そして明かされる瑠璃の真実
(但し全部とは言っていない。)
出現したノイズを殲滅した後、瑠璃と輪を探す響だったが、如何せん建物が多くどこに隠れたのか分からない為、一人での捜索は厳しかった。
少し時間が経つと、実務部隊の一課と、弦十郎が到着し、人手も増えた事で捜査範囲を拡大していった。
すると捜査員が道端に落ちているスマホを発見し、弦十郎に確認を取らせる。
「娘のものに間違いない……。」
そのスマホは画面が割れてしまっているが、弦十郎が瑠璃に買ってあげたスマホで間違いなかったが、瑠璃本人が見つからなければ意味がない。
とにかく弦十郎は瑠璃と輪の無事を願いながら捜索していると、リディアンの制服を着た女子生徒がストレッチャーで運ばれているのが見えた。
「すまん、退いてくれ!」
弦十郎は急いで救急車に運ばれようとしている少女の確認に向かったが、運ばれていたのは
「オジサン……?」
「輪君……!瑠璃は……瑠璃は?!」
輪は無事だった。ただ右足関節が赤く腫脹している事から、骨が折れた可能性があるとの事だった。
そして輪は弦十郎を見た途端、泣き出してしまった。
「瑠璃が……瑠璃が……あいつに……!」
「あいつ?!あいつとは……待ってくれ!」
嗚咽混じりに見たものを伝えようとするが、輪を乗せたストレッチャーはそのまま救急車の中に入れられ緊急搬送された。
弦十郎は悔しさを滲ませるかのように拳を強く握った。
弦十郎は一度に二課に戻って情報を整理する。
輪が生き残り、瑠璃か行方不明になったこと、輪の証言で瑠璃が攫われ、犯人は先日のネフシュタンの鎧を纏った襲撃者の少女である事が濃厚となった。
だが住民に犠牲が出ておらず、輪の命を奪わなかった事から敵の目的は殺戮ではなく、瑠璃の捕獲であると結論付けられた。
つまり、敵はまんまと二課を出し抜き目的を果たし、二課は敗北したことになる。
弦十郎は今後の対策を建てる前に、輪が運ばれた病院へ向かい、面会をする。
「すまない輪君。君を巻き込み怪我を負わせた上に、瑠璃を守れなかった。」
「いえ、オジサンが悪いわけじゃ……いや、悪い所はあったかな。」
輪は右足は高く挙げられていた。
幸い骨は折れてなかったが、足を大きく捻った事による靭帯損傷との事だった。
「オジサン。オジサンが瑠璃に隠している事、全部話してください。」
「何を……」
「ずっと前から思ってたんです。オジサンと瑠璃、全然似てないから、何かあるんじゃないかって思ったんです。翼さんとも、従姉妹にしては学園で話してる所を殆ど見たことないですし……あと瑠璃を攫ったあいつ……何か瑠璃に似てた。でも態々瑠璃を攫ったってなると、あいつは何か関係があるんじゃないかって思うんです。」
輪の勘の鋭さには弦十郎も驚かされるが、それは問題ではない。
本当に教えていいのかと考えるが、輪を二度も巻き込んでしまった以上、輪にも知る権利がある。
何よりこれ以上の隠し事で信頼を損なってしまうのは本意ではない。
「そうだな……。話は長くなる故にある程度掻い摘んで話すが、知っている事は全て話す。だが、この事を知っているのは極わずかだ。口外すれば瑠璃が傷つく事になる。それだけは理解してくれ。」
その条件を輪は飲んだことで弦十郎は真実を話した。
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明日からリハビリということになり、しばらくは入院する事になった。
消灯時間はとっくに過ぎているが、輪は弦十郎の話が忘れられず、今も起きている。
「瑠璃……。あんたって子は……。」
国家機密だらけの技術を持つ二課という存在、誰かがノイズを操っている事、ここまでは輪が推測してた通りたった。
だが瑠璃の過去だけはまったく想像できなかった。
出会った時から、どこか謎めいた雰囲気を持っていると感じていたが、瑠璃の過去を知った今、今後どう接すれば良いか分からない。
でも一つだけ確かな事がある。
(それでも……それでも私は瑠璃の親友でい続ける。同情なんかじゃない。あの子がどんな過去を背負ってようが関係ない。私は風鳴瑠璃の大親友、出水輪なんだから。それに……オジサンだって……)
弦十郎が背負った覚悟をこの日、輪は知った。
対する弦十郎は帰り道で病院での輪の覚悟を思い出していた。
「失望しただろう?俺は、君が思っている程立派なものではないのさ。」
弦十郎は自嘲するが、輪が突然頭を下げた。
「どうしたんだ?!」
「ごめんなさい!オジサンの事、瑠璃の事を何にも分かってないのに、あんな生意気な事を言って……ごめんなさい!私……私……」
弦十郎は輪の肩に手を置いた。
「良いんだ。君が謝ることはない。すべての発端は、俺達にある。俺は必ず瑠璃を取り戻す。あの子を、今度こそ平和な日常に送り返す。だから謝らないでくれ。」
その言葉を聞いた輪は真剣な顔付きになる。
「オジサン、私にも協力させてください!」
「それは駄目だ!君はあくまでも……」
「本当の事を知った以上、高みの見物とか出来ません!それに、大事な親友がそばにいないと、私駄目なんです!今はこんなですけど何でもやります、なのでどうかお願いします!」
ベットに頭をつける様に下げた。
未成年を二課に入れるわけには行かないが、輪の覚悟にも応えなければ野暮というものだった。
「良いだろう。外部協力者として、君を仲間に向かい入れよう。」
そういうと輪は頭を上げた。
「ありがとうございます!」
弦十郎でも止める事が出来なかった輪の覚悟。だが肝の据わった友達が出来て、父親として嬉しく思っていた。
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瑠璃を捕獲した少女は街外れにある大きな洋館に入った。
少女は部屋のベットに瑠璃を寝かせる。
(殴ってごめん。でも、生きていて良かった……。)
すると、少女は瑠璃の横で疲れたかのように眠っていた。まるで幼い姉妹が眠っているように見えた。
夜明け頃、瑠璃は目を覚ました。
(ここは……。私は確か……輪と一緒にお姉ちゃんのお見舞いに……そうだ!私ノイズに……)
すると左手に何か柔らかいものが当たった。
それは自分と同じくらいの大きさのある少女の胸を鷲掴みにしていた。
「んぅ……」
少女の漏れる声で我に返った瑠璃は顔を真っ赤にして慌てて手を離したが、テンパった勢いでベットから落ちた。
「うるせえな、何の……あ、起きてたのか。」
今の衝撃で少女が目を覚ました。
「お、おはよう……じゃない!ここはどこなの?!私は……何でここに……」
「いや、あたしが連れてきたんだ。」
「な、何で?!一体何を……っていうかあなたは一体……」
さっきのハプニングもあって、完全にパニックになっている。
「落ち着けって!取って食ったりはしねえって!」
一先ず瑠璃を落ち着かせてから、何を話そうか考える少女だったが突然扉が開いた。
「本当に連れて来たのね。」
振り返るとそこには黒い服を纏い、帽子とサングラスを着けた艶やかな姿をした金髪の女性がいた。
「別にこれくらい良いだろ。これなら巻き込まなくて済むし、また一緒に暮らせるんだろ?」
「そうね。クリス、外で話しましょう。この子とお話はそれからよ。」
少女の名はクリスと呼ばれていた。
舌打ちをするクリスだったがここはフィーネを信じて素直に言う事を聞くことにした。
「分かった。また後でな、『姉ちゃん』。」
そういうと女性についていくように、クリスは部屋を出ていった。
「ん?姉ちゃん?」
クリスの最後の言葉に疑問を持ったまま残された瑠璃だった。
二人が出ていった後、瑠璃は部屋を出て出口を探していた。
(急いでお父さんの所へ帰らなきゃ。)
だが建物の中は広く、何処が出口なのか分からなくなってしまう。困り果てながら歩いていると曲がり角で人と接触し倒れた。
「痛た……すみませ……へぇっ?!」
顔を上げるとさっきまで黒い服を着ていたはずなのに、何故か一糸纏わぬ姿になっている女性を見て慌てふためいた。
「うわあああぁぁ!あ、あなた、なな何なんですか?!な、ななな何で裸?!そ、そそそんな……は、破廉恥な!」
女同士でも刺激が強すぎる身体つきに、顔を赤らめ手で顔を覆っている。
「落ち着きなさい。お転婆なのはクリスとそっくりね。私を見なさい。」
フィーネは瑠璃の口元を人差し指で押して、静かにさせる。
瑠璃は何が起きているのか、何でこうなってるのか分からず、恥ずかしさのあまり涙目になっている。
「ついてらっしゃい。」
そういうと瑠璃の腕を引っ張りながら地下室へ連れてきた。
その部屋には医療器具のような機械が多く設置されていてまるで手術室のように思えた。
「そこに座りなさい。」
瑠璃は指示されるがままに台座に座ると、女性は隣り合うように座った。
「髪や黒子、目の形は少し違うけど、やはり双子と言ったところかしら。」
「ふ、双子?私に双子なんていません……!年が1つ離れた従姉がいるくらいで……」
「風鳴翼、だろう?」
名前を言い当てられ何故分かったのか動揺する瑠璃。
「そして父親は風鳴弦十郎。」
「どうしてそれを……?!」
「そんな事はどうでもいい。だが実に滑稽だな。顔はも性格も全く異なるのにそれで胸を張って親子と言うのだからな。」
「何を言って……きゃっ!」
フィーネに押し倒さると両手をそれぞれ枷で繋がれ、脱出出来ないようにされた。
「お前はまだ気付かないのか?どこまで鈍いのか……いや、知ろうとしないのか」
右手で瑠璃の左頬に触れた。フィーネは瑠璃を愛でているのだが、当の本人は恐怖で震えていた。
「あなたとあなたの父親が似てないのは当たり前の事よ。そもそも、父親の血が一切流れていないのだから。」
「何を言って……私とお父さんは親子じゃないって言いたいの?」
「あなたは風鳴の駒として拾われた余所者、ただの道具なのよ。」
フィーネの言葉は瑠璃の心を揺らがせるには的確なものだった。
「う、嘘だ……だって私はお父さんと……」
「あなたは母親の顔を見たことある?」
「お母さん?お母さんは、私が生まれた時に亡くなった……って……お墓だって……」
瑠璃は気付いてしまった。母の顔を一度も見たことが無い。ましてや家族の写真にすら母親は写っていない。
「その様子だと気が付いたようだな。何とも間抜けなやつだ。お前は妹と同じ、シンフォギアの適合係数が高かった、それ故にやつはお前を引き取ることにした。だがお前は心が死んでいて、戦士としては使えない失敗作だった。」
「お父さんはそんな事を……お父さんはそんな事しない……!」
「では何故あなたには秘密にし、姪である翼を戦わせる?そもそもリディアンが建てられた本当の目的は知ってる?知らないでしょう?」
「それは……それは……」
否定しようとすればする程父親という人間が分からなくなってしまう。
また自身にしている秘密も打ち明けてくれない事にも気付いてしまい、信じたのが間違っていたのか、自分は何者なのか、否が応でも考えてしまう。
「言葉で分からないなら……体に教えてやろう。」
その右手で瑠璃の制服に手を掛けるとそれを破り捨てて白い柔肌が露わになる。
「お前の中に眠る記憶、解放する手助けをしてあげる。」
「や、やめ……やめて……いや……」
馬乗りの状態から降りて、スイッチを入れるとルリ体に電撃が走る痛みが全身に襲い掛かる。
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
瑠璃が苦痛の悲鳴を挙げる中、フィーネは赤く輝く結晶のペンダントを左手に握り、その光景に愉悦していた。
瑠璃が苦しむ姿をちゃんと書けているだろうか。
え?私はそんな外道な真似はしてないと思いますよ?
ご感想お待ちしております。