オレ、重要なことは何も教えてくれない人の養子になったんだけどやばくないかこれ? 作:Luke Black
「よし、ついて来てくれ。ああ、ハリーは一応透明マントは持っておいた方がいい。ロンはスキャバーズを連れてるかい?」
「ポケットで寝てるけど……おいて行った方がいい?」
「いや、連れて来ていいよ。眠っているなら邪魔にならないだろ?」
美味しそうに食べてくれて助かったよ。
俺特製の睡眠薬で眠っているスキャバーズ。
脱狼薬の味をましにさせる実験が睡眠薬を無味にするのに役に立つとは、面白いよな魔法薬学って。
「ねえ、ルークこっちって暴れ柳の方じゃ……クルックシャンクス!!」
「おい!! あそこにいるのってグリム!!」
「クルックシャンクス!! 待ちなさい!! そっちは危ないわっ」
「ハーマイオニー!!」
ハーマイオニーがクルックシャンクスを追いかけ暴れ柳の近くまで走っていく、そしてそれを見たグリムは暴れ柳のコブに触れた。
暴れ柳の時が止まる。だが、クルックシャンクスの時はもちろん止まらない。この間同様穴に落ちた。続いてハーマイオニーも落ちたしロンとハリーもハーマイオニーを追って落ちた。
父さん、頼まれたことは果たしたぞ。
3人が通路を進んでいくのを俺は
「ったあ、意外と深い……ハーマイオニー、クルックシャンクスはいた?」
「ハリー、罠よ──」
「え?」
「あの犬、アニメーガスだったのよ!!」
3人が見たのは彼らがよく廊下の壁で俺とセットで見ていた顔だろう。イケメン親子、いや、そう俺の父さんだ。
「エクスペリアームス、武器よ去れ!」
父さんは3人の杖を一度に回収した。いつの間にか俺のアカシアの杖がどこかに行っていたからクルックシャンクスにでも盗まれたのだろう。一言言ってくれよ。
「君たちは昔の私たちを見ているようだ。勇敢で教師の助けを求めない。その方がことがずっと楽だ」
「何が目的なんだ!! ルークはどこに行った!?」
「私の息子は私の願いを手伝ってくれただけだ。彼を責めないであげてくれ。それに全てを聞いたら君たちもわかってくれるはずだ」
「どうして危険を冒してまでホグワーツに侵入したのっ。あと一年で自由になれたんでしょ」
「殺すためさ」
「ハリーを殺すなら僕たちも殺すことになるぞ!」
ロンは勇敢にハリーの前に立った。
「君のペットを私に貸しなさい」
「嫌だ!!」
ロンは杖を物理的に奪おうと思ったらしい、父さんに殴りかかった。もちろんハリーがそれに続かないわけなく1対2の乱闘が始まる。それに加えてハーマイオニーはちゃっかりクルックシャンクスを回収した。
もう埒が明かない。変身を解いて一回言葉足らずな父親の代わりに説明をしようかと思ったら新しい役者が舞台に立った。
部屋の扉が開き、真っ青なルーピン教授が入って来た。
「シリウス、あいつはどこだ?!」
3人は何を教授が言っているのか理解できなかったようだ。そして視線をまた父さんの方に戻す。すると父さんはゆっくりと手をあげロンをさした。正確にはロンのポケットをさした。
「しかし、それなら……なぜいままで正体を顕さなかったんだ? もしかしたら、あいつがそうだったのか……君は結局アイリスに止められたんだな。私には何も言わなかったと」
父さんはゆっくりと頷いた。
「ルーピン先生!! いったい何が?」
ハリーの問いに応えることなくルーピン教授は父さんのもとにゆっくりと歩いていきそして抱きついた。
俺は父さんの不倫現場を見ているような気がした。っていうのは冗談だ。たぶん友情を確かめ合っただけだろう。
「先生は──先生は!! 彼とグルだったの?! 私先生のために隠していたのに──」
事態は俺の想定外のところに飛躍していった。俺的には父さんはハリーを溺愛した後ロンからペットを譲りうけ、ハーマイオニーに感謝を伝える会をひらく予定だったのだが教授の秘密暴露の記者会見になりかけている。
「この人がブラックが城に入る手引きをしていたのよ。この人は狼人間なの!! ルークは、ルークは仲間なの!? 彼は脅されてたのよね?」
「いつもの君らしくないね、ハーマイオニー。残念ながら君は一問しか正解していない。わたしはシリウスが城に入る手引きはしていないし、ルークのことは初耳だしなんなら彼はどこにいるんだ? 一緒じゃないのか?」
俺はここですルーピン教授。必死に部屋の陰でフクロウの置物やっています。入るタイミングを無くしました。
「しかし、わたしが狼人間であることは否定しない。いつ頃から気づいていたのかね?」
「ずーっと前から。スネイプ先生のレポートを書いた時から」
「スネイプ先生がお喜びだろう。スネイプ先生はわたしの症状が何を意味するのか誰かにきづいてほしいと思ってあの宿題を出したんだ。まあそれ以前から気づいていた君のパートナーは私のために薬を研究してくれていたようだ」
「パ、パートナー?!」
「ハーマイオニー、今反応するのはそこじゃない」
ハリーが冷静に突っ込んだ。
「ルークは全て知っていたってことだ、ハーマイオニー。そしてここに僕たちはまんまと誘導された。彼は僕たちのことを裏切ったんだ」
「ちがっルークはそんなことしないわ!!」
「じゃあこの状況はなんだよ!!」
「息子のことを悪く言うのはやめてくれ。ウィーズリーくん、君のスカルプを見せてくれ」
「頭皮だって?! 何言ってるんだこいつ!!」
「シリウスふざけている場合じゃない。ロン、君のペットを見せてくれ」
父さんはたぶん大真面目に言っただろうに全員に変なやつ認定されていた。俺がもっとネズミの名前をきちんと頭に叩き込んでおけばよかった。
「なんでスキャバーズを」
「そうだ、スキャバーズだ。それはネズミじゃない、私たちと同じ魔法使いだ。名前はピーター・ペティグリュー」
「ピーター・ペティグリューは12年前にお前が殺した!」
「いや、殺し損ねた。ジェームズに顔向けできない」
「ちょっと待って!! ペティグリューが動物もどきなわけありません。だって、だって動物もどきの宿題の時に魔法省の登録簿全部目を通しました。今世紀にはたった7人しか動物もどきは存在しません。その中の名前に彼は載っていませんでした」
「またしても正解だ。でも魔法省は未登録の動物もどきが三匹ホグワーツを徘徊していたことを知らなかったのだ」
「ルーピン、今はもう一人増えた。ああ、違うそんなことはどうでもいい。見せたら理解するだろう。はやくピーターを渡せ」
「ここにいる全員が真実を知る権利をもっている。まず私の幼少期から」
ルーピン教授が語った内容は狼人間になりホグワーツでどのように過ごして来たか。そこには父さんや母さんのエピソードもあり少し嬉しかった。俺の知らない母さんは賢くて勇敢で他人を振り回すのが得意だったようだ。
睡眠薬がそろそろきれそうなので早くやるならやってしまって欲しいとおもったころ、ルーピン教授の話は遮られた。新たな役者によって。
「その通り。暴れ柳の根元でこれを見つけましてね」
それはハリーの透明マントだった。
「吾輩がどうしてここを知ったのか、諸君は不思議に思っているだろうな? 君の部屋に行ったよ、ルーピン、今夜例の薬を飲むのを忘れたようだから、吾輩がゴブレットに入れて持っていった。持っていたのはまことに幸運だった。吾輩にとってだがね。君の机に何やら地図があってね。一目見ただけですべてわかった。君がこの通路を走っていき姿を消すのをね──」
俺は思わず変身を解いてしまった。
「「「ルーク(ブラック)?!」」」
「みんなそんな顔をしている場合じゃない。スネイプ教授なに薬を置いて来ているんですか!! というか、ルーピン教授も薬を飲んでいない?! 俺があんだけ超特急で試作して、大金をつかって監査を早めた薬を?? ええっと、どこいった? これじゃなくて『アクシオ、脱狼薬』よしあった。ほら口を開けて。残念ながら俺はまずいのしか持っていないんですけど変身するよりはましでしょう。ああ、スネイプ教授、薬をくすねて来たのはあとで反省文書きますから」
急に出て来た生徒に首根っこを引っ張られて薬を飲まされるなんてこの場にいた誰も思っていなかっただろう。俺もだ。
「で、父さんは早くしないと睡眠薬の効果がなくなるからやるなら早くやってくれ。で、ハーマイオニー先に謝っておく。登録はサンタから止められていたしマクゴナガル教授も承知済みだ」
「えっあ、うん。そうね、マクゴナガル教授がお許しになったなら……」
「ここのやつ全員ポンコツか? 僕は帰る」
俺もそれを思っていたところだロン。ただ君のペットを帰したら本当にみんなポンコツになってしまうからだめだ。
「ロン、スキャバーズを借りるよ」
「僕のスキャバーズ!!」
「父さん、3秒でいくからね」
「お、おう」
「3、2、1!!」
青白い光が2本の杖から放たれた。鉄の杖は久しぶりにつかってあげたからか喜んでいる。
スキャバーズは目も眩むような閃光が走りそして、頭、手、足と徐々に形を変形させた。
小柄な男だ。まばらな色褪せた髪はくしゃくしゃ、てっぺんに大きなハゲがあった。
「うん、これはスカルプでもいいな。スネイプ教授、次は育毛剤の研究がいいでしょう。需要ありますよ」
「ブラック、ふざけている場合ではない。……これはどういうことだ」
「簡潔にまとめましょう。ホグワーツの不法侵入者に気づいたモンペが学校に許可なく突入、体を張って捕まえにいき、それに気づいた教授二名が保護者にやらせるわけにはいかないということで不法侵入者を捕まえてしっかりと始末したというストーリーですね。おっと、追い睡眠薬します?」
「すこしピーターと懐かしい話をさせてくれ」
「了解です。これで目はぱっちりなはずですよ」
俺は目が覚める薬を飲ませた。とびっきり苦いのが余計目を覚まさせるだろう。
「……アイリス、やめてくれ。僕その薬は、無理って何度も……」
「やあ、ピーター。そいつはアイリスじゃない。俺の息子だ」
「ヒッ」
母さん、ピーターを実験に使っていたみたいだ。
「シリウス!! わたしだ、ピーター、君の友達の……」
「汚い手で触るな」
「リーマス!! 君なら……」
ルーピン教授は横に首を振った。
「ロン!! 私はいい友達、いいペットだったろう? 私を殺させないでくれ。ロン、君は私の味方だろう?」
「自分のベッドにお前を寝かせてたなんて……ルークをベッドに連れ込んだ方が100倍ましだ」
「? ありがとうロン」
「優しいお嬢さん、賢いお嬢さん。あなたは、あなたならそんなことをさせないでしょう?」
「ハーマイオニーに触るな。殺すぞ」
「ヒッ」
薄汚い彼の手が触れそうなところを間一髪で防いだ。ハーマイオニーに触るなよドブネズミ。
「ハリー、ハリー、君はお父さんに生き写しだそっくりだ……」
「ハリーに話しかけるとはどういう神経だ!! ハリーに顔向けができるか?」
父さんとピーターがヒートアップしていく。
「友を裏切るくらいなら死ぬべきだった!! 我々も君のためにそうしただろう」
「おまえは気付くべきだった。ヴォルデモートがおまえを殺さなければ、我々が君を殺すと。ピーターさらばだ」
ハーマイオニーが両手で顔を覆い壁の方を向いた。俺は彼女の耳を手で塞ぐ。
「やめて!!」
ハリーが叫んだ。ハリーは駆け出してピーターの前に立ち塞がった。
「殺してはダメだ。殺してはいけない」
「君はこのクズのせいで両親を失ったんだぞ」
「わかってる。こいつを城まで連れていこう、僕たちの手で吸魂鬼に渡すんだ。そして最終的にキスして貰えばいい」
「ハリー!!」
「おまえのためじゃない。僕の父さんは親友が、お前みたいなもののために殺人者になるのを望まないと思っただけだ」
「ハリー、君は優しくて甘いね。まあ当事者が決めたんだ従おう。スネイプ教授、いまこそあなたの魔法が役に立ちますよ。俺を縛り付けるの得意でしょう」
「ブラック、親がいるから何を言っても許されると思うな。グリフィンドール20点減点」
「うわ学年末だよ今。最悪だルーク」
「悪かった。スプラウト教授に育てた植物献上して点数をもらってくるから許してくれ」
縛り上げられるピーターよりも寮の得点の話にロンと俺は興味が向いていた。
いつのまにかスネイプ教授の恨みがこもった縄でピーターは丁寧に何重にも縛られ、両サイドを大人でガッチガチに固められている。こうして一同はトンネルをぞろぞろと歩きはじめた。
「ハリー、もしかしたらルークから聞いているかもしれないが私は君の名付け親でもあるんだ」
「ええ、知っています」
「つまり、君の両親が私を君の後見人に決めたのだ。もし自分達の身になにかあればと。もちろん、おじさんやおばさんとこのまま一緒に暮らしたいと言うなら、その気持ちはよくわかる。しかし、まあ、考えてくれないか。もし、君が別の、別の家族が欲しいと思うなら……」
「えっ? あなたと暮らすの?」
「もちろん無理にとは言わな──」
「引越しの準備はいつでも大丈夫です!! 一緒に住みたいです!!」
校庭に這い上がるとすでに真っ暗になっていた。ひたすら真っ暗な校庭を歩いていくと突然庭にぼんやりとした影が落ちた。一行は月明かりを浴びた。
ルーピン教授が急に立ち止まる。そして手足が震え始めた。
はじめて狼人間の変身を見た。ハーマイオニーを万が一に備えて俺の後ろに隠す。薬は効いているはずだから理性は残るはずだ。
この騒動を利用しないわけはなかった。ピーターがネズミに変身した。
校庭を一目散に走り出す。
「あいつが逃げた!! ペティグリューが逃げた!!」
ハリーが叫ぶ。
「ハリー、ハーマイオニーを頼んだっ」
俺はすぐさまフクロウになった。フクロウは猛禽類、この暗闇での猟はお得意だ。ただ、動物の意志にひっぱられてネズミを飲み込んでしまわないように気をつければいい。
数十メートルのところでしっかり見つけ、咥えることに成功した。
「ルークよくやった!! こっちに投げろ」
父さんの声を聞きピーターを放物線を描いてパスする。今ならフクロウ界隈のチェイサーになれる気がする。
こうしてピーターの小さな冒険は終わった。
「ふう、だれか口直しにキャンディー持っていない? ハッカ味とか」
「僕持ってるよ百味ビーンズ」
「ロンありがとう。でも、それでネズミ味を引いたら立ち直れないからやめておくよ」
一難去ったらまた一難という言葉は今日のためにあったようだ。
「ルーク、わたし寒い」
「寒い? 俺のローブ着るか?」
「違う、ルークあれだよ。君は感じないのかい?」
目の前には吸魂鬼の大群。
「ああ、何個問題が降ってくればいいんだ!! ハリー、ピーターにこれを飲ませろ。しばらく睡魔とお友達なはずだ。で、誰かあの魔法で吸魂鬼を蹴散らせる人は?」
「量が多いな……吾輩がやろう。グレンジャーとウィーズリー、校長を呼んでこい。今すぐにだ!!」
「私もやろう。ルーク杖を借りるぞ」
「杖に嫌われないようにね」
「僕もやる」
100はいるであろう吸魂鬼を必死に守護霊たちは追い払っているがこれじゃ日が暮れる、いやもう2度目の日が暮れる。
「はぁ、ハリー。俺が倒れたらこれを口につっこんでくれ」
「これっていつものあれ?」
「そうそう、俺の生命線」
俺はステュクスの鉄でできた杖を上げた。
「止まれ」
「俺がいるからお前たちの出番はない。消えろ」
理性のあるという言い方も変だがキスの欲望が低い吸魂鬼はそれぞれ散らばっていった。それでも両手足じゃ数えきれない吸魂鬼はいまだふよついている。
「これ一匹ずつしか消せないから使いたくないんだよな」
俺は手持ちのネクタルの小瓶を一気に煽り、杖を構え直した。そして一体一体杖で指す。
指されたやつらは灰となって形がなくなっていく。
数十体で俺の体は悲鳴を上げ始めた。咳き込んだ掌は赤く染まった。
「聞き分けが悪いな。ここから去れ」
残り数体になったころには全身が汗に濡れ、視界は気分が悪くなるほどぐわんぐわんと回っている。
「ブラック!! ポッターその瓶を渡せ!! すぐにだ」
スネイプ教授に小瓶を口に突っ込まれて喉に流れていく感覚を辛うじて感じた。ブラックが二人いると呼びづらそうだななんてどうでもいいことをぼーっと考えていた。
「ブラック、アイリスの息子は吾輩が運ぶ。ポッターを医務室に。ポッターにはこれも食べさせろ」
「スニベルス、お前に指示されたくないが……息子を頼んだ」
◆
息が苦しくて盛大に咳をして目を覚ました。
「落ち着け。背中をさすってやる」
「やばっ、んん、っ吐く」
「大丈夫だ。すべて吐ききれば楽になる」
この看病をしてくれた人がだれか聞いたらホグワーツの生徒は爆笑するか信じないかのどちらかだろう。
正解はセブルス・スネイプ教授である。
「口をゆすげ、洗面器は隣にある。余裕があればこれを食べろ」
そんな甲斐甲斐しい世話をしているスネイプ教授の横で大臣とサンタ、そして父さんが真面目な話をしている。
その話に耳を傾けると父さんはいい感じに世論を操ってもらって自由の身になるというものらしい。ピーターペティグリューが生きていたことで全ての罪をそちらになすりつけるようだ。そして甘いような気もするがアズカバンの個室に飢えた吸魂鬼と一緒に閉じ込めておくから数時間持つかどうかなようだ。大人の世界は汚い。でも父さんが自由の身ならなんでもいいや。
「熱がまだ下がらない、マダムポンフリー。吾輩の解熱剤はつかったのか?」
「あれは最終手段ですよセブルス。この子の体が耐え切れるか」
「しかし、これでは体力を奪うばかりだ。風邪ではないのだから使っても問題ないはずだ」
「そこまで言うなら使ってみますよ」
「お前の母親が疲れて熱を出した時は吾輩が煎じていた。心配するな、すぐ良くなる」
「あり、が、とう、ございま、す」
「目を閉じていろ」
◆
「目覚めの気分はどうじゃ、ルーク」
「さいあく、ですよ」
「まず、よく頑張った。一年授業に研究にいたずらにすべて乗り切ったのう。保護者としてとても誇らしい」
「どう、も」
「そして、わしの思わぬところでシリウスと計画を進めていたようじゃな。バックビークの件もハグリッドに結果を聞かされた時は口がしばらく閉じんかった。そして吸魂鬼の始末に関してはわしの不手際の尻拭いをまさに命懸けでやっておったんじゃのう。悪かった。君のこととなると毎度わしの予想から外れる」
「ぐうぜん、ですよ」
「ルーク、君には力がある。同年代と比べてはもちろんじゃが、君には才能に加え魔法使いにない力をも持っておる。じゃが、代償も大きいことは実感しておるじゃろう。自分のことを大切にしなさい。皆、君を心配しておる。いつか取り返しのつかないことが起こるんじゃないかと」
「ははっ、さいきんよく、いわれ、ます」
「あと、これが本題なんじゃが、シリウスはブラック本邸でこれから過ごすことになるじゃろう。君は……」
「アルバスの、いえにい、たらだめ、なんですか?」
「いやもちろん親元にいたいというのは……ん? わしの家で過ごしてくれるのか?」
「だってハリーが、そっち、いくでしょ? だったら俺は、にもつもあるし、げほっげほっっ」
「無理をするでない。そうかそうか、これはシリウスに自慢せんとな。いやなんでもない。ふぉっふぉ」
◆
学期の最後の日、試験の結果が発表された。俺たちは全科目合格だった。
ちなみに俺の魔法薬学の成績がO+だったからもう悔いはない。たぶん俺はグリフィンドールの伝説になれる。
もちろん学年一位を今回も死守した。
「あなたに成績を勝つにはもう一度プランを綿密に練り直す必要がありそうね……」
ルーピン教授は教授をやめることにしたらしい。本当に残念だ。でもいいニュースもある。
彼はブラック家の執事になったのだ。
俺が当主だから退職の話を聞いてすぐ提案した。本邸に父さん一人残すのは不安だし、父さんは家の仕事を積極的にやってくれることはなさそうだったからちょうどよかった。支払いは給料プラス俺お手製の薬で手を打った。
つまりハリーはブラック邸に行けば1番親しかった先生と名付け親に会えるんだ。喜ぶだろう。
夏季休暇にはクィディッチワールドカップがあるらしい。そこのチケットが取れれば、そしてアメリカから帰ってきていればその日にまた彼らには会えるだろう。そう思いながらホグズミードの道を歩いた。
三巻完結しました。読んでくださっている皆さんありがとうございます。
感想や評価、ここすきいただけると励みになります。
人に頼ることのないルークと劣等感を抱くハリーやロンの成長物語に加え、ハーマイオニーとジニーとルークの関係の進展。スネイプ教授とルークの関係、父親と息子のすこしおかしな距離感、アルバスとルークの関係。書きたいところばかりで回収が渋滞しています。