F.I.S.が搭乗するエアキャリアは、現在海洋上を飛行している。
再びフロンティア浮上の為だ。
マリアが舵を取る中、切歌はナスターシャの容態を聞く。
「マムの具合はどうなのデスか……?」
「少し安静にする必要があるわ。疲労に加えて、病状も進行してるみたい。」
マリアは切歌の方へ向かず、ただ前を見てそう言う。
そこにF.I.S.の主導権を握ったウェルが、尊大な態度で話す。
「つまり、のんびり構えていられないということですよ。月が落下する前に、人類は新天地にて、一つに結集しなければならない。その旗振りこそが、僕たちに課せられた使命なのですから!」
調と切歌はウェルに対して従うのも不満であるが、マリアがウェルについてしまった以上、二人はマリアについていこうと気持ちを切り替えようとするが、調はずっと心の中にあるモヤモヤが晴れずにいる。
だがそれはジャンヌを見た時にそれは後回しになった。
「ジャンヌ……大丈夫?」
「あ?あぁ……平気だ。」
口ではそう言うが、肩で呼吸しながら見せる表情がそれが嘘であると分かる。
心配する調だがそこにレーダーが米国の哨戒機を捉え、モニターにも映し出された。
「こうなるのも予想の範疇。精々連中を派手に葬って、世間の目をこちらに向けさせるのはどうでしょう?」
ウェルは余裕の笑みで提案するように話すが、中身は強制であると読んだ調は反論する。
「そんなのは弱者を生み出す、強者のやり方。」
だがマリアはウェルの提案に賛成する。
「世界に私たちの主張を届けるには、恰好のデモンストレーションかもしれないわね。」
かつてのマリアは無益な殺生を拒んでいたが、今は違う。
「私は……私達はフィーネ。弱者を支配する強者の世界構造を終わらせるもの。この道を行くことを恐れはしない。」
ここまで変わってしまったマリアを調は見ていられなかった。
もう自分達に優しく、強いマリアはどこにもいないのかと、悲しむ調だった。
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二課の潜水艦のブリッジでノイズ発生アラートが発令され、さらに米国所属の艦隊から救援要請された。
「この海域から遠くない!急行するぞ!」
「応援の準備に当たります!」
弦十郎の指示に、いち早く応答する翼。
そしてクリスと瑠璃も出撃の準備に掛かる。
「翼さん!私も……」
「響ちゃんは戦っちゃ駄目!」
響も出ようとしたが瑠璃とクリスに止められる。
「未来ちゃんが帰って来た時に、響ちゃんが生きていないと、いなくなっちゃ駄目だよ。」
「その通りだ。お前は大人しく待ってな。」
二人とも響の身を案じて止めてくれたのだ。
クリスと瑠璃はブリッジから出ていく。
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米国の兵士はノイズに対して現代兵器で応戦するも、ノイズにそんなものが通用するはずもなく次々と炭素化されていく。
一方的な殺戮にマリアは耐えているが、調が側に歩み寄る。
「こんなことが、マリアの望んでいることなの?弱い人たちを守るために、本当に必要なことなの?」
調の問いにマリアは沈黙したままだった。
すると調は振り返ってエアキャリアの扉を開ける。
突然の行動に驚いた切歌が引き止めようとする。
「調!なにやって……」
そこにジャンヌが静止する。
「調、行くんだな?」
「うん。マリアが苦しんでいるのなら、私が助けてあげるんだ。」
そういうと調はエアキャリアから飛び降りる。
Various Shul Shagana Tron……
空中でギアを纏い、ツインテールのアームから小型の鋸が大量に降り注ぐ。
【α式・百輪廻】
降り注いだ鋸はノイズを切断し、炭素へと変える。
この戦いを見下ろしていたジャンヌは何処か寂しげでもあったが、同時に誇らしかった。
「調……ぅっ……!」
だが突然ジャンヌが壁にもたれかかって苦しそうに倒れ、蹲る。
倒れた音に、切歌が反応する。
「ジャンヌ!どうしたデスか?!」
切歌が駆け寄ろうとした時、ウェルに肩を掴まれる。
「連れ戻したいのなら、いい方法がありますよ。」
ジャンヌは苦しみながらも、切歌に向けたウェルの悪魔の囁きに嫌悪感を示すが、今の状態では止める事が出来なかった。
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シュルシャガナのギアを纏って米国哨戒機に放たれたノイズを葬っている調。
現代兵器ですら効かない化け物を一方的に壊滅させている。
だが数ではノイズの方が上回り、調の背後から襲い掛かろうとした時、頭上から三枚の碧刃が降り注ぎ、そのノイズは塵芥となる。
振り返ると、やったのはイガリマのギアを纏った切歌だった。
共に来てくれたことを嬉しく思い、駆け寄る。
「切ちゃん……っ!」
だが切歌は調の首筋に注射を打ち込んだ。
「ギアが馴染まない……!まさか……。」
Anti LiNKERを打ち込まれた。
それにより適合係数が急激に下がり、LiNKERによって後天的にギアを纏えるようになった調のギアは強制解除され、立つのも辛くなる苦しみが全身に襲いかかった。
切歌は自分の思いを吐露するように言った。
「あたし、あたしじゃなくなってしまうかもしれないデス!そうなる前に、何か残さなきゃ!調に忘れられちゃうデス!」
切歌がウェルについた。
大好きな友が力でねじ伏せるやり方に賛同してしまった事に、信じられずにいる。
「たとえあたしが消えたとしても、世界が残れば、あたしと調の思い出は残るデス!だからあたしは、ドクターのやり方で世界を守るデス!もう、そうするしか……あっ!」
突如海中からミサイルが打ち出され、それが上空で分解されると翼、クリス、瑠璃がギアを纏っている状態で飛び出した。
翼は切歌と交戦、クリスは調の回収、瑠璃は残ったノイズの殲滅に掛かった。
Anti LiNKERで身動きが取れない調は、クリスに組伏せられ、拘束された。
「おい、ウェルの野郎はここに居ないのか!ソロモンの杖を使うアイツはどこに居やがる?!」
クリスはソロモンの杖によって引き起こされた全ての犠牲は全て自分にあると責任を感じ、激情的に問うが調は答えなかった。
一方、ノイズをバイデントのギアで殲滅させた瑠璃は、バイザーがエアキャリアを捉えると、連結させた槍を箒のように跨り、遠隔操作を応用して浮遊、エアキャリアに向けて飛ぶ。
(待ってて、輪!未来ちゃん!今助けに行くから!)
それをレーダーで確認したマリアとウェルだが、彼は慌てる素振りは見せず、むしろ待っていたかのように笑う。
「ならば傾いた天秤を元に戻すとしましょうよ。出来るだけドラマティックに……。」
「出来るだけロマンティックに……。まさか、あれを?!」
ウェルがコンソールを操作する。
飛行している瑠璃はエアキャリアに向かっていたが、バイザーがエアキャリアから投下されたものをキャッチした。
「これって……?!」
Rei Shen Shou Jing Rei Zizzl……
突如紫色に輝く光が発し、詠唱と共に船へと落ちた。
「お姉ちゃん!クリス!新たな装者が!」
『新たな装者だと?!』
翼とクリスに危機を知らせるが、船に落下したそれの周りに煙が立ち込める。
晴れていくとそこにいたのは……
「嘘……?!」
神獣鏡のギアを纏い、虚ろな瞳をした小日向未来がそこにいた。
XD風ボイス【冬編】
瑠璃
こんなに寒いと、お鍋が美味しくなるんだよね。けど、いつの間にか鍋の無限ループが続いちゃうんだよね……。
輪
こうも寒いと人肌恋しくなるんだよね〜。そうだ、瑠璃に温めてもらおう!あの子暖かいんだよね〜。
シリアスが続くので定期的にこういう感じで中和していこう。
ご感想お待ちしております。