戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

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無印編であったものが、G編でも……

恒例化しそうだなぁ……


語らいの中にあるモノ

 浮上したフロンティアにエアキャリアを停め、乗り込んだ調を除いたF.I.S.の面々と手錠を掛けられた輪、そして二課を裏切ったクリス。

 今はフロンティアの中枢へ目指し、歩いている。

 

「こんなものが、海中に眠っていたとはな。」

「あなたが望んだ新天地ですよ。」

 

 ウェルの言葉をぶっきらぼうに返す。

 

「御託はいい。全て終わったら、報酬を約束してくれ。」

「しっかり働いてくれたならば、然るべきものを考えておきましょう。」

 

  切歌は突然二課を裏切ってF.I.S.についたクリスに疑いの眼差しを向ける。

 

「本当に仲間を裏切って、アタシ達に付くつもりなのデスか?」

「あいつを仕留めたのが証明書代わりだ。」

 

 クリスは瑠璃を気絶させた後、翼を銃撃してF.I.S.に寝返った。

 それでも切歌は納得しない。

 

「しかしデスね……」

「力を叩き潰せるのは、さらに大きな力だけ。あたしの望みは、これ以上戦果を広げない事。無駄に散る命を一つでも少なくしたい。」

 

 マリアも疑っている。念の為確認する。

 

「本当に私達と一緒に戦う事が、戦火の拡大を防げると信じているの?」

「信用されてねえんだな。気に入らなければ鉄火場の最前線で戦うあたしを後ろから撃てばいい。」

「もちろんそのつもりですよ。」

  

 ウェルがそう言うと、切歌は輪の方を見る。

 

「何か言う事はないんデスか?」

 

 輪はため息をつくと……

 

「裏切り者に何か言えって言うの?」

 

 冷淡な言葉で吐き捨て、そっぽ向いた。マリアは輪にも問いかける。

 

「級友にそんな冷たい事を言うのね。」

「本当の事じゃん。」

 

 輪の冷淡さに何処か怖さが感じ取れた。

 

 そうこう話している内に、フロンティアを制御するジェネレータールームに到達した。

 中央に、広大にそびえ立つ祭壇のような球体の建造物に驚く切歌。

 

「何デスかあれは?」

 

 切歌の疑問に答える事なく、ウェルは祭壇へと早足に赴き、トランクケースからネフィリムの心臓を取り出すと、球体に押し付ける。

 するとネフィリムの心臓が、まるで血管のように伸びると球体と繋がった。

 そして球体が黄金の輝きを纏った。フロンティアが起動した。

 

「心臓だけとなっても、聖遺物を喰らい取り込む性質はそのままだなんて……。卑しいですねぇ……。」

 

 ウェルに下卑た笑みが浮かぶ。

 フロンティアにエネルギーが行き渡った事で、フロンティア全体に緑が生い茂る。

 

「さて、僕はブリッジに向かうとしましょうか。ナスターシャ教授も制御室にてフロンティアの面倒をお願いしますよ。」

 

 そう言うとウェルは去っていった。

 

 切歌はあの海戦で調に言われた事を思い出した。

 

『ドクターのやり方では、弱い人たちを救えない……!』

 

 だが切歌はこれを否定する。

 

「そうじゃないでデス……フロンティアの力でないと……誰も助けられないデス……。調だって助けられないデス……!」

 

 それを聞いていたジャンヌはただ見ている事しか出来ない自分に悔しさを滲ませる。

 

(あれだけ仲の良かった二人が……こんな事に……。)

 

 そこにナスターシャに声を掛けられる。

 

「ジャンヌ。私はこれより制御室へと赴きます。」

「なら私も……」

 

 これをナスターシャが遮る。

 

「ジャンヌはあの子をドクターの手に渡らないようお願いします。」

 

 ナスターシャは輪の方を見ていた。

 

「分かった、マム。君はこっちだ。付いてこい。」

 

 そう言うと輪を引っ張り出し、去っていった。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 一方、神獣鏡のギアから解き放たれ、二課のメディカルルームで治療を受けていた未来が目を覚ました。

 

「未来!」

 

 良いタイミングで響が入ってくると、未来を抱きしめた。

 クリスの銃撃を受けながらも生き延び、頭に包帯を巻いている翼、タブレットを持っている友里も入って来た。

 

「小日向の容態は?」

「LiNKERの洗浄も完了。ギア強制装着の後遺症も見られないわ。」

 

 友里は悪いニュースが一つもない報告を発表する。

 

「良かった……本当に良かった!」

「響……その怪我……。」

「うん?」

「私のせい……だよね……。」

 

 未来は自分が響を傷つけた事に涙し、謝ろうとしたが、響はへっちゃらと言わんばかりの笑顔で返す。

 

「うん。未来のお陰だよ。」

 

 思わぬ返しに戸惑う未来。

 

「ありがとう未来。私が未来を助けたんじゃない。未来が私を助けてくれたんだよ!」

 

 友里がタブレットに映るレントゲン写真を見せた。それは響のものであるが、以前に目にしたガングニールに侵食されていたものとは見違える程に、破片は一切無かった。

 

「あのギアが放つ輝きには、聖遺物由来の力を分解し、無力化する効果があったの。その結果、二人のギアのみならず、響ちゃんの身体を蝕んでいたガングニールの欠片も、除去されたのよ。」 

「え……?」

 

 友里が優しく説明すると未来は驚きの声を漏らす。

 

「小日向の強い思いが、死に向かって疾走するばかりの立花を救ってくれたのだ。」 

「私が本当にに困ったとき、やっぱり未来は助けてくれた……ありがとう!」

 

 そう言うと響は未来の手を握る。

 

「私が響を……。」

(でも待って……。それって響は……。)

 

 ガングニールを纏えなくなった、という事を意味した。

 

「F.I.S.のたくらみなど、私と瑠璃の二人で払って見せる。心配など無用だ。」

「二人……?」

 

 今気づいたがクリスと瑠璃がいない事に気付いた。

 

「そういえば、瑠璃さんとクリスは?」

「瑠璃さんは今、調ちゃんの所にいるよ。」

 

 

 

 瑠璃はあの戦いで調に触れた時に起きた衝撃を確かめる為に、調が収容されている部屋の前にいる。

 念の為緒川も同伴している。

 

「ありがとうございます、緒川さん。」

「いえ。僕も彼女について色々聞いておこうと思っていたので。」

「その事なんですけど……私に任せてもらえますか?」

 

 緒川が問う。

 

「何故ですか?」

「何となくです……。それに、女の子の話は女の子が聞いた方がいいかなって思って……。すみません、上手く言えなくて……。」

「いえ。では彼女の事はお任せします。」

 

 そう言うと緒川は部屋のロックを解除する。瑠璃は部屋の扉を開け、中に入る。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

(切ちゃん……。) 

 

 切歌の説得に失敗した後、緒川によって保護された調は、部屋に収容されている。

 目的を見失い、暴走する仲間を見ていられず、ジャンヌに背中を押される形で飛び出した。

 ここに来たということは、マリアや切歌、ジャンヌ達と刃を交えるという事になるが、それは覚悟の上だ。

 だが気になるのはジャンヌだった。

 あの時様子がおかしかったのが気になり、何か嫌な予感がした。 

 だが考えていると部屋のロックが解除される音が聞こえた。 

 ドアが開くと瑠璃が入って来た。

 

「こんにちは。」 

「あなたは……。」

「さっきぶりだね。隣……良いかな?」

「うん。」

 

 そう言うと調の座るベッドに、隣に座る。すると、瑠璃が心配そうに話しかける。

 

「身体の方はもう良いの?」

「うん。私は元々適合率が低いから、ギアが解除出来た。だからバックファイアは無かった。あなたの時は、かなり苦しんだみたいだけど……。」 

「そうだね……。あれは大変だった……。お父さん、あの時すごく心配してなぁ。」

 

 秋桜祭で見たところ、調は切歌より警戒心が非常に高く、人見知りすると考えた瑠璃は他愛もない話で調の警戒心を解いていく。

 

「ねえ、その人本当のお父さんじゃないでしょう?」

「えっ?!」

 

 ごく一部にしか知らない事を、調が知っている事に驚く。

 

「それで双子の妹がイチイバルの装者の雪音クリス。本名は雪音ルリ……」

「待って待って!何で知ってるの?!」

「あなたの顔を見た時、イチイバルの装者に似てた。それにあの人、あなたの事を姉ちゃんって言ってたし……。でも……双子だったのはちょっと意外だった。」

 

 まさかそこまで知られていたとは思いもしていなかった。だが一つ引っかかる事があった。

 

(ん?双子って言ったっけ?)

 

 確かにそっくりではあるが、普通は姉妹というのが自然だろうが双子なんて細かい所まで見抜けるのか。

 だがそう考えていると調に腕を掴まれて我に返る。

 

「あの……。お願いがある。」

「お願い?」

「私と一緒に皆を止めてほしい。ジャンヌに送り出されたとは言っても……私一人じゃ……止められない……。だから……どうしたの?」

 

 今にも泣きそうな様子で瑠璃に頼み込んだ。この時、瑠璃は何か思い出したような顔をしていた。調は瑠璃の顔を見て尋ねた。

 

「あ、うん。大丈夫。」

(そっか。調ちゃんも、切歌ちゃんやマリア、ジャンヌが大好きだから……私達に。こんな形で教わるなんて……。忘れてたな……。)

 

 調に微笑む瑠璃。

 

「止めるよ、みんなで。」

「良いの?そんな簡単に……私はあなた達と……。」

「関係ないよ。私もしたいし、お父さんなら子供の願いを無下にはしないよ。」

 

 その言葉に調の笑顔が戻った。すると、突然調の両手は瑠璃の頬に当て、頭を寄せると唇同士を重ね合わせた。

 

「っ……!」

 

 突然接吻された事に顔を赤くする瑠璃。重ね合った唇が離れる。

 

「やっぱり親子ね……ルリ。」

「え……?えぇっ……?!」

 

 何故こんな事になったのか困惑する瑠璃。

 そこに緒川が良いニュースを持って入って来た。

 

「瑠璃さん、未来さんが目覚めたようです。」

「本当ですか?!良かった……。」

 

 良いニュースで平静を取り戻した瑠璃は、座っていたベッドから立つ。

 

「じゃあ、お父さんに言ってくるね。」

「うん。ありがとう。」

 

 瑠璃は手を振って緒川と共に部屋を出た。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 調が言っていたことをブリッジにいる弦十郎に伝える瑠璃。

 

「そうか……あの子がそんな事を……。」

「良いよね、お父さん?」

「当たり前だ。」

 

 弦十郎が腕を組んで笑顔で認めた。そこに起き上がったばかりの未来、響、翼、友里が入って来た。

 

「瑠璃さん!」

「未来ちゃん!もう大丈夫なの?!」

「はい。クリスがいなくなったって聞いて、いてもたってもいられなくなって……。」

「確かに響君とクリス君が抜けた事は、作戦遂行に大きく影を落としていた所だが……。」

 

 友里がタブレットを見て報告する。

 

「でも、翼さんに大事がなかったのは本当に良かった。致命傷を全てかわすなんて流石です。」

 

 それに疑いの念を持つ翼。クリス程の実力者なら目と鼻の先の距離を外すなんて考えられなかったからだ。もしかしたらと考える翼だった。




瑠璃は今回の件である事に勘付いています。
それはまた後ほど……

そしてキャロルちゃんお誕生日おめでとう!

「おい、早くGX編まで進めろ!」
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