オレ、重要なことは何も教えてくれない人の養子になったんだけどやばくないかこれ?   作:Luke Black

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少々ご都合主義な場面があります。


ルーク、崇め奉られる

 

「ハーマイオニー、本当に僕たちがクラッブとゴイルになるの?」

「仕方がないでしょ。あなたたちが他の人の髪の毛を持っているって言うなら別だけど」

「ルークは? ルークは誰に変わるんだ? 僕のクラッブの髪の毛を譲ろうか」

「残念ながらオレはすでに手に入れてるから譲ってもらわなくても大丈夫だ」

 

 オレたちの計画は無事成功した。睡眠薬入りのカップケーキを食べた後二人はすぐに気を失った。空き教室の隅で寝かせ、俺たちはあの女子トイレへと足をすすめた。

 

「じゃあこれがそれぞれのローブね。洗濯室から取ってきたの。薬を四杯にわけて、それぞれの薬に髪の毛を加えたら完成」

「効果は1時間きっかしだ」

 

 4つの小瓶にわけてそれぞれ髪の毛を入れると見ているだけでむかむかするような黄色に変わった。

 

「ふー、じゃあそれぞれ飲もうか。あー、別の個室に移る? お互い着替えとかみられたくないだろ?」

「僕もそう言おうとしたところ」

 ハリーが賛成し、ロンも大きく頷いたことでみんな別の個室に入ることになった。

 

「いいかい?」

 ハリーが呼びかけた。オレら3人はいいよとこたえる。

 

「いち、にの、さんっ」

 

 鼻を摘んでオレは黄色の液体を飲みこんだ。クソまずいが、まあいける。マンドレイクの葉っぱとかに比べたら全然ましだ。

 

 ただ、その後の体が捩れる感覚は正直言って飲んだことを後悔する感覚だった。焼けるような感触が胃袋から広がり全身にと渡っていく。次に息が詰まって全身が溶けるような感覚に襲われる。そしてだんだんと自分の体が変形していくのがわかる。

 

「3人とも大丈夫?」

 

 ゴイルの低いしわがれた声が隣の個室から聞こえてきた。たぶんハリーだ。

 

「問題ないよ。ただ変な感じは否めないね。とくに視力とか。ノットはたぶんメガネを作った方がいい」

 

 オレはそう返事すると反対の個室から唸るような低音で返事が返ってきた。

 

「ノットはそんな喋り方じゃないって、もっと高慢な感じだ。いまのじゃルークってバレるよ」

「それは君もだロン、クラッブはそもそもそんなに喋らない」

「確かに」

 

 オレたち3人でわちゃわちゃしゃべっている間ハーマイオニーが一言も喋っていないことに気がついた。オレは個室から抜け出し、鏡で自分の容姿を整えながらハーマイオニーに声をかけた。

 

「ハーマイオニー? 大丈夫ならそろそろ行かないと時間が足りなくなりそうだ」

「わたし──行けないと思うわ。3人で行ってきて!」

「ハーマイオニー、ミリセント・ブルストロードがブスなのはわかっているよ。誰も君だってことわかりゃしないさ」

 

 ロンがとんでもなく失礼なことを言って出てこさせようとするも行けないの一点張りだ。

 

「ハーマイオニー大丈夫なの?」

 ハリーも心配そうに声をかける。

 

「大丈夫、大丈夫だから早く行って」

「わかった、あとでここで会おう。いいよね?」

 ハリーの決断でオレたち3人はスリザリンの寮に向かうことになった。オレは影にむかって「ハーマイオニーをよろしく」と言った後トイレをでた。

 

「だれかこの中でスリザリンの寮に入る方法知ってたりする?」

ハリーの問いかけにオレがこたえる。

 

「グリフィンドールと同じ合言葉制度だ。オレが休暇前に調査した結果は純血。変わってなければだけど」

「君って本当になんでも知ってるんだね。もしかして全寮知ってたりする?」

「レイブンクローが謎解き、ハッフルパフが樽を叩くだったかな」

「うわ、冗談だったのに本当に知ってたよ君」

「ハリー、その顔やめてくれ。ゴイルの顔でそれやられると吹き出しそうだ」

 

 地図作りのための入念な探索のおかげでスリザリン寮へはスムーズに来れた。

 

「よっし、この先にマルフォイがいるんだよね?」

「そうだねハリあー、ゴイル。僕たちそこまで仲良くないと思うんだけど違ったかな?」

「確かに。別々に入ろう」

 ゴイルはそう言って、クラッブをひっぱり寮の扉の前に立った。オレは適当に地下をぶらつく。

 

 オレは二人が無事部屋に吸い込まれていくのを確認した後時計を確認した。残り40分か。

 

「そこで何をしている。暗いところでうろうろしていると危ないぞノット。それか何か企んでいるなら──」

 

 なぜかスリザリン生しか使うはずのない廊下にパーシーがいた。

 

「っ──失敬な。そういう君はどうなんだ? ウィーズリー。うちの寮生しかこない廊下に立ち寄るなんて……流石のグリフィンドールでも監督生なら迷うなんてことはないだろう?」

「そうだ。君も知っているように僕は監督生だ。怪しいものを見張る義務がある。特に君みたいな帰宅申請を出した生徒がホグワーツにいることとかね」

 

 なんで帰宅リストを覚えてるんだパーシー、真面目かよ。

 

 ああ、そもそもスリザリンで残ってるのが6人しかいなかったな。

 

「父の体調が優れなくて帰ることができなくなった、それだけだ。それとも君は家庭の事情にまで首を突っ込む愚か者だったりするかな」

「それは失礼。ただ、だからと言ってこんな時間にここをふらついている理由くらいはあるだろ?」

「優秀な君ならわかるだろうが、寮の中にはマルフォイがいるからな。夕食後のティータイムに誘われると面倒だと思っただけだ。ただもっと面倒なものに絡まれるとは想定外だったよ」

 

 オレはなぜかパーシーとバチバチにやりあうことになってしまった。オレたちたぶん仲間だぞ。

 

はぁ、せいぜい襲われないことだな(お互い気をつけようぜパーシー)

 

 オレは早めに切り上げることに舵をきった。

 

「監督生だ。僕を襲うものは何もない」

「勇敢なことでなにより。ただこれ以上君と有意義なお話をしている時間はない、そこまで暇じゃないんでね(そろそろ行かないとオレはスリザリン寮内を見ることなく変身効果が切れるんだ)」

 

 オレはローブをまるでスネイプ教授のように翻して寮の扉の前に立った。ノット、キャラが違ったら悪い。オレからの君のイメージはこんな感じだ。

 

 オレは入り口の前に立ち合言葉をつぶやいた。

 

「純血」

 

 何個か前の校長によるとオレが入る予定だった寮、スリザリン寮に入ることになった。

 

「ノット、君もいたのか。どうだ? この記事なんて笑いものだろ?」

 

 入場早々ドラコに放られた新聞にはウィーズリー氏の空飛ぶ車の罰金のニュースがのっていた。そしてドラコの前のソファーには不機嫌そうなクラッブとゴイルがいた。

 

「悪いけど、君みたいにこんな小さなニュースで喜べるほど暇じゃないんだ。継承者が誰かくらいの物を持ってきてくれ」

「ん? この間継承者はルークだって先輩が話してくれただろう。忘れたのかノット?」

 

 ん? え、オレ? 

 

 いやいやいや、オレじゃないから。てか先輩って誰だよ?! 

 

「──っあれを信じるのか? あー、あいつはグリフィンドールだろ」

 

 ふぅ焦った。オレ結構耐えてるよね? すぐバレそうでヒヤヒヤなんだけど。

 

「組み分け帽子をも欺く能力を彼は持ってるに違いないさ。そうそう、この間決闘の後ルークが僕に言ってくれた血に縋るなってのは、本来あるべき僕になるために発破をかけてくれたんだ。そうだろ? ルークは自分と同じくらい優秀じゃないと認めないって──」

 

 いつのまにかなぜかオレはドラコに神格化されていたらしい。別にそういう意味で言ったわけじゃないしそんな事言ってない。そしてクラッブとゴイル、もといハリーとロンが目をパチクリさせてるが違うからな! オレじゃない!

 

「君、いつからブラックに絆されたんだ」

「ノット、君もいつかわかるさ。今の彼の行動にはきっと崇高な理由があるんだ。たぶんだが能力のある自分に忠実なしもべをこの学校で育てているんだと僕は考えているね。ポッターなんて仲間にしておけば魔法界での下位層には格好の宣伝材料だろ。ウィーズリーは一応グリフィンドールの数少ない純血だから使い道があるかもと近くにいさせているのかもしれないけど……このニュースを機に血を裏切る者を無能と判断して、メンバーからウィーズリーが外れればいいのにまったく。ああ、そうだ。君には僕が彼に期待されているって話はしたっけ? 彼は僕がグレンジャーなんかに本来は負けるはずないとそう言ってくれたんだ。彼の期待に応えるためにも──」

 

 は? オレそんなこと言ったか? 強いていうなら普通に地位とか関係なく仲良くしようぜくらいだったろ。

 

「ふっ、大層な心掛けだ。せいぜい頑張れよ。僕は寝る」

「戯言だと思ってるだろ? おい! 無視するなノット!」

 

 オレは聞くに耐えなくてノットの寝室に入った。陰謀論もいいところだ。オレにそんな思惑もなければ、普通に友達を作った結果がこれだ。ただのコンパートメントガチャの成果だ。変な噂をスリザリンに流してる先輩だれだよ。

 

 オレはとりあえずハリーたちが無事スリザリン寮をあと5分で脱出することができることを願った。

 

 オレ? こういう時の野球帽だろ。透明になってまたドラコが演説している部屋にもどる。

 

「腹がいたい。医務室に行く」

 ゴイルもといハリーがうまい言い訳で席を立った。

 

「ああさっきのカップケーキだ」

 クラッブもといロンもそう言って立ち上がった。

 

「お前らも本当に薄鈍だな。やっぱり僕が君たちをグレンジャー並みに育てないといけないってことか」

 

 絶対違う。オレはそんなことを求めていない。そもそもオレはハーマイオニーを育てていない。勘弁してくれ。そしてロンとハリー、笑うか怒るかどっちかにしてくれ意味わからない変顔になってるぞ君たち。

 

 透明のオレは二人が早足で寮を出ていくのについていった。

 

 

「マルフォイはどうなってるんだ? それとも僕が狂った?」

「君が継承者だったの?」

 

 順にロン、ハリーである。

 

「ドラコのあれはなんなのかオレが聞きたいよ。オレはアフロディーテじゃないから魅了したってのは違う。もちろん愛の妙薬も使ってない」

「ルーク、僕今ふざけてないんだ。君が継承者ならなんで黙ってたの」

 

 ハリーは大層失望したという顔をしている。なんなら少し怒っている。

 

「ああハリー、オレもふざけてない。そして継承者でもない。継承者なら自分の腕を黒紫色にしない。たぶん先輩ってのがこの事件に関わってるって思った方がいい。そしてオレはそれに絶賛巻き込まれ中だ」

「僕たち君がいない間マルフォイに色々聞いたんだ。君がこないだ言ってた日記のこともね。でも知らないってさ。ただ先輩ってワードはいっぱい出てきたよ。たぶんその先輩君のファンだルーク」

「ロン、ずっと気になってたんだけど日記って何?」

 

 すっかり忘れていた。オレハリーに話してなかったわ。

 

「トム・リドルの日記。オレがついこないだまで持ってて腕の健康とともに失ったやつ。書き込んだ人を惑わせて操作する闇のグッズっぽいんだ。もしかしたら、その先輩ってのが日記をもっているのかも。オレを隠れ蓑に使おうとしてるとか」

「それってあり得るよ! 先輩の名前が一回も出てこないのはおかしいし」

 

 オレたちは各々考察を垂らしながら女子トイレに帰ってきた。

 

「ハーマイオニー出てこいよ! 僕たち話したいことが山ほどあるんだ」

 ロンの呼びかけにハーマイオニーは「帰って!」の一点張り。

 

「どうしたのハーマイオニー? もう元の姿に戻っているよね?」

 ハリーの問いかけには別の人物が答えた。

 

「オぉぉぉぉー、見てのお楽しみ! ひどいから」

 マートルがトイレの閂を横にずらしたらしい。ハーマイオニーが頭のてっぺんまでローブを被りながらでてきた。

 

「どうしたの?」

 ハリーが躊躇いながら聞く。それに応えるようにハーマイオニーがローブを少し下げた。

 

「あれ、ね、猫の毛だったの! ブルストロードは猫を飼っていたに違いないわ! それにこの煎じ薬は動物変身に使っちゃいけないの!」

 ハーマイオニーは泣き喚きながらそう言った。

 

 確かに動物変身には使わないようにとは小さく本に書いてあった。でも、あれはちょっと古めの文献だったから今は何か対処法ができているって見たのを覚えている。どこで見たんだっけ……。

 

「あんた、ひどーくからかわれるわよ」マートルは嬉しそうだ。

 

「大丈夫だよハーマイオニー、医務室に連れて行ってあげるよ。マダム・ポンフリーはうるさく追求しない人だし……」

 ハリーがそう説得するも、ハーマイオニーは首を横に振るのみ。

 

「みんながあんたの尻尾をみつけて、なーんていうかしらー!」

 

「煩いぞマートル」

 

 思わず口に出てしまったオレの言葉にマートルが固まった。

 

「ああ、思い出した。──フラッフィー、オレの部屋の2段目の引き出しの緑色の小瓶をもってきてくれ」

 口笛を吹いた後オレが影にそう伝えると影がゆらっとゆれた。

 

「オレとハーマイオニーはもう少しここでやることがあるんだけど、ハリー、ロン、君たちはどうする?」

「僕たちにやれることってなにかある?」

 ハリーがそう遠慮がちに尋ねてきた。

 

「オレとハーマイオニーが寮に帰っていないことを隠すことかな。パーシーあたりがすごく神経質になってそうだから」

 オレは行きでの出来事を思い出しながらそう答えた。

 

「わかった。じゃあこっちは頼むよ」

 ロンとハリーは頷き合った後女子トイレから姿を消した。

 

「君はやることはないよマートル。どこかに行ってくれるかな。今日のことは他言無用だ。いいな?」

 マートルは頷くこともなくどこかに行ってしまった。その代わり影が揺らぎフラッフィーが影から首を出した。口の中には小さな小瓶。

 

「よくやったフラッフィー。もう戻っていいよありがとう」

 フラッフィーの口にそれぞれ飴玉を入れて影の中に戻した。

 

「それはなに?」

「オレが変身して戻れなかった時に飲む薬。大概の変身に対応している」

 

 オレはハーマイオニーの口元に小瓶を近づけた。

 

「味は保証できないが、害がないことは何個かの論文で保証済み。何も変わらないか、戻るかの二択だ。これはもともと動物もどきのために作られた薬なんだけど理論上は──」

「っあなたを信じるわ。貸して」

 ハーマイオニーは勢いよく小瓶の中身を流し込んだ。

 

 飲んでから数秒もしないうちに毛が抜け始め、猫耳が縮小していく。目の色も黄色から普段の褐色になってきた。毛はすっかり消え、目の色も完璧ではないもののよく見てみないとわからないくらいにはなった。

 

「あっ、私もどってる?! っよかった。あなたって本当にすごいわ!」

「──ふぅ。緊張した。よかった。一応医務室に明日行こう。まだ君の瞳に戻りきってないようだから」

 

 自分で飲む分には特に何も感じないが人に飲ませるとなると嫌な汗をかく。これで失敗したら一生の後悔の一部に刻まれること間違いなしだった。ただこの薬の論文の著者が母さんだったからなんとなく大丈夫な気がした。

 

「オレたちも帰ろうか」

「あなたのおかげで休暇は医務室に篭もらなくて良くなったわ。この程度なら元気爆発薬程度の処置、つまり一瞬で終わるはずよ」

「君をオレみたいにベッド常連にさせるわけにはいかないだろ?」

 

 

 オレはハーマイオニーと静かな廊下を歩きながらスリザリン寮であったことを話した。

 

「──あなたを信仰したくなる気持ちはわからなくないわ。だってあなたってすごく魅力的だもの」

「そう優秀な魔女のハーマイオニーに言われるなんて光栄だな」

「冗談だと思ってるでしょ!」

 

 ハーマイオニーはオレが育てなくてももとから優秀な魔女だぞドラコ。

 




フラッフィーのオリジナル設定
フラッフィーはルークと一緒にいたくてホグワーツ内ではルークの影の中やその近くに隠れている、または影から出てきて寝室をうろついている(ロンとハリー公認)時と、ハグリッドやファングと一緒にいる時があります。ルークは自分の影の揺らぎでだいたいフラッフィーが近くにいるか否かがわかります。ルークの指笛の効果は耳で聞き取れるところにフラッフィーがいることが条件です。
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