ナルトの世界で色々してくる   作:マックス

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“境界線”

 

 

 

 

 

 

 

 

『化け物っ……』

 

 

 私はいつからか、そう言われていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『すごい、さすが私達の娘ね!』

 

 

 何かを成功すると、両親は褒めてくれた。

 

 他の子より賢いと、両親は褒めてくれた。

 

 他の子よりすごい事をできると、いつだって褒めてくれた。その温もりが私は心地よかった。

 

 

 私が他の子よりずっと賢い事は、分かっていた。だから色々な事ができた。そのお蔭で両親に褒めてもらうことが出来て嬉しくて、とても嬉しくて。

 

 

 

 でも、まだまだ子供だからこそあんな事をしてしまったのだろう。

 

 

 

 自分の中にあった知らない【何か】に触れた瞬間、世界が変わった様な気がした。

 

 

 

『冷たいし、暖かい…』

 

 

『褒めて…くれるかなぁ?』

 

 また、みんなと違う事ができて、それを両親に見せようと楽しみだった。

 

『(見せたら、驚いてくれるかな?褒めてくれるかな?)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結果は、両親の恐怖という目だけだった。

 

 

『来るな……来るな化け物っ!!』

 

 

 なんで?私はいつもの私だよ?

 

 

 

『お前は私たちの娘なんかじゃない!!あの子をどこにやった!!』

 

 

 なんで?私はパパとママの娘だよ?

 

 

 

『ぅ…うぅ……ぅ…』

 

 

 なんでパパとママは泣いてるの…?

 

 

 

 なんで……そんな目で見るの?

 私はパパとママの為に頑張ったんだよ?

 

 

『…なんで?』

 

 

(いつだって二人の為にやったのに……

 

 なんで怖がるの?なんで何も言わないの?なんで避けるの?なんで悲しむの?なんで喜んでくれないの?なんで私をみてくれないの?なんで軽蔑するの?なんで殺そうとするの?なんで褒めてくれないの?

 

 なんで?なんで!なんで!?

 

 なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!?)

 

 

 私は、ただあのとても心地よい温もりが欲しかっただけなのに。褒めて欲しかっただけなのに。

 

 いつもより怒っても良い、いつもより厳しくされても良い。なんだってした、なのにあの【目】はずっと私に向けられる。

 

 

 

 

 

 

 

(ぁ…め…ぇ……)

 

 

 逃げたかった、なのにどうしても逃げられなかった。

 

 

 

(……やめて)

 

 

 不安で、なのに淡い希望にすがろうとして、いつか三人で元通りになれると思って。

 

 

 

(やめてよ……)

 

 

 なのに、それは叶わないといつからか分かってしまって。

 

 

 だから、現実から目を背けて逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

(その【目】を私に向けないでよ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――だから、殺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……あぁ、あ…ぁぁ……ぁっああ…?』

 

 

 赤い液体で手が染まる。それが何か分かってしまう。

 

 だから、また逃げた。

 

 

 

 

 

『は…はぁ……はぁ……あぁ……』

 

 

 

 

 この時から、私はいつも逃げる様になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『………アハッ。

 

 あは…は……はは、ははははははは。あはは、あはははははははははははははははははははぁ!!あはははははははっ!ははははは!!』

 

 

 変な感触に襲われて、それに飲み込まれていった。

 

 

 

 

 

『あはは、やったぁ!やったよ私!!

 

 これでいつも通り!嫌な物はなくなったっ!!余計だった物は捨てた!!やったじゃん、わたし!!

 うふふ、これであの【目】は無くなって、わたしは欲しい時にあの言葉、あの感触に包まれればいい!これで邪魔な物はなくなるし、わたしのかってだよね!?うふふ、あはは、あははははははははは!!』

 

 

 

 

 

 

 この気持ちは続いた。それからわたしに触れようとする物は例外無く殺して、ずっとそれが続くかと思っていた。

 

 

 

 

 あの人に出会うまでは。

 

 

 

 

 

『どこの世界にもいるんだろぉなぁ…、こんな風に捨てられたりする奴が…』

 

 

 

 目の前で呟く声を聞いて、わたしはいつも通りの事をしようとする。

 

 

(……邪魔だなぁ、うるさいなぁ。この人もいつもみたいにわたしになにかしようとする人かな?

 殺す、殺そう。そうであっても、そうじゃなくても殺そう。)

 

 

 いつも通りに殺そうと決め、顔を上げる。

 

 

 

 その考えは、一瞬で消えた。

 

 

 

 

 とても綺麗な真っ黒な髪。何人も同じ色の髪の人を見たけど、この人はなぜか違う風に映った。そしてオレンジの色をした、宝石の様にとても美しい瞳。髪も目も顔全体も、わたしには今まで見た何よりも綺麗に見えた。

 

 

 

(……きれい)

 

 

 そして、なにかわたしと重なる感じ。何かかは分からないが、それに一層憑かれた。

 

 

『…お兄ちゃん…だぁれ…?いっしょにお話する?』

 

 気付くとわたしからはなしかけていた。

 少しはなしただけでも、とても満たされて心地よい時間だった。

 

 

 わたしのことを教えると、あろうことかこの人はわたしに手を差し延べてくれた。

 

 迷惑になるかもしれないと思ったけれど、そんな事はまったく気にしないで手を取った。

 

 

 

『愉快にはなるかもしれないぞ?』

 

 

『……うん!行くよ!』

 

 

 

 

 

(なんでだろ。……すごく、あったかい)

 

 

 掴んだ手は、わたしのそうぞう以上に暖かかった。

 

 

 

 

 

 

 あの人は名前をくれた。

 

 

 黄薇という名で、あの人は『お前のとても綺麗な髪の色から取ったんだ。…まぁ他にも色々あるけどな』っと言っていた。

 

 その日から、わたしは髪をいっしょうけんめい綺麗にしようとした。あの人は今のままでもじゅうぶんにきれいだと言ってくれたが、それでもきれいにしようとがんばった。

 

 

 

 あの人がわたしのなまえを呼んでくれるたびに心が温まる。心地よいものに包まれる。あの二人以上に

ここちよかった。

 

 

 そこからの日々はとても良いものだった。

 

 

 久しぶりにお腹いっぱいにごはんを食べた。ものすごく食べるとあの人は苦笑いをしていたからめいわくかと不安になったが、うれしそうに食べているとあの人はなぜか微笑んだ。

 

 

 たくさん運動もして、けがをしたり疲れたけれどそれは全てわたしの為とわかっていて、それがとてもうれしかった。

 

 

 

 いっしょに戦った、狩りをした、修行もした、あそんだりした。たまにケンカなんかもして、それでもすぐに仲直りした。そのあとにはごはんをお腹いっぱい食べて、あの人は苦笑いするがどこかうれしそうに微笑んでくれる。

 

 

 

 

 

 

 それでも不安だった。

 

 

 

 

 

 あんなに楽しいことをたくさんしたけれど、いつか捨てられてしまわないか不安で不安で仕方無かった。あの人はそんなことありえないって言ったけれど、いつかそれが変わってしまいそうで怖かった。

 

 わたしが、あの人の目の前以外で人を殺したことをあるのを言ったことがない。それを知られてしまったらどうしようかと、不安で仕方なかった。あのときとおなじ【目】をむけられたら、今度こそ本当に狂ってしまいそうで。

 

 

 結局、むかしとかわらず逃げていてばっかりだった。

 

 

 

 

 そして、あの人がわたしに何かかくし事をしているのも知っていた。それがどうしても気になったけど、わたしはそれが原因であの人にきらわれたらどうしようかと、だから聞けなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――わたしはあの人の事が大好きで、愛していて仕方なかった。

 

 

 

 

 だから、きらわれないか不安で、それでも気になってあの人のあとに付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこで見たものは、地獄の様なものだった。

 

 

 

 人のからだがバラバラに散らばっていて、悲鳴が響き渡っていた。

 

 そして、それをじっさいに行っていてのはあの人だった。

 

 

 それを見たしゅんかん、感じたのは恐怖でも絶望でもなく――――――安堵。

 

 

 

 

 

 わたしとおなじことをしていて、おなじようなことを隠していた。

 

 

 

(…良かった)

 

 

 何故かは分からない、だが確信のようなものをしていた。

 

 

 

(……きっと、受け入れてもらえる。)

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――気付けば、わたしはあの人に向かって歩いていた。

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