狐は守り続けたい   作:メヴィ

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前のはかなり読みづらいと思い、今回から少し書き方を変えてみました!


ボクの大事な家族

「………ゆ………きて」

 「んう………」

 「ゆず、早く起きてよ……」

 

 体をゆさゆさと揺さぶられる。体を触られるのはあまり好きではないが、これは別だ。

 

 「撫でてくれたら起きるよぉ~……」

 「なに言ってるの……早く起きて離れてくれないと僕も起きられないってば……」

 

 彼は緑谷出久。ボクの兄にだ。ボクがこの家に来た時、恥ずかしくてそっけない態度を取っちゃっても、明るく接してくれて、今では大好きな家族だ。まぁ、ベットに潜り込んで抱きついて眠るくらいには大好き   

 (あとで引子さんに聞いたけど、尻尾をもふもふしたくて仲良くなりたかったんだって。まぁ、悪い気はしないよ?むしろちょっと嬉しかった。)

 

 「ゆずもいい加減に自分の部屋で寝なよ……もう良い年なんだからさぁ…」

 「なら寝るときに追い出せば良いじゃん」

 「抱きついて寝るから追い出そうにも出来ないんだよ!」

 

 声を若干荒げながら反論してくるいずにぃ

 でもボク知ってるんだよ?ボクが抱きついてから暫くするとこっそり尻尾触ってるの。最初はびっくりしたけど、優しく撫でてくれて気持ちいいから見逃してるのに。まぁいずにぃは気づかれてないって思ってるから黙ってるんだけどね。

 

 「ハイハイ、とりあえずおきよ?学校遅れるよ?」

 

 ベットから尻尾を揺らしつつ降りながらそう言うと「どの口が……」と言っていたが気にしない気にしない気にしない♪

 

 「ボク着替えて来るからいずにぃも早くね?」

 「もう………」 

 

 そう言いながらいずにぃの部屋を出て自分の部屋へ戻り、ダボダボでユルユルなパジャマを脱いでロッカーから制服を出し着替えはじめる。

 

 「………もうちょっと育ってくれてもなぁ………はぁ……」

 

 自分の《慎ましやかな》胸を見て、愚痴をこぼしながら制服に着替え終わり、鏡の前でくるりと回りながら自分の姿を確認していく。

 む、尻尾がちょっとボサボサだな………ブラシ掛けしないとな。あ、いずにぃにも手伝って貰お♪

 そう思い、鼻歌を歌いながらリビングへ向かう。そこでは引子さんが朝食を用意してくれていた。

 

 「おはよ、引子さん。」

 「あら、おはよ!ゆず」

 

 引子さんに挨拶をし、テーブルに用意されていた朝食を食べはじめる。暫くするといずにぃも制服に着替えてやってきて、引子さんに挨拶をし、同じく朝食を食べはじめる。

 あ、いずにぃに今のうちに言って置かないとな。

 

 「ふぃずぃ?」

 「飲み込んでから喋りなって」

 「モグモグ…ンクッいずにぃ、準備終わったらブラシ掛け手伝ってくれない?」

 

 そう言いながら九本の尻尾をいずにぃに見えるようにフリフリと振って見せる。いずにぃはボクの尻尾を見てから

 

 「わかった。なら早く食べないとね」

 「せんきゅーぶらざー」

 

 ボクがおどけながら返事をすると「はいはい」と流された。

そして朝食を食べ終わり、他の身支度を済ませてからブラシを二つ用意し、片方をいずにぃに渡していずにぃに尻尾を向けてソファーに座る。

 相変わらず上手だなぁ………優しくやってくれるから気持ちいいなぁ……

 そう思いながら自分ももうひとつのブラシを使い尻尾を整えていく。九本の尻尾を整えるのは中々に大変だが、幼い頃からやってくれていたお陰でさほど時間はかからなかった。暫くしていずにぃが「おわったよ」と言ったので尻尾でいずにぃの頬を撫でるようにし、

 

 「ありがと、いずにぃ」

 

 と、お礼を言うと、いずにぃは「どういたしまして」といい、時計を確認すると、

 

 「げ!ゆず急ぐよ!あんまり時間ない!」

 「え、本当じゃん!急ご!引子さん!「いってきます!」」

 「いってらっしゃい!気を付けてね!」

 

 バタバタと、家を出て二人一緒に駆け足で学校へ向かう。学校についたのは予鈴がなるギリギリのことだった。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 「えぇ~…、お前らも三年と言うことで、本格的に将来を考えていく時期だ。今から進路希望のプリントを配るが………だいたいヒーロー科志望だよネ?」

 

 「「「「「「「「「は~~い!!」」」」」」」

 

 先生が確認を取るように言うとクラスの皆は自分達の個性を発動させながら大きな声で返事をした。

 うるさい……こういう時は自分の個性が嫌になるな………普通の人よりよく聞こえちゃうし………うるさいのは嫌いだ………耳が凄いキンキンする………

 そう思いながらペチャッと狐耳を倒して少しでも騒音を防ごうとしていると一人、声をあげて先生に反論するのがいた。

 

 「センセー!皆とか一緒くたにすんなよ。俺ァ仲良く底辺なんざ行かねぇよっ!」

 

爆豪勝己、いずにぃの幼なじみだ。普段からいわゆる俺様系でわがままな奴だ。いずにぃはかっちゃんと呼んでいるので僕もそうよんでいる。

 クラス全員を馬鹿にしたかっちゃんに対してクラスからは

 

 「そりゃぁねぇよ勝己!」

 「そうだそうだ!」

 

 と、ブーイングが上がり始めたがら「モブがモブらしくうっせぇ!!」とさらに馬鹿にして流していた。すると先生が

 

 「あ~、爆豪は確か雄英高校だったな」

 「雄英って国立の!?」

 「偏差値79だぞ!?」

 「倍率も毎度やべぇって話だろ!?」

 

 と、更にざわつく。うるさい。そう思いながらいずにぃの方をちらっと見てみると、机に顔を伏せていた。

 いずにぃも雄英志望だもんね……まぁ僕もなんだけどさ。こんな騒がしい中注目集めたく無いもんね………ボクも伏せてようかな?

 そんなことを思っているとかっちゃんが「その騒がしさがモブたる由縁だ……」と言い、机の上に乗った。

 

 「模試じゃA判定!俺は唯一の雄英圏内!あのオールマイトをも超えて!俺はトップヒーローになり!必ずや!高額納税者ランキングに名を刻むのだ!!」

 

 お、おう、頑張ってね。でもその前にその人格と言葉遣いと顔を直そうね。

 そんなことを思っていると担任が「確か、緑谷兄妹も雄英志望だったな」と、爆弾発言をした。いや、何で今言うのさ。そう思っているとクラスの皆がいずにぃを見て笑い出した。

 あぁ………またか………本当にうるさい………そしてイライラする………また皆していずにぃを馬鹿にして………

 

 「緑谷は無理ッしょW」

 「楪はともかくお前には無理だって!」

 「勉強だけじゃ雄英に受かるわけねぇじゃん!」

  

 いずにぃを馬鹿にされ、ボクは怒っていた。もう限界だと立ち上がろうとすると先にいずにぃが立ち上がった。

 

 「そ、そんな規定はもうないよ!た、ただ、前例が無いってだけで…」

 「オラァ!!」

 「ッ!」

 

 いずにぃが弁解をしているとかっちゃんが個性を使っていずにぃに向かっていた。ボクはとっさに尻尾に妖力を込めて硬質化させ、いずにぃとかっちゃん間に入り、尻尾でかっちゃんの個性:爆破をガードする。

 

 「いきなりなにしてんのさかっちゃん!危ないでしょ!」

 「邪魔だどけェ!!女狐がぁ!!」

 「俺ァそこのデクに用がアンだよぉ!!」

 「あ、こらぁ!!」

 

 そう言いながらかっちゃんはボクを押し退けていずにぃに詰め寄っていく。

 

 「こらぁ!!デク!ボツ個性どころか《無個性》のてめぇが!なに俺と同じ土俵にたてるんだぁ!?アァン!?」

 「ち、違うよかっちゃん!別に張り合おうとか別に全然……本当だよ!?た、ただ、昔からの夢なんだ……それに、その、やってみないとやってみないと解んないし……」

 「なァにがやってみないとわからないだぁ!?記念受験か!?」

 「てめぇが何をやれるんだ!?無個性のくせによぉ!!」

 

 そう、いずにぃは無個性だ。誰よりもヒーローに憧れ、小さい頃からヒーローになりたいと言ってきたいずにぃだけど、現実は無慈悲だった。何で神様はいずにぃに個性をくれなかったの?

 

 「うるさい!」

 

 気づいたら声を出していた

 

 「無個性だからってヒーローになれないの!?」

 

 いずにぃを馬鹿にするのもいい加減にして

 

 「無個性だからって馬鹿にする奴よりも!」

 

 いずにぃはボクの大事な家族だ

 

 いずにぃは良いヒーローになれるよ!~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

  学校が終わり、用事を済ませ、教室に戻るとかっちゃんがちょうど教室を出て行くところだった。教室へ戻ると、いずにぃが暗い顔をしていた。見ると、いずにぃがいつも持っているはずの《将来のためのヒーローノート》がなかった。

 

 「…………ノート、どうしたの?」

 「…………」

 「…………はぁ、かっちゃんか………」

 「……ごめんゆず…今日は先に帰ってて……ね?」

 「………わかった。早く帰ってきてよ?」

 「うん、わかってるよ。じゃあね」

 

 そう言っていずにぃは一人で教室を出ていった。

 

 「先に帰ってって言われても…そんな暗い顔してたらほっとけないよ……いずにぃ………」

  

 こっそりいずにぃのあとをつけていると、外鯉のため池から何かを拾い上げた。それはいずにぃのヒーローノートだったが黒い煤をつけて所々焦げてしまっている。

 

 「やっぱりかっちゃんか……」

 「………神様………何でいずにぃなの………?」

 

 いずにぃは幼稚園のころからヒーローを尊敬し、自分もなりたいと思っていたそうだ。幼稚から帰ってかてはオールマイトのフィギュアを片手に引子さんにパソコンでオールマイトの救助活動の動画を見たいとせがんでいたらしい。それをとてもキラキラとした目で見ていた。よく、

 「僕も個性が出たら、こんな風になりたい!」

と、言っていたのに………いずにぃには個性が発言せず、検査をした結果、無個性だとわかったのだ。

 

 

 

 引子さんに聞いた話を思い返しながらいずにぃのあとをつけて、トンネルに差しかかった当たりで急に立ち止まった。どうしたんだろ?なにかあったのかな……?そう思ったが今度は小さくガッツポーズをして

 

 「ハ~ハッハッハッハッ!

 「えぇ……??」

 「!?だれ!? ゆず!?何でいるの!?」

 

 急に笑い出したので思わず困惑して声を出してしまい、バレてしまった。驚いた顔も面白くて好きだなと思いながらいずにぃに

 

 「や、ヤッホー?」

 

 と、へんてこな挨拶をした。

 

 「何でいるの!?先に帰ってって言ったじゃないか!」

 

 ん?顔が少し赤いな……あ、もしかして笑ってるのを見られて恥ずかしくなったのかな?

 

 「だ、だってあんな暗い顔してるんだもん……ほっとけないよ……」

 「……心配してくれてありがとう。もう、大丈夫だよ」

 「うん、そうみたいだね。あんなに笑えてたんだしニヤニヤ」

 「み、見てたの!?」

 「バッチリと♪」

 「はずかしぃ…………///」

 「………うん?なんのおと?………ッ!!いずにぃ!!」

 

 そんな茶番をしていると後ろから変な男が聞こえ、振り返ってみると、大きなヘドロが蠢いていた。ボクはとっさにいずにぃを突飛ばしてヘドロから距離を取らせる。

 

 「いったいなぁ!って………ヴ、ヴィラン!!」

 「Sサイズの隠れ蓑………」グワッ!

 「いずにぃ!逃げて!」

 

 ボクは再びいずにぃを突飛ばし、ヘドロから離すが、ボクがヴィランに捕まってしまった。

 

 「うッ!!………ウッお………え………」

 「ゆず!!!」

 

 ヘドロに捕まり、からだの自由を奪われ、口にヘドロを流し込まれる。

 (い、息が出来ない………!!苦しい!気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い)

 

 「大丈夫!体を乗っとるだけさァ!落ち着いてェ?苦しいのは約四十五秒!すぐに楽になるさ!」

 

 楪は何とか呼吸をしようと抵抗するが

 (いッ息が!!掴めない!?)

 

 「掴めるわけないだろう?流動的なんだから!助かるねぇ君は俺のヒーローだ!」

 

 (い……意識が……うすれて………ちから………はいらない………!し………しぬ………の?や………やだぁ………!いずにぃたすけて………!!)

 

 ボスッ!! 

 

 「あぁ?なんだぁ?」

 「ゆずを離せ!」

 

 いずにぃが自分のバックを投げつけてボクを助けようと必死でヘドロを掻き分けようとしていた。

 

 「だからァ!掴めないって!流動的なんだからさぁ!!」

 「うぁ!?」

 

 いずにぃが吹き飛ばされトンネルの壁に叩きつけられ気を失った。その時、

 

 

        もう大丈夫だ少年少女、

 

 

          私が来た!

 

 

 

 「テキサススマッシュ!!!」

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 「い……にぃ………いずにぃ!」

 「HEY!HEY!HEY!」ペチペチペチ

 「いずにぃ起きてってば!!」

 「へぁ!?」

 「やっと起きた………心配しちゃったよ………」

 「ゆ、ゆず!?何で!?大丈夫!?さっきのヴィランは!?」

 

 起きるなり騒ぎはじめるいずにぃ。うるさい………それより目の前の人に気づかないのかな………

 

 「ボクは大丈夫だよ。ヒーローが助けにきてくれたんだ。」

 「ひ、ヒーローが?お礼を言わなきゃ!どこに!?………!!?!?」

 「ハッハッハッハ!よかったよかった!」

 「ほわぁぁぁぁ!?????」

 「いずにぃうっさい!!!」

 

 急な裏声絶叫に思わず声をあらげてしまった。

 

 「お、オオオオオオ、オールマイト!??!?」

 「元気そうに何よりだ!いやぁ~悪かった!ヴィラン退治に巻き込んでしまった。いつもはこんなミスはしないんだが、ボクとしたことが慣れない土地で浮かれちゃったのかなぁ!?あっはっはっはっはつ!」 

 

 いずにぃもオールマイトも何でこんなにテンション高いの………耳キンキンする………

 

 「でもありがとう!君たちのお陰だ!無事つめられた!」キュピーン!

 

 凄い自慢げにコーラのペットボトルに詰められたヘドロをみせてくる。いやどうやって詰めたの?掴めないのをどうやって詰めたの?

 

 「お、オールマイト!本物だ!!画風が全然違う!!」 

 「…………….はぁ………ほらいずにぃ、サイン貰わなくて良いの?」

 「ハッそうだったサイン貰わなきゃ!サインサイン……どっかに………あっ!!あのノートに!!」 

 

 そういって煤だらけのヒーローノートにサインを!と、ノートを開いてみると、デカデカとALLMIGHTと書かれていた。いや、そのまんまなのね………

 

 「してあるぅぅぅ!?」

 

 既にサインをしてあったことに器用に驚きながら感動しているいずにぃはあかべこよりも早く「ありがとうございます!!」と何度も頭を下げていた。

 

 「じゃ、私はこいつを警察に届けるので、液晶越しにまた会おう!

 「え、そんな!まだ聞きたいことが……!」

 

 ん?まだあるの?でもオールマイト話聞いてなさそうだし………もう大ジャンプしようとしてるんだけど………え?もしかして捕まっていくつもり?え?え?え?てか起きてからボクのこと忘れかけてない?あんまり心配してくれてないような気がするんだけど……(ハイライトオフ)

 

 「それでは応援よろしくぅ!!」

   バビュン!!

 

 

 

 

 

 

 「て、」

 「くぁwせdrftgyふじこlp」

 「こらこらこらこらぁ!!離しなさい!熱狂が過ぎるぞ!狐少女も!冷静におんぶの体制に入ってるんじゃない!」

 

 いずにぃが急にジャンプしようとするオールマイトの足にしがみついたのでボクも置いていかれる訳には行かないので、オールマイトの背中にしがみついていた。

 というかいずにぃの顔がすごい。風圧で目蓋と唇が目くれ上がってクリーチャーになってる。

 

 「ほら!早く降りなさい!

 

 え?降りろと?こんなに高さで?死ぬよ!!

 

 「今降りたらしんじゃう!!」

 「た、確かに……」

 「ぼぼぼ僕!あああああなたにちょちょちょちょ直接いいいいいいい言いたいことがぁぁぁ!!」

 

 ごめんその顔で喋らないで………!風圧のせいでなに言ってるかわからないし。

 

 「OKOK!口とじなぁ!!」

 

 いずにぃはオールマイトに言われてようやっと顔をしたに下げた。

 

 「まったく……狐少女もそんなに冷静なら少年をとめてくれ!」

 「ボクにはいずにぃをとめることなんて出来ません!」

 「自信満々に言わないでくれ……フム……」キョロo(・ω・= ・ω・)oキョ  

 

 どこに着地をしようかと言わんばかりにキョロキョロし始めるオールマイト。そのときオールマイトの口から血のようなものが垂れた。

 「sit!」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

  どうにかビルの屋上に着地したあと、いずにぃの顔をみたら死にかけのゾンビのような顔をしていた。

 

 「ブッあはははは!なんて顔してるのいずにぃ!!うひひひひひひ!だめ!おなかいたいぃぃぃ!!」

 「コヒューコヒュー………」

 「あひははひははふ!」

 「狐少女は何でそんなに平気なんだい………とりあえず!ビルの人に話せば下ろしてくれるだろう!じゃ!」

 

 そう言って再び去ろうとするオールマイトをいずにぃは必死に止める。でもはっきりと「no!待たない!」って言われて動きが止まる。

 時間が無いのはわかるけど無慈悲過ぎないかオールマイト……

 

 「個性は無くても!ヒーローはできますか!?」

 

 いずにぃの問いかけにピタリと動きがまる。

 

 「個性が無い人間にも、貴方みたいになれますか!!」

 

 オールマイトがゆっくりと振り返り、いずにぃを横目でみる。

 

 「個性が………?ウグッ!?」

 「え?」

 

 急に苦しんだと思ったらオールマイトから大量の煙がで出来た。

 え、いや、何でいずにぃは普通にしゃべってんの?気づいてないの?

 

 「恐れ知らずの笑顔で助けてくれる。貴方みたいな最高のヒーローに、僕も!……!?」

 

 煙が晴れたと思ったらオールマイトの代わりにヒョロガリの骸骨が出てきた。……何で?もしかしてオールマイトしぼんだ?あの筋肉風船なの?

 

 「nooooooooo!?」

 「いずにぃ、ボクも驚いてるけど横で騒がないで、うるさい」

 

 「だから何で狐少女は冷静なんだ………」

 

 

 

 

 

 

  「うわぁぁぁぉぁぁ!?し、しぼんでるぅ!?な、なんで?さっきまで!え!?偽物!?ほっそぉぉぉ!?」

  「失礼な……私はオールマイtゴポォ……」

 「うわぁぁぁあ!?吐血したぁぁぁ!?」

 

 ……もう突っ込まなくて良いかな……いずにぃ表現に忙しそうだし………

 

 「見られた次いでだ少年少女、間違ってもネットに書き込まないように」

 

 そう言いながらオールマイトは座り込み、ダボダボのシャツをめくり、脇腹の痛々しい傷痕をみせてきた。それから色々な話をされた。  

 一つはオールマイトには活動限界があること、

 一つはあの笑顔はヒーローの重圧、そして、内にわく恐怖から自分を欺くためということ。

 最後に、「プロはいつだって命懸けさ。ちからが無くとも成り立つとは口に出来ない」

  

 そのときのいずにぃの顔は見てられなかったとてもショックを受けて、また暗い顔をしてしまっていた………そのとき、遠くで爆発が起きた。それにいずにぃは反応して、「どのヒーローが現場に!」と駆け出したが、さっきの言葉を思い出したのか、とぼとぼと歩き初めてしまった。

 

 それから再び一人にしてほしいと言われた。流石にまた後をつけるのは悪いと思い、ボクは帰り道で待つことにした。

 

 「帰り道で待っているくらいは良いよね……?」

 

 そう思いながら帰り道で待っているといつの間にか夕焼けになってしまっていた。

 

 「いずにぃまだかな………あっ!」

 

 いずにぃとかっちゃんの声が聞こえた。最後にかっちゃんが

 

 「クソナードがッ!!」

 

 と、悪態をついて帰っていった。

 何があったんだろう………心なしかいずにぃもスッキリした顔になってるし………後で話を聞いてみようかな………

 そう思っているとオールマイトが飛び出してきていずにぃに話しかけていた。

 

 「よく聞こえないな………仕方ない………」

 

 妖力を耳に込めて聴力を強化する。すると聞こえてきたのは

 

 「ち、力を受け継ぐ?」

 「はーハッハッハッ!何て顔をしてるんだ?提案だよ本番はここからさ。良いかい?少年。私の力を君が受け取ってみないかという話さ!!」

 「えぇ………?」

 

 いずにぃがオールマイトの力を受け継ぐ?どうやって?

 

 「私の力は聖火のごとく受け継がれてきた力なんだ!!」

 「力を受け継ぐ……?そんなの聞いたこともブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ………いや、ゆずも確か……」

 「君はとりあえず否定から入るな………ナンセンスだ!!

 「な!?」

 「私は隠しはするが嘘はつかん!力を譲渡する力を!冠された名は   ワンフォーオール」

 「ワンフォーオール……?」 

 

 ボクは力の譲渡と聞いて、おとうさんとおかぁさんを思い出していた。まさか受け継がれてきた個性があるなんて………「あの場の誰よりもヒーローだった!」あ、そういえばまだ話聞いてる途中だったね。

 

 「よろしく、お願いします!!」

 

 話終わったみたいだね。詳しいことは聞こえなかったけど、つまり、

 「いずにぃがオールマイトから個性を受け継ぐってこと………?それってつまり…………いずにぃがヒーローになれる………てこと………?」

 

 声に出してやっも理解ができ、ふつふつと嬉しさが沸き上がってきて、思わずいずにぃの方に走り出していた。すると、

 

 「ゆ、ゆず!なんでここにいるの!?」

 「Watts!?!?き、狐少女!いつからそこに!?」

 「さいしょから!」

 「な!?」

 「そんなことよりいずにぃ!!」

 「な、何!?」

 「一緒に、ヒーローになろ!!絶対に!!」

 「!!!うん!」

 

 

 そうして、いずにぃはオールマイトの弟子になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ところで狐少女…………最初というのはどの当たりから……?」

 「力を受け継がないかってところからです。」

 「oh ………誰にも言わないでくれよ?」

 「て言うか住宅街で話すことじゃないですよね?

 「……………ごもっともです…………」

 

      勝った!

 

 

 

 

 

 

 

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