それと申し訳ありません! 前話の後書きでステータスプレートまで行くと言いましたが、話の区切りの良さで其処まで行けませんでした……。サブタイトル通り、ハジメが見たものについてです。
その日の夜。国から与えられた部屋に居たのは、ハジメと香織、そして幸利と遠藤浩介だった。
彼もまたハジメとはオタク仲間なのだが……悲しい体質があった。
「ご、ごめんって浩介ぇ……」
「幸利の隣に座ってたのに……気付いてくれなかった……」
「その、ごめんな?」
「幸利お前、そんな苦笑いで謝るなよぉ!? 余計悲しくなるわ!」
実は、イシュタルが世界について説明していた時に幸利の隣に座っていたのだが、ハジメや幸利は全く気付いていなかった。そう、彼は自動ドアにも反応されにくいほど影が薄いのだ。
「白崎さんは!? 白崎さんは気付いてたよな!?」
「……………………」
「ですよねぇ! ハジメに夢中だったもんなチクショウ!」
すっかり浩介はいじけてしまったが、取りあえず話を戻そうとハジメが咳払いすると、先程までのコント染みた空気が払拭された。
「で、皆から見てどう思う? この世界の状況」
「どう考えてもヤバいだろ。国王との謁見見たか? 国王が教皇の手にキスしてたぜ?」
「宗教が権力持ってるなんて、大変なことになるよ……」
「愛ちゃん先生も、それに薄々気付いてたから反対したんじゃねえの?」
愛ちゃん先生とは、畑山愛子のあだ名である。すると幸利は苦々しい表情をする。
「それなのに天之河の奴、参戦を決定しやがって……」
「現状は乗るしか無いんだろうよ」
「浩介……天之河がその理由で賛同したと思ってるのか? あの『困ってる人見捨てられないマン(笑)』だぜ?」
「思えないな。この世界の人たちをマジで助けるつもりだな、絶対に」
「八重樫さんが賛同したのは意外だったけど……」
「ううん、きっと雫ちゃんは気付いてたよ。その上で乗るしかないって思ったんじゃないかな」
幸利と浩介の言うように、天之河光輝は魔人族との戦争に賛成してしまった。よりによってクラスの代表が、だ。
それに乗るように龍太郎や雫も賛成したことによって、クラスメイト全員が参加になった。ハジメとしては本当は強く反対したかったが、それによって教会からどのような仕打ちを受けるか分からない。更に、争い事を嫌う香織を危険な目に遭わせるよりかは、衣食住を保証されるために賛成するしかなかった。
だが、もう一つ気掛かりなことをハジメは感じていた。
「……ハジメくん? どうしたの?」
「……みんなには、言わないといけないことがあるんだ」
普段見せないような声と表情で、思わず生唾を飲み込む男子2人。
「この世界には、ポケモンがいるかもしれない」
その発言に、3人は目を見開いた。
「え、ちょ、はあっ?」
「おいおいハジメ、冗談キツイぞ? ポケモンはお前が描いている想像上の……」
「この状況で冗談なんて言えるもんか。僕は本気でそう思ってるよ、幸利」
「ど、どうしてそう思ったの?」
「みんな召喚された時に、周りにある絵画に気付いてた?」
「あの、人間みたいな奴が腕を広げてる絵か?」
「それもだけど、実は天井にも絵があったんだ」
「私は気付かなかったけど、もしかして其処に……?」
「うん。問題は、描かれてるポケモンだ。まだ投稿サイトには上げてなかったけど、僕の頭の中にしっかりと設定がある」
「……どんなポケモンなんだ?」
ハジメは大きく深呼吸して、そのポケモンの名を告げた。
「アルセウス」
「アル……セウス……」
「『そうぞうポケモン』。それは、宇宙を生み出した存在。混沌のうねりの中にある卵から生まれ、時間を司るディアルガ、空間を司るパルキア、そして反物質を司るギラティナを生み出した存在だ」
「ま、待て待て待て! つまり、創造神って事かよ!?」
「そう言うことになる、かな」
「お前の夢の中には、創造神のポケモンまで居るのかよ……」
「でも、イシュタルさんは、エヒトって神様が創造神だって言ってなかった?」
「そうだぜ。まさか、エヒトが神だってのも嘘じゃないのか?」
「浩介、しーっ! 誰が聞き耳立ててるか分からないから!」
「わ、わりぃ」
衝撃的な発言に動揺したが、全員何とか落ち着きを取り戻す。
「僕が夢の中で見たアルセウスは、何も完璧と言う訳じゃない。巨大隕石を破壊するときにもダメージを受けてるし、人間から騙されて攻撃されるなんて光景もある」
「そうなの? でも、どうしてその話を……」
何度目の衝撃発言だろうか。ハジメは真剣な表情で、その絵画の内容を言葉にした。
「アルセウスがエヒトに倒されるという絵だったんだ」
唖然とする3人。ハジメが「想像でしかないけど」と付け加えたが、それでも衝撃的すぎた。
「とにかく、この世界はかなり危ないかもしれない。今は慎重に動いた方が良いかもね」
「あ、あぁ。そうだな……」
こうして、話し合いは終わった。
異世界召喚という超常的な展開があったため、精神的な疲労がある。明日からはステータス確認というものがあるため、それぞれの部屋へと戻ることにした。
「……ハジメ君」
「ん? どうし―――」
その瞬間、香織はハジメにキスをした。それも頬ではなく唇である。
「……ふふ、少し安心できたかも。おやすみ!」
「お、おやすみ……」
呆然とするハジメに、幸利と浩介が取った行動は……。
「「リア充まじマルマイン」」
「2人して両手で中指立てないでよ!? ポ〇テピピックの表紙みたいだよ2人とも!? あと変な言葉作るなー!」
「リア充まじマルマイン」とは、清水と遠藤が作った、リア充爆発しろのポケモンバージョンです。
次回こそ、ステータスプレート回です。原作とはちょっとステータス内容が違うかもしれません。