「図書館って、強い能力だよな」「お前は何を言ってるんだ」   作:クラウディ

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すみません!

今回も短いです!





進軍

「はぁっ!」

「『灼火』『螺炎』」

 

 先行するクーニキと管理人さんによって薙ぎ払われていくワイバーンたち。

 彼らは、クーニキの槍撃と管理人さんの放つ魔術で次々と穿たれ、燃やされていき、あっけなく骸をさらすこととなっていった。

 それを眺めながら、私は呟いた。

 

「…………もう、管理人さん一人でいいんじゃないかな?」

「先輩……いくらなんでもそれは……」

「いや、冗談だよ!? 本気にしないでマシュ!」

『ふぅ……今の光景を見ると洒落にならないからね……』

「ダ・ヴィンチちゃんまで……。あ、そういえば」

 

 私はそこで思い出した。

 先ほどの管理人さんの言葉。

 「ロマンと一緒に食べたのが美味しい」と言っていたチーズケーキ。

 私は、その言葉を少しだけ聞いていて気になっていたことがあった。

 

「ねぇ、ダ・ヴィンチちゃん。そっちにチーズケーキって残ってる?」

『ん? いや、こっちにはないね。でも、それがどうかしたのかい?』

「いや、さっき管理人さんが言ってたんだけど、ロマンと一緒に食べたのが美味しかったって」

『ほう? それってつまり、管理人君と話をする口実を作るためにチーズケーキを使いたいのかい?』

「ん~……そうだね。だって今の私って、管理人さんのこと、すっごい人としか分かっていないんだもん。もっと色々と知りたいんだよ」

『なるほどね。確かに、マスターとしてサーヴァントのことを知ろうとするのは当然の行為だ。特に君は、彼の正体を知ったところで何も変わらないだろうし』

「え? どういうこと?」

『おっと、第二波に紛れてサーヴァント反応がある。気を付けてくれ』

 

 私は、ダ・ヴィンチちゃんの言ったことがよく分からなかったけど、今は戦闘中だということを思い出し、意識を切り替える。

 そして、目の前の敵に集中することにした。

 

「……殺してやる……殺してやるぞ! 誰も彼も、この矢の前で散るがいい!」

「気を付けてください! 彼女の真名はアタランテです!」

 

 現れたのは、獣のような耳を持った金髪の女性だった。

 彼女は弓を構え、こちらに向かってくる。

 その速さは先行しているクーニキに匹敵していた。

 しかし、それでも管理人さんの方が速いようだ。

 

「『氷壁』」

 

 管理人さんがそう唱えると、突然地面に大きな魔法陣のようなものが出現し、そこから巨大な氷の壁が現れた。

 それは、アタランテと呼ばれた女性の攻撃を防ぎ、そのまま押し返した。

 

「小癪なっ!!」

 

 だが、それでも女性は諦めず、すぐに次の矢を取り出し、強烈な一矢を放つ。

 その一撃が、管理人さんの顔の横を通り過ぎていった。

 

「おぉっと。相変わらず強烈だなぁ……」

「オォオオオオオオオオ!!」

 

 しかし、管理人さんはその攻撃を難なく回避すると、すぐさま反撃に移った。

 管理人さんの手にはいつの間にか剣が握られており、それを振り下ろす。

 だけど、相手もさるもの。

 女性はすぐに後退することで、管理人さんの斬撃を回避した。

 そして再び距離を詰めようとする管理人さんに対して、女性が弓矢を構える。

 直後、まるで大砲のような轟音と共に矢が放たれた。

 

「おっとっと……」

 

 しかし、管理人さんもただではやられない。

 彼は持っていた剣で、その矢を斬り払うと、再び距離を取った。

 そんな攻防を繰り返す二人を眺めながら、私は思った。

 

(やっぱり、管理人さんは強いな……)

 

 正直に言えば、管理人さんの強さは異常だと思う。

 管理人さんを除けば最速であるクーニキに匹敵する移動速度を持つ相手サーヴァントを相手にしてもなお、余裕を持って戦っている。

 それどころか、私とマシュ、皆のサポートを必要としていない。

 おそらく、管理人さんはあのサーヴァントよりも速く動けるのだろう。

 だからこそ、管理人さんが負ける姿が全く想像できなかった。

 

「っと、戻ってきたぜ」

「あ、お帰りなさいです。クー・フーリンさん」

「こっちは不完全燃焼だがな。管理人の野郎、俺の出番を持っていきやがって」

 

 ワイバーンを殲滅し終えたクーニキが戻ってくる。

 どうやら、管理人さんの戦いを見て、自分も戦いたかったらしい。

 

「ま、俺達はこの後の大仕事がある。奴さんは管理人に任せとけ」

 

 クーニキはそう言うと、管理人に視線を向けた。

 管理人は、未だにアタランテと互角の戦いを繰り広げている。

 どんなに矢を放とうとも、管理人さんが魔術で迎撃もしくは防御していた。

 

「いつもの技の冴えがないよアタランテ?」

「死ね! 死ね! 死ねぇえええええええええええええええええええ!!」

 

 アタランテは、管理人さんの言葉など聞こえないとばかりに叫び続ける。

 そして、今まで以上の勢いで矢を放ち続けた。

 だけど、管理人さんはそれを全て防ぎ、時には反撃すら行っている。

 

「このまま付き合ってあげてもいいけど時間がないんだ。一撃で決めさせてもらうよ」

「ガッ――!」

 

 管理人さんが、アタランテに接近する。

 そして、彼女が反応できない速度で、鳩尾に拳をめり込ませた。

 その瞬間、彼女の中で何かが爆発するような衝撃が迸る。

 直後、彼女の身体から力が抜け落ち、その場に崩れ落ちた。

 

「ふぅ……」

 

 それを見た管理人さんは、静かにため息をつく。

 そして、倒れ伏したアタランテの額に手をかざすと、何かを唱え始めた。

 その直後、彼女の体が光の粒子となって崩れていった。

 

「これでよし……っと。じゃ、進もうか?」

「了解しました! 先輩、行きましょう!」

「うん! 分かった!」

 

 こうして、私達はアタランテとの戦いを終えたのだった。







今回の管理人の秘密は特になしです。


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