オレ、重要なことは何も教えてくれない人の養子になったんだけどやばくないかこれ? 作:Luke Black
色々冒険がありすぎて、忘れていたが試験期間に突入した。
試験が数日にわたるせいでオレはうけ終わった教科から順番にハーマイオニーと満点解答をつくるというばかげたことをやる羽目になっている。
なんでさっき終わった試験の答え合わせをしないといけないのかと聞いたら「あなたが私と同じくらい正確な答えを出すはずだからよ」という言葉が返ってきた。
そんなところを信頼しないでくれ。
一週間の試験で色々あった。
ネズミを嗅ぎタバコ入れに変える試験ではその場でマクゴナガル教授に褒められた。
教室から談話室に戻って一眠りしようと思ったところハーマイオニーに駆け寄られた。
「あなたの誉められていた作品を見たいからもう一度やってほしいの! ネズミを用意してくるまでここで待ってて?」
オレは早く昼寝をしたかったから隣にいたロンのポケットに手を突っ込みオレの代わりと言わんばかりに惰眠を貪っているスキャバーズに先程かけたとおりに魔法をかけようと試みた。
そうすればハーマイオニーのネズミ探しを待つことなく柔らかい布団と対面できる、そう思って。
そしたらびっくり、まったく魔法が効かない。ハーマイオニーも挑戦したが火花が散るだけで何もおこらなかった。
ロンが言うに「超長生きだから特別な能力を持ってるんだ」らしい。
ネズミも見かけによらないものだ。
忘れ薬は提出したら、毎度恒例だがスネイプ教授に舌打ちされた。どうしてもオレに低い成績を取ってもらいたいらしい。そうとしか考えられない。まあ、オレは逆張り精神旺盛なので「魔法薬学」では細心の注意を払って完璧にこなしている。
最後の「魔法史」の筆記試験を終えた後の開放感は最高だった。もう教科書をそっくりそのまま暗記する必要もない。
オレとロンは他の一年生と同じくテストが終わって幸せですって顔をしていたが、ハリーとハーマイオニーは違うらしい。
「ねえルーク、魔法史の答え合わせをしましょ」
「ハーマイオニー、もう終わったんだ。狼人間の行動綱領とか熱血漢エルフリックの反乱は出なかった。それで終わりだ」
ハリーがおかしいのは別にハーマイオニーと同じようにテスト結果が心配ってわけじゃないらしい。
「ずーっと傷が疼くんだ……いままでもときどきこういうことはあったけど、こんなに続くのは初めてだ」
「マダムポンフリーのところに行った方がいいわ。テストで疲れてるのよ」
「僕は病気じゃない! これは警告なんだ……何か危険が迫っている証拠だ」
「ハリー。そんなに気になるんだったらハグリッドにケルベロスのあやしかたでも聞きに行こうぜ。XXXXX類のペットも手懐けるんだ。コツがあるはずだね」
「そうだ!」
ハリーはオレのジョークに反応して、頭が痛いと言うわりには思いっきり立ち上がった。
「そもそもがおかしかったんだ! ドラゴンが欲しいハグリッドの元にいきなり見ず知らずの人がドラゴンの卵を持って現れるのが変なんだ! 話がうますぎる……どうしていままで気づかなかったんだろう」
「何が言いたいんだいハリー?」
とロンが聞いたが、ハリーは答えもせずに校庭を横切って森へと全力疾走した。もちろんその先にはハグリッドがいる。オレたちもよくわからないままダッシュすることになった。
「よう。おまえさんたち、試験は終わったかい。お茶でも飲むか?」
「ううん。僕たち急いでるんだ。ハグリッド、聞きたいことがあるんだけど。ノーバートを賭けで手に入れた時相手ってどんな人だった?」
「わからんよ。マントを着ていたからな」
「ハグリッドその人とどんな話をした?」
ハリー、それじゃあ尋問に聞こえちゃうだろ。もっと相手が話したくなるように巧みに褒めたり、真逆のことを言って相手の修正を促したり、そういうのがセオリーだ。これじゃあおしゃべりで有名なシェーマスでさえ疑うぞ。
「うん、オレが森番をやってるって話と……飼っているペットの話と……ドラゴンが欲しいって言ったな。そんで、ドラゴンの卵があるから賭けてもいいって話になって……フラッフィーに比べりゃ、ドラゴンなんか楽なもんだって……ちぃと音楽を聴かせればねんねしちまうって……」
そんなことなかったみたいだ。
たまには直球の質問でも答えてくれる人がいるってことが頭からすっぽ抜けていたよ。悪いな、ハグリッド。
まじかよ。
ハグリッドはようやく話しすぎたことに気がついたらしい。突然しまったという顔をした。
その瞬間ハリーが駆け出した。追うようにロン、ハーマイオニー、オレと走っていく。
後ろから「忘れてくれ! おーい、みんなどこにいくんだ?」という声が聞こえてきたが誰もふりかえらなかった。
「ダンブルドアのところに行かなくっちゃ」とハリーが玄関ホールにたどり着いた時そう口にした。
「ハグリッドがフラッフィーのことを怪しいやつに言っちゃったって。ダンブルドアが僕たちの言うことを信じてくれればいいけど。誰か校長室ってどこだか知ってる?」
「あー、3連塔だ。一階から行ける」
オレはビリーから教えてもらった校長室の位置をそのまま3人に伝える。じゃあさっそく行こうとなったその時だった。
「そこの4人、こんなところで何をしているんですか?」本を大量に抱えたマクゴナガル教授が現れた。
「ダンブルドア先生にお目にかかりたいんです」ハーマイオニーが教授の問いかけに答えた。
「ダンブルドア先生は10分前におでかけになりました。魔法省からの緊急ふくろう便が来てすぐ発たれたのです。そうでした、ルーク。あなたに伝言です。あなたが薬草学のテストで回答した記述について校長先生が少し話があるそうです。早朝には帰ってこれるから明日の朝伺うようにと。ほら、みなさん、いい天気ですから外に行きなさい。気持ちがいいですよ」
マクゴナガル教授は言うだけ言って去って行った。
「オレ記述に何書いたっけ?」
別にふざけて書いた記憶もあまりないのでオレは首をひねる。強いて言うならオレが考えた秘伝の薬のレシピもついでに書いたくらいだ。
「それは私の方が知りたいわルーク。でもいいことを聞いたわ。今ので、ダンブルドアは明日の早朝に帰ってくることがわかったもの」
「逆だ。最悪だよハーマイオニー。つまり今夜だ。今夜はスネイプの強敵がいないってことだよ」とハリー。
「そうとも考えられるわね……でも私たちになにができるの?」
ハーマイオニーの質問にハリーが答えた。
「僕が先に石を取るんだ。僕は透明になれるし、フラッフィーのあやしかたも知ってる」
ハリーはまるで自分一人で行くかのように話し始めた。
「おいおいハリー、まさかオレをおいて行く気か? 大冒険の独り占めはよくないな」
「ルーク、君これがどれだけ危険なことかわかってる? これは遊びじゃないんだ」
「ふっ、なら尚更オレを連れていくべきだろ。ひとりでスネイプ教授とやりあえんのか? 二人いれば隙くらいつけるだろ」
「ちょっと、私を除け者にしないで。あなた達だけで行かせる方が不安だわ」
「おい、別に誰も行かないなんて言ってないだろ、僕もいく。ただルークやハーマイオニーみたいに役に立つかはわかんないけど」
オレたちがついてくるなんてまるで想像していなかったらしいハリーが目を丸くしている。
「でも君たちもし捕まったら退学になるよ」
「それはどうかしら。少なくとも私とルークはならないはずよ。自己採点結果だけど私たちどちらも採点可能なところは全部正解していたわ。実技だって悪くはないし、去年のトップの成績をこの時点で十分越してるわ。私たちを追い出したら学校の損失よ、あって減点ね」
「僕は免罪符なんてないけど……まあ僕だけ退学にされたら訴えてやるよ」
「ロン、それ手伝ってやるよ。なるならみんなで退学だ。そしたら4人でホグワーツを訴える会結成しようぜ」
「ちょっと?! 私まで巻き込まないでくれる!?」
◆
皆がベッドに向かったであろう時間、オレたちは寝室から談話室に戻ってきていた。
「もうここからマントを着て行こう。3人入るかな?」とロン。
「最悪壁沿いで行こうぜ。日本の忍者が壁にかくれるときやってるみたいに」
オレは忍者の物真似をしたが3人ともキョトンとしている。居心地悪すぎてオレはとっさに野球帽をかぶった。渾身のギャグをスルーされることほど辛いものはないな。
「君たち何してるの?」
突然聞こえたオレたちじゃない声に全員ギョッとした。そして音の発生源を直視した。
現れたのはネビルだった。いつもならいびきをかいている時間だが、今日はなぜか起きていたらしい。タイミングが悪い。
「また君たち外にでるつもりじゃないよね? 僕、君たちがしょっちゅう外に出てるの知ってるんだ。この間だって点数引かれてただろ? 学期末で点数が隠されてるから順位はわかんないけど、もし減点されてトップから転落したらどうするんだよ。君たちに責任とれるのか?」
ネビルは愛寮心が強いようだ。いいことだ。
ただそれは普段だったらって話だ。
「ううん。ちがう。ちがうわよ出てなんか行かないわ。ネビルもう寝たら?」とハーマイオニー。
「外には出てはいけないよ。僕が君たちを止めるんだ」
ネビルはグリフィンドールらしい勇敢さをオレたちに見せつけた。今すぐに君のおばあさんをここに連れてきてあげたいってレベルだ。電話番号はなんだっけ999(イギリスの緊急連絡先)か?
「馬鹿なことはよせ、そこをどけよネビル」ロンはすでにキレかかっている。
「やるならやってみろよ! 殴れよ! いつでもかかってこい!」ネビルがファイティングポーズをとる。
ハリーが困惑した顔をしながらハーマイオニーに目配せして「どうにかしてくれ」と言った。
「ネビル、本当にごめんなさい。ペトリフィカス トタルス 石になれ!」
ハーマイオニーが杖を振るとネビルは直立気をつけの状態になって固まった。そして倒れてきた。オレのほうに。
「うわっ、ちょハーマイオニーなんでオレのほうに倒すんだよ」
「ルーク、私達はあなたの姿が見えないのはご存知?」
そういえばオレ、帽子をかぶったままだったなすっかり忘れていた。ネビルは気を失っているようだった。
「ハーマイオニー、ネビルに何をしたんだい?」とハリーが尋ねる。
「全身金縛りをかけたの……これしか思いつかなかったのよ」
「明日の朝にはわかってくれるさ、たぶん」
ロンはオレと一緒にネビルをひきずってソファーに横たわらせながら言った。
オレたちは友達という壁を乗り越えて試練に向かうことになった。なんて幸先がいいんだろうか。不安でしかない。