ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

101 / 146
碧の仮面、来月に配信だそうでとても楽しみです。舞台の雰囲気的に夏っぽく感じるので、8月とか夏休みシーズン配信だともっと良かったかもですが。まぁ9月でも、「夏休みをもう一度」として楽しめそうですね

~カミッチュを見て~
私「カジッチュ……お前まだ進化するんか」←喜んでる


試練の後の小休止

 レジドラゴとレジエレキを倒したハジメ達。合格と見なされたのか、大広間の奥の石像が左右に動いたことで扉が出現した。だがその前に、次の試練に備えて回復することになった。

 

「お疲れ様。今、回復魔法をかけるね」

 

 草タイプのプレートの力を得た香織が、広範囲の回復魔法をかける。だが、あくまで3つある試練のうちの1つを突破したに過ぎないため、香織自身の体力を温存するためにも、ポケモン達の回復量はやや少な目だ。

 

「クラフトして作ってたキズぐすりの類は沢山あるから、こっちも使おう」

 

 ハジメがオルクス大迷宮の最奥で手に入れた、オスカー・オルクスの遺産。クラフト技術と、宝物庫と名付けられたアーティファクト。そのお陰で回復アイテムの在庫に困ることはなく、香織に回復を任せきりにならなくて済んでいる。

 

「光輝くんも、この薬を塗ってあげて? こう言う機会じゃないとポケモンにも触れられないし」

 

「え? あ、あぁ……」

 

 そして香織は、積極的に光輝とポケモンを触れさせようとしていた。彼はハジメ達と同行するまで、ポケモンを敵として見ていた。だが実際に人間とポケモンが共闘してるのを見て、その考えが揺らいでいるのではないかと香織は感じていた。そこで実際に触れさせようと考えたのである。

 

 一方でキズぐすりを手にした光輝は、どのポケモンから塗るべきか悩んでいた。だが彼が決めるよりも先に、幸利が声をかける。

 

「こっちの方、頼めるか。俺は背中やるから、お前は腕の方を頼む」

 

「わ、分かった」

 

 ふとガルーラを見る。その背丈は2メートルほどで人間よりも大きく、口からは牙も見える。見ただけでは恐ろしい。

 

「ガァル」

 

 だがガルーラは、パートナーである幸利が頼んだからと知ってるのか、光輝に腕を出した。擦り傷程度のものだが治しておいて損はない。おっかなびっくりではあるが、光輝はそこにキズぐすりを塗る。

 

「(暖かい……。ゲームとか漫画のような架空の存在じゃなくて、しっかりとこの世界に存在してる)」

 

 塗り終わったことを伝える。人間じゃあるまいし、と何故声をかけたのか疑問に思った。

 

「ガァル」

「カルルー!」

 

 だがガルーラは微笑み、お礼を言うかのように一鳴きする。お腹の袋の子供も真似して鳴いた。

 

「(っ! 俺の言葉を、理解して……!)」

 

 ふと周りを見る。それぞれの相棒を手当てしているトレーナー達は、みなポケモンに声をかけていた。

 

「頑張ったな、テッカニン。手当てしたけどどうだ? まだ行けそうか?」

「テッカ!」

「はは、そうかそうか! 次も頼むよ」

 

「エルレイド、大丈夫? 疲れてないかしら?」

「エルラ、エルル!」

「その様子だと大丈夫みたいね。安心したわ」

 

「これなら……はい! 首のところ戻ったよ、ミミッキュ」

「ミキュ、ミキュ!」

「んふふ、くすぐったいよ~」

 

「ゴルーグ、格好良かった」

「ゴルル……」

「照れてる? ふふ、そう言う仕草も見せるのね」

 

「アブソル、大丈夫ですか? オボンのみもありますから、食べてお腹も満たしときましょう」

「アブッ!」

「え? 私も一緒に? えへへ、ありがとう」

 

 みんなが笑顔でポケモンに接している。ふと、イベルタルとの戦いの後に、ハジメと言い争った時のことを思い出した。

 

『全部のポケモンを悪だと決めつけるのは間違ってる!』

 

「(俺は……)」

 

 その時だ。そのハジメの方から声が上がった。

 

「うわぁぁぁ!? サイホーン!?」

 

 ふと、ハジメの相棒であるサイホーンが青白い光を放っていた。その光量は徐々に大きくなり、サイホーンの姿が見えなくなる。

 

「この光、まさか……!」

 

「おいおいマジかよ!」

 

「進化の光……!」

 

 香織と幸利が嬉しそうな声を上げる。突然のことで困惑しそうだが、悪い事態では無いと言うことは分かった。

 そうして光が収まると……そこには、二本足で立つ巨大なポケモンがいた。

 

サイッ、ドオオオオオン!!

 

「サイドンに進化したのか! やったね!」

 

「グァルル!」

 

「バルッ、バルゥル!」

 

 笑顔で抱き締めるハジメに、サイホーン改めサイドンもニッコリと笑う。いつの間にボールから出たのか、バサギリも祝福している。お互いに笑顔な光景を見て、光輝は改めて思った。

 

「(やっぱり……俺が間違ってたよ、南雲。ポケモンは確かに俺たちを襲うけど、それは生き物としての姿であって、全部が悪ではないんだな……)」

 

 それは、勇者の考え方が変わった瞬間でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 回復を終え、第二の試練の場へと足を進めるハジメ達。だが扉を潜り抜けると、そこは螺旋階段が続いていた。

 

「ほう……。まさか塔の内部がこうなっていたとは」

 

「ティオ、知らなかったの?」

 

「残念そうな目を向けるでない、ユエよ。この塔は我ら竜人族にとっては聖域。おいそれと中に入ることは許されぬ。というか、誰1人入ったことが無いのじゃぞ?」

 

「竜人族が崇める、螺旋階段の塔……。名付けるとしたらリュウラセンの塔ってか?」

 

「(え、浩介なんでその名前をピンポイントで当てたの!?)」

 

 内心驚きながらも、ハジメは足を進める。暗い環境と辺りに満ちるドラゴンエネルギーの関係なのか、オンバットが飛んでいる。だが外敵が居ないためか、ハジメ達を襲おうとはせず寧ろ好奇の目で見ていた。

 そして長い螺旋階段を登り終えると、またしても巨大な扉が。しかし、まるでハジメ達を待っていたかのように勝手に開いた。

 

「……行こう」

 

 全員が頷き、扉の奥へと一歩踏み出した。

 

 

 

 

 

 そこは真っ暗な部屋。だがハジメ達が入ったとたん、壁のロウソクが一気に点火する。

 目の前にあるのは、2つの燭台らしきもの。そこに納められているのは、黒い球体と白い球体。

 

「まさか、こんなところで……!」

 

 青い雷が、赤き炎が球体を包み込んだ。

 

 

『問おう。お前の願いは何だ』

 

 

 現れるは、黒き英雄と白き英雄。

 

 

 第二試練『雷炎問答(らいえんもんどう)』、開始……!

 

 




~今回の内容のまとめ~
1、光輝が改心
2、皆さんお待ちかねのサイホーン進化
3、大迷宮の名前はリュウラセンの塔
4、ゼクロム&レシラム登場!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。