戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

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さあ、G編になったからにはどんどん瑠璃を活躍させるぞー!




再臨の夜明け

『いいか!今夜中に終わらせるつもりでいくぞ!』

『明日も学校があるのに、夜半の出動を強いてしまい、すみません。』

「気にしないでください。これが私達、防人の務めです。」

 

 四人の装者は今、廃病院にいる。

 調査によればここに物資が搬入されているという痕跡を見つけ、そこに武装集団フィーネが潜伏場所として使っている可能性が高いという事で、奇襲をかけるとのこと。

 なお、明日も学校がある為、緒川は申し訳なさそうに謝罪するも翼は勇ましく返す。

 

「にしても、何か雰囲気出てるね……。本当に幽霊が出るなんてこと無いよね?」

「は、はぁ?姉ちゃんビビってるのか?」

 

 夜の病院にありがちなイメージを瑠璃の口から溢れるが、クリスはこれを否定……

 

「いやぁクリスちゃん。足震えてるよ。」

 

 クリスが分かりやすくビビっているのが見て取れる。

 

「こ、怖くねえし?武者震いってやつだ!」

 

 強がるクリスであるが、実際この浜崎病院は心霊スポットとして有名なのである。

 元々医療費の価格破壊を掲げていたらしいのだが、度重なる医療ミスと院長が、事故に見せかけて患者を殺害する事件までもが発生した事でお取り潰しになったという背景がある。

 だがそこに物資が搬入されているとなると武装集団フィーネがいる可能性は高い。

 彼女達のこれ以上のテロリズムを阻止する為、四人は病院の中へと進んだ。

 

 先頭から翼、響、瑠璃、クリスの順に進んでいくが、突如赤い霧が発生する。

 どうやらビンゴだったようだ。

 

「意外と早い歓迎だな。」

 

 その先にはノイズが待ち構えていた。

 

 Killter Ichaival Tron……

 

 クリスがイチイバルのギアを纏うと、他の三人もそれぞれのギアを纏い、ノイズと交戦を開始する。

 両腕の装甲をガトリングへと変え、ノイズに風穴を開けていく。

 瑠璃は病院の廊下ということもあり、槍を短く持つ事でリーチは削れるが、壁などに引っ掛からずに済み、的確にノイズを穿つ。

 しかし、ノイズは次々と現れ、その数が減った様子は見られない。

 

「お姉ちゃん、このノイズ……」

「ああ、間違いなく制御されている。立花は雪音のカバー、瑠璃は私と共に先陣に切り込むぞ!」

 

 翼と瑠璃が前衛に突撃、ノイズを蹴散らし、後衛のクリスが遠距離で撃ち抜き、響がクリスの護衛の如く、クリスに近づくノイズを迎撃する。

 しかし、数が減っている様子が見られず、徐々に追い込まれていき、次第に息も上がっていく。

 

「なんでこんなに手間取るんだ?!」

「ギアの出力が落ちている……?!」

 

 それは二課でも確認され、翼と同じ結論に至っている。

 だがそれでもノイズを蹴散らしていくが、四人は既に疲労困憊の状態となってしまっている。

 さらに突然怪物が襲いかかり、響と翼、瑠璃が攻撃を仕掛ける。

 だがいずれの攻撃でも炭素となって崩れないどころか、効いている様子すらない。

 

「嘘……効いてない……?!」

「アームドギアで迎撃したんだぞ?!」

「なのに何故炭素と砕けない?!」

「まさか……ノイズじゃない?!」

 

 装者達が動揺すると、怪物の奥からパチパチと拍手の音と共に、白衣の男が現れる。

 

「見事ですよ。まさか本当にバイデントを纏う者がこの世にいたとは。実際にこの目でどんな人物か確かめたくなり、出てきてしまいましたが、バイザーで顔を隠されてしまってはね。」

「その声ってまさか……?!」

「あいつは……!」

 

 クリスと響には聞き覚えがある。

 岩国へソロモンの杖を護送していた時にアメリカから出向してきたウェル博士その人だ。

 ウェル博士は怪物ことネフィリムをゲージの中に入れる。

 

「ウェル博士!」

「あの人、岩国で行方不明って聞いてたけど、何で……?!」

 

 瑠璃は名前を聞いた程度であるが、何故ここにおり、自分達と敵対的行動を取っているのか理解出来なかった。

 

「じゃあ岩国でのノイズの襲撃は全部……!」

「明かしてしまえば単純な仕掛けです。あの時既にアタッシュケースにソロモンの杖はなく、コートの内側にて隠し持っていたんですよ。」

 

 つまりノイズ襲撃はソロモンの杖を奪取する為の自作自演であると自ら種明かしをする。

 

「バビロニアの宝物庫よりノイズを呼び出し、制御することを可能にするなど、この杖を置いて他にありません。そして……」

 

 まるで舞台の演出かと思わせるような口ぶりと素振りでノイズを追加で召喚する。

 

「この杖の所有者は、今や自分こそがふさわしい。そう思いませんか?」

 

 わけのわからない暴論に腹を立てるクリス。

 

「思うかよッ!」

「待って!クリ……」

 

 瑠璃は大技を使うクリスを止めようとするも、既に遅く、腰部のアーマーから小型ミサイルを放ち、ノイズを蹴散らしたが……

 

「ぐあああぁぁっ!!」

 

 適合率が低下した状態で技を使ったばかりにギアのバックファイアに襲われ、激痛が走る。

 瑠璃がクリスに駆け寄り、支える。

 

「クリス!大丈夫?!」 

「クッソ……!何でこっちがズタボロなんだよ……?!」

(この状況で出力の大きな技を使えば、最悪の場合、身に纏ったシンフォギアに殺されかねない……!)

(でもこのままじゃ……どうしたら?!)

 

 

 翼は冷静に分析し、瑠璃はどうしたものかと考えるが、空から音が聞こえ、響がそれに気付くとなんとノイズがネフィリムが入ったゲージを気球のように運んでいるではないか。

 

「姉ちゃん、あたしの事はいい!あれを撃ち落としてくれ!」

「分かった!」

「させるわけないでしょう!」

 

 クリスを座らせて、気球ノイズを破壊しようと槍を投擲する寸前にノイズに囲まれてしまう。

 

「お姉ちゃん!私の代わりにあれを追って!」

「心得た!立花はその男の確保だ!」

 

 気球ノイズの対処は翼に委ね、瑠璃は自身とクリスを囲うノイズを黒槍で対処する。

 適合率低下によってバックファイアによるダメージが残っている以上、片手で二本の槍を扱うのが体力的にも厳しい為に、白槍は左前腕の装甲へと戻す。

 しかしこれが功を奏したようで、疲弊した状態で二本を片手で同時に扱う時より、スムーズにノイズを屠っている。

 さらにバイザーの戦闘補助によって接近してくるノイズを的確に対処していき、最後の一体を槍の投擲で葬る。

 しかし、クリスを守る為に一人でノイズと戦った代償は決して少なくなかった。

 瑠璃は黒槍を杖のように支え、身体を預けている。

 

「確かに……これは……ちょっとしんどい……かな……。」

「悪い……姉ちゃん。」

 

 息絶え絶えの瑠璃を見ているクリスは、瑠璃の制止を無視して大技を使ったばかりに、瑠璃に要らぬ負担を掛けてしまったことに後悔している。

 

「大丈夫……だよ……。それに……ほら。」

 

 響がウェルを確保、ソロモンの杖はクリスに預けられ、翼の方も緊急浮上した仮設二課の潜水艦を足場に飛翔し、飛行ノイズを撃破した。

 浮上した仮設二課の潜水艦を利用して高く飛翔した翼を阻む者はいなくなり、ゲージに手を伸ばしたその時、黒いガングニールに横槍を入れられ、翼はそのまま海へと落ちてしまう。

 

「お姉ちゃん!」

 

 横槍を入れたマリアは海上にガングニール停止したガングニールの上に降り立ち、ゲージをキャッチする。

 

「時間どおりですよ。フィーネ……。」

「フィーネ……?!」

「フィーネだと?!」

 

 ウェルがマリアを呼ぶ台詞に瑠璃とクリスが反応する。

 

「終わりを意味する名は、我々組織の象徴であり、彼女の二つ名でもある。」

「まさか……じゃあ、あの人が……?」

「新たに目覚めし、再誕したフィーネです!」

 

 朝日をバックに、水面から浮上しているガングニールの上に立つマリア、それはフィーネがここに再臨したという意味だった。




秋桜祭まで輪の出番がありません。

もしかしたらG編、輪の出番少ないかも……?

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