「う……?」
「ハジメ君、大丈夫!?」
レックウザの試練を突破した事で、りゅうのプレートを手に入れたハジメ。その効果によってディアルガ達の怒りを見た彼は、気付けば香織に回復魔法を掛けられていた。
「あれ、僕……」
『プレートを通じ、三神の怒りを見たのだ。そのオーラに当てられて気を失ったのだろう』
レックウザがテレパシーで説明をしてくれた。どうやらハジメは気を失っていたらしい。
香織と同じく心配していた幸利たちは、安心させるためかある物を見せる。
「ハジメ、これ見てくれよ!」
「これって……キーストーンとメガストーン!? どうして……?」
「これは、そのぉ……。レックウザが作ってくれたのよ!」
雫が慌てるように付け足す。それに対して幸利やシアも頷いた。ハジメは、まさかレックウザにそんな技術があるとは思えずに顔を向ける。
『……そうだ。試練を突破したのは、何もお前たちだけでは無いからな。プレート以外の褒美と言う奴よ』
若干の間が気になったが、キーストーンによって戦力は強化された。レックウザはハジメに目を向ける。
『プレートを集めし者よ。此処まで試練を乗り越えたのだ。恐らくは、樹海の迷宮もお前達を招くだろう』
「そうだね……。早くプレートを集めなきゃ! ありがとう、レックウザ!」
『その陣に入れば戻れる。さぁ、行くが良い』
レックウザの視線の先には転移用の魔法陣があり、あわい光を発していた。ハジメ達はお礼を言いながら陣へと飛び込み、姿を消していく。
誰も居なくなった塔の頂上。そこでレックウザはポツリと呟いた。
『二つの魂を持つ者、か……』
転移魔法によって、塔の入口まで戻ってきたハジメ達。そこへ声をかける者が居た。
「どうやら、プレートを手に入れたようじゃな」
「あっ、ティオ……ってえぇぇぇ!?」
「どうしたんですか、その怪我ぁ!?」
シアが悲鳴のような声で尋ねるのも無理はない。今のティオは着物が所々焼け焦げており、腕や足には包帯が巻かれている。鼻血を出していたのか、顔には乾いた血が若干こびり付いていたりと痛々しい姿になっていた。
「なぁに、レシラム様とゼクロム様の修行を受けただけじゃ。幼い頃に出会い、加護を受けた身。その加護を使いこなせぬようでは、宝の持ち腐れじゃからなぁ」
「修行を受けた結果、どうだったの?」
ユエも恐る恐る聞いてみる。対するティオの顔は悔しそうな、しかし何処か晴れやかな表情をしていた。
「合格も何も、まだまだ鍛えねばならぬよ」
「そうなんだ……」
だからこそ、ハジメは悟った。これは別れになるのだと。
「ハジメよ。名残惜しいが、妾は此処で一旦お別れじゃ。もうしばらく、お二方に鍛えてもらわねばならん」
「寂しくなるなぁ。ティオの魔法とか、結構戦力にしてたんだよ?」
「なぁに、来るべき戦いの時にはすぐに駆けつけてみせるわ。龍は本気を出せば、速いのじゃからな!」
苦笑いをしながらも、お互いに握手をする。
「サヨナラではない。『また』の、ハジメ」
「うん。『また』ね、ティオ」
苦笑いから、笑顔に変わった。
プレートだけでなく、キーストーン&メガストーンもゲット!
しかし、錬成した筈のハジメにはその記憶が無いようです……?
次回から、ハルツィナ大迷宮編です。