ムゲンダイナが吠える。その巨体も相まって強風が発生する。
「サイドン、行くよ!」
「ゴルーグ、皆を守って!」
それぞれがポケモンを繰り出していく。ハジメの脳内に、ムゲンダイナの情報が引き出された。
「ムゲンダイナのタイプは、毒・ドラゴンタイプだ!」
「ならゴルーグ、“れいとうパンチ”!」
ゴルーグが足からジェット噴射してムゲンダイナに接近、冷気を纏った拳を振るおうとする。しかし……その冷気が消え去ってしまう。
「ゴルッ!?」
「え!? なんで……」
「近距離が駄目なら遠距離だ! ガルーラ、“れいとうビーム”!」
幸利のガルーラが口から光線を放とうとするが、まるでガス欠を起こしたスプレーの如くプスンと音を立てて不発に終わる。
「何だぁ!? 技が出せないぞ!」
「まさか……!」
ハジメが周囲を見渡す。ムゲンダイナの放つエネルギーが周りを巻き込んで渦となっており、瓦礫が舞っている。そのエネルギーに含まれる赤い粒子をハジメは見た。
「ダイマックスエネルギー!? それだけじゃない、ムゲンダイナの特性は確か『プレッシャー』……。エネルギーと特性が噛み合って、技の発動を阻害してるのか!?」
「そんな……!」
「ふははは! 貴様らの敗北は既に決定していたのだ! それだけではない。見るが良い」
魔法で滞空しながらハジメ達を嘲笑うエヒト。巻き起こる竜巻は稲光も帯びているが、その中に幾つか不思議な現象が起きていた。それを見たシアが思わず声を上げる。
「今、フェアベルゲンが見えたような?」
「あ、また光った。今のって、エリセンじゃ……?」
明滅する光は、さながら窓のように数々の光景を映し出していた。フェアベルゲン、エリセン、ブルック、ライセン大峡谷やグリューエン火山などなど……。あまりにも異様な光景に、香織達は戸惑い、動きが止まってしまう。
「何なのこれ……!」
赤い鎖によってダイマックスエネルギーを無理やり放出されている影響で、周囲の空間が歪んでいる状況となっていた。
更に悪いことに、その映し出されている光景には共通する事があった。
「おいおい、ポケモンが巨大化してやがる!」
様々な場所で、ポケモン達が巨大化し今にも暴れそうな状態となっていた。勿論これは、ムゲンダイナが放出しているエネルギーと、ゲームではガラル粒子と呼ばれる物質がばらまかれた影響である。
一方のエヒトも、各地のポケモンが巨大化……ダイマックスを起こしていることに、少し目を開いて居た。
「ほう、此奴にそんな力があったとは……。少し予想外ではあったが、しかし……」
エヒトは心底おかしそうに嘲笑う。
「我に楯突かなければ、このような事にならずに済んだであろうなぁ?」
「どちらにせよ戯れで世界を破壊する気だったくせに……!」
ハジメが負けじと睨むが、内心は焦っていた。
「(クソッ! ザシアンとザマゼンタが来るまで持ち堪えられるか……?)」
力を溜めつつあるムゲンダイナと、各地に現れたダイマックス化ポケモン。トータス壊滅まで秒読みとも言える状態であった。
「諦めないで、後輩くん!」
場に響いた女性の声。それと共に響く地鳴り。
「この声は……まさか!」
ハジメ達が振り返ると、其処には……巨人を引き連れし王と、それを相棒とする者がいた。
「やっとお前を殴れるよ、
「レ、ジ、ガ、ガ……!」
「ミレディさん! ……って、レジギガスに迷宮のレジ達!?」
「貴様……! 反逆者の小娘に反逆の巨人共……!」
『勇者たちよ』『我々も居るぞ』
後ろにレジギガス達が現れたなら、今度は前に乱入者は現れる。それは、かつて『黒き災厄』を打ち払いし剣と盾の化身。シアは感激の声でその名を呼ぶ。
「ザシアン様! ザマゼンタ様!」
『黒き者よ。かつては敵であったが……』
『偽りの者の傀儡となったのならば、その鎖……打ち砕くとしよう』
『偽りの神よ。ようやく姿を現したな』
空に響く声。見上げると、其処に居たのはかつてハイリヒ王国を守るために敵対した、破壊の化身。
「おいおい……。イベルタルまで来やがった!」
『言った筈だ。次に姿を現すのは、偽りの神を討つ時だと』
ハジメ達と出会い、戦い、対話した者達がいま、共通の敵を討つために集まった。
書きたかった展開の1つを書けました。
レジギガス&レジ系&ザシアン&ザマゼンタ&イベルタル&ハジメ達(ミレディ含む) vs ムゲンダイナ&エヒト、ファイッ!
※なお、ハジメ側の戦力はかなり増えるものとする。エヒト側は1人のみ増えるものとする。