「図書館って、強い能力だよな」「お前は何を言ってるんだ」   作:クラウディ

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テスト二日目だが、投稿していきます!

それと、UA20,000回を達成しました!
この短期間でここまで見てくださるとは……。
皆さん、ありがとうございます!
これからも本作をご愛読してくださるように、日々精進します!

それでは本編どうぞ!





一時の休息

 目標を新たにした後、ロマンの案内で近くの森にある霊脈(魔力がたくさん集まってるところ)へ向かった私たちは、しばしの休息をとることにした。

 理由は単純明快。

 ロマンが言うには、このままオルレアンに向かうのは危険だということらしい。

 まぁ、それは仕方がないと思う。

 何しろ、管理人さんはほとんど戦っていなかったが、こちら側のサーヴァントで、戦闘に特化しているエミヤとクーニキが、バーサーク・サーヴァントに押されていたことから、今の戦力では心もとないらしい。

 そのため、2人までなら私を経由して即座に召喚できるのだが、それ以上となると難しい追加召喚を魔力のたまり場である霊脈で行うとのことだ。

 今回呼んだサーヴァントは二人。

 

「ようやく私を呼んでくれましたねマスター。それではシロウ。ワイバーンシチューを私に」

「君は変わらないなセイバー……」

 

 一人目は、召喚されてすぐ料理当番のエミヤにご飯を貰いに行ったアルトリアさん。

 サーヴァントの中でも『三騎士』と呼ばれるクラス。

 その中でも一際優秀な『セイバー』というだけあって、ステータスも宝具も高水準の強さを誇っている人だ。

 その代わりすっごく燃費が悪いらしい。

 確かに、それは特異点Fで身をもって知っている。

 あんなに宝具を連発してきたことで、改めて聖杯ってやばいものだと分かった出来事でもあった。

 正直言って相手にしたくないけど、味方となれば心強いことこの上ない存在でもある。

 ただ、一つだけ欠点があるとしたら……。

 彼女が食いしん坊だというところだろう。

 今も、さっきの昼食時に食べたばかりなのに、もう夕食のリクエストをしている。

 まぁ、別にいいんだけどね。

 

「私のような者でも、貴女の力になれますかマスター?」

「うん! 今は猫の手も借りたい状況だからね! ……ライダーさんは弱くないからね!? あくまで例えて言っただけだからね!?」

「ふふっ……大丈夫ですよマスター。分かっています」

 

 そして二人目は、召喚されてすぐに私の元に駆け寄ってきたライダー――メドゥーサさん。

 彼女もまた、強力な英霊の一人であり、特にスキルにより強力になったパワーは強力無比なものだ。

 それに、彼女は私達の中で唯一のライダーなので、数人ぐらいだったら宝具の一つであるペガサスに乗せて逃げられるらしい。

 メドゥーサさんには、クーニキと一緒に斥候を担当してもらおうかと思ってる。

 素で機動力の高いクーニキと、万が一相手に気づかれたとしても相手の追跡を振り切れるだろう速度を出せる宝具を使えるメドゥーサさんなら、きっといい働きをしてくれるはずだ。

 ちなみに、私の礼装を作ってくれたメディアさんと、もう一人サーヴァントがいるのだが、今回はお休みだ。

 今の私じゃ四人が限界というのもあるけど、一番は下手に人数を増やして混戦が起きるのを防ぐためだという。

 他にも、管理人さんが言うには、メディアさんの魔術は確かに強力だが、昼間に遭遇した「魔女」たちのサーヴァントは、おそらく近接戦に特化しているらしい。

 アサシンはそうでもないけど、ランサーは接近してくる相手を拒絶する血の槍で、私たちの仲間の中でも特に接近戦に秀でている(あと燃費がいい)クーニキを押していた。

 それだけでも結構苦しい戦いを強いられているのに、管理人さんがある情報をもたらしたことでメディアさんを呼び出そうとしたのをやめる決意をしたほどだ。

 なんでも、アサシンは知らないらしいけど、ランサーは管理人さんの顔見知りらしい。

 それに関しては満場一致で納得できた。

 だって、ジャンヌさんが知り合いだというし、あのカルデアで見た『夢』でも、昔っぽい服装の王様と親しくしていた。

 なら、あそこにいたサーヴァントの誰かと知り合いかもしれないというのも納得できるもの。

 そんなわけで、戦力としては申し分ない2人を召喚することができたのであった。

 しかし、私達が休んでいる間にも、事態は着々と進行しているようで……。

 

「皆聞いてくれ。情報をいったん整理しよう」

 

 食事をとっている私達に聞こえるような声で、管理人さんが声を上げる。

 その表情は、いつになく真剣なもので、私は思わず姿勢を正してしまった。

 それは、隣にいるマシュとジャンヌさんも同じで、二人は同時に彼の言葉を待つ。

 すると、管理人さんは静かに語り始めた。

 

「まず、今回の特異点の元凶であろう「魔女」は、フランスに恨みを持つであろう「誰か」が聖杯を使って創り出した存在だということはみんな分かっているよね?」

 

 それは、ロマンが教えてくれたことだ。

 特異点Fでのアルトリアさんと同じように、今回も黒幕であるサーヴァントがいるはずなのだ。

 しかも、今度はオルレアンという大都市を破壊し、さらにはサーヴァントを複数操るほどの力を持っているときた。

 そんなことができるのは、聖杯ぐらい。

 そして、聖杯自体が勝手にサーヴァントを召喚するのは、それこそ、聖杯戦争のために作られた聖杯ぐらいだということも知っている。

 だけど、今回の目標である特異点を創り出した聖杯は似ているようで違うらしい。

 それは、私も感じていたことだ。

 確かに、魔術師じゃない私でも、聖杯を掴んだときはすっごい力を感じることができた。

 でも、どこか違うかもしれないとも思っていた。

 それは多分、聖杯が持っていたはずの、「ナニカ」を感じなかったからだろう。

 聖杯に宿っていたのは、ただの膨大な魔力だけだったのだ。

 だから、特異点を創り出した聖杯そのものがサーヴァントを召喚することはないだろう。

 ということは、管理人さんが言った通り、このフランスを憎む「誰か」によってあの黒いジャンヌさん――「魔女」は創り出されたんだ。

 

「「魔女」が特異点を創り出してしまうほど暴れたのは分かっている。でも、彼女を創り出したのは、まだ誰か分かっていないから一先ずこの話を置いておこう。次は現地に召喚されたであろうサーヴァント――「カウンター」の存在だ」

 

 管理人さんの言葉に、私たちは一斉にジャンヌさんを見る。

 視線を集められたジャンヌさんは顔を真っ赤にしていたが、それをごまかすかのように咳ばらいをすると、管理人さんに話を進めるよう催促した。

 

「皆が分かっている通り、ジャンヌは今回の異常事態に『抑止力』によって召喚されたサーヴァント――「カウンターサーヴァント」とも言うべき存在だ」

「ええ。兄さんの言う通り、私は何らかの意思を持って召喚されたのは分かっています。でも、それが何なのかまでは……」

 

 申し訳なさそうにするジャンヌさん。

 そんな彼女をフォローするように、管理人さんは再び口を開いた。

 どうやら、今の話だけで何か分かったみたいだ。

 ……相変わらず凄いなぁ。

 こんな短時間で分かるなんて……相当な信頼関係がないとできないものなんだろう……。

 少し、「うらやましい」と考えてしまった。

 でも、今は関係ないと頭を振ってその考えを頭の中からなくし、管理人さんに続きを促す。

 

「そんなカウンターサーヴァントだが、果たしてジャンヌだけだろうか?」

「確かに……ジャンヌさんがいかに優れていたとしても、たった一人では問題を解決できるとは思っていません」

「そうだマシュ君。それに、ジャンヌは召喚された当初、並のサーヴァントより弱体化していた。今は、僕が欠落していた霊基を修復したことで、ほぼ元通りになっている」

 

 管理人さんの言うことは最もだった。

 確かに、ジャンヌさんはサーヴァントの中でもトップクラスの強さを誇る英霊だ。

 しかし、それでも一人では解決できないことだってある。

 例えば、ワイバーンの大群に襲われたときとか、最近起こったことで例えれば、バーサーク・サーヴァントを複数相手取るとか。

 でも、私の主観的な意見では、ジャンヌさんだけじゃ絶対に問題を解決できないと思う。

 しかも、ジャンヌさんが召喚されて、管理人さんがジャンヌさんを元通りにしてなかったら、ジャンヌさんはバーサーク・サーヴァントと戦った時、一人も倒せず負けてただろう。

 他にも、私たちが一緒にいたとして、管理人さんがワープを使ってくれなかったら、私達は奇跡が起こらない限りあそこで負けていたはずだ。

 そう考えると、管理人さんは改めてよく見えているんだということが分かる。

 本当にありがとうございます管理人さん。

 心の中で管理人さんに感謝を告げて、管理人さんの話を聞く。

 

「召喚された当初のジャンヌでは、確実に奴らに負けていただろう。それは、僕が霊基を修復したとしても変わらない。そんなことも分からないほど『抑止力』は馬鹿なのか? そんなことはないだろう。人を殺すことでしか世界を守れない「ポンコツ」だが、そこら辺の分別は分かっているはずだ。だから、現地で協力してくれそうなサーヴァントはジャンヌ以外にもいるはずだろう」

「確かにな。管理人の言う通り、『抑止力』は馬鹿じゃない。むしろ、この手に関しては優秀すぎるほどに優秀なのは知っている。だからこそ、私も貴女には期待しているよ。ミスジャンヌ」

 

 管理人さんの言葉に同意するエミヤ。

 そんな二人に、ジャンヌさんも嬉しそうに微笑んでいる。

 私も、二人の言葉を聞いて、思わず笑みを浮かべてしまう。

 ただ、管理人さんの言いたいことがまだ終わっていないことを察したので、すぐに表情を引き締める。

 そして、管理人さんは話を再開した。

 

「だから、明日からの目的は、カウンターサーヴァントの勧誘なのだが……」

「? どうしたんですか管理人?」

 

 話をいったん区切った管理人さんに、シチューをほおばっているアルトリアさんが問いかける。

 ほんとにどうしたんだろう……?

 そう思っていると、管理人さんは先程の静かな声ではなく、少し遠くに聞こえるような声量で誰かに話しかけた。

 

「で、そこにいるのは誰だい? 見知らぬサーヴァントさん?」

「!?」

「わ! 見つかってしまったわ!」

 

 サーヴァント!?

 まさか……敵襲!?

 いつの間にか接近されていたことに驚く間もなく、管理人さん以外が戦闘態勢を整える。

 だけど、管理人さんは相変わらずのんびりとした態度のまま、先程の声の主を招き入れた。

 

「それで? 何の用だい? マリー?」

「気づいていたのね! 流石は、管理人さんだわ!」

 

 管理人さんの呼びかけに答えながら現れたのは、とても美しい女性だった。

 赤を基調とした服装に、まるでキノコのような帽子……帽子? を被っている。

 そう思った瞬間、ジャンヌさんが彼女の名を呼んだ。

 

「マリー・アントワネット……?」

「ええ、そうよ。初めましてと言うべきかしら? 麗しの聖女様?」

 

 そう言って、彼女はジャンヌさんに笑顔を向ける。

 どうやら、彼女がフランスの王妃――マリー・アントワネットらしい。

 え? マジ?

 この人があの悲劇の王妃様?

 肖像画と全然違うんですけど!?

 そんな彼女に、ジャンヌさんは戸惑った様子で口を開く。

 多分、何でここにいるのか聞きたかったんだと思う。

 でも、その前に管理人が口を開いたため、マリーさんは管理人さんと話し始めた。

 

「君はこの時代には、まだ生まれていないはずだから……」

「ええそうよ、管理人さん! 私はサーヴァントとして召喚されたの! 私の愛する、このフランスにね!」

「相変わらず明るいねマリー」

「優雅と言って下さる? 管理人さん?」

「おっと、これは失礼。優雅だねマリー」

「うふふ、ありがとう」

 

 そう言って笑い合う二人。

 なんか、マリーさんが一方的に管理人さんのことを好いているように見えるんだけど……。

 というか、管理人さんってこんなにフランクな人だったっけ?

 少なくとも、私たちと一緒にいた時はもっとこう、私たちの後ろで見守ってくれる保護者みたいな感じがしてたんだけど……。

 

「それはだね立香君。彼女にはこのようにしてくれと頼まれているからね」

「だから、思考を読まないでください!」

 

 なんだろう。

 私、管理人さんに心読まれすぎじゃないかな?

 いやまぁ、いいんだけども。

 それより、なんでここにマリーさんがいるんだろう?

 

「それはね立香さん。あなた達がここに来る前にとある街で見かけたのよ。管理人さんが子供の頃に語ってくれたおとぎ話の様な大立ち回りを見せるあなた達をね!」

「マリーさんにも思考を読まれた!?」

 

 あれ?

 もしかして、私だけじゃなくて皆の考えも読んでいるのかな管理人さん。

 まぁ、別に困ることではないしいいか。

 そんなことを考えている私に、マリーさんが近づいてくる。

 そして、私の手を握りながら、すっごいキラキラとした眼差しで見つめてきた。

 

「え、ななな何ですか?」

「立香さん! 今、私のことをなんて呼んでくださったの?」

「え、マリーさんですけど……?」

「…………」

 

 あ、なんかプルプル震え出したんだけど……。

 もしかして、癇に障ったのかな……。

 そうだったら申し訳な――

 

「素晴らしいわ!」

「わひゃっ!?」

 

 いきなり抱きつかれた!?

 ちょ、ちょっと待って!? この状況は一体!?

 突然のことに混乱していると、今度は管理人さんまでこちらにやってきた。

 

「管理人さん! 助けてください! なんかすっごく柔らかいマシュマロみたいなものが押し付けられてるんですが!?」

「よかったじゃないか立香君。マリーに気に入られるなんて」

 

 そう言って、楽し気に笑う管理人さん。

 いや、笑ってないで何とかしてほしいんですけど!?

 そう思っていると、マリーさんが少し拗ねたように管理人さんに言った。

 というか、顔が近い……! いい匂いもする……!

 

「もう! 管理人さんたら、私のことを子犬か何かだとお思いで?」

「実際、マリーは子犬みたいだったじゃないか。本を書きたい僕をいろんなところに連れまわしては、高い木に登りたいと言って僕を足蹴にしたり、一日中連れまわしたじゃないか。楽しかったけど、君のお父さんや家政婦さんに怒られてしまったからね」

「懐かしいわ! そういえばそんなこともあったわね!」

 

 そんなことあったんだ……。

 ということは、この二人は結構前から知り合いだったということなのかな?

 そんなことを思って聞いてみると、管理人さんは苦笑しながら答えてくれた。

 なんでも、暇すぎて川沿いで不貞寝をしていたら、川が増水するレベルの大雨が降ってきて、そのまま流されたらしい。

 そのまま下流まで流された管理人さんを見つけた幼少期のマリーさんが、興味をもって管理人さんを拾ったらしいのだ。

 いやいや……なにやってんの管理人さん?

 しかもそれが原因で、マリーさんのお父さんとお母さんに怒られたとか、ホント何してるの?

 でも、そんな出会いがあったからこそ、こうして二人が仲良くなったんだと思うと、なんだか微笑ましい気がしてくる。

 

「…………僕のこと、完全に忘れてるよね。マリア」

 

 完全にみんなの興味がマリーさんに逸れているうちに、横たわった男性サーヴァントがそんなことを漏らしていた。

 なんか……ご愁傷さまです。







・管理人のちょっとした秘密

 管理人の幸運ランクは、通常の幸運もさることながら「素晴らしい出会いに巡り合う」ことに特化している。
 今回の特異点で言えば、ジャンヌ、マリーなど。
 これからの特異点でも様々な出会いが存在するだろう。


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