~カミッチュを見て~
私「カジッチュ……お前まだ進化するんか」←喜んでる
レジドラゴとレジエレキを倒したハジメ達。合格と見なされたのか、大広間の奥の石像が左右に動いたことで扉が出現した。だがその前に、次の試練に備えて回復することになった。
「お疲れ様。今、回復魔法をかけるね」
草タイプのプレートの力を得た香織が、広範囲の回復魔法をかける。だが、あくまで3つある試練のうちの1つを突破したに過ぎないため、香織自身の体力を温存するためにも、ポケモン達の回復量はやや少な目だ。
「クラフトして作ってたキズぐすりの類は沢山あるから、こっちも使おう」
ハジメがオルクス大迷宮の最奥で手に入れた、オスカー・オルクスの遺産。クラフト技術と、宝物庫と名付けられたアーティファクト。そのお陰で回復アイテムの在庫に困ることはなく、香織に回復を任せきりにならなくて済んでいる。
「光輝くんも、この薬を塗ってあげて? こう言う機会じゃないとポケモンにも触れられないし」
「え? あ、あぁ……」
そして香織は、積極的に光輝とポケモンを触れさせようとしていた。彼はハジメ達と同行するまで、ポケモンを敵として見ていた。だが実際に人間とポケモンが共闘してるのを見て、その考えが揺らいでいるのではないかと香織は感じていた。そこで実際に触れさせようと考えたのである。
一方でキズぐすりを手にした光輝は、どのポケモンから塗るべきか悩んでいた。だが彼が決めるよりも先に、幸利が声をかける。
「こっちの方、頼めるか。俺は背中やるから、お前は腕の方を頼む」
「わ、分かった」
ふとガルーラを見る。その背丈は2メートルほどで人間よりも大きく、口からは牙も見える。見ただけでは恐ろしい。
「ガァル」
だがガルーラは、パートナーである幸利が頼んだからと知ってるのか、光輝に腕を出した。擦り傷程度のものだが治しておいて損はない。おっかなびっくりではあるが、光輝はそこにキズぐすりを塗る。
「(暖かい……。ゲームとか漫画のような架空の存在じゃなくて、しっかりとこの世界に存在してる)」
塗り終わったことを伝える。人間じゃあるまいし、と何故声をかけたのか疑問に思った。
「ガァル」
「カルルー!」
だがガルーラは微笑み、お礼を言うかのように一鳴きする。お腹の袋の子供も真似して鳴いた。
「(っ! 俺の言葉を、理解して……!)」
ふと周りを見る。それぞれの相棒を手当てしているトレーナー達は、みなポケモンに声をかけていた。
「頑張ったな、テッカニン。手当てしたけどどうだ? まだ行けそうか?」
「テッカ!」
「はは、そうかそうか! 次も頼むよ」
「エルレイド、大丈夫? 疲れてないかしら?」
「エルラ、エルル!」
「その様子だと大丈夫みたいね。安心したわ」
「これなら……はい! 首のところ戻ったよ、ミミッキュ」
「ミキュ、ミキュ!」
「んふふ、くすぐったいよ~」
「ゴルーグ、格好良かった」
「ゴルル……」
「照れてる? ふふ、そう言う仕草も見せるのね」
「アブソル、大丈夫ですか? オボンのみもありますから、食べてお腹も満たしときましょう」
「アブッ!」
「え? 私も一緒に? えへへ、ありがとう」
みんなが笑顔でポケモンに接している。ふと、イベルタルとの戦いの後に、ハジメと言い争った時のことを思い出した。
『全部のポケモンを悪だと決めつけるのは間違ってる!』
「(俺は……)」
その時だ。そのハジメの方から声が上がった。
「うわぁぁぁ!? サイホーン!?」
ふと、ハジメの相棒であるサイホーンが青白い光を放っていた。その光量は徐々に大きくなり、サイホーンの姿が見えなくなる。
「この光、まさか……!」
「おいおいマジかよ!」
「進化の光……!」
香織と幸利が嬉しそうな声を上げる。突然のことで困惑しそうだが、悪い事態では無いと言うことは分かった。
そうして光が収まると……そこには、二本足で立つ巨大なポケモンがいた。
「サイッ、ドオオオオオン!!」
「サイドンに進化したのか! やったね!」
「グァルル!」
「バルッ、バルゥル!」
笑顔で抱き締めるハジメに、サイホーン改めサイドンもニッコリと笑う。いつの間にボールから出たのか、バサギリも祝福している。お互いに笑顔な光景を見て、光輝は改めて思った。
「(やっぱり……俺が間違ってたよ、南雲。ポケモンは確かに俺たちを襲うけど、それは生き物としての姿であって、全部が悪ではないんだな……)」
それは、勇者の考え方が変わった瞬間でもあった。
回復を終え、第二の試練の場へと足を進めるハジメ達。だが扉を潜り抜けると、そこは螺旋階段が続いていた。
「ほう……。まさか塔の内部がこうなっていたとは」
「ティオ、知らなかったの?」
「残念そうな目を向けるでない、ユエよ。この塔は我ら竜人族にとっては聖域。おいそれと中に入ることは許されぬ。というか、誰1人入ったことが無いのじゃぞ?」
「竜人族が崇める、螺旋階段の塔……。名付けるとしたらリュウラセンの塔ってか?」
「(え、浩介なんでその名前をピンポイントで当てたの!?)」
内心驚きながらも、ハジメは足を進める。暗い環境と辺りに満ちるドラゴンエネルギーの関係なのか、オンバットが飛んでいる。だが外敵が居ないためか、ハジメ達を襲おうとはせず寧ろ好奇の目で見ていた。
そして長い螺旋階段を登り終えると、またしても巨大な扉が。しかし、まるでハジメ達を待っていたかのように勝手に開いた。
「……行こう」
全員が頷き、扉の奥へと一歩踏み出した。
そこは真っ暗な部屋。だがハジメ達が入ったとたん、壁のロウソクが一気に点火する。
目の前にあるのは、2つの燭台らしきもの。そこに納められているのは、黒い球体と白い球体。
「まさか、こんなところで……!」
青い雷が、赤き炎が球体を包み込んだ。
『問おう。お前の願いは何だ』
現れるは、黒き英雄と白き英雄。
第二試練『
~今回の内容のまとめ~
1、光輝が改心
2、皆さんお待ちかねのサイホーン進化
3、大迷宮の名前はリュウラセンの塔
4、ゼクロム&レシラム登場!