動に驚きを隠せず、見上げている。

 

「足掻いたところで所詮は玩具、カ・ディンギルの砲撃を止める事など……」

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

 

Emustolronzen fine el baral zizzl……

 

 クリスはカ・ディンギルの軌道線上でミサイルから降り、姉も唄った滅びの歌を唄い始めた。

 

「絶唱……」

 

響が呟く。

月を背に歌う絶唱。

腰の装甲からリフレクターを展開、二丁の拳銃から放たれたビームがリフレクターで反射され、その形がまるで蝶を思わせる。

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

 

Emustolronzen fine el baral zizzl……

 

その中心にいたクリスが構えた二丁の拳銃が超ロングバレルへのライフルへと姿を変え、エネルギーを集約させる。

対して月を捉えたカ・ディンギルの砲身からエネルギー波が発射された。

同時にクリスの二丁のライフルが発射され、両者のエネルギー波がぶつかり合う。

 

「一点集中?!押しとどめているだとぉ?!」

 

 カ・ディンギルの大型の波動に対して、一点にエネルギーを集中させる事で、拮抗していた。

 だがクリスのライフルの銃身に綻びが生じ始めると、イチイバルの装甲も限界を表すようにヒビが入り、次第に大きくなる。

 しかしクリスはどこか笑っていた。

 

(ずっとあたしは……パパとママの事が大好きだった……!だから……パパとママの夢を……お姉ちゃんと引き継ぐんだ……!パパとママの代わりに、姉ちゃんと歌で平和を掴んで見せる!私の歌は……)

 

カ・ディンギルの砲撃がイチイバルのビームを打ち破り、クリスに迫る。

 

 思い出す、母の左手と瑠璃の右手に繋ぎ、瑠璃の左手を繋ぐ父の右手。

 そして、あの夜空の下で交わした約束、瑠璃の笑顔。

 

(その為に……!)

 

カ・ディンギル砲撃がクリスを飲み込み、月へと穿たれる……と思われた。

 

「し損ねた?!僅かに逸らされたのか?!」

 

 月への直撃とはならず、その一部が破壊されただけという結果に、フィーネは叫ぶ。

 

「あ……あ……」

 

 クリスは奇しくも瑠璃が落ちた同じ森へ導かれるように落ちた。

 響は瑠璃に続いて大切な仲間を、やっと分かり合えると思っていた彼女を失い声にならない叫びを挙げた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

二課でも、輪が膝から崩れ落ちた。

 

「そんな……クリスまで……。」

 

 クリスの事は好きではなかった、だが死んでほしくなかった。

 あの時勝手に出ていった事に文句言いたかった、食べ方が汚いとか、乱暴だとか、言いたい事はあったはずなのに。

 それなのに、クリスまで死んでしまった。

 

 輪の心は深い悲しみしか残らなかった。

 

(お前の夢を……そこにあったのか。そうまでしてお前が、まだ夢の途中というのなら……俺達はどこまで無力なんだ!)

 

 二人を守れず死なせてしまった弦十郎は、己の不甲斐なさ、無力さに打ちひしがれた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 慟哭を挙げていた響は、その悔しさ、悲しみを叩きつけた。

 

「せっかく仲良くなれたのに……。やっとお姉さんに会えたのに……こんなの嫌だよ……嘘だよ……。もっと沢山話したかった……。話さないと喧嘩することも……今よりもっと、仲良くなることも出来ないんだよ……!」

 

その悲しみを嘲笑うようにフィーネは吐き捨てる。

 

「自分を殺して月への直撃を阻止したか……。ハッ……無駄な事を。」

「貴様……雪音を愚弄したか……!」

 

翼が怒りで震える剣先をフィーネに向ける。

 

「もう一度言ってやろう。クリスも……ルリも無駄死にだ。見た夢も叶えられない、とんだ愚図でしかない。」

 

響の怒りが、鼓動となって呼び覚ます。

 

「笑ったか……?命を燃やして大切なものを守り抜く事を……お前は無駄とせせ笑ったかか?!」

 

奏、瑠璃、そしてクリスの想いを踏み躙ったフィーネに怒りが増していく。

 

「許せなイ……」

 

 響の身体が黒く染まる。

 響の声に反応して振り返った翼。

 

「立花……!」

「それガ……夢ごと命を握り潰した奴が言うことかあアアアァァァ!!」

 

まるで獣の如く狂い、咆哮する響。

 

「立花!」

「融合したガングニールの破片が暴走しているのだ。制御できない力に、やがて意識が塗り固められていく。」

 

フィーネの得意げに語る様。

 

「まさか……立花を使って実験を……?!」

「実験を行っていたのは立花だけではない。見てみたいとは思わんか?ガングニールに翻弄されて、人としての機能が損なわれていく様を。」

「お前はそのつもりで、立花を……奏を……っ?!」

 

 怒りの咆哮を挙げた響はフィーネに向かって襲い掛かるが、弦十郎から教わった拳法ではなく、ただ力任せに腕を振り回す、獣のような短調なものだった。

 当然、フィーネに通用するわけがなく鞭で全て捌かれる。

 

「もうよせ立花!これ以上は聖遺物との融合を促進させるばかりだ!」

 

 だが皮肉にも届かないばかりか、今度は翼に攻撃し始めた。

 翼は響を気絶させようと肘打ちするが、それでも止まらなかった。

 

「立花ぁ!」

 

翼の思いは狂戦士となった響に届く事なく木霊する。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その様子をモニター越しに見ていた未来が思わず叫ぶ。

 

「どうしちゃったの響?!元に戻って!」

「駄目だ……怒りで我を忘れてる……。」

 

 悲しみを押し殺して立ち上がった輪がそう呟く。

 

「もう終わりだよ……あたし達……。」

 

だが今度は弓美が恐怖に押しつぶされて、呟いた。

 

「板場さん……。」

「学院がめちゃめちゃになって……あの子もおかしくなって……」

「終わりじゃない!響だって、私たちを守る為に……」

「あれが私達を守る姿なの?!」

 

 未来が何とか励まそうとしても、モニターには響が怒り狂い、仲間である翼を襲っている以上、この絶望は変わらない。

 

「分かるよ……その気持ち……。」

 

口を開いたのは輪だった。

 

「怖いよね……。突然ノイズに命を狙われて、非現実的な事に巻き込まれて……。恐怖で頭がどうにかなりそうだよね。」

 

 輪は弓美の右手を包む。

 輪も二年前にノイズに襲われて、そしてこの間、二度も瑠璃と共にノイズの危機に晒された。

 今でもあの恐怖が忘れられない。

 

「でも、一つだけ分かってほしいことがある。あの子は今、瑠璃やクリスが亡くなって、怒りで周りが見えてないだけだよ。絶対に元に戻るって……奇跡を信じよう。未来だって、全然諦めてないよ。ね?」

 

 そういうと輪は未来の方を見る。

 

「はい。私は響を信じてます。」

 

 弓美は輪を見るとまだ絶望をしていない、凛とした姿だった。

 

「私だって響を信じたい……。この状況を何とかなるって信じたい……。でも……でも!」

 

 弓美は輪に縋るように抱きつく。

 輪は優しく頭を撫でてやる。

 だが未来は瑠璃が亡くなって一番悲しいはずの輪が、それを堪えてまで弓美を励ましているのを見て心配した。

 未来は輪に声を掛ける。

 

「輪さん……大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ……。大丈夫……。大丈夫……。」

 

自分に言い聞かせる様に呟く。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 だがその願いも虚しく、響はまだ暴走しており、翼への攻撃が止まない。

 翼はボロボロであるが、響は構わず攻撃を繰り返し、止まる様子すら見られない。

 フィーネはネフシュタンの鎧の損傷を完全に回復させ、仲間同士が血を流し合うのを眺めている。

 

「どうだ?立花響と刃を交えた感想は?お前の望みであったな。」

 

 かつて翼は奏のガングニールを受け継いだ響を仲間と認める事が出来ず、一度だけ刃を交わそうとした時があった。

 だが今はそれは翼の本意ではない。

 響を取り戻そうと奮闘するが、再びカ・ディンギルが光り輝き出した。

 

「まさか?!」

「そう驚くな。カ・ディンギルがいかに最強最大の兵器だとしても、只の一撃で終わってしまうのであれば兵器として欠陥品。必要がある限り何発でも打ち放てる。そのために、エネルギー炉心には不滅の刃デュランダルを取り付けてある。それは尽きることのない無限の心臓なのだ。」

「だが、お前を倒せばカ・ディンギルを動かすものはいなくなる!」

「出来ると思うなら……試してみるがいい!」

 

 瑠璃はカ・ディンギルを止める為に、渾身の力でフィーネを屠ろうとしたが、結果的にネフシュタンの高い防御力の前に敗れた。

 威力で天羽々斬を上回るバイデントでも駄目ならば、フィーネを倒すのは至難の業だ。

 

「だがいくらネフシュタンと言えど、再生能力を凌駕する攻撃を与え続ければ……っ?!」

 

 フィーネに攻撃しようにも、暴走した響がいる限りフィーネに手を出す余裕もない。

 

「ハハハ!カ・ディンギル二射目までの余興に丁度いい!」

 

今度こそ悲願が成就される。

揺るぎない事実にフィーネは悦に浸る。

一方、翼は暴走する響と対峙し、語りかける。

 

「私はカ・ディンギルを止める。だから……」

 

響が翼に襲い掛かる。

右手で殴りつけようとするが、翼は刀を地に刺す。

そのまま攻撃をくらいながらも、翼は響を抱擁する。

アームが砕け、血が飛び散りながらも優しい抱擁で、語りかける。

 

「この手は、束ねてつなげる力のはずだろ?立花、奏から受け継いだ力を……そんな風に使わないでくれ。」

 

左脚部のバインダーから短刀が射出されると、それを響の影に刺す。

 

【影縫い】

 

その場に動けない響だったが、翼の想いが届いたのか赤く染まった目から涙を流す。

響から離れた翼はフィーネに決戦を申し込むように対峙する。

 

「待たせたな。」

「どこまでも剣と言うわけか。」

「今日に折れて死んでも……明日に人として唄う為に……風鳴翼が唄うのは、戦場ばかりでないと知れ!!」

 

 刀を握り締める。

 

「人の世界が剣を受け入れる事などありはしない!」

 

鞭を翼に狙いを定めて振るうが、翼はそれを避け、斬馬刀へと形を変えて振り下ろし、斬撃のエネルギー波を放つ。

 

【蒼ノ一閃】

 

それを鞭で打払い、再び鞭を放つが、二本の鞭の間にすり抜け、接近するとフィーネに刀を振り下ろす。

 フィーネにダメージを与えたが、それだけでは足りない。

 翼は跳躍して巨大剣と化した天羽々斬を投擲、蹴り込む。

 

【天ノ逆鱗】

 

「その程度では剣先すら届かぬわ!」

 

 フィーネは三層のバリアを張る。

 攻撃を防がれるがそんな事は想定内、翼の狙いはフィーネではなかった。

 巨大剣を足場に、両手に剣を構え、剣に炎を纏うと天へ飛翔する。

 

【炎鳥極翔斬】

 

「狙いは初めからカ・ディンギルか!」

 

そうはさせまいと二本の鞭を放つ。

翼の速さを上回り、その一本が直撃、撃墜される。

 

(やはり私では……)

『何弱気なこと言ってんだ?』

 

目の前に奏がいた。

 

『翼、あたしとアンタ、両翼揃ったツヴァイウィングは、どこまでも遠くへ飛んでいける。』

 

差し伸ばされた手を、翼は握った。

 

(そう……)

 

カ・ディンギルの外装を足場に、再び剣に炎を纏うと、さらに跳躍した。

 

(両翼揃ったツヴァイウィングなら……)

 

再び飛翔した翼を鞭が追う。

 

(どんなものでも……越えてみせる!)

「立花ああああああぁぁぁぁ!!!」

 

その叫びとともに、翼は炎の鳥となって鞭の追撃を振り切り、カ・ディンギルに突っ込んだ。

 

カ・ディンギルはその衝撃で外装から光が漏れ出し、爆発した。

 

カ・ディンギルを破壊されたフィーネは断末魔のような叫び声を挙げた。

 

カ・ディンギルの破壊を見届けた響だったが、代償として翼までもを喪った。

瑠璃、クリス、翼、大切な仲間達、帰る場所も失い、戦う意味を失い、ギアが解除され、崩れるように倒れた。

 

だがフィーネは怒り狂い、響に近づく。

 

「月の破壊はバラルの呪詛を解くと同時に重力崩壊を引き起こす……惑星規模の天変地異に人類は恐怖し、狼狽え、聖遺物の力を振るう私の元に基準するはずだった!痛みだけが人の心を繋ぐ絆……たった一つの真実なのに……それをお前は……お前達は!」

 

 悲願を打ち砕かれたフィーネは、倒れた響を蹴り飛ばす。

 「まあそれでもお前は役に立ったよ。生体と聖遺物の初の融合症例。お前という先例があったからこそ、己が身をネフシュタンと同化させられた!」

 

 再び蹴り飛ばされるが、全てを失った今、抗う力も気力も無かった。

 

「翼さん……クリスちゃん……瑠璃さん……三人とも……もういない。学校も壊れて……みんないなくなって……私は何の為に……戦ってる……?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

フィーネはかつて、創造主に使える巫女だったが、いつしか、その創造主に恋をした。

しかしその真意を伝えられないまま、創造主がバラルの呪詛を作り上げ、統一言語を奪われた。

フィーネは数千年に渡って、一人でバラルの呪詛を解放せんと生きてきた。

だが、それは四人の装者によって崩れ去った。

 

フィーネはもう終わりにしようと響の殺害を試みる。

 

「耳障りな……何が聞こえている?!」

 

破壊されたリディアンの設備であるスピーカーから聞こえてきたのは、響にとっては聞き覚えのあるものだった。

 

(校……歌……?)

 

リディアンの校歌だった。

しかし、問題なのはそこではない。

 

二課の本部では生き残った生徒達が、響に届ける為に校歌を歌っていた。

それは未来や輪達が生きているという何よりの証だった。

 

切っ掛けは小さな女の子からだった。

その少女はかつてノイズに襲われている所を響に助けてもらった。

響が戦っている姿を見て、応援したいという言葉から、未来、輪、弓美、創世、詩織が立ち上がり、二課の面々との協力の下、僅かに生きているリディアンの施設を再稼働させる事に成功した。

 

「何処から聞こえてくる?!この不快な、歌!……歌、だと?!」

「聞こえる……みんなの声が……よかった。私を支えてくれるみんなはいつだってそばに、みんなが歌ってるんだ。だから……!まだ歌える!頑張れる!戦える!」

 

射し込んだ朝の光と共に、響は戦う意思を取り戻した。

ギアが応えるように、展開される。

 

「まだ戦えるだと?!何を支えに立ち上がる?!何を握って力と変える?!鳴り渡る不快な歌の仕業か?そうだ、お前が纏っているものはなんだ?!心は確かに居り砕いたはず。なのに!何を纏っている?!それは私が作った物か?!お前が纏っているそれはなんだ?!なんなのだ……?!」

 

同時に森から藍と赤の光、破壊されたカ・ディンギルから青い光が天へと伸びた。

翼、クリス、瑠璃もギアを展開した。

 

そして四人は天高く飛翔し、装甲が純白となり、背中にはエネルギーの翼が展開された。

 

「シィィィンフォギィアアアアアアァァァァァ!!!」

 

響が心の底から叫んだものだった。

一人だけでは出来ない、皆との絆が結んだ奇跡の結晶……エクスドライブ。




最後のストックがなくなった。

書かねば……

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