ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

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お待たせしました。長くなるので前編後編に分けます。


最終試練 烈空の試練(前編)

 最後の試練として立ちはだかるは、メガレックウザ。彼の特性『デルタストリーム』によって乱気流が発生する。

 

「くううう! 乱気流まで起こすなんて、ポケモンは何でもありだな!」

 

 メガレックウザはそのまま空を飛ぶと、その場をグルグルと回り始めた。“りゅうのまい”をしながら“かみなり”も発動し、ハジメ達の周りに雷を落としていく。

 

「うわぁぁ!?」

 

「鈴!」

 

「任せて、エリリン!」

 

 試練によって鍛えられたお陰か、鈴は結界を作るスピードが早くなっていた。瞬時に展開された結界が落雷の衝撃を和らげる。

 

「サイドン、バサギリ、行くよ!」

 

「グルァァ!」

 

「バァル!」

 

「ゴルーグ、ごめん。今回は盾役になってほしい……!」

 

「ゴルッ!」

 

 サイドンとバサギリは勇ましく声を上げ、ゴルーグはユエの言葉を気にすること無く、ユエ達を乱気流から守る壁役となった。

 

「ギュルアァァァァァ!!」

 

「グウウウッ!」

 

 メガレックウザはハジメ達の戦う意思を察すると、“しんそく”で一気に突っ込んでくる。しかし其処はサイドンが辛うじて受け止めることで威力を相殺した。ハジメのサイドンは、オヤブンと呼ばれる個体であるため、かなりの怪力を誇るのだ。

 

「バサギリ、“がんせきアックス”!」

 

「バッルアァ!!」

 

 バサギリが誇る石斧をメガレックウザに叩き付ける。だが、『デルタストリーム』は飛行タイプに効果抜群な技の威力を軽減する効果がある。大してダメージを受けなかったメガレックウザは押さえ込むサイドンを振り払うと、尻尾にエネルギーを溜める。そして距離を詰めていた2匹をまとめて“ドラゴンテール”で吹き飛ばした。

 

「ドラゴンタイプなら……! ミミッキュ、“じゃれつく”攻撃!」

 

「ミッキュウウウ!」

 

 風が吹き荒れる中をミミッキュは素早く近付き、メガレックウザに攻撃を仕掛ける。

 

「キュルァァ!?」

 

「よし、行ける!」

 

『なめるなぁ!』

 

 メガレックウザは強風の環境を利用して“エアスラッシュ”を発動。特性『ばけのかわ』でダメージは無かったものの、風圧によってミミッキュは距離が離れてしまった。だが、あらかじめ幸利はガルーラをボールから出していた。

 

「食らわせてやれガルーラ! “れいとうパンチ”!」

 

「ガルゥゥラァァ!」

 

 その瞬間、メガレックウザは大きく息を吸い始める。

 

「スゥゥゥ……ガァァァァァァ!!」

 

「ガ、ルゥ……!」

 

 至近距離の“ハイパーボイス”によって技をキャンセルされてしまった。だが、伝説ポケモンと幾度も戦ってきた彼らの動揺は少ない。今度はシアのアブソルと雫のエルレイドが駆け抜ける。

 

「アブソル、“バークアウト”!」

 

「エルレイド、“サイコカッター”!」

 

『(甘い! また吹き飛ばしてくれる!)』

 

 メガレックウザが再び“ハイパーボイス”を放とうとするが、その瞬間背後から大きな衝撃が襲い掛かった。

 

「ギュルアァァァァァ!?」

 

「俺を無視してんじゃねぇ……!」

 

 そう呟いたのは浩介だった。先ほどの攻撃の正体は、テッカニンによる“メタルクロー”。しかも、ただの攻撃ではない。彼の特性は『かそく』。見向きされていない状態を利用して素早さを底上げし、高速で飛び回りながら“つるぎのまい”を連発。攻撃力が限界まで上がり、スピードが乗った状態で放たれた一撃である。

 大きく姿勢を崩したメガレックウザに、アブソルとエルレイドの攻撃も叩き込まれた。

 

「グウウウッ!」

 

 ポケモンと人間の共闘は、メガレックウザの予想以上に手強いものだった。

 

『まだだ! お前達の実力は、絆は、それだけか!?』

 

 メガレックウザは体をくねらせながら空へと上がる。頭部から伸びる橙色の光の帯が、まるで二重螺旋のように見えた。

 この瞬間、ハジメは力の限り叫んだ。

 

「全員逃げろぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 

 

“ガリョウテンセイ”

 

 

 

 

 その瞬間、リュウラセンの塔が揺れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うぅ……。何が起きたんだ……?」

 

 意識を失っていたのだろうか。光輝は体が痛むのを堪えて起き上がる。そして、目の前の光景を見て愕然とした。

 

「なっ……! みんな!」

 

 どのポケモン達もボロボロで、辛うじて立っているような状況である。先ほどの技“ガリョウテンセイ”の威力があまりにも強すぎたのか、ハジメや幸利、浩介が倒れている。気を失っているようだ。

 

「谷口! しっかりしろ、おい!」

 

 限界まで結界を展開していた鈴は、龍太郎の声に応じない。意識を失いグッタリとしている。

 

「う、くうぅ……!」

 

「雫、大丈夫か!?」

 

 膝を震わせながらも立ち続けている雫に声をかける。だが次の瞬間、彼女も座り込んでしまった。

 

「レックウザ……。空の化身と呼ばれる訳ね……!」

 

「嘘、だろ……」

 

 雫の見つめる先に光輝も目を向けると、立ち上る土煙の中にしっかりと佇むメガレックウザの姿があった。

 一番ポケモンに詳しい3人組とそのパートナー達は倒れている。

 

「(ど、どうする! この状況、まだ試練は終わっていない! 考えろ、考えろ!)」

 

 光輝は脳をフル回転しながら周りを見渡し、香織は無事なことを確認した。現状出来ることを言葉にしていく。

 

「香織は南雲たちの回復を頼む! 雫、恵理、シアさんはキズぐすりでポケモン達を! ユエさんは結界を頼みます! 龍太郎、行くぞ!」

 

「おう!」

 

「待ちなさい光輝! ポケモンも持ってないのにどうするのよ!?」

 

「ポケモンを持てないなら、持てないなりにやれる事をやるしかない!」

 

「回復するまでの間、時間稼ぎだな! やってやらぁ!!」

 

 雫の制止を振り払い、メガレックウザと対峙する光輝と龍太郎。聖剣を抜いて構えるが、膝をガクガクと震わせている。

 

「は、はは。あれだけの技を見た後だと、怖いなぁ……!」

 

「安心しな光輝、俺も震えが止まらねえ……!」

 

「龍太郎。巻き込んでしまってゴメン」

 

「なぁに、このまま戦わずにじっとしてるのは、そろそろ我慢の限界だったんだ」

 

 メガレックウザが吼えると同時に、2人は持ち前のステータスで一気に駆け抜ける。

 

「攻略の糸口がある筈だ! だがポケモンの事は、ポケモンに詳しい南雲たちの知識を頼るしかない!」

 

「時間稼ぎしながら、俺たちも何か見つけねえと!」

 

 メガレックウザの放つ“かみなり”を避けながら、2人は攻略方法を考え始めた。




果たしてこの試練の攻略法は……?
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