貞操逆転出稼ぎ冒険者   作:無敵要塞ザイガス

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名前とか考えるのが大変なので初投稿です。


1話 自覚

 緊張からなのかいつもより呼吸が浅くなっていることに気付く。

 

 

 隣を進む女性――ライラの様子を窺いながら大きく息を吸い込み、吐き出す。

 何度か行っているうちに緊張がほぐれて余分な力が体から抜けるのが分かった。

 

 

 そんなことをしていると隣から彼女が

 

「そんなに気を張んなくても私がいるから大丈夫だって!」

 

 と少しはにかみながら声をかけてきた。

 

 

 そんな彼女の頼もしい言葉を受け、頼りにしてると返せば

 

「まっかせなさい!」

 

 フンスと気合をいれて笑っていた。

 

 

 そんな一連のやり取りを行いながら男は自嘲していた。

()()()()()に誘った身としては彼女におんぶにだっこというのはな、というよりか半年もダンジョンに来ているのだからいい加減慣れないもんかね)

 

 とそんな現状を打破するためにああでもないこうでもないと、一人ブツブツと考えながら

 

 

 

 

 しばらくすると何かに気付いたのか周りを見渡しライラが声を上げた

 

「正面から5体!中くらいの2、小さいのが3!」

 

 

 即座に思考を切り替え、意識を向ける

 正面は曲がり角になっていたため姿は見えなかったが、耳をすませば微かに足音と金属音が聞こえた。

 

 

 魔力を練り上げ、手を前にかざす、人差し指に着けている指輪が少し熱を持った気がする。

 この指輪は魔法の発動体であり、あとは魔法が発動するのを待つだけの状態であった。

 

 

 隣ではライラが弓を構えておりこちらの準備は万全。

 

 

 

 

 まずはじめに見えたのは小さい影だった、人間の腰ほど高さの影が曲がり角から現れゴブリンか、と思った時にはライラが矢を放ち先行していたゴブリンの胴体に命中する。

 よろめくゴブリンを後ろから突き飛ばしながら2体のゴブリンがこちらに向かってきた。

 

 

 それに向かい火の呪文を発動する、火の玉がゴブリンに向かい2体まとめて炎に包まれた

 

 

 次いで現れたのはリビングデッド、いわゆるゾンビでどちらも剣を持っている、

 ゲッ、と隣の彼女が言いながらまだ息をしているゴブリンに向け矢を放ちトドメをさした

 

 

「あいつらノロいけど馬鹿力でタフだから魔法でチャチャっとお願い」

 

 とライラがめんどくさいのを隠そうとせずこちらに丸投げしてくる。

 

 

 あいあいさーと気の抜けた返事をしながら

 やっと気付いたのかこちらに向かってくるリビングデッドに向け魔力を練り上げ手をかざす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 賑わっているかと聞かれればそうでもない

 かといってさびれているかと聞かれれば首をひねる

 

 

 自分――アルバはそんなところで育った

 ある一家の長男として生まれ、のほほんと生きてたある時、急に自覚した

 あ、俺転生者やんけ、と

 

 

 両親の仕事は狩人だった。

 

 

 近くの森や山に入り獣を狩り、それらを隣近所の人や、たまに来る行商人と交換していた。

 母が狩りに出かけ、父が持って帰ってきた獲物の簡単な処理や隣近所との交換を行う。

 

 

 母は寡黙だった、父も饒舌ではなかったがどちらも誠実な人柄であったのだろう、関わった人達からの評判は良かった。

 父はそんな母に惚れていのだろうし、母も父を深く愛していたのだろう。

 

 

 だってほぼ毎晩イチャイチャしてたし

 

 

 

 その甲斐あってか我が家族は男2人、女4人の6人家族になった。

 上から順番に俺(長男)、妹1号(長女)、双子の妹2号3号(次女三女)という構成で弟も欲しかったなというのは内緒だ。

 

 

 ここで転生者特有の下の子達を可愛がりムーブが炸裂した。

 もうめっちゃ面倒見たしめっちゃ甘やかした。

 

 

 さらに俺はできる転生者なので当時引っ越してきたばっかのライラとも遊びまくった、ていうか周りに近い年齢の子供が全然いなかった。

 

 

 でもたまにライラの年が離れた姉ちゃん達や行商人さんの護衛の人達が遊んでくれたわ。

 

 

 

 

 ライラの家も狩人らしくて、すわ同業同士による争いかと思いきや全然そんなことはなかった。

 

 

 聞いてみたら母がいつも狩りに行ってる森や山はちょっと怖いレベルで動植物が豊富らしい

 んでそんな噂を聞いてきたライラ一家は食いっぱぐれることがないとこっちに越してきたらしい

 むしろもっと狩人が増えてほしいとかなんとか、行商人や近所の大人と世間話を繰り広げた。

 

 

 

 

 んだば子供たちの面倒を見るのも落ち着いてきたから、俺もハンターとしてデビューするかなと思って母に頼み、狩りに同行してみたら。

 もう結果は散々でした。

 

 

 獣の足跡や気配を辿るなんて無理だし、むしろ荒らしていた。

 母に従い見つけた獣に試しにと促され矢を射てみればはじかれる。

 

 

 いやさすがに威力は強くないけど刺さるくらいはするはずでしょ、と戦慄している横で

 母が弓矢をバシュゥと射って獲物をゲット。威力が段違いですやん、というか獲物を貫通して奥の岩に矢が突き刺さっているのはやばいと思った。(小並感)

 

 

 基本的に無表情が固定されているはずの母がドヤってるぽかったので

 やんややんやと褒めたたえたらいつもの無表情で照れていた、その後もひーひー言いながら母についていきながらひたすらヨイショしまくっていた。

 

 

 

 

 だが俺はあきらめの悪い男!

 今度はライラの家に頼み込む、ライラも面白そうとついてきた。

 ふっ、そんな覚悟じゃ痛い目を見るぜと転生者特有の上から目線で見守りながら、そんな一般少女とも違いKAKUGOもしていた転生者くんの結果は、

 またもや散々でした。

 

 

 なんていうか本能レベルで狩人だったわライラ一家。

 うちの母を「力!」とするならライラ一家は「技」って感じだったわ。

 ライラ自身も例にもれずちゃんと狩人してました。

 

 ライラにコツとかあるか聞いても「なんとなく!」と答えられたときは才能の差を感じたわ、というか妹1号よ、なんで頷いているのだ、お前もそちら側の人間なのか。

 

 

 ていうかここら辺の動物たちでかくね?テレビで見たスポーツ選手を生で見たとき並みにでかいわ…伝わらんか。

 

 

 

 

 

 行商人さん(年齢不詳)になんかこう兄の威厳というやつを見せてやり、ちやほやされたいんですけど何かないっすかねと、助けを求めてみたところ魔法を覚えてみるのはどうかと言われた。

 

 

 魔法!素敵な響きだぁ。

 大人たちが使ってるのを見たことはあったが自分は使えることができなかった、一時期、瞑想とかしてしていたが、自分の中にあるナニかの感覚は掴めてもそれを使ってどうこうすることはできなかったのであきらめていたのだ。

 

 

 詳しく聞いてみたところ、君はもう少し経てば魔法を使えるようになるだろう、君の中のナニかはおそらく魔力の感覚だろうとのことだった。

 

 

 他にも大人たちがよく使っている魔法は生活魔法と言って

 成人(この世界では15歳で成人扱い)したら教会で毎年行われている成人の儀に参加し、希望者に寄付を貰い授けられる便利な魔法であり。

 

 

 一般的な魔法の傾向として女性は身体強化といった、身体の中に作用する魔法が得意で、男性は逆に外に出す魔法が得意な傾向があるということも教えてもらった。

 

 

 それを興味津々で聞き、そんな自分に気をよくしたのか行商人さんは本と指輪を見せてくれた。

 本には基本的な魔法と使い方が幾つか載っており。

 指輪は発動体と言って魔法の発動や威力を補助してくれる効果があるとか。

 

 

 発動体は一般的には杖だが、お偉いさんから「杖だけじゃつまんないしもっと他のも作ってよ(意訳)」と無茶振りされて作った試験品であり、使用するためには様々な条件があるため行商人のところまで流れてきたらしい。

 

 

 条件?と聞いてみると

・1年間装着する。

・その間魔法は使えない。

・魔力量が少ない人が使うと逆に威力が下がる。

 他にも細々としたことがあったが大きくはこの三点だった。

 

 シンプルな指輪にして小型化をしており取り回し良好!サイズも自動調整!君の魔力量だったら大丈夫!本とセットで今なら激安!とセールストークを受けて、買ってしまった。

 あぁ俺の今までためてきた貯金よ。

 

 

 

 

 ほくほく顔の行商人さんに、魔法を使えるようになった時ってどうやったら分かるのか?と尋ねるとすごく気まずそうな顔をされたが、お金を払ったのもあって強気にぐいぐい質問した。

 

 

 行商人さんは、「まだ早い」とか「大人になったら分かるよ」とごまかすような物言いをした。

 そんな抽象的なのじゃなくて体からシュインシュインってオーラが出たり、鏡を見て「ウソ!これが私?」みたいな分かりやすい変化はないのだろうか。

 

 

 更に問い詰めるとついには「私から言うと気まずいから両親から聞きなさい」と矛先を変えた。

 普通の子供だったら素直に騙されるだろうがそこは転生者

 行商人さん相手でも気まずいのに、家族に聞いたらもっと気まずくなっちゃうでしょ!頼れるのは行商人さんだけなんです!オナシャス!と気合を入れて頼んでみた、というか行商人さんが狼狽えてるのが新鮮で楽しくてテンションが上がっていた。

 

 

 

 

 ついに観念したのか何とも言えない表情で周りの様子をしきりに気にしながら教えてくれた。

 

「せ、精通です」

 

 それは子供には言いづらいわ、いやそうでもないか?ていうかさっきの問答は確実にセクハラじゃん。

 その他にも、女性の場合は生理が始まると魔法を使える、男女で、その、仲良く(S〇X!)すると魔力が増えるといったことを教えてもらい。最後にはこの事を絶対に行商人さんから教えてもらったと言わないことを約束させられた。

 

 

 

 

 家に帰って買ってきたものを父に見せてみると、懐かしいなーと言いながら魔法の本をパラパラと見ていた、ちなみに載ってる魔法は全部使えるとのこと、おうふ、ならば父に学べばよかった。

 母も何か魔法を使うのか聞いてみるとほぼ強化魔法のみだと、特化型はロマン!ならばあの弓の威力も納得だなと感心してると、あの弓の威力はほぼ素の状態だとさ。えぇ…(困惑)

 

 

 発動体のことを聞いてみると、結構高価なものなので貴族じゃない子供、ましてやこんな村の一般未精通少年に買うのは無理だとも教えられた、お姉さん…優しいお姉さん(行商人)…

 

 

 

 

 色々ありつつも成人になった、魔法も発動体も使えるようになり、目下のところ、将来どうしようかなーとモラトリアムに差し掛かっていた。自分探しの旅でもするか?

 

 

 成人の儀はライラに合わせて1年遅れの今年に一緒に行く、セット割引使えるんですか?やったー!的な感じで。

 

 

 真面目に言うと

・成人の儀を行う教会は結構大きな都市にしかなくてそこが遠い。

・去年は忙しく、付き添いの保護者の都合がつかなかった、今回はライラの姉2号が保護者。

・妹たちの面倒を見るのがやめられない止まらない状態。

・知り合いがいない遠いとこに一人で行きたくなかった。

 といった複雑な事情が絡み合い1年遅れで成人の儀に参加するのだ。ホントダヨ。

 

 

 

 

 そんなこんなで成人の儀に向け都市へ出発。行きは行商人さんに話を通して便乗していく。護衛さん(冒険者なんだって)もいるから安心!護衛さんたちは女性パーティーだった。まぁ性別は統一したほうが都合がいいもんね。

 

 

 道中何度か野宿をしていたが、慣れているのか行商人さん一行は手際がいい、俺たちも狩りで経験があるので慣れたもんよ。なにより道中の護衛さん達の話が面白かった。

 

 

 今向かってる都市はダンジョン関係で栄えた都市なんだってさ。

 っていうか距離近くない?ボディタッチ多くない?まぁ冒険者でもあるから仕事柄こういう感じが普通なのかな、だから勘違いするんじゃないぞ俺、うれしいけど違うんだからな。

 

 

 

 

 悶々としながら都市へ到着、着いたのは成人の儀の前日でこの日は宿についたらすぐに休んだ。部屋がライラと姉2号と一緒なのは節約のためと成人の儀のせいで混んでいるからだ、変な気は起こさないように気を強く持つんだ、俺は出来る子、だからそんなに何度も確認したりこっちをチラチラ見るのは勘弁してください!

 

 

 そんな状況だったが連日の野宿の疲れだったのか、それともライラにもらったアイスティーでリラックスしたおかげか気を失うように眠ることができた。

 

 

 

 

 次の日の目覚めはすっきりさわやかだった、自分は枕が変わると駄目なタイプだが不思議と昨日はぐっすりであった。反対にライラは寝不足気味のようだ、いくら家族同然とはいえ隣に男がいて休めなかったのだろう、まぁ成人の儀自体はすぐ終わるらしいしそれまでの辛抱だ。

 

 

 教会に向かう途中様々な屋台や催しが行われていた。成人の儀にかこつけてやっているのがほとんどであるらしく、村とは全然賑わいが違うのでワクワクしてきた。

 

 

 隣を歩くライラに話しかけてみても上の空なのか生返事ばかりしていた。なんか寝不足というより夢心地って感じなような、この屋台のお祭り状態も後1週間ぐらい続くらしいし、今日は成人の儀が終わり次第、宿に帰って寝かせてあげよう。

 

 

 

 

 教会に着くとすぐに中に通された、外から見ても大きく立派な建物であったが中はそれ以上だった。きょろきょろ周りを見渡して完全にお上りさん感丸出しであったがそんなことも気にならないくらいには想像以上の衝撃であった。

 

 

 そんな光景に慣れているのか教会の関係者らしき人達が声をかけて成人の儀の会場への案内にまわっていた。ほかにも同じような行動をしていた人たちがいたのか悪目立ちをすることはなかった。

 

 

 

 

 会場にはすでに多くの少年少女がいた、こんなに同年代の人たちが集まっている光景などなかったので少し面食らってしまった、ライラも同じように目を白黒させていた。

 程なくして成人の儀が開始された。

 

 

 

 特にこれといった問題もなくただ話を聞き、儀式を見ていただけで終わった。

 肩透かしを食らった気がした、なんかもっとこう「皆に祝福を」光魔法ぱぁー、みたいな感じかと、いや自分にとって重要なのは生活魔法のほうだと気を取り直した。

 

 

 

 事前に教えてもらった通りに生活魔法を授ける儀式は個別に行っていく方式のようで人数が多いためざっくりとグループ分けをして順番に個室に呼ばれていくらしい。

 

 

 前のほうを見ていると大体5分から10分くらいで次の人が呼ばれてる、終わった人は別の出口があるのか帰ってこない、なんというか事務的というか流れ作業だな。もっと神聖なものだと思ってたんだけれど。

 

 

 

 

 そのまま滞ることなく自分の順番が来た。

 

 

 

 

 部屋の真ん中にはベッド?というより祭壇みたいのが置かれており、その近くで神官らしき女性が立っていた、おお見るからに神聖な雰囲気だよ、こういうのだよこういうの、と先ほどとは違う雰囲気に興奮していた。

 

 

 女神官がこちらに気付くと説明を始めた。

 

「儀式を行う際に、もし不安な点あるのならば教えて下さい、こちらで可能な限り対応をします。それでも不安であれば中断して都合の良いときにまた教会に来てください」

 

 あ、それありなんだ。でもこの都市に来る機会なんてあまりないから関係ないか。寄付のことには触れてないが寄付なのに返せってのはおかしいもんな。

 

 

「緊張せずに寛いで臨んでいただいて結構ですよ。そんなに難しいことはしないので、注意すべきことがあれば私のほうから言いますので」

 

 柔らかい表情を浮かべながらそう言ってきた。緊張していたように見えてしまったか、肩の力を抜きながら、女性の顔を見て返事を返す。笑顔で。笑顔は実際大事。

 

 

 

 

「準備がよければ、はじめましょう、こちらに横になってください」

 

 言われたとおりに祭壇に仰向けで寝そべる

 

「では失礼します」

 

 と言って両手を頭と胸の上にかざしてくる、何かしてるんだろうけど全然わからん。

 

 

 何やら難しそうな顔をしている

 

「うつ伏せになってください」

 

 言われたとおりにする

 

「うん?何か魔法に関する物や変わった物を身に着けていますか?」

 

 

 む、田舎者とディスられてるのか、いやでもこの服は行商人さんのところで買ったからかな、行商人さん意外と魔法の品とか取り扱ってるしこの服もそうかも、あ、それとも発動体の指輪かな、ずっと着けっぱなしで忘れてたわ。

 

 

「もし不都合があるのであれば、日を改めていただいても」

 

 考え込んでるこちらを気遣って女神官は提案してくる。

 いやいや、問題ナッシングです、続けましょう。どうすればいいですか?

 

「ええ、でしたら魔法同士で干渉しあうのが原因で、そのままだと結構時間がかかってしまうと思うので、外してもらってもいいですか」

 

 

 うす、結局、服と指輪どっちが干渉してんのかな、片方取って違う方でした、てなことはしたくないし、こんなことで時間食うのも、面倒だからもう全部取っ払うか。

 

 

 指輪を外して服を脱ぎ始める、女神官のほうから息をのむ音が聞こえる。弁明せねば。

 や、服にも魔法がかかっているかもしれないので念のためなんです、信じてください。それともなんか儀式的に問題ありましたか?

 

「…いえ問題ないです。…ええ、それならば仕方ないですよね、うん仕方ない」

 

 女神官は噛み締めるように繰り返していた。

 

 

 パンツ一丁になり、準備万端!と横になる。

 女神官は覚悟は決めたと言わんばかりので気迫で寝そべる自分の体を見ていた。

 この人、目が血走ってないか、正直怖いわ、いやでも彼女はプロなんだ、任せよう。

 

「…では始めます」

 

 なんだろうプレッシャーを感じる。

 

 

 女神官は最初と同様に手をかざした、先ほどとは違い彼女から自分に向かって魔力の流れがあるのが分かる。

 おお、さっきまでとは違って魔力がバッチェ見えてますよ。なんか…あったかい。

 

 

 そんな風にリラックスしてると、女神官は無防備な上半身を手でまさぐり始めてきた。

 なんか手つきがいやらしいというか、こそばゆいというか、変な気持ちになってしまう。

 するとそんな様子に気付いたのか

 

「これはあくまで儀式の一環ですから、皆さん同じことをやっていますから」

 

 と、女神官は鼻息を荒くしながら声をかけてきた。

 そうだこれは儀式なのに、邪な気持ちを抱くなんて、真剣な彼女に対して、失礼だろう。

 時々聞こえる、ぐふふ、という声も、俺の不純な考えのせいで聞こえる幻聴だろう。

 

 

 俺は反省し、女神官の言うとおりに儀式を行った。

 途中「ここに魔力が溜まってるんです」とか「ここを刺激すると体にいいんですよ」とか「あー、魔力の流れが~」と説明も交えながら、際どい所も触られた。

 

 

 無事儀式が完了し、生活魔法が使えるようになった。

 他の人よりも時間がかかった気がするが個人差があるのだろう。

 というか凄く気分が高まっている、下品に言えばムラムラします。

 

 

 

 

 

 とりあえず、ライラと合流して宿屋に帰った。

 姉2号は帰りに向けての準備や手配を行っているそうで、今日は帰ってこないらしい。

 寝不足気味なライラは、今日はもう寝かせて、明日一緒に色々見て回ろうな。

 思いがけず一人の時間ができてしまったな、どうしよう。

 

 

 その時、脳内に電流が走った。

 

 

 こんだけ大きい都市なら、『()()()()()』があるよな

 男のストレスを癒すために、男女が仲良くするための場所が。

 両親からお小遣いももらったし、なんならへそくりも持ってきたから大丈夫。

 これは無駄遣いじゃなくて、社会勉強だから問題もない。

 

 

 そうと決まれば行動あるのみ。

 適当な書置きを残し宿屋から出発した。

 少し早い時間だと思うが、散策しながら行けばいいだろう。

 

 

 

 

 それらしい店が集まっている場所を見つけるのに、時間がかかってしまったがやっと見つけた。

 通行人にやたら()()()()()気がするが気のせいだろう。

 だが外から店を見ても違いが分からない、なんというかハジメテで失敗したくない。 

 ()()()()()()()()()()気がするのと、下半身のイライラのせいで考えが纏まらない。

 

 

 すると男に声をかけられた。

 

「そこの兄ちゃん、こんな所うろついてどうしたんだい」

 

 聞けば男は近くの店で働いているらしい。

 丁度よかった、この人から良い店はないか聞こう。

 

「へー、こういうところに来るのは初めてで、いい店を探してるってことか、なら丁度いい。ウチの店に来なよ」

 

 その心は?

 

「ウチの店は貴族連中を相手にするような超高級店じゃないけど、ここらじゃ人気の店なんだよ。ちゃんと働けば飯も出してくれるし、時々だけど休みもくれる」

 

 うん?なんか食い違いが

 

「最近、新人が辞めたし、兄ちゃん良い体してるから、すぐウチで働いたら人気出るぜ」

 

 頭が混乱してきた、ひとまず考えてさせてくれと男に言って、その場で別れる。

 

 

 落ち着いて周りを観察してみる。

 にやにやしながら店に入る女性、すっきりした顔で店から出てくる女性。

 妙に肌色が見える服を着た男性、道行く女性に声をかけ店に連れていく男性。

 

 

 いやまだ慌てるような時間じゃない、思い出すんだ。

 だらしない格好でいると小言を言いながら注意してくる父や、一緒に風呂に入りたがる妹達。

 ボディタッチの多かった冒険者の女性達。宿屋で着替えている時に感じたライラ達の視線。

 「これは儀式ですから」と鼻息荒く体を撫で回し続けた女神官。

 

 

 

 

 

「あーなるほどね、完全に理解した」

貞操逆転世界だこれ!

 

 




転生者ことアルバくん:驚異的な鈍感さで成人するまでセクハラされていることに気付かなかった。現代の倫理観が足を引っ張っていることに気付いてない。実は一度、現代版貞操逆転世界に転生していたが、前世が覚醒する前に死んで、二度目の転生となった、そのため大部分の記憶や知識の継承が出来ずに、ファイルが破損してます状態のため、今のおバカ状態が出来上がったという死に設定がある。

ライラ:幼馴染兼相棒。アルバが自分に対しこんなにも無防備なのは、好かれているからに違いないと思っていたが、そんなことはなかった。ライラ家は毒や薬を狩りに用いるため、ライラも扱いに慣れている。宿屋で出したアイスティーからは直ちに影響のある成分は検出されなかった(大本営発表)

行商人さん:疑り深い人にはハーフエルフだと紹介してる仙人。故郷である仙人郷から好奇心だけで飛び出してきたバイタリティ溢れる350歳。破門された扱いであるため仙人郷から拒まれ帰れない迷子属性も完備。最近の推しはアルバきゅん。

女神官:先輩から聞いたエロ話がマジだった。幻のマッサージ魔法は本当にあったんだ。次の子も同じ調子でやったら、即、粛清神官に連行された。ダメ元で今回の経緯を官能小説形式で反省文として出したら、一時釈放、次回作執筆の審判が下った。

魔法の傾向:射精と妊娠のメタファー


あとがきを書くという目標を達成したため失踪します。
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