ポケットモンスター トータス【本編完結】   作:G大佐

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お待たせしました!
ポケモンSVがもうそろそろ発売になりますね。その間にも、ナンジャモちゃんと言うこれまた人気になりそうなキャラが出てきたり、新ポケモンが発表されたりと、ますます楽しみになってきました。


迷宮へ続く島

 海の大迷宮の情報を聞いたその日、ハジメ達はレミアの家に泊めてもらう事になった。いきなりの大人数で迷惑かとも思ったが、レミアは「娘の恩人ですから、おもてなしさせてください」と折れなかった。

 そう言うことで、彼女の厚意に甘えて一夜を過ごしたのだが……。

 

「ハジメお兄ちゃんと香織お姉ちゃんは、どうして裸で寝てたの?」

 

「「っ!?」」

 

 朝。寝ぼけ眼を洗顔でスッキリしてから朝食の卓に並んだ瞬間、ミュウから爆弾を投下された。驚きのあまりパンを詰まらせそうになるバカップル。幸利は呆れていた。

 

「お前ら……」

 

「ミ、ミュウ? どうしてそんな事聞くのかな?」

 

「朝起こしに行ったら、2人とも裸で寝てたの~。ペチペチしてても起きなかったから、ママに『寝かせてあげなさい』って言われたの」

 

「起こしに来てたんだ……」

 

「しかもレミアさんにも見られた訳だよね……?」

 

 2人が家主を見ると、「あらあらうふふ」と笑みを浮かべていた。その視線は若者を見守るような優しい純粋なもので、2人は却って申し訳なく思った。

 

「もう! ラブラブなのは良いですけど、ミュウちゃんの教育に悪いですよ!」

 

「自重するべき」

 

 シアとユエにも言われては、縮こまる事しか出来ない。2人は小声で「すみません……」と謝るのだった。

 

 

 

 

 

 ハジメ達は長老の案内のもと、そこそこの大きさの船に乗って、迷宮への入り口に繋がる島へと向かっていた。その船を先導するのは、海を跳び跳ねながら泳ぐマナフィである。

 

「マナフィ、楽しそうなの!」

 

「きっと、自分の故郷の海だと本能が知っておるのかもしれんな」

 

 ティオの膝に乗る形ではしゃぐミュウに、微笑む視線を向けるハジメ。だがその笑みの真意を、香織は悟った。

 

「……ミュウちゃんに言わなくて良いの?」

 

「今言ったら、きっとミュウは泣いちゃうよ。少しでも長く過ごさせたいけど……」

 

「その分、別れが辛くなっちゃうよ」

 

「分かってるよ。だから、どうすれば良いか迷ってるんじゃないか……」

 

 メルジーネ大迷宮(海人族たちはアクーシャと呼ぶ)にたどり着き試練を達成すれば、マナフィが案内人となる役目は終わる。その後は海のポケモン達のリーダーとして、大海に残るだろう。

 そうなれば、ミュウはマナフィと別れなければならない。姉弟のように触れあってきた2人には、とても辛いものとなるだろう。

 その現実を告げることが出来ず、ここまで引っ張ってきてしまった。

 

「(中途半端な優しさは、残酷な牙になってしまうんだな……)」

 

 ハジメは自分の失敗を激しく後悔しながら、島への到着を待つのだった。

 

 

 

 

 

 夜。日が沈み、月が見えている。

 

「皆既月食が始まるの」

 

 皆既月食の影響で、夜空が徐々に赤くなっていく。それと同時に、目の前に無かった筈の島がその輪郭を露にしていく。

 

「あそこが、儂らのご先祖様が口伝のみで伝えてきた島。アクーシャへの入り口じゃ」

 

 長老は、人間に教えるのは初めてじゃと言いながらも、船を島へと近付ける。

 

「ミュウ。お前さんは……」

 

「マナフィと一緒に行くの!」

 

「うぅむ……ハジメ殿。マナフィと彼女を無理には離せぬ。どうか……」

 

「分かりました。ミュウを守ることを優先にしますから」

 

 長老には残ってもらい、ハジメ達は森の奥へと進む。鬱蒼としたジャングルだが、川を泳ぐマナフィを追いながら進むに連れて、蔦と苔に覆われた遺跡が見えてきた。

 

「……行こう。ミュウ、僕たちから離れないようにするんだよ」

 

「は、はいなの」

 

 そうして遺跡の中へと進んでいく。遺跡内はオルクス大迷宮と同じ緑光石によって明るくなっており、暗闇で転ぶと言った心配は無かった。

 その進んだ先。そこはまるで地球の大聖堂のように高い天井になっていて、見上げた先には神話と思われる絵が描いてある。

 

「なんだ、こりゃ……」

 

 何千年も時が経ってるとは思えない程の鮮やかな天井絵。全員の感嘆を幸利が代弁する。

 

「見て下さい、右側の絵! あの赤い生き物、グリューエン火山の奥にあった石像に似てます!」

 

 シアが指をさしたのは、激しく噴火する火山とそれよりも大きなグラードンの絵。

 

「青いシャチ……?」

 

 ユエが呟いたのは、グラードンとは正反対の位置にある青を主体とした絵。巨大な波と共に描かれたそのポケモンは、知らない者が見ればシャチと思うかもしれない。

 

「ハジメ君。あのポケモンについて知ってる?」

 

「うん。あのポケモンは、カイオーガ。グリューエン火山にいたグラードンと対を成す、海の化身だよ」

 

「てことは、メルジーネ大迷宮にはこのポケモンの石像があるってことなんだね」

 

「ねぇねぇ、みんな! こっちに大きな扉があるの!」

 

 ミュウの声で大聖堂の奥へと視線を戻すと、そこには魔方陣らしき物が書かれた巨大な扉があった。マナフィはその扉をじっと見つめている。

 

「この扉、大きいだけならユエのゴルーグで開けられそうだけど……」

 

「魔方陣があるってのが、何か仕掛けがありそうだよな」

 

「……ところで、マナフィはどうしてずっと扉を見てるんでしょう?」

 

 全員がマナフィを見ると、そっと彼は目を閉じた。

 

「~♪♪♪~~♪~♪♪」

 

『……♪……♪♪♪……♪………』

 

「わぁ、歌が聞こえるのぉ~」

 

「遺跡が歌ってる……!」

 

「マナフィの歌声に共鳴してるんだ……!」

 

 その瞬間、魔方陣が青く光りながら扉はゆっくりと開かれる。扉の奥は青白く光っており、中の様子は伺えない。

 

「……行こう!」

 

 全員が頷き、扉の中へと入っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(あの天井絵……あの緑色のポケモンは、妾の考えが正しければ……)」

 




今回の話にあった天井絵を見るシーン、ポケモン金銀またはハートゴールド・ソウルシルバーの、アルフの遺跡の内部BGMを脳内で流しながら書きました。

次回はいよいよ、メルジーネ大迷宮。
いよいよ、アルセウスとエヒトの真実が明かされます……!
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