狐は守り続けたい   作:メヴィ

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 主人公の説明に抜けている説明があったので、加筆しておきましたスイマヘン


今回から楪はコスチュームを来ていることになりますが、コスチュームのイメージとしては パニシンググレイレイヴン の21号というキャラクターの衣装となっています。私自身が絵を描けたら………くそう………画力がほしい………


個性把握テスト

楪と出久が家を出て雄英へ向かっていると出久は楪に唐突に話しかけた。

 

 「ゆずは最近凄い忙しそうにしてたけど、何をしてたの?新居に着いてからあんまり家に居なかったし、帰ってきたと思ったら直ぐに寝ちゃってたし、何かあったの?」

 あれ、言ってなかったっけ?何も聞いて来ないから知ってるもんだと思ってたんだけどな。

 「言ってなかったっけ?一応雄英の職員になるから教育免許とかの試験を受けるために勉強とか試験とかで雄英の先生達にしごかれてたんだ」

 ヒーローの仮免許に関してはクラスでの自己紹介の時に言えって校長に言われてるからまだ秘密だけどね。それに、リカバリーガールの後継者ってこともあって異例中の異例だっていってたしね。

 「そ、そっか、凄いねゆずは………僕もオールマイトみたいになれるように頑張らなくちゃね!!」

 

そう言いながら軽くガッツポーズをする出久。そんな話をしているうちに雄英に着いていた。

 

 「じゃ、ボクは職員玄関からだから、あと、学校にいる間はちゃんと <楪先生>って呼ぶんだよ?言いね?」

 「わ、わかったよ」

 「よろしい!じゃまたあとでね!出久君!」

 

先生と呼ぶようにと言われ、出久は若干複雑そうにしながらも納得し、手を振りながら楪と別れた。

 

 「まずは、リカバリーガールのとこに行けば良いんだったかな?」

 

職員玄関で靴を履き替え、まずは自分の師匠兼上司であるリカバリーガールのところへ向かった。

 

 「おはようございます!楪、ただいま出勤しました!」

 「おや、おはようさん。さっそくだがこれに着替えて貰うよ」

 「え?」

 

そういって手渡されたのはアタッシュケースだった。

 

 「これって何ですか?」

 「校長から聞いてないかい?あんたは今日から雄英の職員になるんだ。それもあたしのサイドキックとしてね。雄英にいる間はヒーローコスチュームを来て行動して貰うよ」

 「えぇ………聞いてないですよ……」

 「ちゃっちゃと向こう着替えな、ほら、カーテンの奥さね」

 「はい……」

 聞いてないよぉ………まぁ学校に来るときは私服で良いって言われたから不思議だと思っていたけど、こういう事かぁ………

 

予想外のことに驚きつつアタッシュケースを開け、コスチュームに着替えていく。

 楪のコスチュームは腕の部分は上半身の服とは分離しており、自身の手がすっかり隠れてしまうほど長くなっている。これはディメンションを使う際にヴィランに見られないように、と楪が考えた構造だ。服の部分はワンピースの様になっているが、中には衝撃を緩和してくれるプロテクターや、強い衝撃を受けた場合にのみ硬く固まり、音をたてながら崩れる様になっている。下半身は白いスパッツとニーソックスのみという心もとないように見えるが、楪自身の身体能力を活かすための作りになっている。全体的に見ると白いワンピースを着ているように見える。

 

コスチュームに着替え終わり、カーテンを開け、リカバリーガールにコスチュームを見せる。

 

 「着替え終わりました。リカバリーガール。変なところはありますか?」

 「おやまぁ、かわいらしいコスチュームだねぇ…しっかりと似合っているよ」

 か、可愛いって言われるの嬉しいけど恥ずかしいな……///

 

リカバリーガールに可愛いと誉められて恥ずかしがっていると、

 

 「ほら、もうすぐ入学式が始まるから職員室に相澤先生を迎えに言っとくれどうせまだ寝袋に入って移動しようとしているからね」

 「ははは……あい変わらずですね相澤先生は、わかりました。では失礼します」

 

楪は教員免許、ヒーロー仮免許を取得する際に相澤に教育をして貰い面識があった。相澤は最初こそ「七光りが」と言っていたが、楪と接しているうちに実力や真剣な姿勢が気に入られ、軽口を言う位には仲良くなっていた。初対面の時から寝袋に入っていたため、楪は相澤が寝袋に入っているのがデフォルトだと思っている。

 

 

 

 

 

そして職員室に行くと相澤先生が寝袋に入ったまま転がっていた。

 

 「おはようございます。相澤先生」

 「あぁ、おはよう楪、さっそくで悪いがこの体操着を収納して俺を1_Aまで運んでくれ」

 「えぇ………人使い荒くないですか……それに今から入学式とガイダンスじゃないんですか?」

 「そんな非合理的な事をしている暇は無い。ほら、台車はそっちの隅にあるだろ、早くしてくれ時間は有限だ」

 「わかりましたよ……」

 

体操着を収納し終わり相澤を台車の上に載せ教室へ向かっていく。教室の前では数人の生徒がまだ屯っていた。それを見た相澤は小さくため息をつきながら

 

 「楪、早くしてくれ」

 「はいはい……」

 

相澤は楪を急かし、屯っていた生徒の後ろに着くと急に喋り始めた。

 

 「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け、ここはヒーロー科だぞヂュッ」

 

 そう言いながら寝袋の中から取り出したチャージゼリーを一瞬で飲み干した。

急に現れた相澤にクラス全員が「何かいる!?」というような驚いた表情をしていた。この時、相澤のインパクトが大きすぎたのか楪に気づいている生徒は誰も居なかった。

 あれ?いずにぃだったのか。あ、この茶髪マッシュの子はいずにぃ助けてくれた人だね

 

 「はい、静かになるまでに八秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠けるね」

 

そう言いながら流れるように寝袋を脱ぎ、飲み終わったゼリーの空を楪に渡してきた。

 

 ボクは先生の付き人じゃないんだけどなぁ……

 

そう楪は思ったが素直にゴミを受け取り、ついでに寝袋も収納していく。

 

 「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 「!?ザワザワ……」

 まぁ、こんな不審者みたいな人先生には見えないよね……まぁ僕も副担任だなんて言われないとわからないだろうけど……てゆうか皆ボクに気づいてないよね?目の前にいるいずにぃ達ですら気づいてないっぽいし、ボクも自己紹介しといた方良いよね

 

そう思い、自身も自己紹介のをすることを決めた

 

 「人に運んどいて貰って合理性を語らないで下さい。皆さん初めまして!副担任の緑谷楪です!よろしくね~!」

 

相澤に小言を言いながら自己紹介を済ませると更にザワザワと教室が騒がしくなった

 

 「うっそ!あんなにちいせぇのに副担任かよ!」

 「尻尾もふもふした~い!めっちゃ可愛い!」

 「緑谷ってもしかして……」

 「ゆ、ゆず!?もしかして僕のクラスの副担任になったの!?」

 

楪の姿を見て皆思ったことを口にし始めていると再び相澤が口を開いた

 

 「俺は睡眠を取れて移動でき、合理的だろう。それにさっきも言ったが時間は有限だ。さっそくだが着替えてグラウンドに集合しろ。以上だ。着替えは楪から受けとれ」

 

そう言いながら相澤は一人で去っていってしまった。一人残された楪は生徒に詰め寄られ質問責めにされていた。

 

 「ねね!先生って何歳!?」

 「その格好どうしたの?スッゴク似合ってて可愛いよ!!」

 「楪先生!緑谷君と同じ名字ということは緑谷君の親族でしょうか!!」

 「おいこら女狐!なんでてめぇがセンコーなんざになってるんだ!?あぁん!?」

 

 「ボクは聖徳太子じゃないんだから一人ずつ喋ってよ!」

 

楪がそう声を出しながら生徒の波から逃れ、出久の後ろへと隠れてしまった。そして聞こえていた質問に答え始めようとするといつぞやのポンデリング少年が

 

 「ロリボクッ娘属性……イイ」

 「ロリっていうなポンデリング!」

 「聞こえてるのかよ!地獄耳じゃねぇか!」

 「ハァ……とりあえず質問に答えるよ?ボクは皆と同じ年だよ。そしていずにぃの妹で、リカバリーガールの後継者なんだ。あ、ちゃんと教員免許持ってるよ。あ、ボクのことは好きに呼んで良いよ」

 

そう言いながら近くにいた飯田に免許証を渡して皆に回して見て貰うことにした。

 

 「俺たちと同じ年なのに本当に先生なんだな!すっげぇ!俺は切島鋭児郎ってんだ!よろしくな!ゆず先生!」

 「よろしくね切島君、皆と挨拶したいけど相澤先生に言われてるから他の皆はまた後で自己紹介しようね!はい!出席番号一番の人から受け取っとね!」

 

そう言いながら隠れている右手にディメンションを展開させ、もう片方の手で体操着を引っ張りだす。楪の個性を知らない生徒からしたら自分の袖に手をいれたと思ったら体操着が何着も出てきているように見えたからか、

 

 「すげぇ!マジックかよ!」

 「ゆずちゃん先生すごーい!」

 「先生の個性は何なのかしら?ケロ」

 「はい、質問はあとでね~」

 

そして黙々と体操着を配り終え、更衣室に向かうように指示をする

 

 「女子更衣室にはボクも一緒に行くからついてきてね」

 「「「は~い!」」」

 皆元気だなぁ……まぁ、元気なのは良いことだけどね。とりあえずiPad取り出して……と、皆の名前を確認しておこうかな

 

そう思い袖のディメンションからiPadを取り出し名前の確認をしていると直ぐ後ろを歩いていた八百万百から質問された

 

 「あの、楪先生はわたくし達と同じ年齢なんですよね?なぜその年齢で教職につく事が出来たんですか?」

 「君は……八百万百さんだね、ボクはね、リカバリーガールの後継者になんだ」

 「リカバリーガールの!?」

 「うん。ボクの個性はちょっと複雑でね?傷を治したり出来るんだ。それでリカバリーガールに目をつれられて、リカバリーガールの後継者として、サイドキックとして、雄英に就職しないかって言われてね」

 「なるほど………先生さ見たところ異形系の個性かと思っていたのですが、治療が出切るんですね。他にはあるのですか?」

 「他には………と、更衣室に着いたね、また後で教えてあげるから皆早く着替えて着てね!」

 「「「「はーい!」」」」

 

そして着替え終わり、グラウンドへ向かうとそこでは相澤が待っていた。

 

 「「「個性把握テストォ??」」」

 入学初日からテストかぁ………皆も大変だな………

 「入学式は!?ガイダンスは??」

 「ヒーローになるんならそんな行事出る時間無いよー雄英は自由な校風が売り文句、お前らも中学の時やったろ?個性禁止の体力テスト、おい爆豪、中学のボール投げ、何メートルだった?」

 「………六十七メートル」

 かっちゃん結構飛ばしてたしなぁ、性格以外は無駄にスペック高いからね

 「じゃ、個性使って投げてみろ。円から出なきゃなにしてもいい。楪、記録頼む」

 「了解です」

 

 相澤先生にボールを渡され、かっちゃんが円の中に入る。何気に個性を使った測定はみたこと無いから、ボクもどんな記録が出るのか楽しみだな。そして

 

 「ほんじゃまぁ……死ねぇ!!」

 「まずは自分の最大限を知ろう。それがヒーローを形成する合理的手段だ」

 凄い威力だけど、し、死ね?それ掛け声としてはどうなのな……… 

あ、記録出たね

 「七百五メートル!」

 

 ボクが記録を読み上げると、皆は歓声をあげて「まじかよ…」とか、「個性思いっきり使えんだ!さすが雄英ヒーロー科!」とか聞こえてきて、最後に「おもしろそう!」って言葉を聞いて相澤先生がにやぁっと、悪い顔になった。目付き悪いし目赤いからヴィランみたいだね。

 

 「ヒーローになる為の三年間、そんな腹積もりで過ごすつもりか?よし………トータル成績再開は見込み無しと判断し、除籍処分としよう……!」

 

 えぇ………初日から除籍は………あ、でも相澤先生前にのクラス丸々除籍にしてる………いずにぃ……頑張ってね…!!あ、いずにぃもヤバいって顔してる。ちょっと面白いかも

 

 「楪も記録取って貰うからな。もしお前が最下位だったら副担任から降りて貰うニヤニヤ」

 

 「ヴェ!?」

 この鬼畜!!!!

 

 「除籍って、まだ入学初日ですよ!?初日じゃなくても理不尽過ぎる!」

 「自然災害、大事故、身勝手なヴィラン達、日本は理不尽で溢れている。ピンチをひっくり返していくのがヒーローだ。放課後マックで談笑したいたいならおあいにく、これから三年間全力で君たちに苦難を与え続ける。さらに向こうへ、Plus Ultraだ」

 

 確かにそうだけど洗礼にしては重すぎないかな………それにボクを副担任から外すってことは………いずにぃと……ハイライトオフ

  本気でやるか

 

 

 

 「楪は一番最後に記録を取る。それまではこいつらの記録をしてやってくれ」

 「………わかりました」

 ボクは最後か………なら、もし器具を壊しちゃっても大丈夫だよね?なら限界まで妖力で強化して……うん、イケるね

 

一種目目 五十メートル走

 一番目は飯田君か、足にエンジンついてるし、まぁ早いよねでも五十メートルだとトップスピードに入りきれて無さそうだね

 3秒04っと

 

 一緒に走……いや飛んでたね。たしか個性は………蛙か、なるほど、

 5秒58っと

 

 えっとあの金髪は…青山君か、おぉ、レーザーの反動で飛んでったのか、凄い発想だね

 5秒51っと

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「よし、とりあえず五十メートル走は終わったな。じゃ楪お前の番だ」

 やっとボクの番だね……目標は飯田君の3秒台………

 「はい、楪行きます」

 妖力を足に貯めて………「イチニツイテ、ヨーイ、ドン」

 「フッ!!!」

 ガゴンッ!!!

 「ピッ2秒46」

 「おいおいマジかよ!」

 「どこからあんなスピード出せるんだよ!」

 「スターディングブロックがぶっ飛んじまってるじゃねぇか………おい緑谷、お前の妹なにもんだよ?」

 

 ちょっとやり過ぎちゃったかな?でも目標の飯田君の記録は越えられたからいっか、まだ一種目だしね。この調子で頑張っていこう!

 

 「楪、次器具壊したら失格で最下位な」

 …………やっぱり壊すのは不味かったみたいだね……反省はするけど後悔はしないよ!ドヤァ

 

 二種目目 握力

 「すげー!540㎏ってあんたゴリラ!?」

 「タコってエロいよね……」

 なにいってるんだあのポンデリングは、絶対頭の中え、エッチなことばっかりなんだ…!!!ていうか……八百万さん?それ万力だよね?それ握力測定………個性で出したものだから良いのかな?

 

 楪 777kg

 

 「ラッキーセブンかよ……」

 「あっちがゴリラだったな」

 うっさいよ!

 

 

 三種目目 立ち幅跳び

 青山君、かっちゃん、蛙吹さんがずば抜けてるね。

 

 楪 26m

 

 

 四種目目 反復横飛び

 変態ポンデリングが左右に自分の頭から取ったポンデリングを地面にくっつけて自分をバウンドさせて凄い記録を出してた。でもあの格好でバウンドし続けるってかなり体幹と足の筋肉なきゃ無理だよね?

 

 楪65回

 

 「何か普通だったな」

 「何なら低いしな」

 「背ちっちゃいから一回が大変なんだよ!」

 「ごめんて……」

 

 語種目目 ボール投げ

 八百万さんは……….うん…大砲かぁ……うわぁスッゴい飛んでる~

 あの麗日さんは無限だしたし…よくわかんなくなっちゃったなぁ

 

 「おい楪」

 「?何ですか?」

 「今回は緑谷の前にお前がやれ」

 「え、何でですか?」

 「見ればわかる」

 「わ、わかりました?」

 何でだろう………でもいずにぃ今まで結果出せてないからなぁ……いずにぃが除籍になったらどうしよう……ううん、あんだけ頑張ってたんだ。ボクがいずにぃを信じてあげなくちゃ!

 「じゃあ行きます!」

 「フンッらぁぁぁぁあ!!」

 

 楪 1683m

 

 「一キロ越えやがったよ………バケモンだろ…」

 「糞がッ!!」

 

 いずにぃ、がんばってね

 

 「……緑谷君、このままでは不味いな」

 「アァン?たりめーだろ!無個性の雑魚だそ!」

 「な、無個性!?彼が入試の時何をしたのか聞いていないのか?」

 「ハァ?」

 

出久の番になり、円の中に立つ。しばらくボールを見つめたあと意を決したようにボールを投げるが……

 出久 46m

 「いずにぃ…?」

 「な、何で!確かに今使おうって!」

 確かにワンフォーオールの光が見えたはずなんだけど……っ!もしかして相澤先生が?

 

 「個性を消した」

 

相澤を見ると髪が逆立ち、目が赤く光っていた。その真っ赤な目は出久をしっかりと見つめていた。

 

 「つくづくあの入試は合理性に欠けるよ。お前のようなやつでも入学できてしまう」

 

 「個性を消した……?ハッあのゴーグルは!そうか!見ただけで個性を消すヒーロー!抹消ヒーロー!イレイザーヘッド!」

 「イレイザー?」

 「俺知らない」

 「聞いたことあるわ、アングラ系ヒーローよ」

 見ただけで個性を消す……か、個性社会の現代じゃ強力だね……あとオールマイト、なんでわざわざマッスルフォームでこっち見てるの?バレバレだよ?

  

 「見たところ、個性が制御できないんだろ?また行動不能になって、誰かに、妹の楪にでも助けて貰うつもりだったか?」

 「そ、そんなつもりじゃ!!」

 「どういうつもりでも、回りがそうするしかなくなるって話だ。昔、大災害から一人で千人を救いだす伝説を作った男がいた。同じ蛮勇でも、お前は一人で救っただけででくの坊になるだけだ。

緑谷出久おまえの力ではヒーローになれない。個性は戻した。さっさと二回目を済ませろ」

 

 なるほど……いずにぃにこれを言いたかったからボクを先にしたんだ……確かに、今のいずにぃのままじゃ、ボクがいないとろくに個性も使えない。ここが踏ん張り時だよ。いずにぃ、ボクは絶対にいずにぃがヒーローになれるの信じてるから。

 

いずにぃ、がんばって……

 

 

暫く考え込んでいた出久だが、唐突にボールを握りしめ、フォームを構えた。だが、今度は腕全体にワンフォーオールを使うのではなく、最後にボールを押し出す人差し指にのみにワンフォーオールを使いボールを天高く押し飛ばした。その瞬間は軽い衝撃波が回りに伝わるほどの威力だった。

 

 「「「「おぉ!!」」」」

 「なッ!?」

 腕!壊れてない!やったんだね!いずにぃ!

 

 出久 705m

 

 「先生………まだ動けます!!」

 「こいつ……!!!」

 相澤先生もわかってくれたかな………?うわ、目見開いてちょっとニヤニヤしてる………ッて!!ちょ、その指握り込んだらダメだって!今も絶対いたいはずでしょ!絶対に折れてるし、後遺症でも残ったら……!!!

  

 「ちょっといずにぃ!!そんな握り込まないで!」

 「え!?あ、ご、ごめん!嬉しくてつい…」

 「ついじゃないよ!絶対折れてるんだから!神経が傷ついたらどうするの!」

 「ご、ごめん!気を付けるよ!」

 

折れた指を握り込み続ける出久に慌てながら駆け寄っていき、軽く説教をする楪。その姿は子供を叱るお母さんそのものだった。

 

 「700メートル越えたぞ!」

 「指が腫れ上がってしまっているぞ、入試のときといい、おかしな個性だ」

 「ッな!!なんだあのパワーは!!個性の発現は漏れなく四歳までだ!あり得ねぇ!でも実際!」(言って貰ったんだ!ヒーローになれるって!!)

 

爆豪はこの時、ヘドロから出久に助けて貰った時を思い出していた。今まで無個性だと思っていた出久に助けられるのは爆豪にとって、屈辱でしかなかった。 

 

 「どういう……….ことだ………ッ?」ボンボン!ッ

 「ふぁ!?」

 「コラァ!訳を言え!デクてめぇっ!!」

 「ッ!?いずにぃ!」

 

個性を爆発させながら突進してきた爆豪に驚き後ろにつまづいて転んで動けない出久を庇うように抱きしめ、尻尾を硬質化させ、盾にする。しかし、くるはずの衝撃が来なかった。

 

 「………あ、あれ?」

 振り向いてみたらかっちゃんが相澤先生のマフラー?を体に巻き付けられ身動きが取れなくなっていた。とっさにいずにぃを守ろうとしたけど、大丈夫だったみたいだね。それにしてもかっちゃんが暴れてもびくともしないなんて、何の素材で出来てるんだろ?

 

 「炭素繊維に特殊合金を編み込んだ捕縛武器だ。ッたく、何度も個性使わせんな!俺はドライアイなんだよ!」

 

 「「「「個性凄いのに勿体ない!」」」」

 

 「楪!仮にもお前は今教師だ!生徒の呼び方に気を付けろ!それといつまで抱きしめてんだ、離してやれ」

 「ご、ごめんなさい!………!?」

 離してやれと言われてボクの胸を見ると、そこには顔を真っ赤にしたいずにぃの顔が押し付けられていた。

 「わ!?ご、ごめん!」

 すぐに謝って抱きしめていた手を離すと、いずにぃは手で顔をパタパタと仰いで「大丈夫」と言っていた。

 

 「時間が無い。楪、さっさと緑谷の指を治してやれ」

 「わ、わかりました!」

 「ほら、いずに…出久君!手出して」

 「は、はい……」

 そのあと袖を捲るのが面倒でいずにぃの手を袖の中には入れ手を握り治しているとポンデリングが血涙を流しながらこちらを睨んでいた。何で? 

 

 

そして残りの種目も終わり、結果発表となった。最下位は出久だったが……

 

 「あ、除籍ってのは嘘な」

 「「「は?」」」

 「君たちの最大限を引き出す合理的虚偽」

 「「「「「「はぁぁぁぁぁ!?」」」」」」

 「あんなの嘘に決まってるじゃない。ちょっと考えればわかりますわ」

 いや…相澤先生は本気で除籍するつもりだったはず……いずにぃが除籍されないのはよかったけど……そういえば、見込み無しと判断し、だったね………つまりいずにぃは見込みアリって思ってくれたんだ……良かった………

 

 「じゃ、これにて終わりだ。教室に今後のカリキュラムの書類があるから目通しとけよ。あとは楪の指示にしたがえ」

 「え?」

 「じゃぁあとは頼んだ」

 「えぇ………え、えと~とりあえず他に怪我した人はいない?」

 「!!俺!俺!手擦りむきました!!」

 「ん、ポンデリング君か、じゃぁ見せて……うわぁ…結構やっちゃってるね……一旦消毒しないとダメだね」

 消毒液とガーゼを出してっと、

 「え、ポンデリング?消毒?」

 「ちょっと染みるよ~」

 「いってぇ!!!!」

 「は~い、じゃ、治すよ~」袖でパクッ

 「あっ…….///やわらけぇ……イイッ」

 ?何か言ってるけどどうしたんだろ?

 

楪がポンデリング(峰田)の反応を頭に?マークを浮かべているうちに傷を治し終わり、ポンデリングは離れていった。

 

「峰田、流石にねぇわ」

     「お前らには袖パクの良さがわからんのか」

 

 

 「とりあえず皆着替えて教室に戻ってね?」

 「「「「は~い」」」

 「ゆずちゃん先生も一緒にいこーよ!」

 「そうね、ゆず先生にまだ聞きたいことあるしケロ」

 「わ、わかったからひっぱらないで!」

 

そして女子達に更衣室の中にまで連れ込まれ今朝のように質問責めをされていた。

 

 

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