戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

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キャラソンコンプリートBOXの発売日……

早く来ないかな〜と思いながら書いていく私。


最後の希望

 響が倒されて、目覚めないまま1週間が過ぎた。リディアンの教室で一人溜息をつく未来。授業中にも関わらず、その事で頭がいっぱいになり、教員からも注意されてしまっていた。ここまで重症だと弓美、詩織、創世にも心配されていた。

 そこに一人の来客が現れた。

 

「輪さん……。」

「やあっ。みんなでお昼どう?」

 

 校舎の屋上に集まり、5人でランチタイム。未来はパン、輪はおにぎりを口にしていた。三人娘はそれぞれ作った弁当を食べている。

 そこで輪は未来が落ち込んだ原因を4人から聞く。

 

「そっか……そりゃあ不安になるよね、友達がそうなったら……。」

 

 青空を見上げながら、共感する。輪だって瑠璃がそうなったら不安になる。もはや友というよりもう一人の自分を失ったような感覚になる。

 

「でもさ、響ならすぐに目を覚ますよ。あの子、何度死にかけても、最後にはちゃんと帰ってくるじゃない。」

 

 ルナアタックで月の破片が落下した時も、ガングニールの破片に蝕まれていた時だって、響はどんなに死の淵に立たされても帰って来た。今回だってきっと帰ってくるって信じられる。

 

「だからさ、帰りを待とう。ね?」

 

 そう言うと輪は未来の隣に寄って座り、肩に手をポンと置いて慰める。

 溢れそうな涙を拭って頷いくと、未来に笑顔が戻った。

 

 お昼を食べ終えた後、輪は教室へ戻ろうした時、未来に呼び止められていた。三人娘は先に戻り、今は二人きりになっていた。

 

「話って?」

「あの……響から聞いたんですけど。リディアンに通う人達の中に、敵に通じている人がいるって言ってたんです。」

「それって……スパイって事?」

 

 輪は顎に手を触れて考える。確かにこの間の帰り道は瑠璃と輪しか通らない特別なルートで帰ったのだがそこにアルカ・ノイズの襲撃があった。それに最近起きた火事の一件以降、背後から誰かにつけられているような感覚がしていた。

 

「分かった。私も何とか探ってみるよ。」

「い、いや……これは相談の意味で聞いたのであって……輪さんに調査をさせようなんて……」

「何言ってんの。もう何度も事件に首突っ込んでるんだから、今更これくらい怖くないよ。」

 

 まさか引き受けてしまうとは思わなかったが、輪とは何度も修羅場を潜り抜けたもの同士でもある。ここは輪を信じてお願いした。

 

「すみません、お願いします。」

「うん、任された。じゃあ何か分かったら連絡するね〜!」

 

 手を振って、輪は教室へ向かう。

 

「スパイ……か。」

 

 独り言を呟くがどこか物悲しそうだ誰かに聞かれることはなかった。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 現在S.O.N.G.の潜水艦はメンテナンスの為に寄港している。長期間の航海を続けるには定期的に物資の運搬やメンテナンスが必要になる。同時にエルフナインが強化型シンフォギアを完成させる為に研究室に籠もって作業をしている。

 ブリッジではその進捗状況を友里と藤尭が報告している。

 

「Project IGNITE 現在の進捗は89% 旧二課が保有していた第一号、および第二号聖遺物のデータと、エルフナインちゃんの頑張りのお陰でで予定よりずっと早い進行です。」 

「各動力部のメンテナンスと重なって、一時はどうなることかと思いましたが、作業や本部機能の維持に必要なエネルギーは、外部から供給できたのが幸いでした。」

 

 それについては喜ばしい報告だったのだが、緒川がある疑問を抱いた。

 

「それにしても、シンフォギアの改修となれば機密の中枢に触れるということなのに。」

 

 櫻井理論が公表されたとはいえ、シンフォギアは機密の塊とも言える程のブラックボックスであり、普通であればその情報を外に漏らさない為に秘匿し続けるのが当然の判断である。その疑問に弦十郎が答えた。

 

「状況が状況だからな……。それに、八紘兄貴の口利きもあった。」

「八紘兄貴って……誰だ?」

「限りなく非合法に近い実行力を持って、安全保障を陰から支える政府要人の一人。超法規措置による対応のねじ込みなど、彼にとっては茶飯事であり……」

「とどのつまりが何なんだ?!」 

 

 八紘を知らないクリスは質問し、翼が答えるが、答えになっていない長い説明に苛立ち、詰めかける。翼は一瞬目を逸らすが、そこに瑠璃がフォローを入れる。

 

「内閣情報官の風鳴八紘。お父さんの実兄で、お姉ちゃんのお父さんだよ。」 

「つまり姉ちゃんにとっては叔父ってわけか。だったら始めっからそう言えよな。蒟蒻問答が過ぎるんだよ。」

「私がバイデントの件でアメリカで裁かれそうになった時に、助けてくれたのも八紘叔父様なの。ドイツのアーネンエルベの事務長の人とは古い友人だって話してから。」

「私のS.O.N.G.編入を後押ししてくれたのも、確かその人物なのだけど……。なるほど、やはり親族だったのね。」

 

 マリアも八紘の姓から翼とは何か関わりがあるのかと推測していたようだった。だが八紘の話になった途端、翼の表情が曇っていた。

 

「どうしたの?」

 

 マリアの問いに、翼は答えなかった。訳を知っている弦十郎は頭を掻き、瑠璃も黙りこんだ。

 

 そこに響の様子を見た輪がブリッジに戻って来た。

 

「出水か。小日向は?」

「まだ響の所です。それにしても、大変な事になってるんですね。」 

 

 輪はここに来た時、弦十郎から今回の出来事について聞かされた。

 

「もう戦えるのが瑠璃だけなんでしょう?大丈夫なんですかそれ?」

「私は大丈夫だよ。今は私一人でが戦わなくちゃいけないけど、皆を守りたいから、私は戦える。」

「瑠璃……。」

「ちょっとエルフナインちゃんの様子を見て来る。」

 

 瑠璃はブリッジから出て行き、研究室へと向かった。

 

(瑠璃……どこまで自分を犠牲にするつもりなの?これじゃあ……まるで……。) 

 

 輪は顔には出さなかったが、瑠璃が以前のような普通の女の子から戦士に変わってしまっている事にショックを受けていた。

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

 試験管、フラスコが並ぶ机、壁は石造りになっていて、そこら中に計算式が書かれている。その家にはキャロルとその父親、イザークが住んでいた。母親は既に亡く、二人で生活していた。

 ある時、キャロルが分厚い本とにらめっこしていた時、イザークの悲鳴と爆発が聞こえ、心配したキャロルがその方を見ると顔に煤が付いているイザークがいた。それがおかしかったのか、キャロルは思わず笑ってしまった。

 その後、二人は食事を取る。キャロルは皿の上に乗った原型が何なのか分からない黒焦げの塊を凝視して恐る恐るフォークでそれを刺して食べる。

 

「美味いか……?」

「苦いし臭いし美味しくないし、零点としか言いようがないし。」

 

 キャロルは正直にそのまま答える。イザークは中々上手く出来ない事に落ち込む。

 

「料理も錬金術も、レシピ通りに作れば間違いないはずなんだけどなぁ……。どうしてママみたいに出来ないのか……。」 

 

 そう言って天井を見上げるイザーク。するとキャロルが椅子から立ち上がって、宣言する。

 

「明日は私が作る!その方が絶対美味しいに決まってる!」

「コツでもあるのか?」

「内緒。秘密はパパが解き明かして。錬金術師なんでしょ?」 

「はははは。この命題は難題だ。」 

「問題が解けるまで、私がパパの料理を作ってあげる。」 

 

 苦しい事はあるだろうが、それでもキャロルはこの生活が楽しくって、幸せなのが、その笑顔が証拠になっている。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 研究室に籠もって作業を進めているエルフナイン。今は机に伏して眠っておりキャロルとイザークの夢を見ていた。だが現実に引き戻され、目が覚めたエルフナイン。

 

「今のは……夢……?数百年を経たキャロルの記憶……。10分そこら寝落ちしてましたか……。でもその分頭は冴えたはず。ギアの改修を急がないと……」

 

 起き上がって再び作業に取り掛かろうとした時、ドアをノックが聞こえた。

 

「はい。どうぞ。」

 

 ドアを開き、瑠璃が入って来た。

 

「調子はどう?」

「はい。問題ありません。もう少しでお三方のギアの改修も完了します。」

「え、もう?凄いね……。」

 

 瑠璃の中でシンフォギアの改修とはかなり難しいものだと思っていた。しかしそれは間違いではない。何せエルフナインが現れる前は了子以外に改修出来る人間が誰一人いなかったからだ。それが余計にギアの改修が難しいものだと理由付けられる一つの訳でもある。

 

「でも、無理はしないでね?」

 

 そう言うと冷たい缶ジュースを渡し、エルフナインはそれを受け取る。

 

「ありがとうございます。ですが、もう少し頑張ります。」

「うん、分かった。」

 

 そう言うと瑠璃は邪魔にならないよう研究室から出て行こうとした時、アラートが鳴り響いた。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 アルカ・ノイズの出現を知らせるアラートが艦内に鳴り響いた。オペレーター陣がすぐさま座標を割り出すが、爆発による衝撃で艦内は揺れる。

 

「まさか……敵の狙いは我々が補給を受けている、この基地の発電施設……!」

 

 アラートを聞きつけた瑠璃、切歌と調がブリッジに駆けつける。

 

「状況は?!」

「アルカ・ノイズにこのドッグの発電所が襲われているの!」 

「ここだけではありません!都内複数個所にて、同様の被害を確認!各地の電力供給率、大幅に低下しています!」

 

 オートスコアラー達が同時多発的に襲撃を仕掛けてきたということになる。現在まともに活動出来る装者は瑠璃ただ一人だけであり、他の発電施設の防衛は不可能である。つまりこの発電所が最後の砦ということになり、そこがやられれば補給が全て絶たれてしまう。

 

「本部への電力供給が断たれると、ギアの改修への影響は免れない!」

「内臓電源も、そう長くは持ちませんからね……。」

「それじゃぁ、メディカルルームも……。」

 

 その影響は調の懸念通り、未だ意識が戻らない響にも及んでしまう。

 

「瑠璃!直ちに発電所の防衛を最優先とし、アルカ・ノイズを全て倒せ!」

「了解!」

 

 瑠璃は走り出し、ブリッジを後にして戦場へと向かう。S.O.N.G.に残された希望を守る為に。

 




Shooting Cometについて

Shooting Cometは現時点で3パターン。

通常パターンは1本の槍で行い、威力は一番弱いが連射性に優れる。

Twin Burstは2本の槍で放つ為、多数の敵に対してよく使われる。

Dual Driveは連結させた槍で放ち、2つのエネルギー波を1つに融合させる為、威力では 優れるがフルチャージで放つには時間が掛かる。
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