病弱な男は全年齢ゲームVRMMO世界でNPCと百合っとイチャつく為に頑張ってます

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VRMMOで俺は私は

 

 

俺は病弱である。病名とかは怖いから詳しく聞いて居ないがベッドに縛られてもう暫く経った。

 

そんな俺の専らの楽しみはゲーム。中でもVRMMOと呼ばれる類いである。

フルダイブと銘打ったモノは良い。歩けて走れて痛みを感じられる。その瞬間は生きている実感も感じられる。

 

そんな俺の最近の楽しみは全年齢対象でどこまでエロく行けるか、である。

 

R-18は履歴からバレるが、全年齢だとゲーム内での出来事はプライバシー保護によって護られる。

全年齢で楽しむ背徳のエロス。俺はこれにハマっている。

 

 

 

 

「あら、今日も来てくれたの? ありがたいけどお財布大丈夫?」

 

「ふふ、心配は要らないよ。宵越しの銭は幾らでも稼げるよ。それより何時もの、頼むね」

 

「物好きねぇ」

 

ここは大人のお店。と言ってもこの世界で俺が造った宿屋だ。全年齢対象ゲームに娼館なんてものは無い。無いなら造ってしまえと、俺が造った。

 

勿論オーナーは俺じゃない。別のNPCである人間、中でも移住してきて安定した食い扶持を欲しているNPCを焚き付け、艶やかな雰囲気を持った独身のお姉さんが偶然職に困っていたから宿屋を紹介して雇ってもらうようにした。それだけ。

 

俺は同性のお姉さんが心配でお小遣いを渡して仕事外の時間を二人っきりで過ごしている。

 

その二人だけの時間も至って健全そのもの! 

 

セクシャルハラスメント警告は同性にもNPCにも適応されるとは言え、それは当人間の問題。お互いに問題を感じていないのであれば多少の接触もスキンシップも許される。強引な奴は運営から検査が入るけどね。当たり前の話だ。

 

例え、現実で男であっても、ゲーム内で女に徹して男ではなく女アバターをしているのなら女性判定が下される。性差別はゲームに侵食してきたとは言えシステム次第ではこういうことも、だ。

 

「ん、ふぅん、んぁ」

 

更に、更に、だ。

NPCを操作するAIにはセクハラができないようにプログラムされている。だからこそ如何にえちちな雰囲気を漂わせるお姉さんでもそういうのはできない。全年齢万歳!

 

勿論キスとか、ハグは許される範囲が合ってその範囲内でNPCとプレイヤー間で行われる事がある。ほっぺにちゅー、とかね。

 

「こーら、声出さないの。我慢して」

 

そして今行われているのはそう、耳掻きだ。

 

 

「だ、だってぇ」

 

「もう、仕方ないわねぇこの子は」

 

俺、ではなく私ことクピドと、お姉さんことイザベラさんの関係性は甘えん坊な女の子と、ほっとけない近所のお姉さん。

 

実の姉妹のように、はギリギリだけど、近所の仲良しなお姉さんがベストポジション!!

妹と見られるのではなく、同性であり気の置けない関係性。

 

そう、妹に近くはあるが妹ではない女友達。対等で可愛いほっとけない甘え上手な女の子!

 

そうして俺は距離を近付けていき、多少のスキンシップはしつつされつつ、お高いに探り合って運営の暗黙の下許される関係となった! キャラクター崩壊するような設定は許されねぇからなぁ!? イザベラはスキンシップに抵抗の薄いキャラクターださらな。運営AIとしてもそこらへんの設定は緩いってのは知ってるよ。

 

そこまでして行われる耳掻き。

 

耳掻きをするのは流石に運営とのチキンレース、しかしされるのであれば俺が勝手に喘ぐプレイヤーの図。NPCも、それを管理するAIもシステムによってこれは問題無いと保証された行為。

 

プレイヤーが少し恥ずかしいと感じたならNPCも少し恥じ入るロジック。そこにセクシャルハラスメント警告が介入する余地は無い! 無いったら無いのだ!

 

 

「イザベラは上手だねぇ、もう私の弱点を知り尽くされちゃったかな」

 

「まったく、外では立派な戦士だって聞いてるわよ?」

 

「……私がこんな姿を晒すのはイザベラだけだよ」

 

時刻は夜。ダブルベッドだけの部屋に二人っきり。明かりは差し込む月明かりのみ。

 

ダブルベッドに二人して寝転び、顔を合わせながら話し合う。

 

「クピちゃん」

 

「……なーに、イザベラ」

 

「私、幸せよ」

 

「……私も。……こんな時間がずっと続けばいいのにね」

 

イザベラというキャラの中で俺、ではなく私こと【クピド】ちゃんと言う存在は全プレイヤー中一番の好感度持っているだろう。

 

そもそもイザベラは重要NPCではない。

 

聖女や王等のワールドシナリオに関係は無く、ユニークシナリオに特別ゲームを揺るがす話も無い。たかが隠れたお使いクエストの一人。

 

日夜発生するクエスト自己生成プログラムによってAIが造り出したクエストを発生させ、プレイヤーに受注させる窓口。その数ある内の一人。替えが効き、誰でも良い存在。運営スタッフすら知らないだろう木っ端NPC。

 

だからこそ都合が良かった。AIではなく運営スタッフがイザベラというキャラをチェックする可能性が低く、俺が運営を誤魔化していればこうした遊びができる。

 

「イザベラ、もっと近寄って」

 

「ん、良いの?」

 

「……ちょっとだけ、寂しくてね」

 

二人揃って寝ても幅があるベッド。その空白が憎い。熱が逃げていくようで埋めたくなる。

 

そしてこの確認行為もAIが下したセクシャルハラスメント警告への事前確認なのだろう。

NPC側からプレイヤーへの接触は中々されない。プレイヤーからの要求をされてからが大概。

 

この問答がちょっとまどろっこしい。無かったら人じゃないみたいで寂しくなるけど。

 

「イザベラ、私が寝付くまで離れないでね?」

 

「おやすみクピちゃん」

 

直接的な接触は無い。布団の上からトントントン、と優しく叩かれるだけ。

それが酷く暖かい。現実では寒々とした白い部屋で、一人寂しく縛られる様にして寝ているよりかはとても暖かいのだ。

 

「……いざべら……あいしてる」

 

きっと届かないこの想い。昨今の成長凄まじいAIに愛が理解できるだろうか。

 

愛を理解できたなら。

 

 

 




続きなんて無い

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