今回、アンカジ公国について独自設定があります。
「よーし、ハジメ。何で正座されてるか分かるな?」
「……香織とイチャイチャし過ぎたからです」
ハジメと香織が夜を過ごした部屋の前。宿の廊下でハジメは正座されていた。顔は笑っても目が笑っていないのは幸利である。
「いやぁ、良かったよなぁ。地球にいた頃からラブラブで、はよ結婚しろとか言いたい位には想い合ってたもんなぁ。再会して嬉しい気持ちとか分かるし、大人の階段を上るようにセッティングしたのは俺たちだ」
けど、と幸利は続ける。
「一晩どころか延長戦に突入して、1日中部屋でイチャイチャするとは思わなかったなぁ!?」
「いやぁ初めて見る香織の反応に、つい男の性が昂ったと言うか、興奮したと言うか……」
「そこでデヘヘみたいな顔すんじゃねえよ……。ミュウに『ハジメ兄ちゃんはどうしたの?』って聞かれた時は、マジでどう説明しようか悩んだんだからな」
「それは、その……ごめんなさい」
なお、香織は別室でユエとシアに「昨日はお楽しみでしたね」とからかわれて、顔を真っ赤にしていた。
また、「ハジメ兄ちゃんと香織お姉ちゃんのお部屋、変な音がするの~」と口にするミュウを、ティオが何とか気を逸らそうと必死になっていたのは余談である。
幸利によるハジメへの説教もそこそこに、一行は王国を後にした。なお、光輝達にイチャモンを付けられないように夜に出発した。香織が「雫ちゃんだけにでも」と手紙を渡すようにギルドに頼んで。
夜の砂漠。砂嵐が軽くなる時間帯を、ハジメ達は商隊の馬車と共に進んでいた。
「いやー、助かりました」
「いえいえ。此方こそ、金ランクの冒険者に護衛されて一安心です」
砂漠を横断する際に問題となったのは、まだ幼いミュウだった。海人族である彼女は暑さに弱く、砂漠を渡るには危険すぎるのだ。もし自分に『錬成に関するチート能力』があれば、冷暖房完備の車とかを作っていただろうが、車の設計や冷房の仕組みに詳しくないため作れないでいた。
砂漠横断を冒険者ギルドに相談すると、アンカジ公国からやって来たと言う商隊をギルドから紹介された。ハジメの冒険者ランクが金ランクに認められたこともあって、話し合いはトントン拍子に進む。
ハジメ達が護衛する代わりに、商隊はミュウを荷車に乗せて移動する。そんな話だったが、商隊から、護衛をしやすいようにと砂漠を渡るための服を貸してくれたのだ。通気性が良く、だけども夜の砂漠では防寒にもなると言う優れものである。
「この服、魔力が込められてる?」
「よくお気づきで。グリューエン大火山から降る火山灰には、微量ながら魔力が含まれてまして。その灰を混ぜた染料で魔方陣を書いてるのです」
「なるほどのぉ。単なる服の模様ではないと言う事じゃな」
「服に魔法を付与させるって、何だか凄いです! 王国でも見たこと無いかも」
「砂漠を生き抜くためです。その為には、魔法の技術を磨かなければ。だから公国では、幼い頃から魔法を教わるのですよ」
女性陣と商隊の会話を聞きながら、ハジメと幸利は周囲を警戒する。
「今のところ、ポケモンは襲ってこねえな。ナックラーの蟻地獄とか想像してたけどよ」
「それだったらかなり大きな穴だし、見つけやすいかな。けど不自然な土煙にも警戒だよ。メグロコとかフカマルとか、ね」
「分かってるさ」
そうして警戒しながら公国へと進んでいくと、遠くに竜巻のような物が見えた。商隊の1人がその様子を見て首を傾げる。
「あそこは確か、私たちにとって大切なオアシスがある場所です」
「何であそこだけ竜巻が起きてるんだろう? 今は風もそんなに強く吹いてないのに」
「……まさか」
香織の言葉に、ハジメはあるポケモンの姿を思い浮かべた。砂嵐を起こすほどの力を持ち、『砂漠の精霊』と呼ばれることのあるポケモンの姿を。
原因を調査するために、ユエとシア、そしてティオに馬車の護衛を頼むと、ハジメと幸利と香織の3人でオアシスに近付く。そこで彼らは驚きの光景を目にした。
「フライゴン、“りゅうのいぶき”だ!」
「フラァァ!!」
「くそっ! 人間の癖に手強い!」
アンカジ公国の服を着ている青年が、フライゴンに指示を出し、魔人族の操るポケモンと戦っていたのだ。
「あれって、フライゴン? あの人ポケモンと一緒に戦っているってこと?」
「魔人族が操ってるのは……ノクタスか?」
「色々気になるけど、アイツを撃退したら、あのフライゴンと一緒にいる人に話を聞こう! まずは加勢するよ!」
ハジメの言葉に幸利と香織は頷き、オアシスへと走っていった。
ハジメ、まさかの絶〇であることが発覚。まぁ主人公だし? 原作でも結構ユエさんとイチャイチャしてるし? 問題ない……ですよね?
砂漠の横断は結構悩みました。感想でも、ミュウはどうするんだろうと言う意見を頂き、色々考えた結果、商隊と共に行くと言う展開になりました。