戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

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無印で起こった事のクリス視点となります。

被る所はカットしてますが、本編では書けなかった描写もあります。


番外編2 クリスから視た物語

 あたしの両親と姉ちゃんはバルベルデで死んだ。パパとママは紛争に巻き込まれて、姉ちゃんは政府の奴らに連れて行かれて、そこで死んだ。

 

「私の事はいいから、早く逃げて!」

 

 あたしを逃がす為に、姉ちゃんがあいつらを引きつけてくれたお陰で逃げ出せた。

 必ず帰るって約束してくれた、けどそれが間違いだった。

 あの時、あたしがあのまま受け入れていたら、姉ちゃんは死なずに済んだのに……!

 

 

 あたしが反政府組織に捕まった後、国連の救助隊が助けてくれた。

 けど姉ちゃんは遺体で引き渡されたって聞いた。

 

「姉ちゃんの嘘つき……!」

 

 あたしはあの場にいない、命懸けで助けてくれた姉ちゃんを、心無い言葉で罵った。

 あたしはそれをずっと後悔した。

 

 その後あたしはフィーネに連れられて、イチイバルのシンフォギアを与えられて、ソロモンの杖の起動実験をした。起動には半年掛かったけど、フィーネは褒めてくれた。それが嬉しかった。

 これで戦争の火種が消せるって信じてた。

 

 しばらくして、あたしはノイズを使って奴らと敵対した。だがそんな中、高校生くらいの女が走っている姿を見た。そいつを見た時、衝撃が走った。

 

「あれって……!」

 

 あたしはバレないようにそいつの後を追った。そいつの横顔を見た時、そんな筈はないと思っていた。

 だって、バルベルデで死んだって聞いたんだぞ。

 

「まさか……」

 

 声、髪、左目尻の泣きぼくろ、覚えている。でも確証は無かった。だからあたしは、あたしはあいつが鍵落とした時に声を掛けた。

 

「これ、お前のだろ?」

 

 そして、確認の為に名前を聞いた。

 

「風鳴……瑠璃?」

 

 その名前を聞いた時、あたしは確信した。

 何で風鳴になったのから分からない、だけど8年前に生き別れた姉ちゃんだ。

 生きていたんだ。

 でも姉ちゃん、あたしの事を何も覚えていなかった。

 

 アジトに戻ったあたしは、それをフィーネに伝えた。

 

「生きてた……姉ちゃんが……姉ちゃんが生きてた……!」

 

 フィーネは二課に潜り込んでいたから、姉ちゃんの事について知っていたはずだ。

 姉ちゃんに一体何があったのか、何で教えてくれなかったのか、フィーネに聞いても殆ど教えてくれなかった。

 ただ教えてくれたのは、今の姉ちゃんには以前の記憶が無いことだってことだ。

 だからあたしの事も、パパとママの事も何も覚えていなかったって事だ。

 

 ガングニール装者をかっさらう為にあの女と戦っている時、戦いに関係ない奴がこっちに来た。一人はカメラを持った学生。もう一人は……

 

「瑠璃!何故ここにいる?!」

「お姉ちゃん!」

 

 もう一人は姉ちゃんだった。

 絶好の機会だと思った。

 ガングニール装者を連れて行くついでに、姉ちゃんを助けようとした。

 でも、あたしはあいつの絶唱にやられた。

 せっかくのチャンスだったのに……。

 

 それからあたしは正体を隠して姉ちゃんに会いに行っていた。姉ちゃん、男手一つで育ててくれた父親を慕っていた。

 聞けばそいつは以前に戦った人気者の叔父で、特機部二の司令なんだとか。

 それを聞いたあたしは、言葉に出来ないくらい、心がぐちゃぐちゃになりそうになった。 

 

(姉ちゃん……何でそんな奴を慕ってんだよ?そいつは騙してるんだぞ?姉ちゃん、本当の家族は、あたしだけなんだぞ?)

 

 あたしはそいつを憎んだ。姉ちゃんを騙して本当は装者に仕立てようとしてんだぞ?

 でも、姉ちゃんは父親の事について話しているとどこか楽しそうだった。分からない、あたしはどうすれば良いんだ?

 

 デュランダル奪還失敗した後、あたしは姉ちゃんを取り戻すと決めた。

 

 フィーネによると、姉ちゃんは見舞いに毎日病院へ通ってるっつうから、あたしは先回りした。

 

「ごめんな、少し怖い思いをするけど、死なせはしないから。」

 

 一人になった所を狙って、ノイズを出した。ノイズはあたしの命令に従って姉ちゃんを誘導させた。

 

「こっちだ!」

 

 あたしは人がいないビルに誘い込んで、そこで姉ちゃんを助けて、気絶させた。

 

「ごめんな、遅くなって。迎えに来たよ。」

 

 これでようやく一緒に暮らせる。姉ちゃんをこんなにした、大人を、アイツらを絶対に許さない。

 そう思っていたらもう一人の奴に足を掴まれた。

 邪魔だと思ってソロモンの杖をあいつに向けた……けど、殺せなかった。

 元々こいつは無関係な奴だ。殺すのはあたしの主義じゃない。それにあいつはもう動けない。このままにしても問題ないだろ。

 あたしはそのまま姉ちゃんをかっさらった。

 

 あたしはフィーネに約束させた。姉ちゃんには手出しするなって。でも結局裏切られた。

 

「何で姉ちゃんが装者に……」

(フィーネ……姉ちゃんに何しやがった?!)

 

 姉ちゃんがバイデントの装者として利用されていた。

 そしてあたしは用済みだって……。

 姉ちゃんはあたしを殺しに来たんだ。

 でもあたしは姉ちゃんと戦いたくない、助けたかっただけなのに!

 あたしは姉ちゃんに背を向けてフィーネを追いかけた。

 

 どうしてこうなってしまったんだろう?あたしはフィーネと姉ちゃんに命を狙われる羽目になって、関係ない奴らまで巻き込んで、あたしがしてきた事は、何だったんだ?

 

「瑠璃!」

 

 突然車椅子に乗った女があたしの腕を掴んできたと思ったら、あの時姉ちゃんと一緒にいた奴だった。

 

「あんた……瑠璃を何処にやったのよ?!」

 

 あいつの目は忘れられない。

 ただ憎んでいるんじゃない。殺してやりたい、そんな目つきだった。

 でもあたしもムシャクシャしてたから、ついカッとなっちまった。

 

「ふざけんな!姉ちゃんを弄んで傷つけたのはそっちだ!あたしはただ、姉ちゃんを助けようとしたんだ!お前の友情ごっこなんざ……」

「あんたに何が分かるってんのよ?!妹であっても!あんたの物差しで!私達の友情を軽々しく語んな!!」

 

 あたしの腕を折りに来てるんじゃないかと思えるレベルで痛かった。

 そんな時あいつが現れた。

 

「やっと追い付いたで輪!あんた怪我人なんやから……って何しとん?あれぇ、瑠璃ちゃん?」

 

 あいつの姉貴だった。

 まあそりゃあ間違えるよな、あたしら双子だし。

 けどあいつ何トチ狂ってるのかあたしを飯食いに連れ出しやがった。

 いい迷惑だと思ってたけど、本当はホッとした。

 ここの所まともに食えてなかった。

 そんな時だった、あいつの過去を聞いたのは……。

 

「二年前……輪が中三の頃やったか……あの子同級生に虐められてたんや。」

 

 ちょっと待て……!二年前って……確かネフシュタンの鎧を奪ったあのライブがあったよな?

 まさかあいつ……それの生き残りなのか?

 じゃあ……あたしが起動したソロモンの杖で、あたしはあいつの大切な人を奪っちまったのか?!

 最悪だ……。あたしはなんて事をしちまったんだ……!

 

 結局あたしは二度もあいつの世話になった。

 偶々病院前を通り掛かったらあいつの姉貴が出てきやがった。

 

「あれ?クリスちゃんやない!どないしたん?何か疲れとるん?」

 

 あたしは姉ちゃんを助けたかっただけなのに……何でこうなっちまったのか分からず彷徨ってた。

 

「家においでや。少し休まんと。」

 

 そんな資格はあたしにはねえ!

 

「うるせえ!何であたしに構うんだ?!」

「うちは義理と人情を主義にする人間や。クリスちゃんが何で困っとるか知らんけど、困ってる奴がおったら、助けてやらんといかへん。でないとお天道様の下を歩いて生きていけへん。」

 

 結局あたしはあいつの家に転がり込んだ。飯まで食わせてもらって、風呂にも入れてもらった。

 でも着替えてた時、あいつの胸に刺し傷があったのを見ちまった。

 けどあたしは見てないふりをした。それが最悪な選択だって事を後で後悔する事になる。

 

 あのアジトでおっさんにあった時、あたしはおっさんに聞きたいことがあった。

 

「おいおっさん。何で姉ちゃんはあたしの事を覚えてなかったんだ?」

 

 おっさんは一回黙りこくったけど、その後ちゃんと話してくれた。

 あたしを守って政府軍に捕まった後、あいつらから理不尽な暴力を受けた事、純潔も奪われて心も身体も汚されたってことも、そんで弄ばれるだけ弄ばれて、最後はゴミみたいに捨てられた事も。

 それが耐えきれなくて姉ちゃんは記憶を消す事でしか自分を守れなかったんだ。

 

「ありがとな……おっさん。」

 

 あたしは決めた。今度こそ姉ちゃんを救い出す。そして、あたしが守るんだ。

 

 

 




というわけでクリス視点でした。

実は先々のストーリーはちょいちょい固まってるんですが、そこまでに到達できるかどうか……


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