戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

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久々の瑠璃登場となります。なお、ここに登場しますアーネンエルベの事務長はオリジナルで、今後出番は多分名前だけになるかと思います。

なので解説は無し!


番外編7 フロンティア事変後

 米国政府に訴えられた瑠璃は一度アメリカに出向というより強制送還され、被告人として裁かれそうになったが、斯波田事務次官の協力と追求もあって、米国政府が隠してきたジャンヌに対する非人道的な実験、さらに元バイデント装者であるメルの事件の隠蔽が明らかとなり、さらに元はといえばフィーネがドイツからバイデントを流出させた事から米国政府は二国からの激しい追求を受け、さらにフロンティア事変での批難追求を避ける為にF.I.S.そのものを存在しないという立ち回りをしなければならなくなった為、その流れで訴えを取り下げ日本政府に和解を申し出て、これを成立した。

 これにより瑠璃は裁かれることはなかったが、ドイツ政府が日本政府に協力した見返りとして今度はドイツに出向させなければならなかった。

 ちなみに米国から出立する前日、つまり昨日は月の落下を防いでこの世を去ったナスターシャ教授の遺体回収の作戦が行われており、瑠璃は独房の中で作戦行動をモニターで見ており、無事成功した際は喜んだ。

 そして今、瑠璃はベルリンにある空港に到着した飛行機から降り、フロントに到着すると、いかにも要人が乗りそうな高級車が待機しており、運転手が瑠璃に駆け寄った。

 

「あなたがMs.風鳴ですね?」

「は、はい。そうですけど……あなたは?」

「私はドイツ公的研究機関アーネンエルベの使いの者です。Ms.風鳴をお出迎えせよと、局長から承っております。」

 

 罪人である自分がまるで客人のように接するその態度に驚きながらももてなしを丁重に受け、そのまま後部座席へと乗り、アーネンエルベの本部へと向かった。

 その施設は研究所というより博物館を彷彿とさせるような洋館だった。少し前に輪にやらせてもらったゲームにこんな感じの建物を見た事があった。ゾンビとか出てこないよなと一瞬考えはしたがそんな空想の生き物が出てくるわけがないと結論づけ、そのまま案内された。

 

 

「やあ、よくぞ参られたMs.風鳴。私はアーネンエルベの事務長を務めている、レオン・コードマンだ。」

 

 車から降り、正面玄関の扉が開くとスーツを着た初老の男性が笑って出迎えに来た。心なしか雰囲気が弦十郎に似ている。

 

「は、はい。風鳴瑠璃です。今回は助けていただいてどうもありがとうございました。」

 

 瑠璃は頭を下げて礼を言う。

 

「いえいえとんでもない。元はと言えばバイデントを横取りしたあの女狐と君を陥れようとした連中が悪い。それに他でもないMr.八紘の頼みでもあったからね。」

「八紘伯父様の……ですか?」

「ああ。Mr.八紘とは友人でね、今回我々に協力を要請したのも彼なんだ。」

 

 風鳴八紘。日本の安保を支える内閣情報官であり、弦十郎の兄にして翼の父親である。その特権を通して様々な情報機関や政府と太いパイプを持っている。

 瑠璃は八紘とは何回か会っており、最初は怖い雰囲気を持った印象だったが、それに反してとても優しかったのを覚えている。ただ翼とは親子であるにも関わらず、その関係は冷めきっている。

 

「彼にはよろしくと伝えておいてくれ。」

「はい、分かりました。」

「では、軽い世間話も済んだところで本題に入ろう。早速なのだが、君のバイデントの力を見せてほしい。」

「今からですか?」

 

 突然の申し出に困惑する瑠璃。

 

「ああ。あのギアは起動に成功しても、纏える者が現れなかった。だが君はそれを意のままに操る事ができる。私はその感動的瞬間に立ち会いたいのだ。」

 

 そう熱弁するレオンの気迫に押されたのもあるが、頼みとあらば断る理由もないので瑠璃はこれを了承、早速シュミレータールームへと案内され、その部屋の中心に立たされる。

 

『そう緊張しなさるな。リラックスリラックス。』

「は、はい!」

『では、始めたまえ。』

「はい!」

 

 Tearlight bident tron……

 

 瑠璃の着ていた衣服が分解され、バイデントのギアを纏う。フロンティア事変以降、再びリビルトされ、胸部のマーカーがさらに白くなり、前腕とアンダーアームと脚部の装甲には、瑠璃の命の鼓動を表すように藍色のラインマーカーが刻まれている。

 

『これがバイデントの……!』

 

 レオンは感銘を受けるが、本番はこれからと言わんばかりに平静となり、ホログラムのノイズを出現させる。

 

「よし……!」

 

 少しの間、ギアを纏っていなかったがその動きに無駄がなく、的確にノイズを葬る。突き、払い、蹴り、殴る、全ての動作にキレがある。

 それをモニタリングしていたジークは感動の涙を流す。

 

 シュミレーションを終えるとレオンとその研究員達から盛大な拍手を贈られた。だがこの状況を苦手とし、突然の出来事に困惑する瑠璃。

 

「あ、あの……」

「素晴らしい!実に見事だった!ブラボー!」

「いや……ちょ……あの……」

 

 しばらく鳴り止まない褒め殺しに瑠璃は逆に顔を赤くし、涙目になったとか。

 だがこうして無事に正式にアーネンエルベからバイデントの装者として認められた瑠璃。レオンには孫のように可愛がられるようになり、翌日の帰国の便に乗ろうとした際は涙ながらに引き止められたとか。

 

 そんなこんなで無事に日本に帰国した瑠璃。羽田空港に到着し、ゲートを潜ると

 

「瑠璃さーん!」

「瑠璃!」

「姉ちゃん!」

「おかえりなさい瑠璃さん!」

「おかえり瑠璃ー!」

 

 響、翼、クリス、未来、輪、そして弦十郎が待っていてくれていた。

 

「みんな!ただいま!」

 

 瑠璃は元の日常へと帰って行った。その数ヶ月後、翼はリディアンを卒業した後ロンドンへと旅立ち、瑠璃、クリス、輪の三人は三年生へ、響と未来は二年生へと進級した。

 そしてフロンティア事変の一件で拘束されたマリア、調、切歌も無罪となり、マリアは司法取引によってエージェントとなり、調と切歌は保護観察下でリディアンに入学する事になった。

 

 




次回、GX編 開幕
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