ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

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お待たせしました。誰がどんなポケモンになったのかを明かそうと思います。
ゼロの秘宝後編は来月に配信とのことですが、ウミディグダとかチャデスのような、「既存のポケモンに似てるけど別種」というポケモンも出るのでしょうか? スグリ君の事も気になりますし、楽しみです。


不思議のダンジョン

 ハルツィナ大迷宮へと入ったハジメ達だったが、彼らの姿は何とポケモンに変わってしまっていた。

 

「何とか落ち着けた?」

 

「まだ混乱してるけどね……」

 

 当然、姿が変わった事に対して皆がパニックになったのだが、大声を出さなくなる程度には落ち着けたようだ。ここで、それぞれがどのポケモンになったのかを見てみよう。

 

 ハジメ→イワンコ

 香織→ピンプク

 ユエ→コロモリ

 シア→ミミロル

 幸利→モクロー

 浩介→ケロマツ

 雫→ツタージャ

 恵理→カゲボウズ

 龍太郎→ワンリキー

 鈴→パチリス

 光輝→リオル

 

 以上となっている。

 不思議なことに、ポケモンの姿になっても姿勢に関しては違和感がなく、イワンコとなったハジメにとって四足歩行をすることに抵抗が無かった。コロモリとなったユエも、外見では視力がなさそうだが本人にとっては見えているらしく、飛んだままでも違和感がないようだ。

 

「あれ、モンスターボールが無い!?」

 

 ふと浩介が気付き、自分の体をペタペタと触る。今まで旅を共にしていたポケモンの入ったモンスターボールが、無くなっていたのだ。雫がうーん、と考える仕草をする。

 

「この迷宮では、人間がポケモンの立場になることを求めてるのかしら?」

 

「確かに、今までポケモン達の力を借りて攻略してきたけどよ」

 

「試練を乗り越えたら、返してくれるってことでしょうか……?」

 

 幸利やシアも考える仕草をするが、答えは出てこない。一先ず、ポケモンとなった状態でこの大迷宮を突破する必要があるようだ。

 

『よく来ました、挑戦者たちよ』

 

「っ!」

 

 ハジメ達の頭の中に響く声。それは、ハルツィナ大迷宮の奥で待つゼルネアスの声だった。

 

『あなた方は、ポケモンと共に数多の試練を乗り越えました。しかしそれは、あなた方が人間であるが故の突破とも言えます』

 

「だから、僕たちをポケモンの姿にしたの?」

 

『そうです。あなた方が対峙するであろう偽りの神エヒトは、非常に狡猾です。我らと共に戦い、そしてこの迷宮を残した解放者たち。彼らが敗れたのは、守るべき人々がエヒトに操られ、刃を向けることが出来なかったから。……だからこそ、あらゆる状況に対応できなければなりません。それがたとえ、姿を変えられたとしても』

 

「……なるほど」

 

『この迷宮には、聖剣士と呼ばれるポケモン達がいます。彼らに認められる事が、試練を突破したと認める条件です』

 

「っ!? 魔法陣!?」

 

 その瞬間、ハジメ達の足元が光り始めた。その魔法陣の特徴を、光輝たちはよく覚えていた。

 

「これは……オルクス大迷宮にもあった、転移の魔法!」

 

「みんな、転移後に備えて!」

 

 香織が叫んだと同時に、大迷宮のエントランスとも言える広場からハジメ達の姿が消えた。

 

 

 

 

 

「う、うーん……」

 

 ハジメが目を覚ますと、そこは霧の中。正確には霧が立ち込める森の中にいた。

 

「大丈夫、ハジメ君」

 

 心配そうに覗き込む香織。彼女の背後ではユエとシアが辺りを警戒していた。だが、先程まで一緒だった筈の光輝達が居ない。

 

「光輝たちは?」

 

「たぶん、あの魔法ではぐれたんだと思う……」

 

 ハジメが目を覚ましたことに気付いたのか、ユエとシアも戻ってきた。

 

「この霧はトラップかと思いましたが、力が抜けるとかそういうのは無かったです」

 

「羽ばたいて晴らせるかなと思ったけど、無理だった」

 

「そうか……。もしかして、それぞれの聖剣士の所へ飛ばされちゃったのかな?」

 

 首を傾げるハジメに、ユエも首を傾げる。

 

「ゼルネアスは聖剣士に会えって言ってたけど、1匹じゃないの?」

 

「ううん。聖剣士と呼ばれるポケモンは4匹だよ。たぶん、それぞれに認められないと突破できないんだと思う」

 

「皆さん、大丈夫でしょうか……」

 

 シアの心配そうな声に、香織とユエも頷く。

 

「大丈夫。……と言いたいけど、今の僕たちはポケモンの姿だからなぁ」

 

 幸利や浩介を信頼してるハジメも、今回の状況に対しては安易に「大丈夫」とは言えなかった。

 

 

 

 

 

 一方その頃の幸利たち。彼らも分断されたことに気付いていた。

 

「今いるメンバーは、俺と恵理と坂上に谷口か」

 

 今いる場所は、転移前の風景と同じ森の中。だが草木が生い茂って道がないということはなく、まるでゲームに出てくるダンジョンのように通路もある。

 

「ねぇねぇダーリン? ここに飛ばされる前に聞こえた声って、もしかしてポケモン?」

 

「あぁ。この迷宮の奥で待ってるらしい」

 

 カゲボウズの姿でフヨフヨと浮いている恵理が、気になったことを幸利に尋ねる。それに応える幸利だったが、少し気まずそうな顔をした。

 

「ところで恵理。此処でダーリンは止めてくれないか? 坂上と谷口も居るんだからよぉ」

 

「……迷惑だった?」

 

「そんな自殺しそうな目をするな。今は普通に名前で呼んでくれ。ダーリン呼びは……二人きりなら良いから」

 

「二人きり……! いやん、幸利のエッチぃ」

 

「ナニを想像してんだ。まだキス止まりだろうが」

 

 いやんいやんと体をくねらせる恵理と、呆れたような目をする幸利。一方、鈴と龍太郎はそんな光景にポカンと口を開けていた。

 

「エ、エリリンがあんなに積極的に……!?」

 

「……リア充爆発しろって、こういう気持ちなんだな。初めて知った」

 

 

 

 

 

 一方その頃、光輝達。

 

「ううっ……。初めてだ、こんな事……!」

 

「ちょ、ちょっと。泣かないでよ遠藤くん……」

 

「こ、これは俺が悪いのか!?」

 

 泣きじゃくる浩介と、宥める雫。そしてこの空気に慌てふためく光輝。

 なぜそんな事になったのか。それは――

 

「状況確認で名前を呼ばれるなんて……!」

 

 幸利たちと似たエリアへと飛ばされた際、光輝はすぐに誰が居るのかを確認した。その時のことである。

 

「此処に飛ばされたのは……俺と雫と遠藤か」

 

「っ!? 天之河、俺に気付いてるのか!?」

 

「え? いや、其処に居るんだから当たり前だろう?」

 

「……っ!」

 

 そして浩介は嬉しさのあまり、涙を流したのである。それも仕方のない事である。今まで自動ドアに感知されにくい程に影が薄く、点呼確認する時も「あれ?遠藤だけ居ないぞ?」と言われて「居るよ!」と返すのが常だった。ポケモンの姿になったことで、存在感が出たのかもしれない。

 

「グスッ……。ごめんな2人共。あまりにも嬉しくてつい……」

 

「……相当苦労してたのね、遠藤くん」

 

「その……何かすまない」

 

 何処か緩い空気になったが、それぞれが迷宮を突破するために行動を開始した。

 

 




それぞれのチームがどのような試練になるのか。次回をお待ち下さい。
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