ステータスに関してはかなり迷いましたが、色々と考えた結果、こうなりました。
追記:ラストのアイテム名、間違ってたので直しました。本当に申し訳ありません!
翌日。ハジメ達は城の敷地内の広場に集まっていた。教皇イシュタルが言うには、地球出身のハジメ達はトータスの人間に比べてかなり力が強いらしい。更に特別な力もあるらしく、それを明らかにするためにステータスプレートと言うものを配るという事だった。
全員に銀色の小さな板が配られると、騎士団長のメルド・ロギンスが説明した。
「全員渡ったな? このステータスプレートは身分証明にもなるから、失くすんじゃないぞ?」
「(再発行できるアーティファクトって、価値が薄く感じちゃうなぁ)」
ハジメの中のアーティファクトとは、大昔に作られた神聖な道具というイメージだ。この世界でも概ねその通りなのだが、ステータスプレートは再発行できると言うため、ありがたみが薄い。
「小さな針があるだろ? 其処に軽く指を刺して、魔方陣に血を垂らしてくれ。そしてステータスオープンと言えば、能力が表示されるからな」
なお、メルド曰く「これから戦友になるのに他人行儀はむず痒い」との事。気楽に接してくれる方がハジメにとってもありがたかった。
「(さて、この世界における僕はどれくらいのものか……)」
針の痛みに少し顔をしかめたが、血を一滴垂らしてステータスオープンと声にする。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル1
天職:錬成師、魔物学
筋力:15
体力:???
耐性:10(+???)
敏捷:10
魔力:10
魔耐:10(+???)
技能:言語理解(真)、錬成、回避行動、背面取り
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ハジメはポカンとした。何故か体力は「?」になってるし、耐性と魔耐に至っては条件で追加されるかのような表記になっている。言語理解も、他のクラスメイトと違って「(真)」と付いている。
「ステータスは日々の鍛錬で上昇するし、魔法や魔法具でも上げることが出来る。また、魔力の高い者は他のステータスも高い傾向にあるが、これは魔力が他のスペックを無意識的に補助してるのではないかと言われているな」
「(すみませーん、魔力が低いのに体力が表示されないのは何故ですかー?)」
「あと、お前たちには専用装備を選んでもらうから楽しみにしておけよ! 救国の勇者御一行だから、国の宝物庫も大開放だ!」
「(およ、専用装備? 国の宝物庫なら、何かポケモンに関する道具があるかも。それこそ“たいせつなもの”みたいな道具が)」
「次に、天職についてだ。これは言うなれば才能と言うやつだ。ステータス表記の一番下にある『技能』って奴と連動していて、その天職に関して無類の才能を発揮する。天職持ちは少なくて、戦闘系と非戦闘系に分けられるんだが、戦闘系の天職は本当に希少だ。万人に一人という割合だと思えば良い。それに比べれば非戦闘系は百人に一人ほどの割合だが、それでも少ないな。天職持ちだけで凄いとも言える」
「(おっと、僕は非戦闘系か。まぁ死にたくないし、香織を泣かせたくないから良いんだけどね)」
「各ステータスは、まぁ見ての通りだ。レベル1の平均は大体10くらいだが、お前達なら数倍から数十倍は高いだろうな! さて、ステータスを確認したら俺に報告してくれ! 訓練の参考にするからな」
そうして最初に報告したのは、我らが勇者(笑)の光輝である。
何と彼は、全ステータスが100な上に、天職は「勇者」というまさに主人公ステータスであった。更に技能も、限界突破とか全属性耐性など、チートofチートと言えるような能力ばかりである。
「ほぉ、レベル1の段階でこれか。技能も普通は2つか3つくらいなんだが……流石だな!」
「いやぁ、えへへ……」
そして、次々とクラスメイト達がメルドに報告するが、聞く限りでは誰もがチートを持っている。それは香織や幸利、浩介も例外ではなかった。
「(いよいよ僕の番か……。こう言うのはコソコソしたら負けだ。堂々としてないとね)」
「お、最後は坊主か。どんなステータスだった?」
「こちらです」
メルドに見せると、「ん? 見間違いか?」と呟きながら、ステータスプレートを何度も見る。最後の最後で平凡と異常が混ざったような数値を見せられて困惑してるのかもしれない。
「錬成師と言うことは、鍛冶か。だが魔物学……初めて聞くな」
「そうなんですか?」
「あぁ。体力も数値化されてないし、耐性にプラスが付いているのも気になる。言語理解(真)と言うのも初めて見たな」
「あの、僕ほかの人に比べて筋力の数値が低いから、訓練とか参加しても付いていけるかどうか……」
「そうだな……。坊主はサポートに回ることになるだろうから、図書館の使用許可などを申請してみよう。戦いというのは腕っぷしだけじゃなく、参謀役も必要だからな」
「ありがとうございます」
一礼してから、集団へ戻っていくハジメ。周りが何かヒソヒソと言っているが、無視するのが賢明だろう。
「おい南雲! お前、訓練に付いていけないってことはステータスしょぼいんだろ? 見せてみろ、よ!」
「ちょっ!」
突然、檜山かニヤニヤしながらハジメのステータスプレートをひったくった。そしてステータスを見た瞬間にゲラゲラと笑い出す。
「ギャハハハ! おいおい筋力15とかしょっぺぇ~! 耐性も魔力も低いし、体力なんて酷すぎる数字だから表示されねえんじゃねえの? ギャハハハ、腹いてぇ!」
「天職も錬成師とか、戦えねえ役立たずじゃねえかよ! ギャハハハ!」
更にその取り巻きまでもが、檜山と共に笑いだす。その光景に香織が動こうとしたが、それより前に愛子が動いた。
「こらー! なに人のことを笑ってるんですか! 先生許しませんよー!」
だが、あまりに威厳の無い姿に毒気を抜かれた檜山は、舌打ちしてハジメにステータスプレートを投げ返した。何とかキャッチすると、愛子が近付いてくる。
「南雲くん、大丈夫ですよ。私も非戦闘系の天職ですし、お互いに頑張りましょう!」
そう言ってステータスプレートを見せてくれたが、魔力は100もあり、技能は「天職:作農師」に関連した物が10個以上もあるため、十分チートである。
「先生、そう言うフォローは却ってキツイです……」
「うぇ!? あ、ごめんなさい!」
何とも締まらない形で、ステータス確認は終わったのだった。
国の宝物庫が開放され、クラスメイト達は思い思いに武器を取っていく。ハジメは、檜山達に「非戦闘系に武器なんか要らねえだろ」と馬鹿にされたが、それを無視して宝物庫の中を物色していく。
「…………ん?」
ふと目に入ったそれは、ハジメの思考を徐々に驚愕で満たしていった。
「(まさか“コレ”があるなんて! てことは、やっぱり居るんだ!)」
ハジメは、迷いなくそれを取った。馬鹿にされているのを見て心配していたメルドは困惑する。
「ぼ、坊主? お前ほんとうに“それ”を取るのか!? 何時からあるのか分かってない、むしろ宝物庫の中で最も価値がないと言われてる代物だぞ!?」
「大丈夫です、団長。残り物には福があるって言葉が、僕たちの世界にはありますから」
手に取った物を見て、クラスメイト達はクスクスと笑っていた。一部を除いては。
「(ハジメが考えなしに行動する筈がねぇ。この世界にポケモンが居るってんなら、あれはポケモンに関する物なんだろ、ハジメ?)」
ハジメの心の友、清水幸利。
「(ハジメは何か考えがある筈だ。馬鹿にされても構わないと思えるほどの物のはずだ、たぶん!)」
同じく心の友、遠藤浩介。
「(あれは何なんだろう? 後で聞いてみようかな?)」
恋人、白崎香織。
「(どういうつもりかしら? まさか錬成で直すつもり?)」
「(南雲は、あれに何か感じたのか?)」
クラスでハジメの事を馬鹿にしない数少ない人間、八重樫雫と坂上龍太郎だった。
周りの様子を気にせず、ハジメは微笑んだ。
「(来るべき時の為に、持っておかないと。そうだ、あの言葉を唱えてみよっかな)」
ハジメは 朽ちた剣 と 朽ちた盾 を手に入れた!
凄くどうでも良い話ですが、私、病気の関係で薬を飲んでいて、その薬が血糖を上げる副作用があるために、血糖値を計測すると言う経験をしたことがあります。
指先に針を刺して血を少し出して測ると言うものでしたが、刺す箇所によっては凄く痛いんですよね。
ありふれでのステータスプレートの回でも、やっぱりそう言う目に遭ったクラスメイトは居たのか、少し気になりました。
さて、ハジメが手にしたアイテムは何処で役に立つのか?
次回は……檜山達によるリンチか、ホルアド辺りまでを予定しています。
追記:アイテム名を直しました。申し訳ありません。