「図書館って、強い能力だよな」「お前は何を言ってるんだ」   作:クラウディ

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皆さん、お待たせしたかもしれません!
どうしてもモチベーションが上がらず、投稿ができませんでした!

課題も終わり、しばらくはフリーとなったので、投稿頻度が上がるかもしれません。

それでは本編どうぞ!





決戦前夜

「う、うん……」

 

 ゆっくりと目を開けると、そこには見慣れた天井が広がっていた。

 ここは、図書館の一角にある私の部屋だ。

 ベッドの上で横になっていた私は、起き上がって部屋に取り付けられた窓の外を見る。

 外はまだ明るいが、すでに夕方に差し掛かっているのだと分かる。

 私は、どうやら気絶してしまったらしい。

 管理人さんに額を押された後、そのまま眠ってしまったのだろう。

 そういえば、他のみんなはどうしてるんだろうか?

 

「先輩、起きてますか?」

「あ、マシュ」

 

 扉の向こう側から声が聞こえたので、私は扉を開いてマシュを招き入れる。

 彼女は、私が寝間着姿であることを確認すると、安堵の息を吐いた。

 どうやら心配をかけてしまったらしい。

 そう思うと申し訳なくなる。

 とはいえ、まだ人理修復は始まったばかり。

 この調子じゃ先が思いやられる……。

 

「ねぇマシュ。私って、どのぐらい寝てた?」

「そうですね……およそ半日です」

「半日……」

 

 それは結構な時間を睡眠に費やしていたことになる。

 それだけ疲労が溜まっていたということなんだろう。

 これでは、あまり戦いについていくことはできないかも……。

 だけど、それでもやるしかない。

 少しでもみんなの力になるために、私も頑張らないと……。

 頬を叩いて気合を入れた私は、マシュに聞いてみる。

 

「皆は何してるの?」

「えっとですねぇ……実は……」

 

 なんだか言いにくそうにしているマシュに首を傾げていると、彼女が意を決したように口を開こうとした。

 その時だった。

 バァン! と大きな音を立てて、私の部屋の扉が思いっきり開けられた。

 何事!? そう思っている間もなく、扉を開けたであろう影は、私目掛けて突っ込んでくる。

 そして、その勢いのまま抱きついてきたのだ。

 当然、受け止めきれるはずもなく、一緒に床へと倒れてしまう。

 いったい誰がこんなことを……と思って顔を上げると、そこにいたのは……。

 

「安珍様ぁ!」

「ほわっ!?」

 

 誰かの名前を呼びながら私に抱き着いている少女だった。

 ……誰?

 いや、ホント誰?

 私の知り合いにはこんな子はいないはずだけど……。

 というより、そもそも私に向かって名前を呼んでいるような気がするんだけど……。

 そう思って、とりあえず彼女の頭を撫でると、気持ちよさそうに目を細めていた。

 うん、可愛い。

 でも誰?

 

「先輩。そちらの方は、先輩が気絶した後に向かった町で出会ったサーヴァントの一人です。真名を……」

「清姫です! 安珍様!」

「……清姫さんです。クラスはバーサーカーだそうですよ」

「えぇ……」

 

 サーヴァントで、しかもバーサーカーということは狂化のスキル持ちとかいう問題児ジャマイカ。

 なんでそんな子がここにいるんだろう?

 というか、本当に誰?

 混乱していると、今度は別の人物が部屋に入ってきた。

 現れたのは、管理人さんだった。

 

「やぁ。すっかり仲良くなってるね立香君」

「管理人さん! ちょっと説明してもらえますか!」

 

 私は思わず管理人さんに詰め寄ってしまう。(もちろん清姫という子も一緒だ)

 だけど、彼はいつものように微笑むだけだった。

 あ、なんかムカつく。

 そんな私の心中など知らず、マシュは管理人さんの代わりに事情を説明してくれた。

 

 なんでも、私が気絶した後、マリーさんの提案で二手に分かれることとなった。

 Aグループにはマスターである私に、サーヴァント組のマシュ、管理人さん、エミヤ、アルトリアさん、モーツァルトさん、ジークフリートさんの七名がいて、Bグループにはマリーさん、ジャンヌさん、クーニキ、ライダーさん、マルタさんの五名がいる。

 それで、Aグループが向かった先――「ティエール」では、2人のサーヴァントが争っていたそうだ。

 その一人が……。

 

「清姫ちゃんなんだね」

「清姫と呼んでください! もしくは、気安く「きよひー」とでも!」

「うん……分かったよ……きよひー」

「はい!」

 

 う~ん……この子に関してはよく分からないなぁ……。

 私は苦笑しつつ、もう一人のサーヴァントのことを聞いてみた。

 すると、マシュが答えてくれる。

 

「もう一人の方は、私たちが戦ったバーサーク・アサシン――「カーミラ」の少女時代として召喚された「エリザベート・バートリー」さんです」

「エリザベート……エリ……エリちゃん……」

 

 マシュの説明によると、もう一人のサーヴァント――「エリザベート・バートリー」は、清姫と争っていたのだが、話が進みそうにないとのことで、管理人さんが拳骨を落としたそうな。

 それで、管理人さんが怖くなってしまったエリちゃんはここにはいないらしい。

 なにやってんのその子……。

 まぁ、それはいいとして、もう一つのグループ――Bグループはどうなったのか聞いてみると、そっちの方がびっくりするような内容だった。

 

「……竜の魔女の襲撃にあいました」

「!?」

 

 マシュの言葉を聞いた瞬間、私はベッドから飛び降りる。

 Bグループの方にも敵がいたってこと?

 すぐに確認しないと……!

 慌てて部屋を出ていこうとする私だったが、それを止めたのは管理人だった。

 

「どこへ行くんだい?」

「放して! マリーさんたちが!」

 

 私は止めようとする管理人さんの手を必死に振りほどこうとするが、彼の力は強く、振り切ることはできなかった。

 それでも諦めずに暴れていると、管理人さんが落ち着かせるような声で私に告げる。

 

「大丈夫だよ立香君。何故なら――」

 

「立香!」

 

「え……?」

「――全員無事だからね」

 

 私を呼ぶ声が聞こえたほうを向くと、死んだと思っていたマリーさんが、腕を振ってこちらに近づいてくるのが見えた。

 その姿を見た私は、力が抜けて床に座り込んでしまう。

 そんな私を見てか、彼女は安心させるように笑いかけてきた。

 

「立香が起きたって管理人さんが言ってたの! でも、管理人さんったら、私を置いて先に立香のところに行っちゃうんだもの。寂しかったわ!」

 

 拗ねるように頬を膨らませながら言う彼女に、私は思わず零れ落ちそうな涙を引っ込めて苦笑してしまう。

 良かった……。

 本当に良かった……。

 みんな生きてる……!

 その事実を再確認すると、引っ込んでいた涙があふれ出てきてしまった。

 思わずマリーさんに抱き着いてしまう。

 

「うわぁああああああああん!! 死んだのかと思ったよマリーさぁあああああん!!」

「あらあら。よしよし」

 

 泣きじゃくりながらも感謝を伝えると、マリーさんは優しく私の頭を撫でてくれた。

 そんな私たちのやり取りを見ていた管理人が、小さく息をつく。

 そして、真剣な表情で口を開いた。

 

「さて、これで『抑止力』に召喚されたであろうサーヴァントはすべてそろった。Bグループの方でも一人、サーヴァントを勧誘できたからね。だから――」

 

 管理人さんはそこでいったん区切り、それから力強く言った。

 

「決戦の準備を始めようか」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「今回の作戦の概要を説明する」

 

 あの後、管理人さんに案内されたのは図書館の中央部の書斎だった。

 そこにはすでに、ジャンヌさんやクーニキ、エミヤなど皆の姿がある。

 管理人さんは、私が起きるまでの間にこのカルデアにいるサーヴァントたちに召集をかけたらしい。

 ちなみに、清姫も既に来ていて、いつも私の側にいるマシュ以上にべっとりとくっついてきている。

 なぜか私のことを「安珍様」って呼んでくるんだけど……ま、いいか!

 管理人さんは書斎の中央にある大きな机の上に地図を広げる。

 それを見ると、フランス全土が描かれたものだった。

 管理人さんはその地図のある場所に指を置いた。

 そこはちょうどオルレアンの位置だ。

 管理人さんは、そこを指し示しながら説明を始めた。

 

「相手の本拠地であるオルレアンまでは、さして時間はかからない。そして、相手の戦力もだいぶ減っている」

「相手のサーヴァントだった私は、管理人が「魔女」との繋がりと付与されていた狂化を塗り替えてくれたからこっち側についている。それとランスロットとサンソンは消滅を確認してるわ」

 

 管理人さんの言葉を継ぐようにして、マルタさんが話してくれた。

 ってか、もう一人のサーヴァントも倒してたんだ。

 すごいなぁ……。

 そう思ってる間にも管理人さんは話を続ける。

 

「こちら側の戦力はこれで12人。相手の戦力は、魔女も含めて5人。数的有利はこちらにあるけど、一番の問題は……」

「ファヴニールだな」

「そう。ファヴニールが問題だ」

 

 ジークフリートさんの呟きに、管理人さんはうなずいた。

 ジャンヌさんが、少し不安そうに尋ねる。

 

「こちらにはファヴニールを殺した張本人であるジークフリートさんがいますが、ジークフリートさん一人でファヴニールを相手取らせるんですか?」

 

 ジャンヌさんの問いに、管理人さんは首を横に振る。

 どうやら違うらしい。

 彼はジャンヌさんに向き直ると、こう答えた。

 

「いや? 流石にジークだけでは倒せないだろうからね。それに、ジークはファヴニールをどうやって倒したか覚えていないでしょ?」

「…………ああ」

 

 管理人さんの問いに、間をおいてジークフリートさんが答えた。

 ……あれ?

 

「倒したのに覚えてないの?」

「ああ。あの時の俺は必死だったからなのか、奴とどうやって渡り合っていたのか覚えていないんだ。すまない……」

「ううん。必死だったら仕方ないよね」

 

 申し訳なさそうな顔をしながら謝ってくる彼に、私は慌てて首を振る。

 だって、仕方がないと思うし。

 むしろ、よく頑張ってくれたって思う。

 だから私は、彼を責める気なんて全くなかった。

 しかし、倒す手段が分からないとなると、どうすればいいんだろう?

 

「ねぇ管理人さん。ファヴニールをどうやって倒すの?」

 

 私が聞くと、管理人さんはニヤリとした笑みを浮かべて言った。

 まるで、その質問を待ってました! と言うように。

 そして、自信満々といった感じで彼は答える。

 

「そこは僕も戦うんだよ。現状、マルタも対ファヴニール戦には有効そうだけど、流石に戦力をファヴニールに集中するのはどうかと思ってね。相手は狂化が入ってるとはいえ、彼らはサーヴァント。僕らも何か対策を練るべきだと思うんだ」

 

 なるほど……。

 確かに管理人の言う通りかもしれない。

 サーヴァントはサーヴァント同士の戦いにおいては、ほぼ純粋な強さで勝敗が決まる。

 それは、私自身が身をもって体験したことだし、今更疑う余地はない。

 でも、ファヴニールに関してはその限りじゃない。

 竜種という圧倒的なアドバンテージがあるからこそ、サーヴァントの中でも竜を鎮めたという実力を持つマルタさんでも勝てるかは微妙なところだ。

 だからこそ、管理人さんは自分たちでも対抗できる方法を考えてきたのだろう。

 そして、その方法は私たちの想像を超えていた。

 

「そこで、今回の作戦は――」

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