オレ、重要なことは何も教えてくれない人の養子になったんだけどやばくないかこれ?   作:Luke Black

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ルーク、ファンクラブを知る

 汽車はシューッと煙を吐き、動き出した。ギリギリまでプラットホームでウィーズリー氏と話していたハリーも走ってドアから滑り込んだ。みんなが窓から身を乗り出し、見送りをしてくれている人の姿が見えなくなるまで手を振る。

 

「君たちだけに相談したいことがあるんだ」

 

 確かにハリーがそう言ったのが聞こえたが、それは俺にむけた言葉ではなかった。ハーマイオニーが少し残念そうに首を振って「ルーク、大広間で会いましょ? ハリーからはそれとなく聞いておくわ」なんて言うものだからハリーから拒絶されているってことは事実らしい。

 

「ジニー、どっか行ってて」

 

 俺とハーマイオニーが会話する横でロンがそう彼女に言う。

 

「あら、ごあいさつね。ルーク、私たち一緒のコンパートメントにしない?」

「ああ、そうしようか。三人ともまた後で会おう」

 

 俺は機嫌を損ねたジニーに手を引っ張られ適当なコンパートメントに入った。本来六人は入るコンパートメントを二人で占領しているのはなんだか申し訳ないけど、通路を歩くコンパート難民たちは俺たちをちらっと見るも入ってこようとしなかった。

 

「ルーク、昨日ハリーとなにかあったの?」

 

 ジニーは遠慮がちにそう切り出した。

 

「心当たりはたくさんあるよ。ハリーが苦痛な夏休みにアメリカに行って新しい仲間ができたとか、父親に会ったことを言わなかったとか、誕生日を祝い損ねたとか、父親が逃げ出したとか」

「思ったよりたくさん心あたりがあるのね。でも、辛くないの? その……親友に仲間はずれにされて」

「あはは、ジニーは俺のことを心配してくれてるんだ、優しいな。でも大丈夫だよ。慣れている」

「あなたそういうの良くないと思うわよ。嫌だと思ったことは怒らないとダメよ! 自分の感情は表に出していかないと気づいてもらえないわよ!」

 

 1日無視されるくらいなら大丈夫だ。気分はあまりいいものではないけど。

 

「俺には代わりに怒ってくれる可愛い妹がいるみたいだ」

「もうっ! 私はいつあなたの妹になったのよ。まあいいわ、過ぎたことはどうしようもないもの……そうだ! 3年生ってホグズミードに行けるんでしょ? 許可証はもらったの?」

 

 ジニーは話の筋を大幅に変更した。

 

 ホグズミードって俺の家がある村だよな? 許可証ってなんの話だ?

 

「え? なんだって?」

「ホグズミードの許可証よ! 私あこがれなの! 三本の箒にハニーデュークス、マダム・パディフットのお店もすごく素敵みたいなの。あなたからのお土産、なにか頼もうかしら?」

「ああ、すっかり忘れてた。保護者のサインが必要だったんだっけ?」

「……もしかして、もらってないの?」

「そういうこと。たぶん貰えないけど、学校行ったら頼んでみるか。うちのサンタは気まぐれなんだ」

「ん? どういうこと? ホグズミードの許可証をクリスマスにもらうのって遅くないかしら?」

「あはは」

 

 アルバスが学校の制度を知らないほうがおかしい。つまり、教科書について言及して許可証について触れなかったってことは……ほぼ100%許可しないと言っているようなものじゃないか。まあ、ワンチャン住民だから顔パスOKって可能性もあるけど。

 

 えっと、それとも逃亡中の父親を見つけ出すことからスタートな感じ? 「ごめん魔法省からの逃走中に悪いんだけど父さん、とりあえずここにサインしてくれる?」なんて言えるかよ。

 

「なんで貰えないの?」

「世論を取り入れると、俺の父さんは今逃亡犯らしいしあんまりいい顔されないんじゃないかな?」

「そんな……あなたが悪いわけじゃないのに……私大声で叫んでやりたいわ。『ルーク・ブラックは世界で1番お人好しだ!』って」

「それは恥ずかしいな。でも、君の宿題を見る時間が増えるから俺としては悪くないな」

「何言ってるのよ!」

 

 150年魔女とスマートな攻防戦をしたあと(ジニーに大爆笑された)お菓子を広げて一緒に食べて、ジニーがローブに着替えている間紳士的に外で待って、俺もその後着替えた。俺たちの気分とは裏腹に外の天気は荒れ模様。窓の隙間から入ってきた雨水が俺の顔を滴った。

 

「水も滴るいい男ね」

「じゃあ君は水も滴るいい女だ。でもとりあえず窓のガタつきを直したほうがいいな」

 

 流石に列車を修理したくらいで魔女が飛んでこないことを祈りながら俺は窓の立て付けをいじっていた。

 

「ねえ、ルーク今何時? もう着くのかしら?」

「そうだねいつも通りならあと10分くらいなはずだけど、変だな。もう減速するのか」

 

 変だと感じた理由はいくつかある。

 

 一つ目、不自然な減速。到着にしても駅が見えない。

 

 二つ目、俺の故郷と同じ匂い(人からは好まれない匂い)。

 

 三つ目、俺の勘が良くないって言ってる。

 

 この夏散々学んだことの一つ。(神と人の)ハーフの悪い勘は大体当たる。

 

 照明が全て消えあたりが真っ暗になる。列車も完全に静止した。

 

「ジニー、杖を出して俺の後ろに。呪文は『ルーモス』できるね?」

「ええ、ねえルーク……少し寒いわ」

「俺のローブを羽織ってて」

 

 俺はあまり寒くないから物理的な寒さじゃないのかもしれない。でもこの場でそれを解決する方法が思いつかない。

 

「ジニー、少し待っててくれる? すぐもどる。ドアを見ておいてくれるか」

「えっ、あ。うん。絶対すぐ戻ってきてよ!」

「あー、前言撤回。俺がもどってくるまでドアは見ないほうがいいかも。開かないようにくっつけておくから」

 

 寒さの原因であろう奴らがコンパートメントの扉の向こう側に何体もうろついているのを理解した。何者かは見当がついたけど、図鑑から察するに見た目はあまりファンシーではなさそうだ。俺は鉄の杖を左手で構えながら扉を開ける。

 

 数メートル先には数体の吸魂鬼。絵では見たことがあるけれど実物は初めて見た。俺は扉をきっちり閉めて吸魂鬼に向き合った。

 

「えーっと、噂はかねがね聞いているよ。繁殖の時期と被ってヘマをしたんだってな。ここにはなんの用だ? ハッピーセットのお供えを期待してるのなら別部署だ。アメリカにいいやつがいる」

 

 返事はない。シューシュー言っている。

 

 しまった。忘れてた。

 

 アメリカでよく戦っていた人型モンスターは大概喋るからこいつらもかと思ったらそんなことはなかった。

 

「まあいい。タルタロスにいったん落ちるのは変わらないだろ。ここで消されるのと撤退どっちが? ってわかんないよな」

 

 俺を物色していた団体の先頭の一体を斬って煙にした。モンスターは死なないけれど、再生までの時間はそこそこかかる。そういうルールだ。扉が開いていなければ。

 

 少し変なことがあるとすれば吸魂鬼は俺を襲ってこない。俺が振りかぶる剣からは避けようとするもそれ以上なにかしてくるわけでもない。書籍によると幸せな記憶を吸いにくるはずなんだが。おかしい。

 

 ああ、そうか。こいつらは闇が好きなのか。

 

「君!! 大丈夫か!! ……っシリウス?」

 

 俺がヌカクギの戦いをしていると、大声で声をかけてきたのは大人だった。その人が持つランタンが逆光なので全くなにも見えないが。

 

「あー、大丈夫ですけど、なかなか減らなくてっ、ねっ! あと俺はその人の息子です!」

 

 こっちとしては湧いてきた庭小人を片っ端から放り投げてるだけの単純作業と同じなんだが、彼的には一大事っぽい。こういうのハリー得意そうだな。

 

「そうか、よくやった! あとは任せてくれ」

 

 彼は杖からなにやら幽体を呼び出しそれに吸魂鬼を追い払わせている。そんな方法もあるのか、勉強になるな。

 

「体調は!?」

 

 彼はすぐさまこちらに駆け寄ってきた。

 

「良好です。ただ、中にいる女の子はあんまりかも」

「それならこれを食べさせるといい。ただのチョコレートだ。温まる。君にあえて本当によかった、また話そう。わたしは運転手のところに行く」

「OK。あとでね先生」

 

 俺はもらった板チョコレートを手にジニーのいるコンパートメントに戻った。

 

「ルーク!! 大丈夫なの?!」

 

 ジニーは今にも泣きそうになりながらも俺の手を握った。ちょっとドキッてしたのはここだけの秘密だ。

 

「君の方がひどい顔色だよ。これ食べて。今度は本当にあと10分くらいで着くらしい」

「ありがとう。ルークは? 廊下では何があったの?」

「吸魂鬼っていう人の幸せを吸うのが好きなアズカバンの看守が何体かいたんだ」

「幸せが吸われる……だから急に全てがどん底になったかのような気分になったのね。あなたはそんなやつらの近くにいて本当に大丈夫なの?」

「ああ。いや、むしろ……あいつらに懐かれていた。無抵抗な彼らを煙にしていた俺があの通路の中で1番の悪者だったって可能性もある」

「あなたにもいろいろ思うことはあるだろうけど、一つ確実に言えることがあるわ。吸魂鬼は懐かれたくないランキング上位に入るってことよ」

「俺もそう思う。ああそうだ、俺が通路に出て行ったことは秘密にしてくれるかな? 俺が吸魂鬼を派遣したなんて言われたらたまったもんじゃないからさ」

「そうね、誰にも言わない。あなたが派遣会社の社長だったってこと」

 

 二人で苦虫を噛み潰したような顔をして、その後ふざけた茶番をして爆笑した。ジニーも元気そうだ。

 

「雨だな。ちょっと寒いね」

「あっ、ごめんなさい。私……ずっとローブ着たままだった」

「ああ、いいよ全然。暑いなって思ってたし」

「ダウト。今寒いって言ってたじゃない。これ返すわ。ありがとう」

「どういたしまして」

 

 彼女から戻ってきたローブは人の温もりを感じた。やっぱり人っていいな。吸魂鬼と一緒にいたせいか余計そう思えた。

 

「おお、ルーク! 今年は三人とは別れて女の子つれるようになったんか、え? シリウスも昔は──」

「からかわないでハグリッド。それに彼女は君もしっている通りジニー・ウィーズリー、ロンの妹だよ。ところで三人はもう行った?」

「ああ、人混みに紛れて手しかふれんかったがな」

「OK、ありがと。あのさ、ハグリッド大丈夫? 後ろで大勢の1年生が待ってるっぽいよ」

「そうだ! 俺はイッチ年生を案内せんといかん。重要な任務だ。お前たちも足元がぬかるんどるから気いつけるんだぞ!」

 

 ハグリッドと立ち話をして馬車に乗り込んだ。セストラルが引いている。本来なら大切な人の死を知っている者だけが見える生物。だけど、まあ俺には見える。たぶん祖父の影響かな。

 

「なあ聞いた? ポッター、さっきので気絶したらしいよ」

「まじ?」

 

 そんな声が一つ前の馬車から聞こえてくる。

 

「嫌な感じね、あの人たち」

「……そうだね」

 

 吸魂鬼は幸せな記憶が好物でそれを吸い取る……か。幸せを吸い取られた彼に残った気絶するほどの絶望。それはどれだけ大きかったんだろう。そう思うと心が痛い。なんか身内がすみません、みたいな変な罪悪感が湧いてきた。闇の生物は良く擦り寄ってくるけど決して身内じゃない。

 

 馬車を降り、正面玄関の巨大な樫の扉を通り玄関ホールにたどりつくと思いがけない人物に声をかけられた。

 

「ブラック! こっちに来い」

 

 俺を呼んだのはあのスネイプ教授だった。通常運転、つまり眉間に皺が寄っている。

 

「ごめんジニー、行ってくる」

「殺されないようにね」

「まさか」

 

 なんの用かは全くわからなかった。スネイプ教授は生徒の流れから物理的に離れた場所で立ち止まった。

 

「お前の父親は今どこにいる」

「アメリカで会ったのが最後です」

「すぐに魔法省が捕まえるだろう、そしたら次会うのは卒業後だろうな。さて、お前にレポートを課そう。バジリスクの解体方法と毒の効能について羊皮紙2巻。いいな」

 

 文脈はどこ行った?

 

「は?」

「今月中に吾輩の研究室に持ってくるように。今年度は薬の調合の補助と雑用をしてもらう。 最後に、マクゴナガル教授がお呼びだ。今すぐ事務室に行け」

 

 スネイプ教授は俺に新学期早々課題をくださった。そして俺をこき使う宣言も。俺を追い払うかのような態度に「お前が呼んだんだろ!」と言いたかったが心の中で唱えた。

 

「ミスター・ブラック、何か言ったかね?」

「いいえ、なんにも」

「グリフィンドール1点減点」

 

 漏れていたみたいだ。アメリカ行ってから本音が漏れやすくなっているかもしれない。同類といたら自制が利かなくなるんだ。まだ新年の宴会がはじまっていなくてよかった。どこの寮にも宝石は溜まっていない。

 

 俺は急いでその場を離れて事務室に向かった。勢いよく扉を開けると中には四人いた。ハーマイオニー、ハリー、マクゴナガル教授、マダム・ポンフリー。

 

「僕、大丈夫です!」

「そうね、少なくともチョコレートは食べさせないと」

「もう食べました。ルーピン先生がくださいました。みんなにくださったんです」

「ポッターほんとうに大丈夫なのですね?」

「はい」

 

 二人がかりで心配されているハリーは鬱陶しそうに自分が大丈夫なことを繰り返していた。

 

「あー、俺呼ばれたって?」

「いいところに来ました。ミス・グレンジャーとあなたに時間割の話をしようと思っていたんです。ポッター、外で待っていらっしゃい。それから一緒に宴会に参りましょう」

 

 ハリーに気まずそうな顔をされながらすれ違った。気まずい要素は彼が俺を避けているからだろうか、それとも気絶したという事実を知られたからだろうか。

 

「で、時間割のことなんですが。俺たち体を二つに分裂させる技でも今日中に習得できるんですか?」

「まさか。でもそれに近いことはしてもらいます」

 

 俺たちに渡されたのは一つの砂時計。一回回すごとに1時間戻れるという優れものだ。その分姿を見られてはいけないみたいな面倒な制約もセットだ。

 

「一緒に二人で賢く使いなさい。グレンジャー、もしブラックが邪な使い方をしようとしたらしっかり止めるのですよ」

 

 俺そんな悪いことには使わないって。同じ場所で何人もの自分と会話してみようかなとかそんなことしか考えていない。考えただけで頭狂いそうだな。

 

 これで今年度はハーマイオニーから逸れた瞬間授業を受け損なうことが確定した。逆も然りだ。ハーマイオニーと俺は時間割を見ながら、どこで逆転時計を使うかを話し合って決めてから外に出た。そしてそこには当然だがハリーもいた。

 

「あー、組み分け見逃しちゃったわね」

 

 ハーマイオニーが俺たちの微妙な空気を壊すようにそう切り出した。大広間の後ろを目立たないように歩いたものの周りの生徒は振り返る。俺たちを指差す生徒も何人かいた。

 

「来年こそは見ないと『組み分けを見られない』っていうジンクスを作りそうだ」

「それを言うならハリーもね」

「……そうかもね。でもルークはかっこいいから何やっても許されるさ。君の親のようにね」

「ちょっとハリー何言っているの!」

 

 ハリーの冷たい態度にハーマイオニーがすかさず咎める。

 

「ふー。俺、ジニーのところ行くよ。さっき約束したんだ」

 

 約束もしていないジニーのところに歩いて行き、ハリーから離れた。

 

「ハリー、さっき謝るって話だったじゃない」

 

 

 今彼のそばにいたら彼を口か手で負かして傷つけてしまう。そう思った。歩きながらも悩みは俺の頭を中心に公転している。ハリーは本当に何を考えているんだ? なんで俺に当たってくるんだ? 考えれば考えるほどイライラしてくる。

 

 できることや知識が増えるとその分思い通りにならないことも増えるものだ。

 

 例えば「なぜ俺は蜘蛛が苦手なのか?」なんて質問にたいして「アラクネを蜘蛛に変えた方の血が流れているから」っていうことはわかるが「血を抜く方法」はわからない、いやそもそも神の行うことなんて俺にはどうしようもない。このギャップにイライラする。昔だったら「蜘蛛ってきもいな」で終わっていたのに。

 

 自分の感情をコントロールできないこともイライラするし……なんて不器用なんだろう。悩めば悩むほど悩みは増殖する。「もしガイアが目覚めてオリンポスを攻撃してきたらどうしようか?」なんていらない悩みまで勝手に増築してるしまつだ。そんなのそいつが目覚めた時に悩めよ俺。

 

 こういうのが思春期っていうのか。

 

 俺がジニーの隣に座ると、壇上にあがったサンタが話し始めた。

 

「おめでとう! 新学期おめでとう! 皆にいくつかお知らせがある──」

 

 魔法省の御用で吸魂鬼がホグワーツの周りに来ているということ。脱獄犯に元教授もいることからか万が一にも侵入しないように、学校の入口という入口を固めているから学校を許可なく離れられないということ。たとえ透明になったとしても。そして新任の先生が二人入ったということ。一人は防衛術の、吸魂鬼との時にであったリーマス・ルーピン教授。もう一人は魔法生物飼育学のハグリッドだった。

 

「さて、これで大切な話は終わった。さあ、宴じゃ!」

 

 目の前の金の皿、金の盃に突然食べ物が、飲み物が現れた。

 

 俺は目の前にあったコークを魔法で青色に変えてから飲み干した。アメリカの友人達が恋しい。彼らとはお兄さんぶったスマートな俺じゃなくて、キャンプの後輩として、ガキなルークとして過ごせたから。まあ現実逃避だ。

 

「あの! あなたってあのルーク・ブラックって本当ですか?!」

 

 食べ物を摘んでいると後ろから声をかけられた。ハッフルパフの生徒がわざわざなんの用だ? ローブを見た感じ新入生っぽい。

 

()()かはわからないけど、俺はルーク・ブラックだよ」

「すっごいイケメン! お父さんと同じようにファンクラブとかありますか? あとお姉ちゃんがあなたのファンで私も今なったから2枚サインもらえま──」

 

 どうやら俺の父親にはファンクラブがあるらしい。

 

「いや──『ああ、この子思ったこと全部言っちゃうんです! ごめんなさい! 失礼します! ほら、なに失礼なこと言ってるのよ全く』ああ、気にしないで」

 

 怒涛の勢いで彼女は話に出てきたであろう彼女の姉に引っ張られて行った。

 

「ジニー、俺にファンがいるらしい」

「あら知らなかったの? 去年の冬からあなたのファンクラブもあるわよ。そしてあの姉の方は会員」

「じゃあ君は会員?」

 

 俺は「まさか」っていう返事を期待してそう尋ねたが俺のほうが「まさか」って言う羽目になった。彼女は何を言っているの?みたいな顔をしながらこう返してきたのだ。

 

「いいえ、会長よ」

「まさか」

 

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