麗日と別れた楪と出久は自分達の住んでいる部屋に帰り、出久が制服から部屋着に着替えている間に楪は夕飯の支度をしていた。
ん~と、今日はどうしようかなぁ、冷蔵庫には豚ブロックあるし……トンカツにして……明日にカツ丼でいっか、よし、じゃぁブロック、卵、パン粉……パン粉どこだっけ?………あ、この前コロッケ作ったときに使いきったんだっけ
「いずにぃ~??」
「どしたんゆず」
いやだれ君?いやいずにぃだけどさ、もしかして麗日さんの口調うつった?
「麗日さんうつってるよいずにぃ」
「せやな~」
「…………」
「ごめんなさい」
「謝るなら最初からしないでよ……パン粉買ってきてくれる?切らしちゃったみたいだからさ」
「普通ので良いんだっけ?」
「そそ、なるべく早くね?夕飯作るの遅くなっちゃうから」
「わかった。行ってくるよ」
「じゃぁ待ってる間にサラダでも作ろうかな、玉ねぎとか、かいわれ菜あるし、オニオンサラダかな」
もともと引子さんの料理を手伝っていたこともあって、手際は良い……と思う。でも玉ねぎ切るの苦手なんだよなぁ……
「……グズ」ポロポロ
涙止まんないよ……五感鋭いんだから余計にね……やっと切り終わった……顔洗ってアイボンしよ……
「ただいま~ゆず」
「あ、お帰り、早かったね」オメメマッカッカ
「目真っ赤だけど何かあったの?」
「玉ねぎ切ってたの」
「……今度から切られてるの買ったら?最近はよく売ってあるし」
「そうしようかな………でもそういうの高いからなぁ……考えてはみるよ。それよりパン粉ちょうだい」
「はい」
「てんきゅー」
よし、パン粉も揃ったし、始めようかな。
料理&食事シーンは
キングクリムゾン!
「ご馳走さまでした!」
「はい、お粗末様」
「相変わらずゆずは料理上手だね」
「そりゃど~も♪」
「洗い物は僕がやるから休んでて良いよ?」
「りょーかい」
まぁほぼ毎日洗い物はいずにぃがやってくれるから楽だね。さて、洗い物終わったら少しお話しようかな。とりあえず部屋に戻ろっと
「いずにぃ洗い物終わったらボクの部屋に来てくれる?」
「ん?わかった」
そういって先に部屋に戻ったボクは普段使っているトレーニングウェアに着替え、マット、ダンベルを用意していく。(因みにダンベルは40kgである)準備が終わりまだいずにぃは来そうに無いから柔軟でもしておこうかな
ーー出久sideーー
洗い物が終わった僕はゆずに言われた通りゆずの部屋に来ていたそこではゆずがトレーニングウェアの姿でヨガのようなことをしている。ヨガ……?もしかして僕も一緒にやれってこと?僕はあんまり体柔らかくないんだけどなぁ
「えっと、やれってこと?」
「ミュッ!?」
僕がそう声をかけると気づいていなかっのか尻尾と耳がピンッと伸び、体をビクッと震わせる。実はゆずは急にくるドッキリ等が凄く苦手なのだ。それが面白くてたまにわざと驚かしているのは秘密だ。
「来てるんなら言ってよ!急に声かけるからびっくりするんだってば!」
「ごめんごめん、それで何か用があるの?」
「………いずにぃはさ、オールマイトの力制御できてないでしょ?」
「……うん。まったくって言って良いほど制御は出来て無いんだ」
そう、僕はオールマイトに貰った力、ワンフォーオールの制御がきかない。使えばワンフォーオールの力に体が耐えきれずに壊れてしまう。
「だよね、今日も指さつまいも見たいになってもんね」
「さ、さつまいも?なんかひどいような………」
いやまぁさつまいも見たいには見えなくもなかったけど……そんなことを考えているとゆずに肩を掴まれマットの上に押し倒された
「え~と、どういうつもりなの?」
僕が状況を理解できずにいるとゆずはにんまりと笑い倒れた僕の上に跨がり馬乗りになる。いや、どいてほしいんだけど、て言うか力強くない?絶対個性使ってるよね?それにいつもより重い気がするんだけど?あ、尻尾で重り持ってるのか!器用だね!
「特訓だよ。それとさっきの仕返し」
「と、特訓?」
「そ、特訓。ワンフォーオールのね?」
ワンフォーオールの特訓?どういうことだ?ワンフォーオールの特訓をするなら公園とか外で……
「いずにぃはさ、ワンフォーオールをどういうものだと思ってるの?」
「ワンフォーオールは………オールマイトから受け継いだ力で、オールマイトの必殺技で「はいストップ」え?」
「ワンフォーオールはすっごい強力だよ?まぁそのせいでいずにぃは体壊しちゃうからね、でもね?個性は体の一部であって、ただの必殺技ってわけじゃないよ?」
「!!!」
そうか!なんで僕は気づかなかったんだ!!個性は使えば使うほど強化されていく筋肉のようなもの!それならワンフォー
「はいまだ話しはまだ終わってないよ?」
「いたぁ!?」
僕がそんなことを考えているとゆずはまだ話の続きだというようにデコピンをしてきた。絶対に個性使ってるよね?!すっごい痛いんだけど!?
「い、いたいよゆず………何で個性ずっと使ってるの?」
「いずにぃはどういうイメージで個性使った?」
「え、えっと、僕は卵を電子レンジで卵が破裂しないイメージで……」
「………なんて?」
「え、だから卵を電子レンジで…」
「何でぇ……?」
ゆずに自分のイメージを伝えると余程困惑したのか押さえつけていた力がふと抜ける。あ、これなら逆転できるかな?そう思って上半身を起こそうと力を入れると
「え?うわ!」
余程力を抜いていたのかあっさりと起きられた。その代わりゆずは僕の膝の上に倒れてしまった。
「急に起きないでよ!」
「いや、今なら行けるかなぁって」
「特訓だって言った!でしょ!」
「うわ!?」
また押さえ込まれちゃった………マットの上でよかったな、床だったら絶対に頭痛くするよ
「さて、話を戻すけどいずにぃは何でレンチン卵なの?実際にやったら爆発するよ?」
「確かに爆発するけど……なんだろう……なんか、最初に使ったときに腕と両足を壊しちゃって、それで壊れないように………それで電子レンジで卵が爆発しないように電子レンジを調整してみたいな……」
自分でもうまく纏まらないな……それになんか引っかかる……なんだろうこの違和感は……?
「あ~……いずにぃが制御できない理由がなんとなくわかったよ」
若干呆れつつ納得したように頷くゆずに僕はゆずにまくしたてるように「教えて!」と大きな声を出してしまい耳に響いたのか、ゆずが顔をしかめてしまった。
「え、えっとね、卵を電子レンジでやると普通は爆発するよね?それを爆発しないようにってことは凄く難しいことだと思うんだ。だからまずはそのイメージを変えなきゃいけない」
「確かに……元から失敗するのが前提みたいな物だから………ゆずはどんなイメージで個性を使ってるの?」
ゆずも妖力で体を強化しているから増強系と同じことが出来るはずだから、ゆずのイメージを参考にできればワンフォーオールを制御できるかもしれない
「ボクはね体全体に力を纏うってイメージでやってるよ」
「体に……纏う?」
「うん、でも腕だけを強化したい時とかは鎧の籠手をイメージをしたりしてるよ」
「なるほど……やってみるよ」
ワンフォーオールを………纏う………
「はいストップ」
「え?」
ワンフォーオールを纏うイメージをしながらワンフォーオールを発動させようとするとゆずが止めてきた。なんで?
「今100のワンフォーオールを使おうとしたでしょ?それじゃぁ体が持たないよ?纏うって言ったってワンフォーオールは体の中で使うエネルギーなんだ。過充電した電池みたいになっちゃうよ?」
「た、確かに……」
今僕の体はワンフォーオールを扱えるギリギリの器……ならどうやって……
「100から1じゃなくて、0から1にしよ?いずにぃは100のワンフォーオールを1に押さえようとしてるから難しいことって感じてると思うんだ。とりあえずワンフォーオール1%を使えるようになろ?」
なるほど………ゆずには驚かせられてばっかりだな。確かに100から1より0から1のほうが遥かに簡単だ。よし!
「お?おおお??」
ドスン
「よし!できた!」
「おぉ~かなりあっさりできたねぇ、じゃぁ今日は終わりにしよっか、明日は5%を維持できるように頑張ろうね」
「明日は5%か……て、維持?今日のとは違うの?」
「うん。明日は5%の維持をして貰うよ。一瞬しか使えませんじゃ使い物にならないからね」
「あぁ……先は遠いなぁ……」
「いずにぃなら出来るよ。それよりもさ……その……そろそろどいてくれないか…な……?ちょっとはずかしいな~て…\\\」
「え?」
よくみると僕はゆずを押し倒したままだった。さっきとは逆にゆずに馬乗りになっている。はたから見たら 襲っている ようにしか見えない格好だった。
「ご、ごめん!」
「う、うん……ありがと……」
「………」
「………」
き、気まずい!!!どうしよう……あ、そうだ!
「ぼ、僕お風呂入ってくるね!」
「あ、う、うん、いってらっしゃい」
かぽ~ん
「はぁ……」
やっちゃったなぁ……事故?とはいえ、ゆずも女の子だし……嫌われたく無いなぁ……まぁゆずもこんなことじゃ嫌いにならない……と思うけど……はぁ………それにしてもゆずもおっきくなったなぁ……あんなに小さかったのに……いやそんなに変わってないか、でも髪もさらさらて肌もすべすべで………
そんなことを考えていると先程の押し倒されたゆずを思い出した。恥ずかしいのか顔を赤らめているゆずは心なしか色っぽくて……………
いやいやなに考えてるんだ!妹だぞ!?義理とはいえ、ゆずは僕の妹だ!!ゆずは僕の家族で!大事な妹で!大事な人で……人……
「………なんだろう……また、もやもやするなぁ……」
ーーー楪sideーーーーー
「…………」
いずにぃがお風呂に行ってボクは一人で部屋に残っていた。さっきいずにぃに押し倒されてたとき、正直嫌では無かった。むしろ、嬉しかった。ボクはいずにぃが好きだ。兄としても、男としてもだ。いつからはわからない。いずにぃの側にいると凄く安心するし、ずっと側に居たいと思ってしまう。いずにぃの側にいられるなら……ボクは……