伏線張るのど下手なのでもしかしたら裏切り者バレてるんじゃないかと不安になってましたw
現実ではジークによって召喚されたアルカ・ノイズを全て倒した調と切歌。残るはジークのみなのだが、瑠璃がダインスレイフの呪いに飲み込まれ、暴走してしまっている。今はジークに攻撃を仕掛けているが、今の瑠璃の前に映る者は全て敵である。故に、二人に攻撃して来てもおかしくない。
「どうするデスか?!」
調は考える。そして出した結論は
「どうもしない……マリア達を待とう。」
「え?!」
「私達が介入しても、瑠璃先輩を止める事は出来ない。それに……悔しいけど、私と切ちゃんがあのオートスコアラーと戦っても勝てない……。」
「確かに、今あの二人の間に割って入っても……返り討ちに遭うだけデス……。」
今の瑠璃が繰り出す攻撃は殆ど無作為に殴りかかったり、引っ掻いたりするだけで、そこに理性的なものは全く見受けられない、ただ暴れ狂う獣だった。
ジークはそれを軽々と避け、急所に叩き込むが、瑠璃はそれでも止まらず暴れまわっている。
ミカとの戦いで、闇雲になって戦うのではなく、自分達の行動に責任を持つ事を学んだ二人は、冷静に戦況をよく見た上で、あえて介入しないと決めた。
「瑠璃……。」
(私のせいだ……私のせいで瑠璃が苦しんでる……。)
瑠璃が暴れ狂ってしまったのは自分のせいだと輪は己を責める。拳を強く握るあまり、掌から血がにじみ出てしまっている。
(こんなにさせてまで……私はキャロル達に協力したんじゃない……!私がしたかったのは……こんな事じゃない……!)
輪は意を決して瑠璃に呼び掛けた。
「瑠璃!もうやめて!もうあんたが苦しむ必要はないんだよ!だからいつもの瑠璃に戻ってよ!」
だが暴走の恐ろしさを知らずに呼び掛けてしまった。調と切歌は輪の予想外の行動に驚いてしまう。
「輪先輩駄目!今の瑠璃さんには何を言っても……」
「あわわわ!こっち向いたデス!」
調が制止させようとしたが既に手遅れだった。輪の声に反応し、3人の方を向いてしまった。それによりターゲットがジークから3人に変わってしまい、襲い掛かる。
「こうなったら私達が止めるしかない!」
「仕方ないデス!」
「二人だけではないぞ!」
何と光の短剣とアガート・ラームの短剣が空から降り注ぎ、クロスボウの矢が放たれ、暴走した瑠璃が足を止め、それを避ける。
「もしかして……!」
「もしかするデス!」
マリア、クリス、翼が到着した。
「私と月読、暁で瑠璃を拘束する、マリアと雪音はオートスコアラーの対処だ!」
翼が指示を出し、それぞれの役目を果たしに掛かる。
翼を中心とし、瑠璃を引きつける。その間切歌が右から、調が左側から展開し、瑠璃の挟むように走る。
翼に向かって瑠璃が鋭い右手を振り下ろすが、それを受け流して、距離を取ると高く飛翔し、その後ろから大量のエネルギーの剣を展開、それを瑠璃に向けて放つ。
【千ノ落涙】
瑠璃は素手で自身が被弾しない範囲の剣を弾き落とし、再び翼に襲いかかろうとしたが、その直後に身体が動かなくなる。瑠璃の影に短刀が刺さっていた。先程、脚部のユニットから短刀を射出させ、エネルギーの剣に紛れ込ませていた。それを街灯によって映し出されている瑠璃の影に刺した。
【影縫い】
「今だ月読!暁!」
「了解!」
「合点デス!」
左右にそれぞれ展開した二人が動き出す。切歌は肩のアーマーからアンカーを射出、瑠璃の間を通り過ぎると、調の腕部のユニットと連結させると、その上からヨーヨーを走らせて、それに繋がる糸と、地面から出した切歌のアンカーで二重に拘束する。影縫いによる拘束も含めれば三重であり、これから抜け出すのは容易ではない。だが瑠璃はこの拘束から解き放たれようとしてうめき声を挙げながら藻掻く。
「二人はそのまま拘束を!私はマリアと雪音の援護に周る!」
「「了解(デス)!」」
翼はそのまま対ジーク戦線に加わる。
対ジークではやはり二人は苦戦していた。トポス・フィールドのせいで動きを読まれ全て攻撃を避けられ、的確に急所への攻撃を繰り出している。しかし、マリアとクリスは戦闘経験が豊富であった為、それを捌いている。だが二人が攻撃を繰り出してもトポス・フィールドによって読まれ、内から出ようとしても範囲が広く、出れたとしてもジークが移動すれば、その領域も動いてしまう。
マリアは短剣を蛇腹剣へと可変させ、それを振り下ろす。
【EMPRESS ✝ EVOLUTION】
だがジークはこれを見ずに避けこれを掴んで引っ張る。引っ張られたマリアはそのまま引きずり込まれるが、その勢いを利用して飛び蹴りを放つ。至近距離で放たれた為、ハルバードの柄で防ぐが、わずかに後ろに下がる。
トポス・フィールドは相手の動きで、次の動作を読むが、思考まては読めない為、直前で搦手を使われた場合、本人がそれに対処出来なくなる場合があった。ジークはそこを突かれた。
さらに、わずかに後退した事で、トポス・フィールドも下がり、領域から抜け出せたクリスが背中のユニットから大型ミサイル2本発射させる。
【MEGA DETH FUGA】
範囲外から放たれたミサイルに、驚愕しながらも、ハルバードで一本は叩き折る。だが2本目は避ける事が出来ずに爆発に巻き込まれる。
「どうだ!」
これだけのものをくらえばただでは済まない。クリスの予想通り、ジークが纏う鎧が一部剥がれ落ちていた。
「おのれ……人間の分際で私に……!」
傷を負わされた事に怒るジーク。ハルバードを持つ手が震えている。
「虫けらがいくら群がったところで、貴様らの敗北の運命は揺らがん!」
「へっ!それが揺れ始めてるぜ?」
「まだだ……まだ私の力はこんなものではない!私の本当の力を見せてやる!」
そう言うとトポス・フィールドが解除される。すると、ハルバードが穂先、刃と柄が分離する。そして、鎧を自らの意思でパージすると、四肢の周径が筋が膨隆するように太くなり、分離したハルバードの刃が鋭い爪となる。さらに、身体も膨隆し、破棄した鎧を四肢、背後を覆い、ハルバードの柄が腰部と連結、靭やかになると、その先端に穂先が連結し尻尾のようになる。
風貌も髪が長くなり、目の瞳孔は消え、口部も隆起するように変貌した。
「うおおおおおおぉぉぉぉぉーーーー!!」
咆哮を挙げた姿はまるで醜い姿へと変貌した。それはさながら
「竜……だとぉ……?!」
弦十郎がモニターに捉えられたジークを見て呟く。ジークは最終形態『オルガニック・ドラゴ』へと変異した。
「自分の姿を変えやがっただと?!」
「人の形捨ててまで、私達を葬ろうと?!」
「お前達は私の手で抹殺してくれる!」
ジークはキャロルの使命など関係ないと言わんばかりに怒り狂っている。
「デカくなっても、動きが鈍けりゃ意味ねえっての!」
クリスは啖呵を切ると腰のジャッキを展開させて小型ミサイルを全弾一斉掃射させる。
【MEGA DETH PARTY】
だがその動きは鈍くなっている様子はなく、両腕を広げた事で小型ミサイルを全て吹き飛ばした。その爆風でジークが見えなくなる。
「何て出鱈目な?!」
「変異した事でより強化されたということか……来るぞ!」
突如振り下ろされたジークの右手を避けるマリアと翼。翼が咄嗟の危機を知らせなければ、今頃抉られた地面と共に亡き者にされていただろう。
「自らの敗北の運命を受け入れろ!シンフォギア装者!」
そう言うと左手を振り下ろすと、爪の斬撃の衝撃波が放たれる。3人はこれを避けたが、後ろにいた瑠璃を拘束するアンカーとヨーヨーの紐、さらに短刀を断ち切ってしまう。
「デデッ?!」
「嘘っ……?!」
拘束が切れてしまった事で、解き放たれた瑠璃。しかもまだ暴走している。
「切ちゃんもう一度!」
「分かったデス!」
再びアンカーとヨーヨーで拘束を試みたが、いくら理性をなくして暴走しているとはいえ、一度やられた技の知恵はつく。ヨーヨーとアンカーを射出すると、それをそれぞれの手で掴み取った瑠璃は振り回して、二人を投げ飛ばした。
「調!切歌!」
「マズい!あいつを守る奴がいない!」
調と切歌が倒された今、輪を守るものがいなくなってしまった。瑠璃は輪に向かって走り出すが
「どおりゃああああああぁぁぁぁ!!」
何と響が拳で地面を打った時に発生した衝撃波で瑠璃を吹き飛ばした。
「立花だと?!」
「あのバカ!安静だって言われてたろ?!」
「師匠から許可は貰ったよ!」
『だが無茶はするなよ。』
弦十郎から念を押されたが、何とか説得した上で出撃許可を貰ったのだ。だが弦十郎の言う通り、ミカとの戦いの傷はまだ癒えていない。故に対ジーク戦線には参加せず瑠璃を止めるだけに留めた。
「切歌ちゃん、調ちゃん!行くよ!」
「「はい(デス)!」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
精神世界。闇に囚われ、漆黒に身を染めた瑠璃は、海の底に沈むように闇の中を漂っている。何も考えず、ただひたすら闇に身を委ねて、少しずつ沈んでいく。底知れぬ闇の中へ。
(マックラ……マックラ……。ナニモミエナイ……ナニモ……ワカラナイ……。)
誰かと繋がること、絆を断ち切られた瑠璃に何も残されていない。ただこの虚無の闇に沈んでいくしかなかった。
僅かに差し込んだ一筋の光すらも認識出来なくなっている。何か呼びかける声が聞こえても、瑠璃には届かなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
変異したジークを相手に奮戦する翼、マリア、クリス。トポス・フィールドが無くなった事で攻撃は当たりすくなったが、今度は攻撃そのものを受けていない。翼とマリアの斬撃、クリスの弾幕も何一つダメージらしいダメージが入っていない。しかもジークは、3人の攻撃を無視して腕を振り回して来る上に、どれも思い攻撃であり、当たればタダでは済まない。明らかに前の形態より状況は圧倒的に悪い。
しかも瑠璃を抑えているのは負傷者である響と疲労困憊の切歌と調。このままではあの3人が持たない。
「雪音、マリア!イグナイトだ!」
「そうね……もうこの手しかないわ。」
「ああ……仕方ねえ!」
「「「イグナイトモジュ……」」」
「やらせるか!!」
イグナイトを使おうとした時、ジークの口元に集まったエネルギーを波動にして放った。マリアとクリスが咄嗟にバリアとプロテクターを展開するが、その威力は凄まじく、すぐに破壊され、3人は吹き飛ばされた。
「翼さ……うわっ!」
まずいことにジークはそのまま瑠璃を抑え込む3人に標的を変えた。となると必然的に響、切歌、調はジークと戦わなくてはならなくなる。
「マズいデス!」
「逃げてください輪さん!」
瑠璃を抑える者が今度こそいなくなってしまった。瑠璃は輪に襲い掛かる。だが輪は逃げようとしなかった。
「瑠璃!」
(駄目だ……今逃げたら、一生瑠璃に顔向けが出来ない!そんなの親友のすることじゃない!)
「ガアアアアアアアァァァァァーーーーー!!!」
瑠璃の右腕が大きく振りかぶる。これを輪が受ければ致命傷は避けられない。
「輪さん!」
でもただでは転ばない。輪は逃げるどころか両手を広げて瑠璃に飛び付いた。攻撃を避け、押し倒すように抱擁する。それから解き放たれようと瑠璃は大いに暴れまわる。輪は必死になって離さない。
(離さない!絶対に……離さなすもんか!)
必死に食らいつく。力がある限り。
精神世界で一人何も考えず、ただ破壊衝動に身を委ねた瑠璃が浮いている。
(モウ……イイ……ナニモカモ……。コンナニココチイイナラ……)
『り……!る……!瑠璃………!』
微かに聞こえる、自分を呼ぶ声。
(ウルサイナァ……ズットコノママニサセテヨ……ワタシハ……ツカレチャッタ……)
誰が呼んでいるか、今の瑠璃にとってはどうでもいいものだった。この心地良さに目を閉じる。流れのままに身を委ねて、何処までも落ちていく。
「瑠璃……!目を覚まして……!瑠璃!」
現実から輪が呼び掛けても暴走は止まらない。腕の力もいつまで保つか分からない。輪の額には脂汗が滲み、右下腿の出血もあり、限界が近づいている。だがそれでも輪は離さない。
「いい加減に……大人しくしろ!」
いつまでも目覚めない瑠璃に怒った輪は、思い切り頭突きをする。だが接触した時、体中に電気が走ったかのような感覚に襲われた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あれ?ここどこ?」
突然何もなく、暗い空間にいる輪。何が起こったのか分からず困惑する。
「あのー!誰かー!いないのー?」
呼び掛けても誰も来なかった。それもそうだ。ここには本当に誰もいない。
「あら〜やっと来てくれたのね〜。」
「え?!」
いや、ただ一人、本当に来てしまった。だが声の主と思われる者は光の球体となっており、何者なのか分からない。
「あの……あなたは?」
「もう忘れちゃったの?まあ無理もないわね。この姿じゃ……今現すからちょっと待っててね〜。」
そう言うと徐々に人の形となっていく。
「嘘……あなたは……!」
その姿に見覚えがあった。何故ならルナアタック事変を引き起こした張本人、そしてその事件で亡くなったはず。
「さ、櫻井さん……?!」
声の主、そして現れたのは先史文明の巫女 フィーネだった。
ついに暴走してしまったジーク
そしてフィーネが何故ここに?!