ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

62 / 146
感想を多く貰い、嬉しくなって本日2話目の投稿です。
今回は、ポケモンと言うよりありふれ要素が多めです。


進展

 光輝や檜山たちに責められはしたものの、大多数がハジメに感謝していたことで場の空気は少しだけ収まる。問題は、此処からだった。

 

「このポケモン達、どうするの?」

 

「それなんだけど……」

 

 ハジメが解放されたポケモン達を見ると、ハガネールはその体をくねらせて地面へと潜っていき、バクガメスはハジメ達に背を向けて洞窟の奥へと消えていった。ゴースト達も暗闇に紛れて何処かへと消えていく。

 

「やっぱりね。元々この大迷宮を住み処にしてたんだ。あの魔人族は、戦力を現地調達してたみたいだね」

 

「だとしたら、元の場所に返すのはテッカニン達とエルレイドか。だけど……」

 

 幸利の視線の先には、浩介にやたらと懐いているテッカニンと、エルレイドに話しかけている雫の姿があった。

 

「魔人族なんかより良いパートナーを見つけたようだな」

 

「2人なら、僕も安心かな」

 

 浩介に懐いているテッカニンは、他の仲間達からも激励されているように見えた。

 ハジメは空のモンスターボールを取り出すと、それぞれに渡す。

 

「2人とも、もしポケモンをパートナーにしたいなら、これに入れると良いよ」

 

「これって、モンスターボールか?」

 

「うん。ボールに入れておけば、いつでも側にいるからね」

 

「ありがとう、南雲くん。エルレイドも良いかしら?」

 

「エルッ」

 

 雫の言葉に力強く頷くエルレイド。解放されたばかりの時は、操られている間の記憶があったのか落ち込んでいた様子だった。しかし雫が励ましたお陰なのか、彼女の手持ちになることを受け入れたのだった。

 

「テッカニン。一緒に行こうぜ!」

 

「テッカ!」

 

 浩介がボールを見せると、テッカニンは自らボールに触れて中に入っていった。ちなみにこの個体は、ハジメ達が迎撃した時にサイホーンの“ロックブラスト”を回避し、浩介によって攻撃を防がれた個体である。

 仲間が1人の人間の手持ちになったのを見届けた他のテッカニン達は、他のポケモン達と同じように洞窟の奥へと消えていった。ハジメはこれに少し驚いたが、真オルクス大迷宮には森のエリアもあったので、どこかに虫ポケモンのエリアがあるのだろうと考えていた。

 

 一方、恵里の元には幸利がやって来た。

 

「ほら、ミミッキュもボールに入れとけよ。鞄とかに隠すの大変だろ?」

 

「う、うん。ありがとう……」

 

「どうした? どっか怪我でもしたか?」

 

「う、ううん! 何ともないよ!」

 

「そうか? なら良いけどよ」

 

 首を傾げる幸利。だが恵里の頬が若干、よく見てやっと気付く程に赤くなっていたのは、誰も知らない。

 

 大多数の生徒がハジメに感謝した為に何も言えなかった光輝は、面白くなさそうにこの様子を見ていた。

 

「(魔物を仲間にするなんて……。雫も遠藤も恵里も、南雲たちに騙されてる!)」

 

 だが、自分が敬意を抱いているメルドすらハジメの味方をしているため、自分の主張を言えないでいるのだった。

 

 

 

 

 

 オルクス大迷宮から出たハジメ達と勇者一行。先頭に立っていたハジメを出迎えたのは、ミュウだった。

 

「お兄ちゃーん! お帰りなさいなの~」

 

「ミュウ! ティオは一緒じゃ無いの?」

 

「ティオお姉ちゃんも一緒なの」

 

「『お兄ちゃんとお姉ちゃんをお迎えする~』って言ってのぉ。入り口で待ってたのじゃが、ハジメを見た瞬間に走り出したのじゃ」

 

 可愛らしい幼女に、美しい和服美人がハジメ達を出迎える様子に、永山パーティーは「南雲と清水のやつ、ハーレムかよ……」と若干嫉妬した。

 

「えーと、香織? 何でむくれてるの?」

 

「美人さんに囲まれて旅してたんだ」

 

「ちょっと!? そのジト目止めてよ!?」

 

 香織も頬を膨らませているが、それを諌めたのはユエである。

 

「嫉妬しなくて良い。ハジメは、貴女の事をずっと忘れなかった」

 

「ユエ、さん?」

 

「ユエで良い。……もう夕方。たぶんハジメは、近くの宿で一泊してから旅を再開する」

 

「え? また何処かへ行っちゃうの……?」

 

「ハジメには、やることがある。それは此処では言えない。貴女がハジメから聞くべき」

 

「……うん」

 

 ユエの予言通り、ハジメはホルアドで休息を取ってからグリューエン大火山へ向かうと話す。それを聞いた香織は、あることを決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 休息のために取った宿。その一室のベッドに腰かけているハジメは、顔を真っ赤にして、鼓動が激しい胸を落ち着かせようとしていた。

 

「(どうしてこうなった!?)」

 

 宿に泊まると決めた時、香織が一緒に泊まると言ったのだ。今まで会えなかった分たっぷりと話をしたいと、理由も付けて。当然ながら光輝は強く反対したのだが、雫と恵里が彼女の背中を押し、結局一緒の宿へ。

 だが、まさか同じ部屋にされるとはハジメも予想外であった。

 

「(ユエもシアとティオも、幸利までニヤニヤしながら見てたよな!?)」

 

 中々良い宿らしく、部屋に風呂が備え付けられていた。シャワールームの扉の向こうからは、恋人が体を洗う音がする。

 

「(……けど)」

 

 再会した時の香織の涙。ハジメにはそれが、強い後悔となっていた。

 

「(……もう、離れたくない)」

 

 シャワーの音が止み、何かに着替える音が少しだけした後、扉が開かれる。

 

「ハジメ君」

 

「かお、り……」

 

 目の前にいるのは、ネグリジェ姿の香織。だがその生地は凄まじく薄い。つまり、そう言うことである。体が火照りそうになるのを抑えながら、ハジメは手招きする。

 

「……おいで」

 

「っ!」

 

 ハジメに抱きつき、暫く胸板に顔を埋める香織。これが夢でないことを実感した彼女は顔を上げると、自然と目をつむり、ハジメと唇を重ねる。

 

「んっ、ハジメ君……本当に、会いたかったよ……」

 

「長く待たせちゃったね……」

 

 一言二言交わす度に、2人は啄むようなキスを繰り返す。

 

「少しムッとしたんだよ? ハジメ君の仲間、綺麗な人ばかりだもん」

 

「まあ、そこは否定しないかな」

 

「むぅ……!」

 

「んむむむむ!」

 

 ハジメの頬を抑えて、ブッチューと再び唇を重ねた。呼吸もままならず、ハジメは少し苦しくなる。

 

「ぷはっ。……これで許してあげる」

 

「ぷはぁっ! もう……。じゃあ、こうするっ」

 

「キャッ!?」

 

 何をされたか分からない。だが気付けば目の前には天井と、顔を赤くして荒い息をするハジメの顔があった。

 

「地球にいた頃はキスで止まってた。けど……」

 

―――そろそろ、次に進まない?

 

 ハジメのその言葉を理解した香織は、ゆっくりと頷いた。

 




本番は書いてないからセーフ……! 本番は書いてないからセーフ……!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。