ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

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サブタイトル通りです。原作で言うなら、石化トカゲとタール鮫の辺りになります。ただ、ちょっとダイジェストのようにしたので、今回は短めです。


奈落の探索(前編)

 オンバーンを倒して奥へと進むハジメとサイホーン。次のエリアでも、いわば階層主とも言えるポケモンと戦っていた。

 

「シャアァァァ!」

 

「僕は回避するから、サイホーンは“じならし”だ!」

 

「グオオオ!」

 

 相手をするのは、どくトカゲポケモンのエンニュート。ハジメ達を見ると、縄張りの侵入者と認知して襲ってきたのだ。ハジメは回避行動を取りつつ、サイホーンに指示を出す。すると先程までハジメが居たところに、尻尾による“ほのおのムチ”が放たれた。

 

「グルァァ!」

 

 そこへ、前足を強く踏み鳴らした事で地面が揺れ、衝撃波が生じる。毒・炎タイプであるエンニュートにとって、地面タイプの技である“じならし”は効果抜群だ。

 

「キ、キィィィ!?」

 

「サイホーン、気を付けて! やられるフリだ!」

 

 エンニュートがふらつきながらも口に紫色のガスを溜め込んでいるのを、ハジメは見逃さなかった。

 すぐに体勢を立て直すと、“どくガス”攻撃をしてきた。今度はハジメが援護する。出口までの距離が分からない上に、ポーチの木の実の数が限られているため、ここでサイホーンが毒状態になるのは避けたかった。

 

「錬成!」

 

 攻撃手段としての錬成では、穴を開けたり棘を生やす事がメインだった。しかしエンニュートと出会う前までは、その進化前のヤトウモリの群れと戦っている。その中で彼は、防御用の錬成も身につけていた。

 それが、足元の地面に魔力を流し込んで即席の壁を作ることだ。ガス攻撃であるため貫通されることなく、霧散していく。

 

「壁ごと突っ切るよ! “ドリルライナー”!!」

 

「ゴオオオオオ!!」

 

「ギイイイイイッ!?」

 

 その名の通りドリルのように回転しながらエンニュートを突き飛ばす。壁に大きく叩き付けられた彼女は、グルグルと目を回していた。アニメで言うなら戦闘不能だろう。

 

 

 

 

 

 その次のエリアは、当たり一面が砂だった。

 

「まって、もしかして此処って迷宮として作られたの!?」

 

 ハジメ、ここに来てようやく奈落も迷宮の一部なのだと悟る。とても洞窟とは思えない光景だからこそ気付けたと言えるだろう。

 砂漠を見てすぐに、ありじごくポケモンのナックラーが居ないか警戒したが、幸いな事に蟻地獄は見当たらなかった。

 

「でもナックラーやフライゴンより厄介かも……」

 

 その代わり、砂漠を悠々と泳ぐ鮫のようなヒレが見えた。ハジメの知識の中で砂漠を泳ぐ鮫のようなポケモンと言えば、1匹しか居なかった。

 

「ガァァァ!」

 

「やっぱりぃ! フカマルだぁ!?」

 

 りくザメポケモンのフカマルが砂から飛び出して、ハジメの腕に噛みついてきた。魔物攻撃耐性という技能を持っているため大きなダメージは無かったが、それでも鋭い歯が刺さって痛い。

 

「痛い痛い痛い! 離れてってばぁ!」

 

 腕をブンブンと振って、何とか離すことに成功する。だがハジメ達の周りを、他のフカマル達が取り囲むように砂中を泳いでいた。

 

「サイホーン、ダッシュ! 数の暴力はキツい!」

 

「ゴアァ!」

 

 すぐにサイホーンに乗り、ダッシュすることでその場を離脱した。

 

 ところが、そう都合よくいかないのが大迷宮である。

 

「ガァァァブ!」

 

「ガ、ガブリアス……!」

 

 フカマルがガバイトへと進化し、そこからさらに進化したポケモン。それが、マッハポケモンのガブリアスである。前世の記憶では、シンオウ地方のチャンピオンであるシロナが使ってくるイメージが強い。

 

「ガァァァ!」

 

「ぐっ、は……!?」

 

 マッハの名の通り凄まじいスピードでハジメに迫り、体当たりを食らわせた。魔物攻撃耐性があるとは言え、速度の乗ったその威力に体がミシリと嫌な音を立て、大きく吹き飛ばされる。

 

「ガッ!? オオオオオ!!」

 

 相棒が吹き飛ばされたことに驚きつつも、“ロケットずつき”で反撃するサイホーン。背後からの攻撃で思わずよろめくガブリアスだったが、すぐに立て直す。

 

「ガブウウウ!」

 

「ゴアっ!?」

 

 そして放つ“ドラゴンクロー”に、サイホーンは予想以上のダメージを受けた。

 

「ぐ、くうっ、錬成っ!」

 

 痛みを堪えて立ち上がったハジメが、“穴を掘る(人間ver)”で足止めしようとするも……。

 

「ガァブ!」

 

「げっ! “すなかけ”……って、(いった)い目がぁぁぁ!」

 

 砂を掛けられて軽くあしらわれた。

 

 そしてハジメが下した決断。それは……

 

「サイホーン、戦略的撤退!」

 

「グオオッ!」

 

 流石のサイホーンも勝てないと悟ったのか、ハジメの案に賛成した。

 大急ぎでガブリアスから離れようとするハジメ達。ところが、奴は最後にとんでもない攻撃をする。

 

「ガァァァァ……!」

 

「え? 何で口にエネルギー溜めてるの? 明らかに“りゅうのいぶき”じゃないよね!?」

 

「ガァッ!!」

 

「ちょ、ま、それ“はかいこうせん”……ギャアァァァァァ!?」

 

「グオオオオオ!?」

 

 直撃はしなかったものの、ハジメ達はその衝撃で大きく吹き飛んだ。

 幸運だったのは、その吹き飛ばされた先が次のエリアに続く道だったことだろう。

 




勝ち進むばかりではマンネリ化しそうなので、今回は敗北シーンも混ぜてみました。ラストは少しギャグっぽかったかな……? ギャグのノリが苦手な人は申し訳ありません。

次回は奈落探索の後編。毒のエリアと森のエリアになります。
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