オレ、重要なことは何も教えてくれない人の養子になったんだけどやばくないかこれ?   作:Luke Black

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ルーク、親戚を把握する

 

 オレが目を覚ましたのは慣れ親しんだ医務室のベッドの上だった。何度目だよ。そして口にはストローを咥えていた。マグを支えているのがマクゴナガル教授なのがおもしろポイントだ。

 

 今回は数日眠っていたわけではなさそうだ。ハリーのバジリスクの血でまみれている姿がそれを物語っている。たぶん医務室について数分だろう。

 

 オレのベッド周りにはドラコ、ルシウス氏、アルバス、マクゴナガル教授、ハリー、ロン、そして少し離れたところにスネイプ教授と椅子に括り付けられたロックハート教授がいた。アルバスはホグワーツに戻ってこられたようだ。毎度重要な時にいないよなサンタは。ちなみにフリットウィック教授とスプラウト教授そしてマダムポンフリーは薬を持って走り回っているのがちらっと見えた。

 

 大層な面々である。

 

「よくぞ我が息子を助けてくれた! 感謝する。だがなぜドラコがこんなことに巻き込まれたんだ?! ホグワーツの管理体制はどうなっている!」

「……あなたが校長を追い出さなければまだましな状況だったでしょうに」

 

 マクゴナガル教授の直球な皮肉はルシウス氏には届いていなさそうだった。親子ともに話を聞かないな。

 

 オレは促されるままにトム・リドルとの出会いから順に話した。トム・リドルがヴォルデモート卿だったことも含め。ただ誓った以上ジニーについては一切触れなかった。

 

「トム・リドル……日記……まさかあの小娘の……クソっなぜ……」

 

 ルシウス氏は顔をより青白くさせた。たぶんなにか知っているのだろう。本当は追求したかったが真実を知った時には永遠に呪ってしまいそうで知らずに終わることにした。知らぬが仏。

 

「いまその日記は今どこにあるんじゃ?」

 

 ダンブルドアの問いかけにオレはこう答えるしかなかった。

 

「フラッフィーの胃の中……ですかね。いや、本当は調査とかのためにも現品を残しておく必要性は考えたのですが良い方法が考えられなかったというか、衝動でやったというか……ごめんなさい」

「ルーク、わしはそんなことで怒りはせんよ。無事誰も死ぬことなく(一人は胃の中ということを除いて)大きな問題を解決した、むしろ褒めるべき功績じゃよ」

 

 オレの話が終われば次はハリーが話す番になった。ハリーはロックハート教授が襲ってきたこと、不死鳥が組み分け帽子を運んできたこと、そしてその中から剣を出すことに成功したこと、とどめにバジリスクをその剣でブッ刺して退治したことを話してくれた。

 

「そうか、そうか。ギルデロイとは一度きちんと話す必要がありそうじゃな。過去のことも含め」

「校長、真実薬ならばここにあります」

「ごくろうセブルス。魔法省のものに連絡をせんとのう」

 

 スネイプ教授は真実薬推しらしい。

 

「それにしても……ハリーではなくルークに興味を示すとは……」

「校長! ミスター・ブラックの面会時間はとうに過ぎましたよ! 彼には十分な睡眠が必要ですあと例の食べ物も」

 

 マダムポンフリーは強かった。

 

 オレの周りを囲んでいたひとたちを一人一人確認して処置が必要か確認し周りの目を気にせず処置を始めた。

 

 ハリーとドラコは魔法で体をきれいにされた後貸出ローブを渡され、フリットウィック教授は怪我人用ベンチに横たわらせられていた。たしかにバジリスクの上に乗っかっていたら腰を痛めるのも無理はない。

 

 マダムのここでやるなという訴えで、二次会は校長室で行われることになった。ハリーとドラコ、そしてロックハート教授とルシウス氏が参加メンバーっぽい。ロンはハーマイオニーの様子を見てくるらしい。そしてマクゴナガル教授は祝祭の準備をしに厨房にスキップしながら向かい、スネイプ教授は魔法省に連絡をすると小走りで出ていった。さすがうちの寮監とスリザリンの寮監、タフさが違う。たぶん現役のころだったらフリットウィック教授もああだっただろう。やっぱりオレは寝込んでばっかだしまだまだだな。

 

 オレは咥えさせられていたネクタルの続きを飲みながら一人ぼーっとしていた。

 

 なかなかに今年も激しい一年だった。そして気づきも多い一年だった。

 

 オレはまだまだ弱っちい世間知らずな魔法使いの駆け出しだってことがよーくわかった。完璧とは程遠い。体力もなければすぐベッドとお友達だ。

 

 もっと強くなりたい。教授たちみたいに安心して背中を任せられるような。大切な人を守れるようなそんな人になりたい。そう強く思った。

 

 

 俺は体調は万全ではなかったがせっかくの宴会だからとベッドから抜け出す許可を得た。

 

 宴会はみんなパジャマ姿で夜通し続いた。

 

 ハリーと俺そしてロンはけっこうな人気者だった。そのおかげで集まってきた人混みから抜け出すのも一苦労だった。

 

 ただ人混みから抜け出した後は俺が抜け出したことなんてほとんどの人が気づいていないくらいにはみんなわいわい宴会を楽しんでいた。

 

「ルーク! あなたたちが解決したのね! 本当にすごいわ!」

 ジニーに勢いよく抱きつかれた。

 

「ああ、あの日記はフラッフィーの胃の中だ。トム・リドルはもういない。俺たちはもう怯えなくていいんだ」

「あなたならできるって信じていたけど、わたしあなたがいない間すっごく不安だったわ。万が一なんてことがあったらって……」

「心配してくれてありがとう。俺も今回で実力不足を実感したよ」

「……ルーク、あなた大人っぽくなった? 雰囲気が前とちょっと違うかも」

「そうかな? 自分ではわからないけど……今の俺は魅力的?」

「ええ、とっても」

 

 俺は軽く話したあとジニーと別れてハーマイオニーのところに向かった。何気にまだ石から戻ったハーマイオニーと話していない。

 

「ハーマイオニー、調子はどう?」

「ルーク!! さっきハリーから聞いたわ! トム・リドルと一対一で戦ったんですって?! しかもあなたの作戦で秘密の部屋を制圧したそうじゃない!」

「俺ってよりは臨機応変に対応したハリーや教授のおかげさ。予想外のこともたくさん起きたし」

「ロックハート教授がまさかそんなことをする人だと思わなかったわ……犯罪幇助だけじゃなくて過去にも他人の功績を奪っていただなんて……一年前の私に言ってあげたいわ」

「結局ロックハート教授は自分の罪を精算することになったんだな」

「アズカバンでね。でもかわいそうなのは、今回の秘密の部屋の責任を理事たちが彼に押し付けたらしいの。日記を学内に持ち込ませるよう誘導したのはマルフォイ氏なのにね、ああマルフォイ氏がジニーの大鍋に滑り込ませるのを見たのを思い出したんですって。きっとロックハート教授は一生をアズカバンで終えるに違いないわ。今考えれば彼は小説家の才能はあったと思うの。何故かっていうと──」

 

 せっかく知らないふりをするはずだったのに知ってしまった。マルフォイ氏は一生贔屓しないからな。彼が石化して一ヶ月ベッドで過ごしたら許してやれると思う。

 

「あのさ、ハーマイオニー。……ごめん」

 

 ハーマイオニーは心底呆れたという顔をしながらため息をついた。俺は彼女の予想外な反応に目を見開いた。

 

「あのね、私からあなたに感謝することはあれど謝られることは何もないわ」

「でもあのとき俺が手分けせずに横についていたら……」

「横についていたらなに? 石にならなかったですって? そうしたら別の機会で石になっていたかもしれないし、そもそも万全に準備して教授たちも総動員してギリギリバジリスクに勝ったのに。不死鳥がいなかったらハリーは死んでたって聞いたわ。あの二人っきりの状況ではどうしようもなかったに違いないわ。それに何度も言っているけれどあなたと私は対等、私のことを心配してくれるのは嬉しいけれど全ての責任を背負ってほしいなんて全く思っていないわ。まあでもどうしても責任を感じるっていうなら私が寝ていた時の授業ノートで手を打ってあげる。残念ながら期末試験はなくなったみたいだけど」

「……ありがとう、やっぱり君って最高だよ」

「あら、ありがと。ほらそんな辛気くさい顔をしていないで、これとか美味しいわよ?」

「ああ、いただこうか」

 

 

 夏学期の残りの日々は焼けるような太陽で朦朧としているうちに時間が過ぎた。そしてオレは夢を見た。

 

 夢の中で俺は冥界にいた。そしてどでかい王座にはハデスが座っている。

 

 ハデスは背が少なくとも3メートルはあって黒いシルクのガウンを着て金で編んだ王冠を被っている。肌は真っ白で肩まである髪の毛は黒かった。

 

「ルーカス、我が孫よ。よく来た」

 

 本当はここで「なんでオレがハデスの孫ってことになっているんだ? どこのお伽噺だ?」 なんて疑問に思わなくてはいけないかもしれないが、なんとなくやっぱりな、なんて気持ちが先行して全く驚かなかった。

 

「はじめましてハデス王。知っていると思いますが俺はルーク・ブラックです」

 

 俺はハデスの前に跪いた。体が勝手にそうしなくてはいけない気分になった。

 

「立派に育ったようだ。我が血のみをついでいないのが非常に残念だが、アリアナが魅力的なのだから仕方がない」 

 

 アリアナって誰だ? 俺の率直な疑問は顔に出ていたらしい。ハデスは饒舌に語り始めた。

 

「何も知らんのだな。せっかくだ教えてやろう。おまえの母の母だ。最高の女性だ。人間とは付き合わない誓約を兄弟と結んだが、幸運にも彼女はデミゴッド、つまりまぁ問題はない、たぶん。名付けはグリンデルバルドとかいう男がしたそうだ。神聖な子というのはいい名前だ。わしはアリアナに一目惚れし、子をもうけた。ただ神は忙しい、子育てなど不可能。今もアスポデロスの野の開拓に追われている。わしはアリアナを冥界にとどまらせ、彼女との娘を彼女の養父に預けたというわけだ。そしたらその子供に養父はなんという名をつけたと思う? アイリスだ。どこにハデスの子に虹の女神の名をつけるやつがいるんだ。そしてお前の名前はルークときた。まったく」

 

 情報過多だ。とりあえず育てられないなら子供つくるなよ。

 

「まあそんなことはどうでもいい。ここに呼んだのはわしからお気に入りへ祝福を与えるためだ。自然の摂理に反した魂を回収してくれた礼だ。おまえのおかげでわしの仕事が一つ省けた。と言っても微々たるものだがな、はっ」

 

 俺の前に浮かんでいるのはハリーが持っていた剣と同じくらいの大きさの鉄剣だった。

 

「今使っているアテナのよりこっちの方がお前にはしっくりくるだろう。ステュクスの鉄でできている、触れた者の存在を消す。いい出来だ。普段は杖として使える。死者を操るときでもこちらを使えばいい」

「どうやったら杖から剣に?」

「願えば良い。あとはこの夏教えてもらえ。歓迎はされんだろうがな」

 

 ここで目が覚めた。そして俺の右足には鉄でできた杖が杖ホルダーとともにしっかり身についていた。

 

 夢で言われたことを整理するとこうだ。

 

 オレの母方の祖父はハデス、母方の祖母はアリアナ、今現在アリアナは冥界でハデスと仲良く生活中。で、アリアナの母がたぶんアテナ、父がかのグリンデルバルド。年齢的にもアルバスが昔戦って勝ったと言われている、闇の帝王の前の最も危険な闇の魔法使いで間違いないだろう。そしてオレの父の方はザ・ブラック。

 

 オレの蜘蛛嫌いな理由がわかった。アラクネの子供はずっとアテナの子供に仕返しし続けているってことが事実ってことだ。

 

 よく俺暗殺とか誘拐とかされずに今まで過ごしてきたな。多方面からヘイト向けられそうな血筋だ。というかサンタも敵のひ孫を引き取るとか器広すぎだろ。

 

そんなことを考えて、そして俺の家系を調べているうちに家に帰る時がきた。

 

 

「じゃあみんなまた夏休みあけに会おう」

「始業式直前までアメリカじゃないでしょ? できたらダイアゴン横丁に新学期の準備一緒にいきましょ! もちろんできるなら家に遊びにきてもいいわよ!」

「ジニーさっきから君の話ばっかりだよ。まあ僕も同感、ハリーもルークもこっち来たら絶対楽しいし」

「僕もなんとかおじさんを説得しないと……去年はルークがどうにかしてくれたけど今年は君アメリカだから説得できないでしょ?」

「そう、昨日急にアルバスに言われたんだ。出発は明日だってさ、お土産は買うか送るよ」

 

 こうしてみんなとホグズミード駅で別れたあと、歩いてアルバスの家に帰った。アルバス的にはもう学校-家間の歩きはOKになったらしい。

 

 家の扉をあけると、ビリーが笑顔で出迎えてくれた。

 

 そしてそのとなりには笑顔のドビーがいた。

 

「先週からこの屋敷に勤めておりますドビーでございます! ルーク様!」

 

 まじかよ。

 




これで二巻目終了です。
ルークが有能なのはまあ必然といえば必然だったというネタバラシです。(最強タグに引っかかるかなと思いましたが、養父やお辞儀様、パパなどが上にいて最強ってわけではないのでつけません)
ここまで読んでいただきありがとうございます。感想や一言ここ好きなどしていただけると執筆のはげみになります。

ここから雑談

アテナは子供を金色のゆりかごに入れて西風の神ゼピュロスによってオリンポス山から運ばせます。子供は神である母親の知恵と人間である父の創意から生まれます。

現段階まとめ
グリンデルバルド+アテナ→アリアナ
ハデス+アリアナ→アイリス
シリウス+アイリス→ルーク

所持品:野球帽、ナイフに変身する杖、鉄の杖

クロスオーバー都合上10年くらいの年号とのずれはご愛嬌ということで書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。
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