戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

4 / 190
予めお知らせします。

デュランダル争奪戦は瑠璃、輪は何の介入もない為、丸々カットします。


信じるものの為に

ある少女の夢。

双子の少女は夜空を見て約束した。

共に両親の夢を応援しようと。

流れ星が降り注ぐ澄んだ夜空の約束。

ずっと、ずっと守り続ける為に……少女は……

 

 


 

 

 目が覚めるとそこは見覚えがある天井だった。

 薬の匂いからここが病院である事がすぐに分かった。

 過去に交通事故で搬送された事を覚えており、その時はそばに弦十郎がいた。

 だが今回は誰もいない。そう思っていた矢先

 

「瑠璃……!」

 

 病室の扉が開いた音に反応して、そっちに向くと輪が入って来た。

 

「あぁ……良かった!目を覚まして……もう心配したんだから!」

「あれ……私……。」

「あの時急に意識を失って、ここに運ばれたんだよ。今オジサンに電話入れてくるから待ってて!」

 

 そういうと輪は病室を出ていった。窓を見るとそこはもう日暮れだった。

 あれからどれくらい意識がなかったのか、分からない。ただ、覚えているものといえば、翼が謎の襲撃者と戦っていた事、ノイズに囲まれていたこと、襲撃者がこちらに手を伸ばしていた事、それと……翼がノイズを全て倒した事。

 

「お姉ちゃん……!」

 

起き上がろうとすると頭痛に襲われた。

 

「ぅっ……ぁっ……!」

(約束だよ■■■)

(うん!お姉ちゃん!)

 

「はぁ……はぁ……今のは……何……?」

 

 突然流れ込んできたビジョン。二人の少女が出てきたが、何か違和感を感じた。全く知らない少女二人が出てきて、何がどうなっているのか分からなかった。考えている内に輪が戻って来た。

 

「瑠璃、オジサンもうすぐ来る……瑠璃?」

「え?ど、どうしたの?」

「いや、だからもうすぐオジサン来るって。」

「そっか。ありがとう」

 

 無理に笑おうとしているのがバレバレだった。せっかく無事だというのにどこか浮かない顔をしている。

 

「ねえ、あれ何なの?」

「あれって?」

「翼さんと、あの子、立花さんが着てたコスプレみたいな奴。瑠璃は何か知ってるの?」

 

 瑠璃なら知ってるんじゃないかと聞いてみる凛だったが

 

「ううん。知らない。私も初めて見た。」

「知らないの?オジサンからは何か聞いてたりは?」

「無いよ。」

 

 意外だと思った。近親者の瑠璃ですら知らないとなると、国家ぐるみの何かと勘ぐってしまう。だがその勘ぐりは的確である事は、弦十郎が来るまで知る由もなかった。

 二人の間に重い空気が立ち込めていたが、それは駆けつけた弦十郎がやってきた事で解決した。

 

「瑠璃!」

「お父さん……!」

 

娘の無事を確認すると弦十郎は思い切り抱きしめた。

 

「心配したぞ。」

「ごめんなさい……。」

 

瑠璃を離した後、今度は輪と向かい合うと頭を下げた。

 

「済まなかった輪君。君までもを巻き込んでしまって……」

「えっ?!あ、いや!待ってください!どっちかというと、巻き込んだのは私ですよ?!私が誘わなければ瑠璃もこうならなかったと思いますし!とにかく、頭を上げてください!」

 

頭を上げる弦十郎。

 

「お父さん、お姉ちゃんは大丈夫なの?」

 

瑠璃の問いかけに弦十郎の表情は曇っていた。

 

「翼は、ICUで意識不明の重体だ」

 

衝撃的な報告を受け、二人は絶句した。

 

「そんな……どうして……」

「オジサン、一体何が起きているのか教えて下さい。」

 

輪は真実を知る為に、弦十郎に詰め寄る。だが答えはNOである。

 

「駄目だ。これには国家機密が含まれている。内容が内容なだけに教える事が出来ない。」

「そんな!私達、あんなものを見せられて、娘に対しても、それでも何も教えられないって……納得出来ませんよ!」

 

 輪はその黙秘に納得が行かないようで、抗議する。

 

「だろうな。俺も同じ立場なら、全く同じ事を言うだろうな。」

「だったら……」

 

だが、瑠璃が制止させる。

 

「輪、良いよ。あまりお父さんを困らせちゃ駄目だよ……。」

「でも……」

 

 輪が自分の為だけでなく、瑠璃の為にも何が起こっているのかが知りたいという思いで抗議してくれている事は知っている。

 でも弦十郎にも話せない訳があるのも分かっている。であれば何を聞いても意味がない。それ故に、輪を制止した。

 

「輪、ありがとう。でも良いの。ただ……お父さん、信じていいんだよね?」

 

 自分でもこんな事は家族に対する仕打ちとして、十分酷い事をしていると自覚している。だからこそ娘を守る為には、これ以上巻き込むわけにはいかない。

 

「本当に済まないと思っている。だが、下手に口外して、君達が巻き込まれでもしたら取り返しがつかない。何を言っても信じてくれないだろうが、俺は二人を巻き込みたくはない。それだけは信じてほしい。」

 

 輪は弦十郎の人となりを知っている。優しくて、嘘を嫌い、真っ直ぐな人。だから信じられる事は出来る。しかし、輪の心中では納得いかない所がある。だがこれ以上言っても、瑠璃も困らせるだけだ。ここら辺が収め時であろうと考え、これ以上何も言わない事にした。

 

「分かりました。今は聞かないでおきます。ただ、いつか絶対に話してください。でないと、オジサンの事、信じられなくなりそうです。」

「それで良いさ。君に信じてもらえなくなったら、俺はそこまでの人間だったってことさ。」

 

 お互い合意の上でこの話は解決した。だが

 

「あの、お二人さん?」

「あ、小夜姉。」

 

 病院の扉を開く音がして、声を掛けられたので振り返ると、輪の姉である小夜が入って来た。

 小夜はここで看護師として働いている。

 

「何を話しとったのかは知りませんが、ここ病院。」

「「あ……」」

「他の患者様の迷惑なので、喧嘩は外でお願いします。」

 

 弦十郎と輪が病室で口喧嘩してしまった事について、関西弁混じりでこっぴどく叱られた。

 

 


 

 

 瑠璃は念の為検査入院となり、何も異常がなければ明日退院という事が決まり、見舞いを済ませた二人は病院を出た。

 

「家まで送ろう。」

「いえ、ここから近いので歩いて帰ります。それと、すみませんでした。生意気言って。」

「いや、輪君が謝ることはない。言い分は最もだからな。俺も自分のやっている事について、正直反吐が出る程に嫌悪している。」

「オジサンも、大変ですね。今みたいに、誰かに感謝されるわけでもないのに誰かを守る為に戦ってる。私だったら、無理です。私、強くないし……」

 

 そう言うと弦十郎は笑った。

 

「いや、そんな事はないぞ!元公安の俺に、ここまで言わせた女子高生は初めてだ!言ってしまえば、未成年でなければスカウトしたいくらいだ!」

 

 弦十郎は大いに笑うが、冗談なのか本気なのか分からない輪は苦笑いする。

 

「でも不思議ですよね。瑠璃とオジサンって顔は全然似てないのに、大胆な所とかは似てるんですから。流石親子ですね。」

 

 輪の何気ない一言で、弦十郎は一瞬驚いたがすぐに消えた。

 

「よく言われるさ。こんな厳つい父親からどうやって可愛い娘が出来たんだってな。さて、お姉さんも心配するだろう。気をつけて帰るんだぞ!」

「はい、おやすみなさい!」

 

 そういうと輪は走って家路につく。

 

「似てないか……。」

 

 残された弦十郎は、誰にも聞こえない独り言を呟いて、車に乗って自宅へと帰った。

 


 

 脳の検査などを受けた結果、異常は見られず、瑠璃は無事に退院した。

 あれから特に何も起こらなかった。強いて言えば……

 

「お父さん、映画は何にするの?」

「そうだな。ならベスト・キッズにしようか。」

「うん、分かった。」

 

瑠璃はいつもの様に映画をセットしに行く。すると

 

「頼もおおおぉぉぉーーー!」

「うわぁっ!何だ急に?!」

 

道場破りみたいな台詞で押しかけてきた突然の来訪者、立花響がやって来た。

 

「私に戦い方を教えて下さい!」

 

腕を組んで少し考えると

 

「俺のやり方は、厳しいぞ?」

「はい!よろしくお願いします!」

 

弦十郎に弟子が出来た。

 

「所で響君。君はアクション映画を嗜む方かね?」

「ふぇ?」

 

抜けた返事が帰ってくると、弦十郎が誰かと話しているのを見た瑠璃が出てきた。

 

「お父さん、ほら映画の準備出来た……あれ、立花さん?」

「あっ!瑠璃さん!え?!もしかして瑠璃さんのお父さんって……」

 

瑠璃と弦十郎を交互に見る響

 

「ああ、瑠璃は俺の娘だ!」

「うえええぇぇぇーーーっ?!」

 

 この厳つい父親からどうやってこんな可愛い娘が出来るのか、不思議に思った響。恐らく人生でここまで叫んだ事は無いだろうとおもった響である。

 


 

 弦十郎がは響に特訓をつける事になり、瑠璃はその手伝いをしていた。主に家事全般に、トレーニングの観察である。

 今日のおかずはスタミナ料理、しかもいつもより大盛りだった。

 以前に未来から響はよく食べると聞いたのでいつもより3倍多めに作った。

 牛肉と玉ねぎの甘辛ダレ炒め、味噌汁、茄子の漬物などいつもより豪勢な食事となった。

 

「お父さーん、響ちゃーん、ご飯出来たよー。」

 

と、障子が開くと

 

「待ってましたぁー!」

 

 響が物凄く楽しみにしていたようだった。

 ちなみに、呼び方が変わったのは響から名前で呼んでほしいと頼まれた事が切っ掛けだった。

 

 恐らく6人分あると思われる量を二人はあっという間に食べてしまった。瑠璃は何を考えたかというと

 

(もっと作っておけば良かったかな……)

 

 今度からもう少し量を増やそうと考える。

 弦十郎がいつも大食らいなので、響が幾ら食べようがそれくらいでは驚かない。

 最早感覚が麻痺しているのでは?と考えるのは野暮である。

 

「ご馳走様でしたー!ルリさんのご飯絶品でした!未来にも食べさせてあげたいです!」

「あ、ありがとう。」

「では片付けよう。響君は庭で待っていてくれ。」

「あ、私やるよ。」

 

 親子のやり取りを見ていた響は何だか和んでいた。

 ちなみに皿の量が多く、全部洗い終えるのに結構時間が掛かってしまった。

 

 それから響の特訓は続き、瑠璃も手伝いに徹した。

 休憩中、ある疑問を瑠璃に聞いてみた。

 

「そういえば瑠璃さんって、師匠みたいに強いんですか?」 

「そ、それはないよ。私こういうの全然出来ないし……。」

 

 そこに弦十郎が付け足すように話す。

 

「だが瑠璃は目がいいんだ。俺が自主鍛練していた時に、俺ですら気付かなかった癖を修整してくれたからな。」

「流石親子ですね……。」

 

 この親にしてこの娘にあり。響はこの親子が超人なのかと疑ってしまった。もしかしたら瑠璃がその気になればと考えてしまう響であった。

 

 響のトレーニングは数日に渡って続き、単独で任務をこなせる様になった同じ頃、翼の意識が回復したという知らせを受けた。

 




ある程度ストックはあるので早めに投稿できますが……

なくなったらヤバい……続き書かなきゃ。

所でうちの司令、他の方の所より子煩悩になってる?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。