戦姫絶唱シンフォギア 夜空に煌めく星   作:レーラ

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いよいよGX編も最終決戦へと向かいます。


顕現

 レイアの妹がS.O.N.G.の本艦を破壊した。ブリッジは破壊される直前、本当にギリギリのタイミングで切り離された事で、そこだけは破壊されずに済んだ。しかし、外部からの衝撃による大規模な揺れにより、何かに掴まっていないと壁や床に叩きつけられそうになる。さらに友里の頭上に、天井の証明が落ちてきた。

 

「危ない!」

 

 エルフナインが叫んだと同時に友里に飛びかかった。

 同じ頃、ブリッジから発射されたミサイル。その装甲が分離すると、イグナイトのままギアを纏っているクリスが現れ、宙を舞ったまま大弓のアームドギアを形成、矢の形をしたミサイルを番えて、それをレイアの妹に向けて放った。

 

【ARTHEMIS SPIRAL】

 

 放たれたミサイルは矢筈に位置するブースターが点火、加速してレイアの妹の腹部を貫いた。それにより、レイアの妹の身体が爆発した。爆発によって発生した波が、ブリッジを揺らすが転覆する事なく、その上にクリスが降り立った。

 

「本部が……。連中は、何もかもをまとめてぶっ飛ばすつもりで……!」

 

 友里が目を覚ますと、エルフナインが自身を覆いかぶさっていたのが分かった。

 

「エルフナインちゃん?!」

「僕は……誰かに操られたんじゃなく……」

 

 エルフナインはそのまま力が抜け落ちたように倒れた。腹部から出血していた。そこに帰還した切歌と調が駆け寄った。

 

「大丈夫デスか?!」

「早く手当しないと!」

「目を開けて!エルフナインちゃん!エルフナインちゃん!」 

 

 友はが呼び掛けるが、エルフナインは目を閉じたまま返事は返って来なかった。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 響と洸が再び、あのファミレスで、向かい合うように座っていた。洸は前回と同じく響に奢ってもらう形で食事していた。

 

「悪いな……腹減ってたんだ。」

「うん……。」 

 

 響はスマホの画面に表示されているメールを見て、自分を奮い立たせる。差出人は未来であり、その文面には『へいき、へっちゃら』と書かれていた。

 それに、心強い味方は未来だけではない。響の座る席の後ろで、輪がその様子を静かに傍聴していた。

 一応輪も、響と同じタイミングでの退院は出来たのだが、足に巻かれた包帯と、席の近くに車椅子がある事から、あまり無茶は出来ないという事が見て分かる。 

 もちろん輪は何があっても、二人の会話に、輪は口を挟むような事もせず、ただ成り行きを見守るだけと決めている。ただ無関係であると装う為にパンケーキを注文してそれを食べている。

 

(ありがとう未来、輪さん。)

 

 響は意を決して、洸に問う。

 

「本当に、お母さんとやり直すつもり……?」

「本当だとも……!お前が口添えしてくれたら、きっとお母さんも……」 

「だったら!はじめの一歩は、お父さんが踏み出して。逃げ出したのはお父さんなんだよ。帰ってくるのも、お父さんからじゃないと……」

 

 響は洸に訴えかけるも、洸は目を逸らしながら弱気に言う。

 

「そいつは嫌だな……。だって、怖いだろ……?何より俺には、男のプライドがある。」

(何、そのしょうもないプライド?今更そんなのに拘ったってしょうがないでしょうが。)

 

 洸の男らしくないセリフに、輪は内心悪態をつく。口出し出来るのであれば今ここで言ってやりたいが、これは響と洸の問題である為、しない。だが苛ついているのは顔に出ており、貧乏ゆすりをしている。

 

「私……もう一度やり直したくて、勇気を出して会いに来たんだよ?だからお父さんも勇気を出してよ!」

「だけど……やっぱり……俺一人では……。」

 

 また逃げようとしている洸を見た響は俯いた。

 

「もうお父さんは……もうお父さんじゃない……。一度壊れた家族は、元に戻らない……。」

「響……。」

 

 洸が何か言おうとしたが、なんて言えばいいか分からない。

 輪の方も、頭を抱えていた。

 

(駄目か……父親がいつまでもあんなんじゃなぁ……。)

 

 やはり、あの日の夜のやり取りは余計なお世話だったかと思い、輪は窓の外を見る。

 

(家族は生きているのに……バラバラなんて……ん?)

 

 外の空を見ていたら、何かおかしな事に気付いた。空に亀裂が入っているという不可思議な減少が起きていた。

 

(いやいや……空が割れるなんて……!)

 

 だがその亀裂が広がり、やがて割れてしまった。その穴から城が降りてきて、高層ビルの上に佇んでいた。

 

(あれって……まさか……!)

 

 裏切り者として暗躍していた時、中に入った事はあるが、外から見るのは初めてだった。だがその外壁の形状を見てすぐに察した。あれがキャロルの居城であり、ワールドデストラクターであるチフォージュ・シャトーである事が。

 

 響と洸も空の異変に気付き、外に出ていた。響だけでなく、近くにいる一般市民達の中にも、突然現れたチフォージュ・シャトーを見て不気味がる者もいた。

 すると本部から通信が入った。

 

「はい!」

『手短に伝えるぞ!周到に仕組まれていたキャロルの計画が最終段階に入ったようだ!敵の攻撃でエルフナイン君が負傷、応急処置を施したが危険な状態だ!』

『僕は平気です……だから……ここにいさせてください……。』

 

 エルフナインの声が弱々しく聞こえていた。

 

『俺達は現在、東京に急行中。装者が合流次第、迎撃任務にあたってもらう!それまでは……』

「了解!一緒に避難誘導にあたり、被害の拡大を抑えます!」

 

 通信を切ると、そこに輪が遅れて店から出て来た。

 

「響!」

「輪さん!あれって……」

「間違いない……あれがキャロルのアジト、チフォージュ・シャトーだよ!」

 

 だとしたらここにいる人達が巻き込まれる前に、避難させなければならない。

 

「私がここの避難誘導するから、あんたはお父さんを安全な所まで!」

「はい!お父さん、早く避難を……」

「こういう映像って、どうやってテレビ局に売れば良いんだっけ?」

 

 洸はスマホでチフォージュ・シャトーが現れた映像をテレビ局に売って小遣い稼ぎしようとしていた。輪はその愚行に舌打ちするが、今はそんなのに構わず避難誘導に徹する。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 シャトー内ではワールドデストラクターとして起動させる為に、ウェルのネフィリムの腕を用いた。

 

 

「ワールドデストラクターシステムをセットアップ。シャトーの全機能をオートドライブモードに固定……。へけけ!どうだ僕の左腕は!トリガーパーツなど必要としない!僕と繋がった聖遺物は、全て意のままに動くのだ!」

 

 下卑た笑みを浮かべながら、コンピュータから左腕を抜いた。

 

「オートスコアラーによって、呪われた旋律はすべてそろった。これで世界はバラバラにかみ砕かれる……!」

 

 キャロルのセリフにウェルは顔をしかめた。

 

「あぁん?世界を……かみ砕くぅ?」

「父親に託された命題だ。」

 

 イザークに託された命題。それを解き明かす為に、今日まで生き抜いた。

 

「分かってるって!だから世界をバラバラにするの!解剖して分析すれば、万象の全てを理解できるわ!」 

 

 先程の冷たい声色が一変、かつての可愛らしいものへと変わったが、その瞳には光がなく不気味さを帯びていた。

 

 

「つまり至高の叡智!ならばレディは、その知を以て何を求めるぅ?」

「何もしない……。」

 

 再び冷たい声色に、瞳に光が戻っていた。

 

「父親に託された命題とは、世界を解き明かすこと。それ以上も以下もない。」

「Oh!レディに夢はないのかぁ?!」

 

 ウェルはキャロルの目的を聞き、呆れた様子だった。そして、ウェルは自分の価値観を演説するように押し付ける。

 

「英雄とはあくなき夢を見、誰かに夢を見せる者!託されたものなんかで満足してたら、底もてっぺんもたかが知れる!」

「『なんか』……と言ったか……?!」

 

 父親から託された命題を軽い言葉で貶された事には、キャロルは怒りを露わにする。

 

「託されたものを、『なんか』とお前は切って捨てたかッ?!」

「ほかしたともさ!ふんっ!レディがそんなこんなでは、その命題とやらも解き明かせるのか疑わしいものだ!」

 

 至高の叡智、それを手に入れればどんな事でも出来るというのに、何もしないという選択を取ろうとしている事に理解出来なかった。だがキャロルはこれで改めて理解した。やはりこの男とは一時の利害が一致しても、相容れないと。

 

「至高の叡智を手にする等、天荒を破れるのは英雄だけ!英雄の器が小学生サイズのレディには、荷が勝ちすぎるぅ!」

 

 とことん癇に触るウェルに舌打ちをするキャロル。だがウェルはそんな事にはお構いなしに語り続ける。

 

「やはり世界に英雄は僕一人ぼっち……。二人と並ぶものは無いッ!やはり僕だぁ!僕が英雄となって……」

「どうするつもりだ……?」

「無論人類の為!善悪を超越した僕が!チフォージュ・シャトーを制御して……」 

 

 だがそれは最後まで言い終える事はなかった。突如背後からキャロルがダウルダブラの先端で、ウェルの身体を貫いた。ウェルが一人語りで演説していたので気付かなかったが、キャロルは魔法陣からダウルダブラを出していたのだ。

 

「支離にして滅裂。貴様みたいな左巻きが英雄になれるものか。」

 

 そう言うと、キャロルはダウルダブラをウェルの身体から引き抜きた。さらにキャロルは風の錬金術でウェルを吹き飛ばした。背を柵に預けて立ち、ウェルは腹部の出血部に触れて、確認する。

 

「駄目じゃないか……楽器をそんな事に使っちゃあ……」

 

 キャロルはウェルを確実に始末しようとダウルダブラを抱えて近づく。

 

「シャトーは起動し、世界分解のプログラムは自律制御されている……。ご苦労だったな、ドクターウェル。世界の腑分けは……俺が一人で執刀しよう!」

 

 そう言うとキャロルはダウルダブラを振り下ろす。

 

「顔はやめて!うわあぁっ!」

 

 だがそれはウェルに当たる事なく、彼は柵から落ちてしまった。ウェルの悲鳴が響く。だがウェルはどの道始末する予定だったので、キャロルは始末する手間が省けたのか、どうでもよさげだった。

 

「廃棄予定が些か早まったか……っ?!」

 

 再び拒絶反応が出現し、苦しみだした。

 

「立ち止まれるものか……!計画の障害は、例外なく排除するのだ……!」

 

 そう言うと外の様子を魔法陣で映し出した。そこには響と洸が映っていた。

 

 




おまけ ある日のレーラさん


さて、急いで続き書きましょうか。その前にどれだけ見てくれているかチェックしよう。
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と、嬉しさと恐れ多さに平伏する。

本当にビックリしました。
けどありがとうございます。
皆さんが読んで下さりお気に入りしてくれる人が増えたり、感想を貰えるだけで嬉しくなります。
今後もよろしくお願いします。
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