「図書館って、強い能力だよな」「お前は何を言ってるんだ」   作:クラウディ

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休みなので、18時以外にも投稿します!

皆様の感想はすべて読ませてもらっています。
中には、作者が悩んでいた宝具の名前の案を上げてくださった方もいました。
ご協力感謝します!

それに、感想が来ると作者自身のモチベーションが上がって、作品の投稿頻度及び質の向上にもなりますので、感想はどれだけ送ってくださってもかまいません!

それでは、本編どうぞ!





竜殺しを求めて……

 図書館での女子会から約半日。

 

「昨日は迷惑をかけたわね! 聖女マルタ、ここに参戦よ! これからよろしくね?」

「はい! よろしくお願いしますマルタさん!」

 

 朝食を食べ終わった後に野営場所へ来ると、そこには元気いっぱいのマルタさんがいた。

 どうやら、狂化の影響は完全に抜けたみたいだね。

 そのことにほっとしていると、管理人さんがまたいつものように会議の始まりを知らせる。

 

「それじゃ、新しくマルタが仲間に加わってくれたことを喜びたいところだが、次の目標が定まった」

「それに関しては私から話すよ」

 

 管理人さんの言葉を引き継いで、マルタさんが説明を始めた。

 

「まず、私たちが戦おうとしている黒いジャンヌ――「魔女」は、とある「竜」を従えているわ」

「そのとある竜とは……?」

 

 シチューを食べていたアルトリアさんが口元を拭きつつ質問をする。

 すると、マルタさんは真剣な表情で答えた。

 

「あなたたちは、『ファヴニール』という竜を知っているかしら?」

『!? ファヴニールだって!?』

「知ってるのロマン?」

 

 聞き覚えのない名前だったので、私は思わず空中に投影されていたモニターに映るロマンに尋ねた。

 その反応を見る限り、有名な名前のようだ。

 すると、ロマンが説明を始める。

 

『ああ。『ニーベルンゲンの歌』に出てくるドラゴンの名前だ。ジークフリートと呼ばれる竜殺し(ドラゴンスレイヤー)の伝説に敵として登場する存在で、魔術的な存在で言えば、確かに『究極の竜種』と称するにふさわしい存在だよ』

「う~ん……いまいちピンとこないかな……」

「まぁ、立香君みたいな日本人なら知らなくても無理はないさ。ちなみに、僕はそいつの遺物なども保管しているよ」

「ほえ~……」

 

 管理人さんが付け加えた情報に、思わず変な声を出してしまった……。

 まさか、そんなすごいものがこの世界にあるなんて思いもしなかったよ……!

 そんなのんきに考えていると、皆が顔をしかめているのが目に入る。

 

「え、皆どうしたの?」

「先輩……ファヴニールという存在は、そんな軽い感じで理解しちゃいけない存在だと思うんですが……」

「竜種というのはですねマスター。常識の埒外にいる存在なのです。ファヴニールとは、この身に流れている竜の血と同格とも言われている存在なんですよ」

「アルトリアさんって、ドラゴンの血が流れてたの!?」

「驚くところはそこですか先輩!?」

 

 なぜかマシュがつっこんできたけど気にしない!

 それより、今聞いた話の方が重要ですからね!

 まぁ、それは後でも聞けるから置いておくとして、そのファブ……ファヴ……ファ○リーズ? なんとかは、かなりヤバイ奴っぽいね……。

 そして、そんな危険な奴を召喚して使役しているのが「魔女」。

 それはつまり、「魔女」を倒すにはそのファヴ何とかを倒さなきゃいけないのか……。

 そう考えていると、ふと管理人さんに尋ねてみた。

 

「ねぇ管理人さん。そのファヴなんとかは管理人さんだったら倒せる?」

「当たり前だろう? いくらカルデアに召喚されるために『格』を落としたとはいえ、空飛ぶトカゲ如きに僕が負けるはずはないだろう? 第一、奴には「竜」という「情報」がある。それなら、竜殺しの属性を持たせた魔法を乱れ撃ちにするだけで、よっぽどのことがない限り一歩も動かさずに倒せるはずさ」

「だよね? でもなぁ……いつまでも管理人さんに頼りっぱなしっていうのもなぁ……」

「なら、いい考えがあるんだ」

 

 私が悩んでいると、管理人さんが私に提案してきた。

 それは、とても魅力的な案だった。

 管理人さん曰く、カウンターとして召喚されるのは、それを解決できそうな力を持った英霊たちだという。

 その他に召喚されるのは、その地においてすごい知名度を誇っていた英霊とからしい。

 

「そうなると、ジャンヌさんは今この時代がそうだし、マリーさんたちはフランス由来の英霊だもんね。でも、それがどうかしたの?」

「それはだね立香君。ジャンヌやマリーはフランス由来として召喚されたのは事実だ。だが、彼女達だけではそのトカゲを倒しきれるのか? 僕はそう思わない。僕レベルの規格外でもなければ、竜種を殺すことなんてできないさ」

 

 その言葉を聞いて、私は納得する。

 確かに、マリーさんたちの宝具は対人用であって、対竜用にはできていない。

 それに、サーヴァントが竜種に対してどれだけ有効なのかわからない以上、戦力はできるだけ多い方がいいはずだ。

 そして、流石にここまでお膳立てされれば管理人さんが何を言いたいのか分かる。

 

「いるんだね。そのファヴ何とかを倒せるサーヴァントが」

「ああ。おそらくだが、そいつは今回の特異点で一二を争うほど強力なサーヴァントだ。マルタの情報が正しければ、間違いなくジャンヌたちよりも強い。だから、そのサーヴァントを、こちら側に引き入れてくれないか?」

「まっかせて! これでもリアル友達百人出来るぐらいにコミュ力はあるから!」

 

 私は自信満々で答えた。

 正直、どんなサーヴァントなのか気になるし、何より管理人さんの言った通りなら、その人は私の味方になってくれるかもしれない。

 私の返事を聞いた管理人さんは、満足そうに頷くと話を続けた。

 

「現状の立香君では、サーヴァント(僕たち)を維持するのは5()()が限界だ」

「……そういえば、私、ダ・ヴィンチちゃんとかロマンに言われてたんだけど、4人が限界じゃなかったっけ?」

 

 マシュの話によると、本来サーヴァントは一人一体が原則らしい。

 しかし、この人理焼却という異常事態で、そんなことも言ってられないと、多少無理矢理だが、サーヴァントと複数契約しているのである。

 けれど、今の私は、マシュ、管理人さん、エミヤ、クーニキ、アルトリアさん、ライダーさん、ジャンヌさん、マリーさん、モーツァルトさん、マルタさんと、総勢十名のサーヴァントと共にいるのだ。

 さらに言えば、マシュを維持するだけでも難しいのに、超ド級のサーヴァント――管理人さんを維持どころか戦闘もさせているのである。

 並の魔術師なら、一瞬で木乃伊(ミイラ)になるはずなのに、私はいまだになっていない。

 それどころか、皆も結構な戦闘をしているのに、私は魔力の枯渇どころか不調すら感じたことはない。

 なんでなのか?

 それは管理人さんが答えてくれた。

 

「実は、僕が召喚された方法は他の皆と違っていてね。僕がまだ生きているのは知っているだろう?」

「うん知ってる。それがどうしたの?」

 

 サーヴァントとはもともと死んでる(もしくはその時代にはいない)ことが前提条件となってる。

 だからこそ、管理人さんがこうして召喚されているのはおかしいのだ。

 改めて考えてみれば、「またすごいことをしているなぁ……」と感じるが、「まぁ、管理人さんだし」と納得もしていた。

 そう思って聞いてみると、管理人さんはこう続けた。

 

「僕は、サーヴァントという枠組みに()()()()収まった「分体」。そんな分体である僕なんだけど、魔力パスに関しては「本体」と繋がっている」

「……えっと……つまり?」

「魔力などに関しては、僕は立香君に依存していない。ちなみに、消費魔力の割合は立香君が『1』で、僕の「本体」が『99』だ」

「めっちゃ偏ってる!?」

 

 よく分からないけど、私からの魔力供給は必要ないということらしい。

 だが、そうなると一つの疑問が浮かぶ。

 それは、 何故、皆を維持できるのか? ということだ。

 

「皆の維持に関しても、僕が立香君の魔力消費を肩代わりしているんだよ」

「ちょっと待った! 私、今声に出さなかったよね!?」

「これもいろんなことを知っているからこそ成せる芸当だよ」

 

 私が考えていたことに、まるで答えるかのように管理人さんは答えた。

 驚きながら尋ねると、彼は当たり前のように言う。

 いや、確かに管理人さんは何でもアリの存在だけどさ……。

 

「本来の立香君なら、カルデアの魔導炉心から魔力を送られてサーヴァントを維持するのだが、それでは、立香君の魔術回路を通してしか送れないため、どうしても許容量という壁が立ちふさがる。だから、外部――僕からサーヴァントに魔力を送ることで、その問題を解決してるんだ」

 

 そう言いながら、管理人さんは自分の胸に手を当てる。

 その仕草だけで、彼の言わんとしていることが分かった。

 要するに、彼を経由してサーヴァントたちに魔力を送っているのだ。

 その証拠に、私から魔力が抜けている感じはしない。

 むしろ、少しだけいつもより調子が良いぐらいだ。

 これが、彼が言っていることの証明だった。

 とはいえ、今まで知らなかった事実に驚いたことは否めない。

 だってそうだろ?

 自分が何もしなくても、サーヴァントたちが戦ってくれるなんて、自分がお荷物になっていると認識させられてしまう。

 だけど、私の代わりはいないのだ。

 なら最後までやらなくちゃ!

 そう意気込んでいると、マルタさんが口を開いた。

 

「意気込んでるところ悪いけど話を戻すわよ。ファヴニールを倒せるサーヴァントは「リヨン」という町……もう、私たちが壊しちゃったけどね。でも、そこにいたサーヴァントはまだ生きているはずよ」

「ほんと!?」

「ええ。「魔女」が呪いをかけたとはいえ、彼女が「真名看破」で見たサーヴァント――「ジークフリート」の能力は本物。あの程度で殺されているとは思えないわ」

「よっしゃー!」

 

 マルタさんの言葉に思わずガッツポーズをする私だったが、すぐにハッとする。

 見ると、皆が私を微笑ましいものでも見るかのような目で見ていたからだ。

 私は慌てて、恥ずかしさを紛らわすように咳払いをして誤魔化した。

 そんな私を見てか、マルタさんは苦笑しながら話を続けた。

 

「ジークフリートはファヴニールを殺した張本人。なら、史実を再現するが如く、ファヴニールには致命傷を与えられるでしょう」

「だからこそ、ジークと合流するのは、「魔女」と戦うことにおいて必須条件だ」

 

 管理人さんのその言葉に私は力強くうなずき、マシュを見る。

 彼女も覚悟を決めたような表情で私を見つめ返してくれた。

 これで、方針は決まった。

 後は行動するだけだ!







・管理人のちょっとした秘密

 実は自分以外の英霊の宝具を再現できる。

 武器そのものが宝具の場合(エクスカリバーなど)は、まず武器を構成するため再現まで時間がかかるが、技が宝具になった場合(燕返しや无二打(にのうちいらず)など)はすぐさま再現して発動可能。

 ちなみに、魔力は十全どころか過剰なまであるので、連続発動が可能である。

 ただし、立香たちを巻き込みかねないのでやらない模様。

 でも、ファヴニールと戦う時は幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)を連発するらしい。

 ファヴニール君は泣いてもいい。


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