「図書館って、強い能力だよな」「お前は何を言ってるんだ」   作:クラウディ

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Apexモバイル楽しいぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!(クソエイム初心者プレイヤーがApexモバイルを一週間やった感想)





運命を捻じ曲げられた者

「部屋を探してもいなかったから慌てて探したのに、マシュといたのね……。マシュ! 今度から報告するように!」

「す、すみません……」

「それで、何をしてたの?」

「はい。実は……」

 

 私たちの目の前で叱ってくる銀髪の女性。

 彼女の名前は「オルガマリー・アニムスフィア」。

 このカルデアの所長……だった人だ。

 彼女は一応、私達の上司でもあるのだけれど、そこに組織を束ねる威厳は微塵もない。

 強いて言うなら、ドラマとかにいそうなちょっときつい口調の上司って感じかな?

 そんな彼女なのだが……。

 

「ねぇ所長、ホントに大丈夫? ついこの間まで()()()()だったんだよね? そんなに大きな声出して大丈夫?」

「それに関してはあなたが持っていた特級の宝具が原因でしょう!? あれのおかげで生きていられたから特に文句はないのだけれど……それでも怖かったのよ!」

「えぇ~……ごめんなさい」

「ふんっ、次からは気をつけなさい」

 

 と、私が言ったように、所長はついこの間まで幽霊みたいな状態だったのだ。

 それについては数週間ほどさかのぼる。

 

 

 

 

 

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 当時、まだカルデアに入ったばかりで右も左もわからない状態のままカルデアが爆発し、それに巻き込まれたマシュを助けようとして一人燃え盛るカルデア内を爆走した後のこと。

 何とかマシュと合流はできたものの、マシュの命は風前の灯火状態。

 そんな時にレイシフトのアナウンスが鳴り響いて、私とマシュは特異点F『冬木』に飛ばされてしまったのであった。

 

 周りを見れば、動く骸骨ばかりで殺されてしまうと思った時、今の様にサーヴァントの力を解放したマシュに助けられたのである(致命傷に関してはマシュに宿った英霊パゥワァのおかげで何とかなった)。

 そんなマシュと行動を共にし、冬木の街を探索していたら、甲高い悲鳴が一つ。

 それが所長だったってわけなのだ。

 

 所長とはその時に初めて出会ったわけではなく、普通にカルデアの方でも出会っていた……のだが、その時の私はすさまじい睡魔に襲われていて、ブリーフィング中に居眠りをしてしまったのだ。

 それを所長に見られてしまい(この時に限って最前列だった)、中央管制室を追い出されてしまったのだ。

 これに関しては所長に非はない。

 カルデアに入る時に、なんかすごい機械でギュオーンされた後遺症のせいで体調が悪くなったらしいからである。

 それを知らない所長からしてみれば、大事な大事な会議で居眠りしている奴がいればそりゃ追い出したくもなるだろう。

 特にあの時の所長って色々と追い詰められてたみたいだから、当たりがきつくなってしまったんだろう。

 

 管制室を追い出された後は、体調が悪いことを気にかけてくれたマシュの案内で私用に割り当てられた個室に行ったのである。

 そこでロマンに出会ったのだ。

 ロマンのことは色々と割愛して……。

 

――その後だ、爆発が起きたのは。

 

 話を戻すと、その爆発でレイシフトが誤作動を起こし、生き残っていた私とマシュが特異点である冬木に転送された。

 しばらく探索していたら、悲鳴が聞こえ、その先に何故か所長がいたのである。

 その時は、英霊の力を覚醒させたマシュが骸骨の群れを蹴散らしてくれたので、大事にはならなかったんだけど、その時の私はまだ知らなかったんだ。

 

――所長にレイシフト適性はないということに。

 

 そのことについては、大慌てで通信をつないでくれたロマンやマシュの指摘によって、所長のレイシフト適性が話題に上がったのだが、異常事態ということでいったん保留することにしたのである。

 

 さらにその後は、英霊になりそこないである明らかに正気を失っているサーヴァント達と戦って負けそうだった時に、冬木で行われていた聖杯戦争の生き残りであるキャスターのサーヴァント「クー・フーリン(通称クーニキ)」の協力もあり、その場を切り抜け、特異点の大本であるだろう黒いセイバーさん「アルトリア・ペンドラゴン」との激戦を乗り越え、何とか特異点を修正したのであった。

 

 あとはレイシフトで帰るだけ……そう思っていた時に、奴が来たのだ。

 

 所長が敬愛する人物……「レフ」が、私たちをゴミでも見るかのような目つきで見下ろしていたのである。

 

 

 

 

 

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「ああ、レフ、レフ、あなたなのね!」

「ッ! 所長! 行ってはいけません! あれは、あれは私達の知るレフ教授ではありません!」

 

 今までのピリピリした雰囲気はどこへやら。

 所長は親を見つけた子供のように目を輝かせながら、目の前にいるレフ……確かにレフなんだけど、不気味な雰囲気を纏っていて、まるで別人のような存在に声をかけた。

 そのレフらしき人物にマシュは警戒心をむき出しにする。

 私も明らかにおかしい様子のレフを前にして警戒心を露わにした。

 そんな私達のことなど露知れず、嬉しそうに話す所長。

 

「会いたかったわ! あなたがいない間、どうやってカルデアを守っていけば分からなかったの! 予想外の事ばかりで頭がどうにかなりそうだった! でもいいの、あなたがいればなんとかなるわよね? だって今までそうだったもの。今回だって、私を助けてくれるんでしょう?」

 

 縋りつくように、所長がレフの腕を掴む。

 しかし、その手は振り払われる。

 

「ああ。もちろんだとも。本当に予想外の事ばかりで頭にくる」

「……え?」

 

 レフの口から告げられた言葉はひどく冷たいものだった。

 

「その中でもっとも予想外なのは君だよ、オルガ。爆弾は君の足下に設置したのに、まさか生きているなんて」

「――――、え? ……レ、レフ? あの、それ、どういう、意味?」

 

 困惑する所長を置き去りに、レフは話を続ける。

 

 私達をレイシフトさせた機械が所長の残留思念――『魂』を間違えてこの特異点に送り込んでしまい、かろうじて所長は存在しているということや、所長がカルデアへと戻れば死んでしまうこと……それらを残酷にも告げてきた。

 

 そして、カルデアがどうなっているのかも……。

 

「今のカルデアがどうなっているのか見せてあげよう」

 

 私達が回収するよりも前に、レフが手に入れていた聖杯を使ってカルデアへと空間をつなげた。

 そこには真っ赤に染まった地球――『カルデアス』があった。

 

「人類の生存を示す青色は一片もない。あるのは燃え盛る赤色(せきしょく)だけ。あれが今回のミッションが引き起こした結果だよ」

 

「良かったねぇマリー? 今回もまた、君のいたらなさが悲劇を呼び起こしたワケだ!」

「ふざ――ふざけないで!」

 

 所長が叫ぶ。

 だが、それも虚しく、所長の体は宙に浮いてカルデアスへと引き寄せられていく。

 レフが魔術を使っているのだろう。

 その力はすさまじく、私よりもすごい魔術が使える所長が抵抗もできずに、どんどんと引き寄せられている。

 このままでは――。

 

「――――」

「え――」

 

 そう思っていた時には私の体は動いていた。

 

 さっきまで殺されかけていた恐怖を押し殺して、脇目を振らずに所長の下へと走っていく。

 

「ははっ! サーヴァントはおろか、魔術師ですらない小娘に何ができるというのだ!」

 

 レフが何か言ってくるが、無視して突っ走る。

 分かってるよ。

 私程度じゃ何もできそうにないって。

 でも――。

 

「所長! 手を伸ばして!」

「っ!」

 

 無理だからって諦めてたら、何もかもできなくなる!

 私は所長に向かって手を伸ばす。

 その手を所長が掴み――。

 

――グイッと引っ張られる。

 

「うわぁ!?」

 

 そのまま所長と一緒にカルデアスに引き寄せられてしまう。

 なにこれ!? トラックに引っ張られてるみたい!?

 必死で踏ん張っても、まるで効果がない。

 

「はははははは!! いいぞぉ! 最高だ! 虫けらが虫けららしく足掻いているぞ! 実に滑稽だ! ははははははははははは!」

 

 レフの笑い声が聞こえてくるけど、それに構っている余裕はない。

 

「所長踏ん張って! 死んじゃうよ!」

「……なんで……なんで助けるの……」

「助けちゃダメなの!? 死にたくないって言ってたでしょ! なら生きようよ!」

「……無理よ……強すぎるのよ彼の力は……あなた一人じゃどうしようもない……」

 

 さっきまで死にたくないと叫んでいた人の発言なのかと疑ってしまうほどの弱気な発言に思わず語彙を荒げてしまう。

 

「だから見殺しにしろって!? そんなことできるわけないでしょ!!」

「……」

「私は生きるために戦う! 所長も生きて帰るために戦おう! 一緒に頑張ろうよ! それともここで死んでもいいの!?」

「…………いいわけ、ないわよ! 私はまだ生きていたい! 認めてもらいたいの!」

 

 所長が生気を取り戻した表情で必死に抗う。

 その時だった。

 

 すごい力がその場に巻き起こったのは。

 

 

 

 

 

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「まさか、私がバックに入れて持ってきてた管理人さんの本が()()()()()()()()()なんてね……」

「偉大な魔導図書館の管理人があなたみたいな一般人に本を託していたなんてね……」

 

 そう、あの時巻き起こったすごい力の発生源。

 それは私が念のためとバックに入れてきていた管理人さんの本だったのだ。

 

『え? きゃあっ!』

『所長!?』

 

 管理人さんの本は、私のバッグから飛び出したかと思うと、所長を吸収し――

 

『ぐあっ!?』

 

 強力な魔力を放って、レフの右半身を不思議な力で捻り潰した。

 そのことに私達が呆然としている間もなく、ロマンの通信が入ったので、私達はレイシフトを行い、何とか無事にカルデアへと戻ってこれたのであった。

 

「ほんと、とんでもない事件に巻き込まれましたよね……でもまあ、おかげでこうして帰ってこられたんですし、結果オーライですね」

「……そうよね」

 

 なんだか釈然としない様子の所長だったが、とりあえずは無事だったので良しとする。

 

「それで、これからどうするの所長? ダヴィンチちゃんと管理人さんが色々といじってくれたおかげで体の調子はいい感じなんでしょ?」

「ええそうね……人の体がなくなったからといって、天才達が好き勝手してくれたものだから、爆発する前以上に調子がいいわよ……」

 

 所長の顔色は悪くない。

 本当に健康そのものである。

 腕を組んで考えているのだが、その腕に乗るいい感じのモノは非常にうらやましい。

 私、これでも大きい方なんだけどなぁ……。

 そんなことを考えていると、私のお腹が「ぐぅ~……」っと、盛大に鳴った。

 

「あなた……朝食は?」

「あはは~、まだです~」

「ハァ……私が皆に連絡しておくから、先に食堂で朝食をとってきなさい」

「ありがとね所長。それじゃね~」

「すみません所長……」

 

 私達は所長に別れを告げると、軽い足取りで食堂へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

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「そういえばさ、マシュ」

「はい? どうしましたか先輩?」

 

 

 

 

 

「管理人さんが治療したA()()()()()()って、もう起きてるの?」







・管理人のちょっとした秘密

 以前説明したとおりに、本は一つの『世界』そのものとも言える。

 だから固有結界じみた物を発動させることもできるのだが、それはあくまで『物語が書かれているなら』の話である。

 しかし、立香に渡した本の中身については、当初、まったくの白紙であった。

 だが、月日を経るにつれだんだんと物語が綴られていったのである。

 本とは、物語を受け入れる『受皿』ともいえるものだ。

 人の魂を収納することなど、簡単なことである。


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