オレ、重要なことは何も教えてくれない人の養子になったんだけどやばくないかこれ? 作:Luke Black
「先生! ルークとハリーが!」
「わしはハリーの方に急ごう、マクゴナガル先生、3人を頼みますぞ」
「わかりました。ブラックはすぐに医務室につれていかなければ……私はこういうことがあるかもとクィレル教授に何度も試練の加減を考えろと伝えたはずでしょうに、まったく……グズグズしている暇はありませんね。グレンジャーは私についてきてください。ウィーズリーを回収して外にでます。話はそれからです」
「はいマクゴナガル教授。あの、ルークは、ルークは大丈夫なんですか?! 私の魔法じゃどうにもできなかったんです! いつもは失敗することなんてないのにっ」
「落ち着きなさいグレンジャー、ブラックはつくづく運がよかったようです。即死でなければ魔法使いにとってどんな怪我でも軽傷ですから。安心しなさい。ポンフリーが治してくれますよ。ここでだめになる少年ではありませんよ彼は」
「……よかった」
◆
オレはこんな会話を聞いたような気がした。夢だったのかたまたま意識があったのか、幽体離脱してゴーストとして俯瞰してたのかはわからないけど。
次に目をあけるとそこは白い天井だった。
「目が覚めたようじゃのう。君は案外ねぼすけだったようじゃ」
「……あー、オレめざまし時計がないと起きれないタイプなんです。ご存じでしょうアルバス」
「そうじゃったのう。次はわしがヨーデルでも歌ってやることにしよう。ちなみにハリーは今日の朝きちんと目を覚ましておった」
「ん? 今は朝じゃないんですか?」
「残念ながら君が眠ってから三日後の夕方じゃ」
「なるほど、え? オレ三日も寝てたんですか? そりゃ全身が痛いはずだ」
オレは体をベッドから起こし、腕を大きく伸ばした。
「あれ? オレここらへん折れてませんでした?」
オレは痛いであろう肋骨付近がスムーズに動くことに違和感を感じた。もっとギプスでがっちり固められているかと思ったんだけど。
「君専用の薬を君のお母上が大量に残してくれておったからな。もちろんレシピももらった、と言っても普通の人が作ろうとすると皮膚が燃え上がりそうになるのが厄介じゃが……まぁ何が言いたいかというと二日前にはもう全てが終わっておった。それにそもそも君の回復力は人間離れしておる」
オレの母親すげぇな。普通子供に専用の薬なんて作るか? しかも火だるまにならないと作れないとかどんな薬だよ。
「……つまりアルバスの言い分だとオレ二日間は薬とかの副作用とか全く関係なくただ単に寝てたってことですか?」
「さっきからそう言っておるじゃろう」
オレは結構疲れていたっぽい。
「肝が据わっているのか、ただ興味がないのか……ハリーは起きた瞬間石の心配をしておったよ。ルークはなにかわしに聞きたいことはないのかね?」
「ハリーが無事ならもうなんでもいいです。えっ今の流れだと無事ですよね? その顔オレの心臓の毛を根こそぎ抜いていくんでやめてください」
「ふぉふぉっふぉ。ルーク、君の想像通りハリーは明日の昼頃には退院できるじゃろう。もちろん君のお友達はすでに寮でうまくやっておる」
「一つ質問を思いつきました」
「なんじゃ? 言ってみなさい」
「オレの杖どこいきました? トロールに踏み潰されていないといいんですけど」
「わしが駆けつけた時は手に持っておった。それに今は君の腰あたりに差さっておるはずじゃ。君の杖は優秀じゃな、主人から引き剥がされるのを拒み続け、いつの間にか君にくっついておったよ」
オレは手を掛け布団に突っ込むと確かに硬い棒状のものが差さっていた。不思議だ。
「本当だ、じゃあナイフとか逆に落ちてませんでした? ぱっと見、鉄とかじゃなくて
「特に見当たらんかったのう、トロール相手に切り裂き魔法を使ったのかと思っておったがそうではなかったのかね?」
「んー、オレの呪文はまったく効きませんでした。ピンチの時に急にナイフが飛んできて……そのナイフを使ってやり合った感じです」
「ふーむ。興味深い事実じゃ」
「何がですか?」
アルバスはただ微笑むだけだった。このサンタそういうとこあるよな。そして次は全く関係ない話題をオレにぶつけてくるはずだ。知ってるんだからな。
「君は女の子から好かれるようじゃのう」
やっぱり思った通り話をそらされた。伊達にサンタと暮らしてないからな。
「は? 急になんです? オレとアルバスじゃ世代違いすぎて恋バナには限界がありますよ」
「そうではない。君のベッド横の机を見ての感想じゃ」
「わーお、これ巨大ジェンガか何かですか?」
「君へのお見舞いの品じゃよ。マダムポンフリーは君の体の心配よりも、君へのお見舞いを断ることに大半のエネルギーを使っておった」
「もしかしてオレ噂になってたりしませんよね?『トロールにタコ殴りされた不憫なやつ』的な」
「君は『一年生でトロールを2回も倒した英雄』として噂されておる」
「ふぅ、それならよかった、──ってなんでトロールとかバレてるんですか! 秘密でしょう!」
「ホグワーツでの秘密はみんなが知っていると同義じゃよ」
「……やっぱり魔法界って最高に変なとこだ」
アルバスは「クリスマスに送った本の感想はいつ届くんじゃろうか?」と言って立ち去っていった。
聞いてくれ、まだ18ページしか読んでないんだけど。
結局その後もハーマイオニーやハリー、そしてロンには全く会うことなくマダムポンフリーが持ってきた睡眠薬によって気を失ったのだった。
◆
オレは学年末のパーティーの前の時間、実に情報量の多い時間をすごした。
まず、ハリー、ロン、ハーマイオニーからオレがトロールからリンチされた後についていろいろ語られた。みんな興奮しすぎて見舞いにしては長く話していた。まとめるとこんな感じだ。
オレが気を失った後、スネイプ教授の試練が待ち受けていた。
ただ、さすがハーマイオニー。見事論理パズルを解き、ハリーは最後つまりアルバスの試練の部屋へハーマイオニーは俺がいるトロールの部屋に戻ってきたらしい。ハーマイオニーは一人で外に向かい(箒で全ての試練を吹っ飛ばして外に出たらしい)フクロウをダンブルドアに出した後マクゴナガル教授を叩き起こして一緒に4階に向かったそうだ。行動力ありすぎだろ。特に寮監を叩き起こすあたり。
そしたらたまたまホグワーツにすでに帰ってきていたアルバスとフラッフィー前で合流。3人で一緒に整備用の抜け道を通りオレの元へ辿り着いたそうだ。
整備用の通路を見逃すなんてオレとしたことがとんだ失敗だ。(マクゴナガル教授もその存在を知らなかったみたいだからオレが愚かなわけじゃない)
その後アルバスはハリーの救出へ、マクゴナガル教授はオレとロンを医務室に運び出したらしい。ちなみにその時ロンはすでにハーマイオニーの『エピスキー癒えよ』のおかげで元気だったそうだ。
一方ハリーの方も大変だったらしい。最後の試練の部屋で出会ったのはまさかのクィレルだったそうだ。
なぜ教授って呼ばないかって? それは最後まで話を聞けばわかるはずだ。
今回の事件を端的に言うとクィレルの頭には『例のあの人』がくっついていたということだ。
これを聞いてオレは「マジかよ?!」って叫んだんだけど、3人とも「でもこれで納得、あのニンニク臭さはカモフラージュだったんだ」とかそんなことを言っていた。オレの驚きポイントはみんなとは少しずれていたのかもしれない。たぶん人の頭から顔を出すことは魔法界でよくあることなんだろう。
ん? まてよ。ハーマイオニー、ハリー、君たちはマグル界育ちのオレと同じ感性じゃないのか?
話がそれた。ハリーとクィレルが対面したところまで話したな。
クィレルはさっさと石を取って逃げればいいのにそうしなかったらしい。いや出来なかったというべきか。
その原因がクリスマスに見つけた『みぞの鏡』だ。今回アルバスが課した最後の試練は、『賢者の石を見つけたい者には見え、使いたい者には見えないようにする魔法がかかったみぞの鏡』だったらしい。
つまりオレはアウトだ。賢者の石を使って「全世界の金の価値と鉄の価値を逆転させてみた」とかやってみたいって鏡の前で思ってしまうかもしれない。いや、『例のあの人』の前でそんなこと考えている暇はないかもしれない。
ハリーは見事ポケットに賢者の石を手に入れたそうだ。ただなぜかそれに気づいた『例のあの人』。すかさずクィレルに口頭で命令を下す。「捕まえろ」と。ハリーは逃げる、クィレルは指示に従って追いかける。
ついにクィレルがハリーの手を掴んだ瞬間、クィレルの手が焼け爛れ始めたらしい。ハリーにもその行為は頭痛という形で苦痛を与えた。
頭痛VS火傷、必死の我慢比べにハリーは勝った。アルバスが駆けつけた瞬間にハリーは気を失い、今に至ると。ついでに、『例のあの人』はどこかへ行き、クィレルは残念ながら息を吹き返すことはなかったそうだ。
これでわかっただろ? クィレルは教授として敬うに値しない行いをしたってことだ。
結局賢者の石はアルバスが木端微塵にし、ニコは死という冒険の準備を始めたらしい。いや、結局なんで賢者の石守ってたんだよ? ってなった。ただハリーはその答えをなんとなく察したらしい。
「ダンブルドアはハリーがこんなことをするように仕向けたんだろうか? だってお父さんのマントまで送って」とロン。
「もしも、そんなことをしたんだったら酷いじゃない。ハリーは殺されていたのかもしれないのよ」とハーマイオニー。
「ううん、そうじゃないさ。ダンブルドアっておかしな人なんだ。たぶん、僕にチャンスを与えたいって気持ちがあったんだと思う。あの人はここで何が起きているのか、僕たちが何をしていたか全て知っていたんだと思う。僕たちを止めないでむしろ必要なことだけ教えてくれたんだ。鏡の仕組みだって偶然じゃなかったに違いない。僕にそのつもりがあるなら、ヴォルデモートと対決する権利があるって、あの人はそう考えていた気がする」
「おかしな人ってのは大いに同意だ。つまり、オレにあの本を送ってきたのも、クィレルがトロールを地下に呼び出したのを放置したのもこのためだったってことかよ。本はまだしもトロールは無茶苦茶だ」
「あの本を送ってきたのはダンブルドア先生だったのね! でもなんでルークに? ハリーにマントと一緒に送ればいいのに」
ハーマイオニーが不思議そうな顔をして疑問を口にする。
「あれ、言ってなかったっけ? オレ、あの人の養子」
「嘘でしょ!」「嘘だろ!」
オレは友達にも1年間ダンブルドアの養子ってことを言っていなかったっぽい。うっかりしてた。
◆
マダムポンフリーに面会が長すぎると追い出されて(ちなみにあと数分でマダムポンフリーによる健康最終チェックのお時間だ)からもう一人オレとハリーに来訪者がやってきた。
そう、ハグリッドだ。
マダムは「10分ですよ、いいですね!」と眉間に皺を寄せながら言っている。
「みんな俺のしくじりだ……おれが馬鹿だったせいで……悪いやつに全部フラッフィーのこと話しちまったんだ。ヤツはそれだけは知らなかったのに、しゃべってしもうた! お前さんたちは死ぬところだった! たかがドラゴンの卵のせいで! もう酒はやらん! 悪かった」
ハリーが泣きじゃくっているハグリッドを慰めているのをオレは横で眺めていた。オレは歳上よりも年下を慰める方が、さらに男より女を慰める方が得意だ。つまりハグリッドを慰めるのは専門外だ。
「そうだった、お前さんたちにプレゼントを用意したんだ」
ハグリッドが取り出したのは二冊の冊子。これで『バレエ愛好家によるバレエを語る本』とかだったらオレは発狂するぞ。
そう思ったが全然違った。
「お前たちの両親の学友たちにふくろうを送って写真を集めたんだ。お前さんたち一枚も持っていないだろ? え?」
しゃれた革表紙の中身は写真でぎっしりだった。
わお、髪色以外オレそっくりのやつがいる。これがオレの父親か。遺伝ってすげぇな。ん? これがオレの母親か? 髪はブロンド、つまり母親似ってことだ。目の色がオレの家族みんな灰色。これじゃあどっちからの遺伝かよくわかんないな。造形は父親、これは確定。
オレは一通り見終わったあと隣を見ると、涙目になっているハリーがいた。
「ハグリッド、ありがと。次なんかあった時のためにオレにはアルバスの若かりしころの写真も欲しいって覚えといて」
「もうオレはこんなこと起こさん。ただそれはプレゼントの一案にメモしておこう」
「オーケー有言実行で頼むよ」
「そうだ、ルーク。おまえさんのことを酷くフラッフィーが気に入ってなぁ。おまえさんペットにどうだ? 1匹もおらんだろ?」
どこを気に入られたんだ? クラシックの腕前か?
「ハグリッド、あのデカさをどうやってオレのベッドに押し込むつもりだ?オレが潰されるどころか、グリフィンドールの寮が崩壊だ。トロフィー磨きじゃ済まないって」
「フラッフィーは小さくなれるから問題ねぇ。普段は口笛で呼んでやれ。あと、そうだ!本当かどうかは知らんがこの犬笛を吹けばどこかに繋がれていない限りいつでも影伝いにやってきてくれるらしいぞ。フラッフィーを売ってくれたギリシャ人にもらったもんだ。なんでもステクスの氷でできておるっていっておった。一回だけ使えるらしいぞ」
「わーお便利だ、たぶんそれステュクスだ。さすが地獄の番犬。そういう設定もきっちりってことかよ。で、餌は? まさか死者の肉とか言わないよな?」
「ネズミとか豚を食べさせていたがドッグフードも食べるし野菜も食べる、それにそこら辺は放し飼いにしてたら自分で勝手にやるさ。お前さんは少しの躾と適度に遊んでやればいいだけだ。フライパンとかマネキンを飛ばしてやったら喜ぶぞ。どうだ?」
「わかった。扱えなくなったらリコール対象だからな。お試し期間ありきなら引き受けるよ」
「いつでも取りに小屋に来てくれ。じゃあな、ルーク、ハリー」
こうしてオレはハグリッドと同類になってしまった。危険生物を申請なしで飼うなんてな。やっぱ環境は人を変えるっぽい。ハリーには「ルーク本気?」みたいな顔で見られた。
小さくなってくれるなら頭が三つあること以外変わんないだろ。
それに犬はもともと好きだし良い機会だ。
◆
夕方になり学年末パーティーにオレはハリーと一緒に向かった。
大広間についたころにはすでにほとんどの生徒が着席していた。ロンとハーマイオニーの話によると、グリフィンドールはハリーがクィディッチの試合に出れなかったことが原因でスリザリンに100点差で負けたそうだ。この学校クィディッチにかける熱情はんぱないな。大広間はグリーンと銀の旗で満たされ、スリザリン生の顔がいつもより血色がいい。
「また一年が過ぎた!」
アルバスが朗らかに言った。
「さて、ごちそうにかぶりつく前に老ぼれの戯言をお聞き願おう。なんという一年だったろう! 君たちの頭も以前に比べて何かが詰まっていればいいじゃが……新学期を迎える前に君たちの頭が綺麗さっぱり空っぽになる夏休みがやってくる。それではここで寮対抗杯の表彰を行うことになっておる。点数は次の通りじゃ。4位ハッフルパフ352点、3位グリフィンドール372点、2位レイブンクロー426点、1位スリザリン472点」
スリザリンのテーブルから嵐のような歓声と足を踏み鳴らす音が上がった。ドラコも同様に机をバシバシしていた。
「よし、よしスリザリン。よくやった。しかし、つい最近の出来事も勘定に入れなくてはなるまいて」
アルバスの予想外の発言に部屋全体が静まり返った。
「駆け込みの点数をいくつか与えよう。えーっと、そうそうまずは……ロナルド・ビリウス・ロン・ウィーズリー君。この何年間か、ホグワーツで見ることのできなかったような、最高のチェスを見せてくれたことを称えグリフィンドールに20点を与える」
グリフィンドールはとんでもない歓声をあげ、パーシーは隣の監督生に「僕の弟がマクゴナガル先生のチェスを破ったんだ!」と大きめの声で話していた。ロンの顔は今にも赤かぶになりそうなくらい真っ赤だった。
「次にハーマイオニー・グレンジャー嬢に……全ての試練において的確な判断で仲間を導き、火に囲まれながらも冷静な論理を用いて対処したことを称え、グリフィンドールに20点を与える」
ハーマイオニーはそれを聞いた瞬間腕に顔を埋めた。グリフィンドール生は自分達の寮が猛烈な追い上げをしていることに狂喜している。ちなみにこの時点ではまだ3位だ。
「三番目はルーク・ブラック君。君は一年生ながら野生のトロールに勇敢に立ち向かい、討伐したことを称えグリフィンドールに30点与える。今後も自分の力をイタズラや自分のためだけではなく、他人のために使うことを惜しまず、そしてより精進することを願っておる」
おいおいアルバス、それ全校生徒の前で言うことじゃないだろ。前二人純粋に褒めてただろ? 最後の何言か余計だ。
フレッドとジョージに「言われてるぞお前」みたいに笑われたがそれは君たちにも当てはまる話だ。
ただ、幸いなことに6割方周囲はそんなこと気にしていないっぽい。「ルークすごい!」「かっこいい!」「さすが王子様」なんて女の子の声が聞こえてきているのが証拠だ。ただオレは王子様じゃないぞ、そこの女子。
「四番目にハリー・ポッター君。その完璧な精神力と並外れた勇気を称えグリフィンドールに30点与える」
耳をつん裂くような大騒音だった。足し算ができる人がいるならわかっただろう。グリフィンドールがスリザリンと同率一位にまで昇り詰めたのだ。
「勇気にはいろいろある。敵に立ち向かっていくのには大いなる勇気がいる、しかし、味方の友人に立ち向かっていくのにも同じくらい勇気が必要じゃ。そこでわしはネビル・ロングボトム君に10点与えたい」
このアルバスの発言によってグリフィンドールが堂々一位となった。オレの周りはお祭り騒ぎ、ネビルなんかもみくちゃにされて嬉し泣きなのか圧迫による痛みで出る涙なのかよくわからなくなっていた。
「したがって飾り付けを少々変えねばならんのう」
アルバスが手を叩いた瞬間、緑と銀の旗が赤と金に、蛇が獅子に変化した。スリザリンの連続首位を見事打ち破り、俺たちグリフィンドールが一位になった。しかも確実に1/16がオレの点数で。
ただ「オレとハリーは罰則のせいでそもそもマイナス50点くらっているし、ハリーは試合に出れなくて大幅ロスをしたし、オレの場合普段の授業で加点が多いにしろそれをチャラにする減点も多いから実質プラマイゼロだった」ってのはオレの中だけの秘密だ。喜んでいるハリーやグリフィンドール生に水を差すような真似をオレはしなかった。
つまり何が言いたいかって言うと、オレとハリーはこんなに神とか救世主みたいな感じで崇められること自体がちょっとおかしいってことだ。
◆
あの波乱のパーティーの後、試験の結果が返ってきた。
「あなたでしょ! 見せなさい!」
オレは自分の試験結果を見る前にハーマイオニーに詰めよられていた。
「ハーマイオニー、落ち着いて。どうしたんだ?」
「試験の結果が学年2番だったの。あなたが1番じゃないならだれに負けたって言うの!」
「2番って十分すごいじゃないかってちょっと! ハーマイオニー! オレ自分でもまだ見てないんだ──」
「ほら! やっぱりそうじゃない……なにこれ、あなた薬草学のテストこの点数どうしたの? どうしたらこんな点数が取れるの!」
オレが自分の成績表を覗き込むと満点の2倍の点数がそこに記されていた。ちなみにハーマイオニーの得点は満点の1.5倍だ。
「なんか最後の記述問題が終わって暇だったから、その植物の利用法の提案をまとめてたんだ。薬の苦味を抑える方法的な。それの加点かもな」
「それってダンブルドア先生からの伝言の時マクゴナガル教授がおっしゃっていたあれね! 何を書いたの? 手元にそのレポートはあるのかしら? ぜひ私も読んでみたいわ!」
「勢いがすごいなハーマイオニー。あっ、そうだ。オペラの本の感想を書いてくれるんだったらオレの答案を渡す。それでどうだ?」
「あなたまだ読んでなかったの? 軽い読み物としてあれはおもしろかったわよ。まぁ。でもそうね、背に腹は変えられないわ。フクロウで夏休み中に送り合うので手を打ちましょう」
「わかってるねハーマイオニー」
こうしてオレたちの裏取引は成立した。
ハリーやロンもそこそこの成績が取れていたらしく問題なく2年に進級できそうだ。危ういかもと言われていたネビルも魔法薬学の成績を薬草学が補完していた。
◆
あっという間に帰る準備が整いみんなホグワーツ特急に乗り込んだ。
オレ以外は。
「あなたのお家はホグズミードにあるんじゃないかしら?」
「それもよくわからないんだ。姿現しが基本移動方法だから、庭の向こう側がどうなってるとかまったく」
「そうだ、ルークも僕の家に遊びにおいでよ! フクロウをだすからさ。ダンブルドアも目的があれば家を出してくれるよ」
「いいね、ウィーズリー家はにぎやかで楽しそうだ。じゃあ、またできるだけ早く君たちに会えるのを楽しみにしているよ」
「「「またね」」」
こうしてオレの濃くて長い1年が終わった。こっちもこっちで楽しいが、もうトロールとデスマッチするのはごめんだ。しかも2体も倒したのにトロールの皮膚だけでなく、髭さえ採取してないとか最悪だ。
1巻完結しました。まだまだ回収できてない裏設定が多いですね。
2022/08/23ピクシブにコピペを載っけました。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18217873