戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

21 / 190
皆さん、ここまで読んでくれた方ありがとうございました!

最初はボロッカス言われるだろうなと思ったんですけど、それでも楽しみにしてくれた方々のお陰でここまでこれました!

最後は輪視点で無印編の幕を閉じたいと思います。

それでは最終回どうぞ!


絆の集合写真

 戦いの終焉を告げるように、陽は落ちていき、夕焼け空となる。

 シェルターにいた人々も地上に戻り、瑠璃を見つけた輪は、彼女へと走り出した。

 

「瑠璃いぃー!」

「輪!」

 

 再会を喜び合い、二人は抱き合った。

 

「良かった……!私……瑠璃がいなくて……ずっと……!」

「ごめんね……!輪……!」

「瑠璃。」

 

 輪の後ろに父、弦十郎がいた。

 

「瑠璃、黙っていて悪かった。俺は……瑠璃の……」

「良いの……。」

 

 弦十郎が自らの口で真実を告げようとしたが、瑠璃に遮られた。

 

「だって、私の事、ずっと守ってくれてたもん。血の繋がりとか関係ないよ。だって、お父さんはお父さんだもん……!」

 

 瑠璃は涙目になりながらも、笑顔で言い切った。

 弦十郎も貰い泣きしそうになって、瑠璃を抱きしめた。

 

「瑠璃!愛しているぞ!」

「うん。」

 

 やっと感動の再会を果たした瑠璃。

 そこに響がボロボロになっているフィーネに肩を貸しながらやって来た。

 

「お前……何を馬鹿なことを……。」

「このスクリューボールが……。」

 

 クリスは呆れるが、それが響なのだ。

 

「みんなに言われます。親友からも、変わった子だ〜って。」

 

 響は瓦礫の上に、フィーネを座らせた。

 

「もう終わりにしましょう?了子さん。」

「ワタシはフィーネだ……」

「でも、了子さんは了子さんですから。」

 

 フィーネは否定するが、響にとっては了子なのだ。

 

「きっと私達、分かり合えます」

「ノイズを作り出したのは、先史文明期の人間。統一言語を失った我々は、手を繋ぐことよりも相手を殺すことを求めた。そんな人間が……分かり合えるものか。」

 

 フィーネは立ち上がって響の思いを否定し、鞭を強く握る。

 クリスが反応するが、翼により制止される。

 

「人が言葉よりも強くつながれること、わからない私達じゃありません。」

 

 響がそう言うとフィーネはしばし目を閉じ……

 

「はああああぁぁぁ!!」

 

 目を開くと鞭を振るった。

 だが、それは響の眼前に止まる。

 

「上!!」

 

 瑠璃が叫ぶと、なんともう一本の鞭が月へと向かった。

 

「私の……勝ちだああああぁぁ!!」

 

 鞭の先端が月の破片に刺さると、最後の力を使って月の破片を引き寄せた。

 月の欠片はそのまま地球の重力に引き寄せられ、落下しようとしている。

 

「私の悲願を邪魔する禍根は、ここでまとめて叩いて砕く!この身はここで果てようと、魂までは絶えやしないのだからなぁ!!聖遺物の発するアウフヴァッヘン波形がある限り、私は何度だって世界に蘇る!!どこかの場所、いつかの時代!今度こそ世界を束ねるために!私は永遠の刹那に存在し続ける巫女、フィーネなのだぁ!!」

 

 勝ちを革新した高笑いが響くも、フィーネの身体に、響が優しく当たる。

 

「うん、そうですよね……。どこかの場所、いつかの時代、蘇るたびに何度でも私の代わりに、みんなに伝えてください。世界を一つにするのに、力なんて必要ないって事……言葉を超えて、私達は一つになれるってこと……私達は、未来にきっと手をつなげられるということ!私には伝えられないから……了子さんにしか出来ないから!」

「お前……まさか……。」

 

 フィーネは響がこれからやろうする事を悟ったが、響は笑顔で言う。

 

「了子さんに未来を託すためにも、私が今を……守って見せますね!」

 

 やれやれと目を閉じるフィーネ……

 

「ホントにもう……放っておけない子なんだから。」

 

 この時、了子として響の胸に優しく、ツンと突いて、響を見る。

 

 

 

 

胸の歌を、信じなさい

 

 

 

 

 最期は了子として、融合したネフシュタンの鎧と共に身体は崩壊し、亡骸すら残らず消えた。

 クリスは思わず、人目も憚らず泣きそうになった所を瑠璃が声を掛ける。

 

「クリス。」

「姉ちゃん……。」

「良いんだよ……弔っても。」

 

 クリスにとって、フィーネに利用されただけだったかもしれないが、それでも自分に色々教えてくれた人でもある。

 瑠璃も、装者として仕立て上げられたが、恨んではいない。

 一人の人間として、二人は彼女を弔った。

 

 

 だがまだ終わっていない。

 藤尭の計算で、月の衝突が避けられないことが分かった。

 このままでは、どんな被害が出るか検討もつかないが、少なくともここにいる者全て死に絶えるだろう。

 響は未来に歩み寄る。

 

「何とかする。ちょっと行ってくるから、生きるのを諦めないで。」

 

 そう言うと、響は空高く飛んだ。

 向かう先は月の破片。

 

 Gatrandis babel ziggurat edenal

 Emustolronzen fine el baral zizz

 

 Gatrandis babel ziggurat edenal

 Emustolronzen fine el baral zizzl……

 

 月の破片を止める為に、響は宇宙で滅びの歌、絶唱を口ずさむ。

 

(そんなにヒーローになりたいのか?)

 

 クリスの声が聞こえ、見ると翼、クリス、瑠璃がやって来た。

 

(こんな大舞台で挽歌を唄う事になるとはな。立花には驚かされっぱなしだ。)

(けど、みんなと一生分の歌を唄うなら……丁度良いと思うよ。)

 

 響が速度を落とし、三人と並列に飛ぶ。

 

(それでも私は、立花や雪音、瑠璃ともっと歌いたかった。)

(ごめん……なさい……。)

(バカだなお前!)

(そうじゃないでしょう?)

(ありがとう……三人とも!)

 

 左から翼、響、クリス、瑠璃が手を繋ぎあい、ブースターを全力で開放する。

 

 落下する月が迫る。 

 

 

(開放全開!行っちゃえ、ハートの全部で!!)

(みんなが夢をかなえられないのは分かっている。だけど、夢を叶えるための未来は、みんなに等しくなきゃいけないんだ!)

(命は尽きて終わりじゃない。尽きた命が残したものを受け止める、次代に残していくことこそが人の営み……。だからこそ、剣が守る意味がある!)

(どんなに離れても、どんなに時が流れても、絆は果てない未来まで繋がっていける。夜空の星のように……繋いだ絆は……永遠になる!)

(たとえ声が枯れたって、子の胸の歌だけは絶やさない!夜明けを告げる鐘の音奏で、鳴り響き渡れ!)

 

 四人はそれぞれの思いを胸に手を離す。

 

 

 

これが私達の、絶唱だああああああぁぁぁぁぁ!! 

 

 

 

 巨大な剣が、最大本数のミサイルが、十二本の巨大な黒白槍が、最大まで伸長させたバンカーで、月の欠片に撃ち込まれた。

 

 

 

 

 

 地上では砕け散った月の欠片が流れ星のように落ちていった。

 その光景を写真に納めた輪。

 

「瑠璃、あんた……最高に輝いてるよ。でもね……見せたかったよぉ……っ。」

 

 瑠璃を笑って送り出した輪は、笑顔を崩さないよう涙を流した。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 それから時間が流れて、私はあの日に撮った流れ星の写真をアルバムに納めた。

 私は誰にも笑顔を見せなくなってた。

 小夜姉からも心配されたけど、小夜姉にだけは無理に笑顔を作って誤魔化した。

 瑠璃達は作戦行動中に行方不明になったという事で捜索が打ち切られて、正式に死亡扱いになりました。

 私はこれから、瑠璃の家に行きます。

 お墓はないけど、せめてあの子の供養もしてあげたい。

 

 

 

 なんて言うと思った?バレバレだよオジサン。

 しばらくあの家に行ってるけど、オジサンすらいないし、流石に怪しいよ。

 明らかに何か隠してるでしょ?

 だから今日、未来とお墓参りに行く時、オジサンを問い詰めようと提案してみようと思う。

 待ってろよ〜?

 

 

 

 

 最悪だ……。まさかまたノイズと出会すなんて。

 しかもこっちは負傷した女性も運んでるし、未来は逃げようと思えば逃げるのに、私に付き合うし。

 

「囲まれた……どうする?」

「もう駄目……私……もう……」

「諦めないで……生きるのを諦めないで!」

 

 当たり前だよ。私達は諦めてない。

 瑠璃が帰ってくるその日まで……!

 

「え……?」

 

 突然物凄い音が響いて、ノイズが崩れた。

 しかもそこにあったのは……

 

「槍……っ!」

 

 投げられた先を見ると……

 

「輪!」

 

 やっぱり……生きてたんだ!

 

「瑠璃!」

 

 分かってはいたけど……やっぱり寂しかったもん!

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「はーい、撮るよー!」

 

 おかえりなさい記念という訳で、瑠璃、オジサン、響、翼さん、クリス、緒川さんのみんなで集合写真を撮ることにした。

 

 私はカメラを置いてスタンバイ、急いでみんなの所まで走る。

 真ん中には響に来てもらった。

 え?良いのかって?

 良いんだよ。だって私は……

 瑠璃の隣にいれば……それで十分なんだから!

 

 

 

 パシャッと撮る音が鳴った。

 

 




というわけで、無印編完結になります。

ちなみに瑠璃はまだ過去の記憶を完全に取り戻したわけではありません。
なので……瑠璃の戦いはこれからだ!

次回は少し番外編を挟んで……
G編に行きたいと思います。


瑠璃の楽曲

【キズナメロディ】
家族の記憶を取り戻した瑠璃が、繋いだ絆を胸に前を向いて歩く歌。


ご感想お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。