ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

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お待たせしました。ポケモンスカーレット&バイオレットの新ポケが公開されてウキウキな私です。バイオレットの機械チックなフォルム、惚れました。けど気になるのは、ポケモンシリーズではお馴染みの悪の組織。どんな集団が出てくるのでしょうか?


再会、友よ

 まさか探していた友人が居るとは思わず、驚いてしまうハジメ。だが、彼の様子を見てすぐに我に返った。清水は体の所々に包帯が巻かれているという、痛々しい姿だったのだ。

 

「あんな状態でレイスポスと戦うなんて無茶だ!」

 

『ましてや激昂している状態だ! 危険すぎる!』

 

「ど、どうするんだよ南雲!」

 

 清水が居たことに驚きつつも絶体絶命なことを察している相川昇が、膝を震わせながら叫ぶ。

 

「戦うしかない! ダメージを与えて落ち着かせれば、バドレックスの言葉にも耳を貸す筈だ!」

 

「戦うって言ったって……!」

 

 優花が、怯えを隠すかのようにシェイミを抱き締める。

 

「ミッ……」

 

 シェイミは主人の姿を見ると、彼女の腕の中をモゾモゾと動いて抜け出した。そしてレイスポスを見据える。

 

「シェイミ! 危ないわよ!」

 

『ほう、感謝の象徴たる者か。恐らくだが、お主を守ろうとしているのではないか? 小さいながらにして、勇敢な奴よ』

 

「ハジメさん、ユエさん! 私のアブソルで行きます!」

 

「アァブ!」

 

 シアがモンスターボールを投げて、アブソルを出す。ハジメのサイホーンでは近くに水があるため無闇に動けず、ユエのゴルーグではその巨体ゆえに足場が崩れる恐れがあるからだ。

 すると、女性がこちら側に気付き、遅れて清水もハジメ達を見る。ハジメと幸利の目と目が合った。

 

『レイスポスよ、こっちを向け!』

 

「ブルルゥ!」

 

 バドレックスが大声で呼び掛ける事で、レイスポスがハジメ達の方を向く。

 

「アブソル、“つじぎり”です!」

 

「アブ!」

 

「ブルァァァン!!」

 

 アブソルが技を発動しようとするが、レイスポスは前足で踏もうとしたり、後ろ足で蹴ろうとするなどむやみやたらに暴れまわっている。

 

『あ奴め、“あばれる”状態になっておる。無闇に近付くと危険である!』

 

「園部さん! シェイミに念じるんだ!」

 

「え? えぇ?」

 

「ポケモンと繋がると、自然と頭の中で理解できる。シェイミがどんな技を使うのか」

 

 ハジメの言葉に困惑する優花。だがユエの後押しもあって、優花は祈るように目を瞑る。

 

「(シェイミ……あなたはどんな力を持ってるの……?)」

 

 その時、暗闇の中に光が射し込むような、そんなイメージが起きた。

 

「シェイミ、“にほんばれ”!」

 

「ミィッ!」

 

 シェイミの真上に日の光が射し込む。すかさず優花は指示を飛ばした。

 

「そのまま、“ソーラービーム”!!」

 

「ミィィィィィィ!!」

 

 優花が相手に向かって指をさすと、シェイミの体は一気に光り輝き出した。そこから一気に放たれた黄色の光線がレイスポスを襲う。

 

「ブルアァァァン!?」

 

 レイスポスは強力な光線で大きく怯み、更に“あばれる”攻撃の影響で疲弊したようである。そのまま力無く頭を垂れた。

 

『落ち着いたか、レイスポスよ』

 

「バルルル……!」

 

 弱々しくはないが、先程に比べるとだいぶ落ち着いたようだ。

 

『ブリザポスよ、一旦レイスポスに乗り換えるぞ』

 

「ブルッ!」

 

 バドレックスが乗り移るが、その時にテレパシーが解けたのか、愛子が元に戻った。

 

「はふぅ。バドレックスさんのお友達が帰ってきて何よりです」

 

「あっ、戻った。ていうか先生、覚えてるんですか!?」

 

「はい。こう、テレビで見ていたかのような感じで」

 

「(やっぱり、天職の関係なのかな?)」

 

 ハジメは愛子とバドレックスの相性を考察しつつも、探していた友人の元へ向かう。彼に気付いた清水も、驚きで目を見開きつつも、ゆっくりと歩いていた。

 

「幸利!」

 

「ハジメ!」

 

 互いにハグをする。怪我している影響か清水は少し呻くが、それでも言葉を続けた。

 

「馬鹿やろう……! 帰ってくるのがおせぇんだよ……! 死んだかと思ったじゃねえか……!」

 

「こっちの台詞だよ……! 行方不明って聞いて、心配したんだからな……!」

 

 2人の傍らでは、ユエとシアが男の友情に涙をホロリと流し、愛子たちも感慨深そうに笑顔で何度も頷いていた。

 

 

 

 

 

 その後、ハジメが代表して清水に質問をしていた。

 

「何で、先生の元を離れたのさ?」

 

「元々は離れるつもりは無かったんだよ。だけど――魔人族に勧誘されてな。それに乗っていた」

 

 その言葉が、全員を驚かせた。問い詰めたのはクラスメイトである。

 

「清水、あんたまさか裏切ったの!?」

 

「な、何て勧誘をされたんだ!?」

 

 それを制したのは愛子であった。

 

「落ち着いてください。……清水くん。魔人族の勧誘に乗ったとしたのなら、それは何故ですか?」

 

「正確には乗ったんじゃない。乗った()()だ。向こうは『お前こそが勇者になれる』とか『お前はここで才能を埋める存在じゃない』とか言ってたけどよ、明らかに見下してるのは分かってたからな」

 

「では何故……」

 

「気になってたんだよ。魔人族がどうやってポケモンを操っているのか。ハジメ、お前やその仲間が持ってるのってモンスターボールだろ? 前に教えてもらった絵と比べて、デザインは違うけどよ」

 

「うん。オルクス大迷宮の創造者が発明したみたいだ」

 

 それは、遠回しにオルクス大迷宮を攻略したと言ったことであり、クラスメイト達は驚いた。だが清水はニヒルに笑うだけだった。

 

「攻略してやがったか。まあポケモンバカのお前なら出来そうな気がしてたさ。……悪い、話が逸れた。それで、魔人族に紛れ込んで、奴らがポケモンを操る方法を探っていた訳だ」

 

 そして彼は、その方法を見つけたのだと言う。

 

 

「ハジメ。()()()()()って、何か分かるか?」

 

 




はい、清水は魔人族に潜り込んでスパイをしてました。そして判明した、ポケモンを操る方法。まさかの『アレ』です。
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