ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

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長らくお待たせしました。当初は本編→閑話の順番で投稿しようと思っていましたが、投稿期間が空きがちな関係上、纏めようと言うことで、今回も閑話になります。
色々とポケモンの情報が出ましたね。ポケマスでゼイユとスグリが実装なって狂喜乱舞な私です。


閑話∶伝説の大戦(その3)

 シュネー雪原にも、ダイマックスエネルギーが伝播していた。しかしこの場に君臨したのはキョダイマックスポケモンではない。

 

「ゴゴゴゴゴゴ…………!」

 

 低く唸り声を上げるのは、ヒスイの姿と呼ばれるクレベース。しかも、群れの中でも最高齢且つ最大級の体高を誇る個体であった。それがダイマックスエネルギーの影響で更に巨大化したのである。

 

「グ……ゴ……」

 

 巨大化ゆえの困惑があるものの、暴れる事はない。しかし一歩踏み出す度に吹雪と同等の雪が舞う。

 

『おいゴラ』

 

 雪原に、怒りを含んだ低い唸り声とテレパシーが同時に響く。ヒスイクレベースが目を向けると、そこには1匹の龍が居た。

 

『俺様の縄張りを……荒らすんじゃねぇ!!』

 

 “おたけび”を上げた後、キュレムは力任せにヒスイクレベースの頭を地面に向けて殴りつけた。体格差はあるもののキュレムは素のスペックが高い。殴られたことでヒスイクレベースは口を開け苦悶の声が漏れそうになるが、キュレムは容赦しない。

 

「ヒュウラァァァァァァ!!」

 

「グ、ゴ、ガァァァァァ!?」

 

 開けられた口内に向けて“はかいこうせん”を放つキュレム。放たれる光線はそのまま色が変わり、破壊光線並の威力を誇る“りゅうのいぶき”へと昇華した。体内への直接的なダメージに、ヒスイクレベースも悲鳴を上げるしか無い。

 

『あのクソ野郎がブチのめされるまで寝てろ!』

 

 キュレムは試練を乗り越えた者たちを頭に浮かべつつ、そう吐き捨てた。

 

 

 

 

 

 シアの故郷であるフェアベルゲン。そこでは、静かな混乱という矛盾めいた事態が起きていた。

 

「ンゴォォォォン…………」

 

 重低音が森全体に響き渡る。その音量に思わず耳を塞ぐ亜人達だが、音が鳴り止むと、シアの父であるカムとその他の亜人達はその発生源を見つめる。

 

「どうしたものか……」

 

「まさか……カビゴンがあんなに大きくなるとは」

 

 彼らの視線の先に居るのは、いねむりポケモンことカビゴン。しかしその姿はダイマックスエネルギーの影響によりキョダイマックス化。寝そべった腹部からは巨木が生えている。

 

「これ……避難した方が良いのか?」

 

 突然のキョダイマックスポケモンの出現に、最初こそ大騒ぎになったフェアベルゲン。しかし、何時まで経ってもキョダイカビゴンは攻撃や暴れる様子がなく、ただ寝転がってあくびをするのみ。被害はせいぜい、カビゴンの周囲にある樹木が折れたくらいであろう。

 その光景に、困り果てたポケモン達も居た。

 

『むう、これは……』

 

 唸り声を上げるのはコバルオン。ザシアンとザマゼンタがムゲンダイナとの戦いに向かい、フェアベルゲンの守護を任された聖剣士ポケモン達。空が赤く染まり、カビゴンがキョダイマックス化した瞬間を目の当たりにし、3匹はそれぞれ身構えた。

 

『これ起こしたら却って大惨事になるよな?』

 

『寝ているカビゴンは、道を塞ぐ程度の害しかありません。ですが眠りから覚めて活動的になると、彼の怪力は脅威となるでしょう』

 

 テラキオンとビリジオンも困ったように顔を見合わせる。暴れてもいないポケモンを無理やり起こして倒すというのは、彼らにとって気が引ける思いであった。

 

 その時、聖剣士たちとは異なる声が響いた。

 

『脅威となれば戦えば良い。そうであろう』

 

 コバルオンが振り向くと、そこには自分たちと同じ数、3匹のポケモンがいた。

 1匹は、茶色い体毛に覆われ、噴煙を思わせる鬣を持つ獅子。    

 1匹は、黄色い体躯と鋭い牙を持ち、雷雲を思わせる虎。

 1匹は、水晶を思わせる形の角を持ち、波打つような鬣を持つ豹。

 

『エンテイ殿、ライコウ殿、スイクン殿』

 

『我らの主が目覚めた。今はゼルネアス殿と会談している』

 

 三犬とも呼ばれるエンテイ、ライコウ、スイクンの主。その名はホウオウ。かの者は、同じく生命と関わりのあるゼルネアスに会いに来ていた。それに従い3匹は待機。聖剣士達と顔合わせに来たのである。

 

『偽神め。あやつが巨体の龍を無理やり操ることで、この地が乱れようとしている』

 

『いざとなれば、私たちも駆けねばなりませんね』

 

 ライコウとスイクンが空を睨んだ。

 

 

 その頃。フェアベルゲンの大迷宮の最奥にて。

 

『そう、ですか。彼にはやはり別の魂が……』

 

『口惜しや。かの魂は善良なる者。氷の迷宮にて敢えて悪を振る舞い、そして偽神の使いの凶刃に躊躇うことなく友を庇った。かの魂もまた勇者と言えよう』

 

 2匹が寂しそうに呟くのは、今は亡きゼンセの事。ゼルネアスは怒り狂うイベルタルを相手する際にハジメと共闘した。そしてホウオウはと言うと、1つの魂が天へと昇るのを見た。そしてその経緯を察したのである。

 

『貴方はハジメを見ていたのですか?』

 

『うむ。何処となく予感がするのだ。彼の冒険は……偽神を討つだけでは終わらぬと』

 

 ホウオウはそう言うと、ハジメ達が戦っている場所へと目を向けたのであった。

 

 

 

 

 

 そこは、未だに誰も上陸したことの無い孤島。空から見れば、まるでドーナツのように中央にポッカリと穴が空いたその島は、周囲に複数の渦潮が発生している。

 何かが眠るかのように存在するその島の上空を、3匹のポケモンが旋回していた。大迷宮を巡っていたハジメ達の前に立ちはだかり、試練としてのバトルを繰り広げたファイヤー、サンダー、フリーザーである。彼らは、この島で眠る者の従者。その眠りを覚ますためにやって来たのだ。

 

『時は来ました』

 

 フリーザーが主にテレパシーを送る。元は何の変哲も無いこの島は、エヒトに惑わされた人間たちの争いが切っ掛けで変貌した。

 

『今、時代は変わろうとしています』

 

 サンダーが鳴き声を上げた。繰り返される人間達の惨劇に、主は失望した。そして怒り狂い、この島の地形は変わり果てたのである。

 

『どうか、お目覚めください』

 

 ファイヤーが祈る。この島の主の目覚めを。

 

 彼らは飛び続ける。自分らが与えし試練を乗り越えた人間が居る事を、主に知らせる為に。

 ハジメ達と戦ったのも、彼らを見定める為。もしハジメや光輝などの地球組だけで戦っていれば、ポケモンバトルに勝てたとしても彼らは主に伝えなかった。トータスの者達と異世界人が共闘すること。それが合格ラインだったのである。

 だが実際に戦ってみれば、異なる世界の人間同士だけでなく、この星に生まれ育ったポケモン達とも共闘して、自分達を負かしてみせた。文句無しの合格を、ハジメ達は知らずに3匹から勝ち取っていたのだ。

 

 島の中央。外洋から内陸へと流れ込む海水溜まりの中で眠る者。その名はルギア。

 

『ほう……。そうか、世界が変わろうとしているか』

 

 偽りの神に惑わされ、争いを繰り広げ、海を荒らした人間たちにルギアは失望した。怒りのまま人間達に力を振るい、そのままこの島にて眠りについた。

 

『ふて寝をしている場合ではないな』

 

 ルギアは過去の己を恥じるように苦笑すると、翼を広げる。大きく1回だけ羽ばたき、海面から飛び出した。

 

『やれやれ。カイオーガめ、やり過ぎだ』

 

 遠くに見える荒れ果てた海を見て呆れ、そして従者たちに視線を向ける。

 

『感謝しよう。さぁ、時代の変化を共に見届けようではないか』

 

『『『はっ!』』』

 

 海の神、火の神、雷の神、氷の神。空を舞う四神が翼を広げて鳴き声を上げた。




LegendsZ-Aのカラスバ登場シーンを見た感想
「Xとかpixivで、龍が如くとか極主夫道のパロディイラストが出るだろうなぁ」
※案の定、龍が如くパロとか結構見かけました。
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