試験が終わり制服に着替え終わった受検者達はいつのまにか設置されていた巨大モニターの前に集合していた。
『皆さん、長いことお疲れさまでした。これより発表を行いますが……その前に一言。採点方式についてです。我々ヒーロー公安委員会とHUCの皆さんによる二重の減点方式であなた方を見させてもらいました。つまり……危機的状況でどれだけ間違いのない行動を取れたかを審査しています。とりあえず合格点の方は五十音順で名前が載っています。今の言葉を踏まえた上で、ご確認ください……』
目良の言葉の後にモニターに合格者の名前が掲示される。
「ふ~ふ~ふ~」
「あ!有りました!お兄様!私とお兄様の名前有りましたよ!!」
皆が必死に自分の名前を探しているなか一騎は呑気に自分の名前を探す。そして一騎よりも先に名前を名前を探し出したユエは自分と一騎の名前が載っていたことに喜び一騎の腕に抱きつきながら報告する。
「おっほんとだ俺達受かったな」
「はい!それに才ちゃんも受かってます」
「だな~」
ユエの頭を撫でながら周りを見渡すと受かったことに喜ぶ皆を視て笑みを零すが、直ぐに暗い顔をする轟と凄いイラついてる爆豪を視て察する。
「轟!ごめん!!あんたが合格を逃したのは、俺のせいだ!!俺の心の狭さの!!ごめん!!」
「元々俺が蒔いた種だし……よせよ。お前が直球でぶつけてきて、気付けたこともあるから」
皆が受かったことに楽しんでいるときに夜嵐は轟の元にやって来ると勢いよく頭を下げて全力で謝る。
対して轟の自分にも非があることを知ってたから責めることなどせず宥める。
「両者ともトップクラスであるがゆえに自分本位な部分が仇となったわけである。ヒエラルキー崩れたり!」
轟の方に手を置いていう姿に一騎とユエはゴミを視るような目を向ける。
「お前それが落ちた
「・・・流石にドン引きです」
峰田が飯田によって轟から剥がされるのを視て轟に声をかける。
「轟」
「なんだ」
「俺達に追いついて来いよ」
「待ってろ」
一騎の言葉に笑顔で轟は返す。
「・・・」
2人の光景をみて夜嵐は制服に着替えるときにした盲天との会話を思い出す。
~~~~~~
「イナサ、お前一騎となんかあったか」
「なんのことすか・・・」
「気づいてないと思ってるのか?お前二次試験まえの休息の時とさっきも一騎を見たとき表情曇ってたぞ」
「・・・実は」
隠そうとするも顔に出ていたことを指摘されて諦めて一次試験クリア後、一騎にヒドイ事をいったのを話す。
それを聞いて盲天は深い溜め息を着いてから口を開く。
「それでお前はそんな事をいったが聖愛の人の言葉を聞いて、自分の言動を顧みて後悔してんだな」
「ッス」
「だったらちゃんと謝れ、例え許して貰えなくても。じゃないと喉に小骨が刺さった時の様に痛みと違和感を抱えて生きてくことになるぞ。それと忘れるな、聖愛の人も言ってたが、言葉は1番簡単にそして強く人を傷付けられる道具だから」
「はい!」
(((((((あの盲天が先輩してる!!!!???)))))
~~~~~~~
「不死黒!」
「ん?」
「ごめん!!」
「なにが!?」
額が割れるのではないかと思うほど勢いよく地面に叩き付け謝る夜嵐。急な謝罪に一騎は驚いて動揺を隠せなかった。
「あんとき俺はあんたの気持ちも考えず好き勝手にヒドイ事いった!!ほんとにごめん!!」
「・・・あ!気にしなくてもいいよ」
わりと素で忘れていた一騎は思い出すと慌てて夜嵐に頭を上げさせる。
いまでも罪悪感の表情をしてるのを視て一騎は少し考えてから話し出す。
「確かに言われた言葉はかなり痛かったけど、他の人の様に聞えてくるような声で言うのではなく真っ正面から言ってくれた。だから、その・・・やな感じはなかったから気にするな」
(はぁぁ~~待て待てまって。お兄様フォローが・・・下手すぎます)
ヒドイ事を言ったのを後悔して謝ってるのに気にするなと返されても、はい終わりと気を切り替えることなどできない為に聞いていたユエは両手で顔を押さえて天を仰ぐ。
「けどお――「でしたら提案が一つあります」」
やはりそう簡単に割り切れなかった夜嵐が何か言おうとしたときにユエが間に入る。
「夜嵐さん自分に100%非があるから、はヒドイ事を言ったのを後悔して気にしなくて良いと言う言葉でそう簡単に自分を許せないんですよね?」
「はいッス!」
「でしたらお兄様!こういうときは一発ぶん殴ってあげるのが良いです!」
「いや乱暴すぎない!?」
「いや是非!」
「えぇ~・・・」
ユエの提案に即答した夜嵐に流石に一騎はドン引きする。
「それに、私見てましたけど・・・轟さんと夜嵐さん、個性攻撃でお兄様を巻き込んだこと気づいてなかったですよね」
「「え」」
「いやユエなんで知ってんの!?」
「・・・にっこり」
「いやにっこりじゃなくて」
「とりあえずそれの分も込めて殴りましょう!」
しかしと思い夜嵐の方に目を向けるが、彼の眼を見てこれは殴らないと終わらないと悟り拳を握ると「行くぞ」と言って振り抜く。
――バキゴキ!
(あ、これヤバイ
殴った拍子に聞えた音を聞いてユエはヤバイと判断し即座に治癒をかけて夜嵐の怪我を治す。実際に殴られた左頬骨は複雑骨折していた。
「イッ・・・いや!助かった」
「・・・スッキリした?」
「はい!」
本当にさっきまでとは違いスッキリした夜嵐の表情を見て一騎は少し笑みを浮かべていた。
「不死黒、俺の事も殴ってくれ」
「いや轟さんは止めた方が良いです。確実に頸椎が持ちません」
「・・・そうか」
轟も知らなかったとは言え、攻撃に巻き込んだけじめを付けようとお願いするもユエの割とガチの停止にシュンとして諦める。
『あの…。元気なのは良いことですが、まだ連絡事項があるので…。ちゃんと聞いて下さいね?』
目良に軽い注意を受け一騎と夜嵐は同時に謝ると目良は話しを再開する。
『えー、全員ご確認いただけましたでしょうか?続きましてプリントをお配りします。採点内容が詳しく記載されてますので、しっかり目を通しておいてください』
職員が一人ずつにプリントを渡していき、一騎もプリントを受け取り内容を確認する。
『ボーダーラインは50点。減点方式で採点しております。どの行動で何点引かれたかなど、下記にズラーっと並んでいます』
「ユエさん何点でしたか?」
「私は~・・・100点!! ももちゃんは?」
「私も100点ですわ」
ユエは笑顔で八百万にプリントを見て答えてから聞くと八百万もユエの真似をして笑顔でプリントを見せる。
「まぁももちゃんは救急医療地点作る為の医療キッドを作ったり的確に手当してたもんね」
「そういうユエさんは常に皆さんを被災者の元に案内したり手当の分らない人への的確な指示に決め手は防衛。非の打ち所がありませんわ!」
二人はお互いを褒め合い楽しく会話をする。それを見て他の皆は100点が二人も居るのを見て驚く物や自分との評価を比較して落ち込む者がいた。
「お兄様は何点でした?」
「ん?俺は90点だよ」
「・・・え」
自分の採点を見終わるとユエの質問に気楽に答えながらプリントを渡す。
驚きと共に差し出されたプリントを取るとユエと八百万は何処が減点されたのか見て目を見開く。
『身内の攻撃(炎)に巻き込まれたのは同情するが、直ぐ側にヴィランが居たのに攻撃に移行しなかったのは危機管理が不足している』
との内容で減点原因だった。
「・・・私ちょっと文句言ってきます」
「いっや~止めて!!お願いだから」
減点内容を見てユエは真顔で目良に文句を言いに行こうとしたために一騎は割とガチで引き留める。
因みに一騎を採点した職員は上から「何でもいいから減点して落とせ」と言われるも抵抗してちゃんと採点した。だが減点無しだと手を加えられると考え「減点はしました」と報告出来る様にあの時を減点理由にして無理矢理ちゃんとした合格で通した。
『合格した皆さんはこれから緊急時に限りヒーローと同等の権利を行使できる立場となります。すなわち、ヴィランとの戦闘、事件、事故からの救助など……ヒーローの指示がなくとも、君たちの判断で動けるようになります』
皆が採点内容を確認したと判断すると目良は話し出す。目良の話しを聞いて皆は前を向き耳を傾ける。
『しかしそれは君たちの行動一つ一つにより大きな社会的責任が生じるということでもあります。皆さんご存じの通り、オールマイトという偉大なヒーローが力尽きました。彼の存在は犯罪の抑制になるほど大きなモノでした。心のブレーキが消え去り増長する者はこれから必ず現れる。均衡が崩れ世の中が大きく変化していく中、いずれ皆さん若者が社会の中心となっていきます。次は皆さんがヒーローとして、規範となり抑制できるような存在とならねばなりません。今回はあくまで仮のヒーロー活動。半人前程度に考え、各々学舎で更なる精進に励んでいただきたい!』
その言葉に皆はより一層、表情と気を引き締める。
☆
仮免を受け取った一同は会場を出てそれぞれが写真を撮ったり、取れるかどうかの緊張からの解放で友達と会話をしていた。
「お兄様!仮免一緒に撮って明ちゃん達に送りましょ!」
「・・・そうだな」
一騎もユエに誘われ二人で仮免カードを一緒に撮り発目やミルコ達に無事に取れたことを報告していた。
「・・・」
その光景を離れた所で見ていた才子は一騎の顔を見て険しい表情をしていた。
「・・・まぁそういうことよね。今日挙動不審が多かったのは」
仮免試験が終わったのに一騎はそれに比較できない緊張やプレッシャーとそれによる気持ち悪さを我慢している顔をしていた。その理由を察した才子は少し考えて歩きだす。
「才子?」
「行子、私は少し用が出来ました。時間がなければ先に帰って下さい、私はタクシーで帰ります。その事を先生に伝えておいて下さい」
「えっまって!」
「お願い」
「・・・分ったよ」
止めようとするも行子は才子の顔を見てお願いを受け入れ皆の元に戻る。
「行子様、才様はどちらに?」
「大事な用事。先生は?」
「現在は他校の教員の方々とこれからの情勢に合わせて交流を深める話しあいに行っております」
「わかった・・・」
☆
「あの才先輩?」
現在の一騎はユエと話していたところ才子に誘われて、少し無理矢理連れ出され仮免会場の人が本来ない避難通路の奥に来ていた。
「一騎君、其処に座って」
「え?」
「座って」
「はい・・・?」
非難扉のある行き止まりまで来ると才子は近くにある椅子を指差し指示をだす。最初は困惑するも一騎は二回も言われ頭に?を浮かべながらも言われた通りすわる。
「それでどうs・・・え、才先輩?」
どうしたのか聞こうとした瞬間、顔に柔らかく包まれる感覚と鼻腔を擽る少し甘い花の匂いを感じる。
自分が抱きしめられてると分かるが、いきなり抱きしめられたことで一騎は困惑の声を漏らす。
「えっと~才先輩?どうして俺は抱きしめられてるんですか?」
「一騎君、よく聞いてね」
「?はい」
「私は一騎君の味方よ。・・・一騎君がこの後、どんな選択を取ろうともね」
「!?なんで」
『今後』ではなく『この後』と才子は言った。その為に一騎はこの後自分がなにしおうとしているのか知っているのかと驚いた。
一騎の驚きを感じ取った才子は抱きしめたまま落ち着かせるように一騎の頭を優しく撫でる。
「なんで知っているのか、かしら?わかるわよ。私を誰だと思っているの」
小さく悪戯っぽく笑う才子。 それに好きな人の隠し事や違和感には直ぐ気づくものよ。と、言おうとするも流石に恥ずかしくて言えなかった。
「才先輩」
「ん?」
「俺がやろうとしてるの知ってるんですか」
「緑谷出久とオールマイトのこと、そして・・・・『個性』よね」
「・・・ほんとに知ってるんだ」
才子は体育祭の時と今日で一騎の緑谷に取る態度や表情に違和感を覚えた。そして神野後の病室であったオールマイトが一騎に話そうとした『緑谷との関係』の単語で大体を察し、更には緑谷の個性はオールマイトから貰ったものであると、少ないヒントで導き出した。
そしてたった今、その導き出した答えが正しいと一騎の返答で想像が真実に確定した。
「才先輩」
「なに?」
「俺がやろうとしているのは最低なことですよ」
「一騎君にそんな事させる相手が悪いわ」
「俺は最低な人間ですよ」
「最高な人間よ。一騎君で最低ならこの世に良い人なんて1人も居ない」
「甘やかしすぎじゃないですか」
「一騎君は人に甘く自分に厳しすぎるのよ。だから私はとことん貴方を甘やかすわ」
「・・・優しいですね」
「私なんてまだまだよ」
「・・・・・・才先輩」
「なぁ~に?」
「もっと、強く抱きしめて貰っても良いですか?」
「えぇ勿論」
そのお願いで才子はもっと強く、けれど優しく一騎を抱きしめる。
「あと、あと少しこのままでお願いします」
「あと少しなどと言わず、一騎君の
一騎に取っての問題はこれから。仮免試験まで待った、なのに緑谷はオールマイトとの関係と個性の秘密を話してはくれなかった。だから今日、雄英に帰ってから一騎は問い詰めると決めていた。
けどそれに対してのプレッシャーや緊張感は仮免試験や雄英受験の非にはならないほどのもので、精神的なものから来る吐き気や気分の悪さをズッと我慢していた。その為に今の才子の抱擁は途轍もない救いだった。
(私が一騎君にしてあげられることなどこんなことぐらいなのだから。私に出来る事なら沢山甘えて。)
その後、才子は一騎が満足するまで優しく、聖母の様な表情で一騎を抱きしめながら頭を撫で続けていた。
☆
「明日からフツーの授業だねぇ!」
「ヒーローに休息はありませんわ」
「しかし、色々ありすぎたなぁ」
「一生忘れられない夏……」
雄英に戻って来たA組の皆は八百万が入れた紅茶とかを飲みながら共有スペースで楽しく雑談していた。
「緑谷」
「不死黒君?」
そんな中、一騎は緑谷と擦れ違いざまに声をかける。
「23時に外に来い」
それだけを言うと一騎は困惑している緑谷を無視して自室に戻っていく。
「・・・」
「ユエさん?どうかなさいましたか?」
「・・・なんでも無いにゃ~」
「?」
緑谷を睨むような目で見ていたユエは八百万に声をかけられると何時もの笑みを浮かべて八百万の膝を枕にして寝転ぶ。
☆
「来たか。着いてこい」
殆どの者が明日の為に寝静まったなか、寮から出てきた緑谷を見た一騎は一言そう告げると歩きだす。
最初はどうしたのか聞こうとするも、一騎が先に歩きだしたために慌てて後を着いて行く緑谷。
「・・・」
「・・・」
「・・・ね、ねぇ!」
歩きだして十数分。緑谷が我慢できずに話しかける。
「不死黒君、何処まで行くの? マズいよこんな夜中に出歩いて」
寮から出るのを禁止されている時間にも関わらず出ている為に緑谷は心配で声をかけると一騎は1枚の紙を振り向くことなく見せる。
「これは?・・・っ!」
一騎が見せたのは不死黒一騎と緑谷出久の時間外の寮からの外出許可書だった。しかもその書類を受理したのは雄英の最高権力者である根津校長だった。
「ちゃんと許可は取ってるから誰にも文句は言われないし言わせない。それに、もう目的地には着いた」
「え?」
立ち止まった先にあるのは一騎が放課後訓練に使う、今は一騎専用となりかけている場所だった。
「ここはTDL?なんで」
「ちゃんと此所の利用許可も取ってるから安心しろ」
そう言うとTDLの使用許可書も見せながら一騎は中に入っていく為に緑谷も中に入って行く。
中に入ると出入り口近くのスイッチを押して電気を点けるとTDLの中心に歩いて立つ一騎。
「不死黒君なんで此所に呼んだの?」
「本題の前に雑談しよう」
「え?」
「覚えてるか?USJの襲撃後から此所で鍛練したよな。俺とユエ、そして八百万とお前で」
まぁ今も放課後の鍛練は続いてるんだけどな。お前だけはいなくなったが。と付け加えると両手をペケットに入れる。
「お前強くなったよな。最初はパンチのしかたも知らなかったのに。・・・・・・ほんと強くなった」
「ぼっ僕なんて全然!!」
「はは、謙遜すんなよ。昔のお前に比べたら強くなったさ。個性もちゃんと使えるようになって蹴り技も磨いてさぁ」
「・・・・・・・不死黒君、何が言いたいの?」
「じゃぁ本題だ」
「っ!」
睨むような、呪うような目を向けて振り返る一騎に緑谷はギョッとして後退る。
一騎は両手をポケットから抜くと右手を緑谷に向けて――
「緑谷出久」
力強く握る。
遂に一騎が我慢の限界!!どうなるのやら。
あ、アンケートは終了します!!ありがとうございました。(_ _)
それでは、期待せずにお待ち下さい。
よろしければ評価やコメントの方お願いします!優しいコメントが嬉しいな~。
あとここすきも嬉しいです!
次回の投稿は未定です!仕事がね、ごめんね(涙
緑谷が秘密を自分の意思で話すか選んで!
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話す!
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話さない!
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作者に任せる!!