戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

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皆様お久しぶりです。レーラです。

かなり間が空いてしまいましたが、XD編の制作の目処がようやく立ったので書き始めました!(と言っても他の作品と並行で描いておりますがw)

いくつか案は出ており、コラボという名のクロスオーバーの構想もありますが、どれから出そうか迷っておりまする。

こんな調子ではありますが、何卒よろしくお願い致します!


XD編
XD編 プロローグ


時は装者達が南極へ赴く前、さらにパヴァリア光明結社との決戦の前に遡る。

 

 S.O.N.G.が唯一保管、管理している完全聖遺物がある。

 

 櫻井了子を主軸とした発掘チームにより発見され、特異災害対策機動部二課が管理していた。そして二課が国連所属のS.O.N.G.として再編成された際もそのまま管理をする事になった。

 

 調査の結果、この聖遺物はこの世界から零れ落ちた異なる可能性によって進んだ世界、言わば平行世界に繋がるゲートを開くという。

 

 例えば、この世界では故人となった天羽奏が生きている世界。

 

 立花響が大切な陽だまりを失った事で、繋ぐ事を拒絶した世界。

 

 セレナ・カデンツァヴナ・イヴが存命している世界

 

 時には同じ自分でありながら、性格も容姿も異なる自分がいる世界……

 

 ありとあらゆる可能性から分岐したIFの世界を、この聖遺物は繋げた。

 

 

 

 

 その完全聖遺物の名は『ギャラルホルン』

 

 

 

 

 戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星XD

 

 

 


 

 

S.O.N.G.本部にアルカ・ノイズの出現警報がけたたましく発せられる。ブリッジのモニターには観測地点である街中を進むアルカ・ノイズ。その街中の路地裏を走る少女、出水輪が走っていた。

 

「だぁーかぁーらぁー!バッタリ錬金術師と出くわしちゃったんだよ!まさか巷で人気の占いの館が、錬金術師のアジトだなんて思わなかったんだからぁ!」

 

 輪が走りながら通信機で助けを求めている。

 

 

 そもそも何故こうなったのか。切っ掛けはほんの些細な事だった。

 

 土曜のお昼頃、テレビで放送されている情報番組にて100%当たると言われている占いの館が特殊されているのを見た。ミーハーな輪がそれに食いつかないわけがなく、すぐに行動に移した。

 

「占いの館は……あ、ここか。って、げっ……!」

 

 ハンドバッグには相棒とも言えるカメラを入れ、駆け足で占いの館へと足を運んだ。特集を組まれた効果もあってか、館は長蛇の列をなしていた。

 だがそれで諦める輪ではない。とはいえ行列に並んで1時間、少しずつ列は減ってきているのだが、それでも自分の番が回る目処が立たずにいるこの状況には流石に飽き飽きしてしまう。

 

「暇すぎる……ん?」

 

その時、黒いローブを着た男が館に向かっていく所を見てしまった。待つのに飽きていた事もあり、何か不信感を持った輪は興味本位で後をつけた。

 館の裏から侵入し、男を追ったのだが、館内の装飾や模様を見回しながらいると、ある物を発見して唖然とした。

 

「嘘でしょ……?!これって……!」

 

 その石の正体はアルカ・ノイズの召喚石。何故ここにあるのか分からないが、それを持っているという事はこの館は錬金術師のアジトという事になる。

 

 裏切り者としてキャロルへの協力活動していた時、自動人形達がそれを使っていたのを覚えていた。だが下手に接触するのはマズい。

 

 とはいえこの建物が敵の巣窟であるならば、司令である弦十郎に報告するべきだと判断して、決定的となる証拠写真を数枚撮影する。

 

 証拠写真を撮った後、通信機で報告しようとした時、誤って通信機を床に落としてしまった。

 

「何だ?誰かいるのか?」

「ヤバっ!」

「貴様っ!待て!」

 

その音を聞きつけた錬金術師の男に見つかってしまい、輪は脱兎のごとく逃げ出す。だがここを見られて生かして返す気などあるはずもなく、錬金術師は口封じの為にアルカ・ノイズの召喚石を床に割った。

 

割れた場所から魔法陣が展開され、そこからアルカ・ノイズが姿を現す。それでも輪は振り返らずに館を脱出するも、街中に逃げては民間人がアルカ・ノイズの攻撃に巻き込まれる恐れがある為、輪はなるべく人がいないルートを走っていた。

 

「何とか逃げてるけど、これ以上は本当にヤバいって!」

 

 街から外れ、河川敷まで逃げて来た輪だったが、人間である限り体力の限界は必ず訪れる。

 

「ってあれは……!」

 

 何と走った先に男の子が一人で草の根を掻き分けていた。何かを探しているようだったが、それどころではない。

 

「早く逃げろおぉー!」

 

 輪の声に気づいた少年が顔を上げてこちらを見るが、何がどうなっているのか分からないような表情で見ているだけで逃げようとしない。これには輪も悪態をつく。

 

「ああもう!しっかり掴まって!」

 

 見殺しには出来ず、やむなく少年を担いで走る。一人で走っても距離が縮まらなかった所に、子供とはいえ一人を抱えてしまえば当然その速さは落ちてまう。しかも長く走っていていれば、輪の体力にも限界がある。

 

(ヤバい……今度こそ……)

「お姉ちゃん……怖いよ……」

 

 少年が泣きそうな声で輪を見ていた。いくら幼子とはいえ、ノイズ(追って来ているのはアルカ・ノイズではあるが)の事については教えこまれているだろう。

 

 追いつかれたら、自分達はどうなってしまうのか。

 

 無垢な子供が恐怖に晒されているという状況、この子よりも大きな自分がしっかりせねばと奮い立つ。

 

「諦めんな!どんな事があっても、私は諦めない!だからアンタも……生きるのを諦めんな!!」

 

 

 Tearlights bident tron……

 

 

「今って……!」

 

 聴き覚えのある歌に気付いた輪。そして空から雨の如く、黒白の二叉槍が降り注ぎ、アルカ・ノイズの身体を文字通り串刺しにしてやると、赤い塵となって消滅した。

 

「バイデント……!」

 

 バイデント。ギリシャ神話に登場する冥府の神ハデスが用いたとされる闇の二叉槍。その欠片を触媒とし、ノイズに対抗しうる装束『シンフォギア』をその身に纏う者は一人しかいない。

 

 輪の目の前に降り立った、藍色のインナースーツに藍色のブーツ、上肢右側が黒で左側が白のアーマーを身に纏う黒髪の少女。

 

「瑠璃!」

 

 親友の名前を思い切り叫んだ。

 

「下がってて輪!ここからは、私達が引き継いだ!」

 

 さらに上からそれぞれのシンフォギアを纏った響と切歌が最前線へと切り込む。徒手空拳で砕き、大鎌で真っ二つに捌く。

 

 だが上空に飛ぶ飛行型のアルカ・ノイズの翼が鋸のように回転しながら輪の方へと突っ込んでくる。

 

「クリス!」

「おう!」

 

 瑠璃の呼び声に応えて、クリスがガトリング砲から弾丸を乱射。輪を狙っていた飛行型は全て赤い塵となって撃ち落とされた。

 

「輪先輩、掴まってください!」

「調!」

 

 巨大な鋸を一輪タイヤのように駆動して輪の手を掴んで引き揚げる。

 その間に瑠璃、響、切歌、クリスがアルカ・ノイズを蹴散らし、その数を減らしていく。

 

「あとは、空にいるあれだけ!」

「でも、ここからじゃ高すぎて狙えないデスよ!」

 

 ビルの最上階を超える高さで上空に浮遊する巨大飛行型のアルカ・ノイズ。だが切歌の指摘通り、あまりにも高すぎる。

 

「だったらあたしが……なっ!」

 

 撃ち落とそうとしていたのを読んでいたのか、巨大飛行型の腹と思われる部分から卵を多く落とす。地上に着弾したそれは、1個だけで5体の小型のアルカ・ノイズを生み出した。

 

「私があれをやる!響ちゃんと切歌ちゃんは地上を、クリスは空の雑魚を!」

「はい(デス)!」

「任せろ!」

 

 黒と白、二対の槍が一つに連結した二叉槍に跨ると、槍のブースターが点火、空を飛行する。

 

 だが地上から人型、空からは飛行型が瑠璃を撃ち落とさんと攻撃を仕掛ける。だが地上は響が殴っては切歌が斬り、空はクリスが撃ち落として、瑠璃を援護する。

 

 阻む者がいなくなり、急速で巨大飛行型へと接近。そのままその頭上まで上昇する。

 

 バイザーに巨大飛行型アルカ・ノイズをロックオン、二叉槍の穂先がドリルの高速回転しながら、そのままアルカ・ノイズの頭上を急降下する。

 

「行っけえええぇぇーー!!」

 

 瑠璃が吼える。岩盤を穿つように巨大飛行型アルカ・ノイズを貫いた。

 

 【Horn of Unicorn】

 

 瑠璃が地上に降り立つと同時に巨大飛行型も赤い塵となって消滅した。残りの小型のアルカ・ノイズも、3人によって全て仕留めた。

 

「こちら瑠璃、アルカ・ノイズの殲滅を確認」

『こっちも、占い館の錬金術師を捕まえました』

 

 元凶である錬金術師も、調が1人残らず捕縛した事で、事件は無事に解決した。

 

 


 

 占いの館騒動はS.O.N.G.の介入によってすぐに収まった。

 

 錬金術師達は残らず逮捕、証拠であるアルカ・ノイズの召喚石も全て破壊した事で、被害を出さずに済んだ。

 

 輪に助け出された男の子も保護され、無事に母親と再会した。

 

「良かった……」

 

 親子の再会を陰ながら見守る輪。そこに瑠璃が声を掛けてきた。

 

「輪、本当に大丈夫なの?」

「大丈夫だって!瑠璃は心配性だなぁ。ほら、傷一つ負ってないでしょう?」

 

 心配する瑠璃を余所に、輪は安心させるべく、モデルのようにクルリと優雅に回転してやる。

 

「でもまた無茶をして……いつも危険な事に首を突っ込んで、それで巻き込まれて……」

「今に始まった事じゃないでしょう?もう何回も巻き込まれてるし、慣れっこだよ」

 

 これまで一般人でありながら、ルナアタックの時は巻き込まれたとはいえその後も首を突っ込み、フロンティア事変では自分から首を突っ込んだ上にF.I.S.に攫われ、魔法少女事変ではキャロルに協力してS.O.N.G.を裏切るなど、挙げればキリがないくらい事件に関わり、命を落としてもおかしくない程の危険な目に遭っている。

 

 それでも悪運の強さと危機回避能力の高さなのか、いずれも無事に生還を果たしている。だが当の本人も、命を落としかけた事については反省している様子がほんの僅かにある。

 

「とはいえ……私のせいであの子まで巻き込んじゃったのは、申し訳ないかな」

 

 逃げた先にいた男の子に、要らぬ恐怖を与えてしまった事を後悔していた。

 

「輪さんのせいじゃないですよ」

「ん?」

「響……」

 

 そこに響達が割って入る。

 

「お前は子供を必死に守ろうとしたんだろ?だったら良いじゃねえか」

「そうデスよ!それに、輪先輩とってもカッコよかったデス!」

「ギアやファウストローブが無くても、輪先輩は頼りになる」

「そ、そうかな……」

 

 褒めてくれるのは嬉しいのだが、照れて頬を指で掻く。

 

 だがそんな空気を食い破るように本部からの通信が入る。

 

「はい、こちら瑠璃」

『お前達、終わったばかりで申し訳ないが、至急本部へ帰投してくれ』

「何かあったんですか?」

『ギャラルホルンのアラートが鳴った。平行世界に何かあったのだろう』

「分かりました。直ちに本部へ戻ります」

 

 通信を終えて、切る。

 

「アンタ達も忙しいねぇ」

「これも平穏を守る為だよ。輪は……」

「分かってるよ。寄り道しないで帰る。気をつけてね」

 

 5人は急いで本部へと向かった。

 

 もうラピス・フィロソフィカスのファウストローブを纏えない今、輪は親友達を送り出す事しか出来ない。その歯痒さを隠しながら5人の背を見送った。




というわけでプロローグは以上となります!

まずはどのシナリオからはじめるか、次のお話はそれを決めてからになります……申し訳ありません。

ちなみにクロスオーバーの中には戦隊モノもあったりします。

とりあえず情報はこれくらいにして、次回もよろしくお願いします!
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